プロローグ
「---お教えてくれまいか…”美食”とは何かね…-」
あるビルの屋上…男はその秀麗な顔を涙で濡らし、夜が明ける東京の空を虚ろな目で見つめながらそう問いかける。
側には彼の友人である少女?が立っていた。
「……知らない自分で考えなよ」
「……」
彼女は彼の質問にこう答えた。彼は何も答えられなかった。
「…ねぇ月山くん」
今度は彼女が彼に問いかけた。
「君は"食材"のために死ねた?」
答えは聞かず言い残すようにして彼女はその場を立ち去る。
あとに残るのは涙に濡れ、虚空を見つめる彼だけだ。
彼は静かに目を閉じた。走馬灯のように嘗ての情景が瞼の裏に映し出されていく。
---彼との出会い、喰種レストランでのあのimpact(衝撃)、血塗れ、荒れ果てた教会、白い百足と化した彼の姿、6区での談笑、花を持っていったときのlittle princessの笑顔(…まぁ”花マン”は少々surprised【驚いたが】)、oh!そういえばこの前の花火大会で皆で観たあの花火は今まで観た中でmost beautiful(一番の美しさ)だった...
どれもこれも僕にとって最高のsweet memories...
そして--最期に見た彼の悲しげな横顔と-------
---『何もできないのはもう嫌なんだ』...この言葉を思い出す。
彼は何を思ってこの言葉を言ったのだろう...。
---ボクニハワカラナイ
あぁ……、時はそれほど経ってもいないのにこれら全てずいぶん懐かしいものに思える。
できるならもう一度あのles jours heureux(幸福な日々)に戻りたい。
---後悔している。それは『食材』を手放してしまったことからなのか?--いや…違う気がする。
だったら何故、僕は後悔している?--今となってもその理由はワカラナイ---。
だが、これだけは分かる。
それほどまでに僕は彼に心酔していたこと...そして----
---彼に会いたい。あの日々を取り戻したい。という願いだ。
---だが…後悔してももう遅い……。全ては終わった。あの日々はもう決して帰って来ない。僕にはもう”居場所”がない。
そうして
もう彼の中には
しかし、それは彼の物語が終わったということと同義ではない。
ここから新たな
東方喰種:MM~美食家が幻想入り~ 始