仮面ライダー龍騎 ~EPISODE Kanon Trilogy~   作:龍騎鯖威武

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間奏曲 ~EPISODE FINAL AFTER~
「終わりと始まり」


 

 

 

 

「死ぬなよ…蓮…!」

 

「お前もな…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

思い返せば、ここで全てが終わり、ここから全てが始まったのかもしれない…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どれくらい時間がたったのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「蓮…」

 

横たわっている青年「秋山蓮」は目を覚まさない。

「仮面ライダー龍騎サバイブ(以下、龍騎S)」は一人で立ち尽くしていた。

ハイドラグーンとの壮絶な戦いの果てに、この世界は結局、壊れてしまった。

 

 

 

この世界で生きている命は唯一人。

 

 

 

 

秋山蓮=仮面ライダーナイト、死亡。残るライダーは1人…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…いや、2人。

 

 

 

 

 

「最後の一人だな」

「お前は…」

そこには今まで見たことのない仮面ライダーがいた。

黄金の翼を髣髴とさせる鎧。明らかに他のライダーとは格が違う事を感じさせる威厳さ。

名を仮面ライダーオーディンと言う。

「14人目の仮面ライダー…?」

「否、私こそ13人目、仮面ライダーオーディン。リュウガは数えられない。奴こそ、イレギュラーの存在「14人目の仮面ライダー」だったのだ」

「戦うのか…?」

龍騎Sがそういうのも仕方ない。今まで自分以外のほぼ全ての仮面ライダーは、自分に攻撃を仕掛けてきた。

 

願いを叶えるために…。

 

愛する者を目覚めさせるために戦った、秋山蓮、仮面ライダーナイト。

頂点を目指し、様々な卑劣を尽くした、須藤雅史、仮面ライダーシザース。

永遠の命を求め、最後には限界で脱落した、北岡秀一、仮面ライダーゾルダ。

運命を変えて命を落とした、手塚海之、仮面ライダーライア。

戦いをゲームのように楽しんだ、芝浦淳、仮面ライダーガイ。

最後まで戦いだけを求めた、浅倉威、仮面ライダー王蛇。

姉を取り戻し、復讐しようとした、霧島美穂、仮面ライダーファム。

更なる力を渇望し続けた、高見沢逸郎、仮面ライダーベルデ。

英雄に憧れるあまり、狂気と化した、東條悟、仮面ライダータイガ。

平穏な幸せだけを求め、ライダーの重荷に負けた、佐野満、仮面ライダーインペラー。

総てを自分の支配下に置こうとした、鎌田槙三、仮面ライダーアビス。

今、目の前にいる新たな存在、13人目、仮面ライダーオーディン。

 

そしてイレギュラーであった、もう一人の自分。14人目、仮面ライダーリュウガ。

 

他者を犠牲にしてまで、叶えたい願いを持った仮面ライダー。

彼らは1人、また1人と願いの糧に散っていき、戦いを望まなかった自分が最後の2人のうちの1人として生き残ってしまった。

自分が願った結末はこんな筈ではなかったのに…。

「そのつもりは無い。私は自分の意志を手に入れた。もう神崎士郎の思惑通りにはならん」

「神崎の…?」

「そうだ。私は神崎士郎が最後のライダーを潰すために用意した存在」

彼の言葉が本当ならば、仮面ライダーの戦いは神崎士郎の狂言。

12人は初めから、この仮面ライダーに消されるため、口車に乗せられていたのだ。

しかし、何故か怒りは湧いてこなかった。

目の前にいる存在は、そのことを好んで行おうとしているようではなかった。

「これを見て思わないか?この惨劇を…」

オーディンが見る先には、荒廃した世界が広がっている。

もう、この世界にオーディンと龍騎S以外の生命体は存在しない。

この世界は死んだ。

「全て、人間が引き起こしたものだ。私は納得がいかない。人の欲望の行く末は破滅。ならば、抑制し、管理する選ばれた者が必要だ…その選ばれた者こそ仮面ライダーなのだ!」

そう言って、デッキから一枚のアドベントカードを引く。

時計が刻まれたカード…。裏で何度も世界をやり直すときに使い続けたカード。

 

タイムベント。

 

「次は…私の望む形に…!」

そう言い掛けたとき…

ズガアアァ!

龍騎Sが、そのカードをドラグバイザーツバイで打ち抜いた。

「貴様…!」

「過ちを犯しても…それを無かった事にするなんて、俺は認めない」

この世界が破滅してしまったとしても、リセットする事を龍騎Sは許せなかった。

それでは、テレビゲームと同じではないか。

「ならば…ここで13人の仮面ライダーの戦いに決着でもつけるか?どうせ、このままでは世界は終わりなのだからな」

淡々としていたオーディンの口調が、一気に凄んだのが分かった。威圧感で押し潰されそうにもなった。

しかし、すぐにその威圧感は消える。

「…いや、オマエは戦うことを望まないライダーだったな。では…こうしよう」

オーディンは、Vバックルからデッキを引き抜き、変身を解いた。

「…!?」

それを見て驚愕した。

 

そこにいたのは霧島美穂、仮面ライダーファムであった女性。

 

ただ、その瞳には生気が感じられない。

「私には実体が無い。デッキが本体であり、死したこの者の肉体を借りているに過ぎない。そして今、この肉体を手放す事により、私は脱落した」

今までの低い男性の声とは違う、霧島美穂の女性らしい声でそういうと同時に、デッキが宙に浮き、霧島美穂は消滅した。

これにより、オーディンの変身者は一時的にだが居なくなった。

 

仮面ライダーオーディン、脱落。

 

 

 

この戦いの勝者は…

城戸真司=仮面ライダー龍騎。

 

 

 

変身が解けた城戸真司の目の前に、光り輝く物体が現れる。

「これが…願いを叶える力…」「1人分の命だがな」

デッキからオーディンの声が聞こえた。

「神崎優衣の命を永らえさせるモノだ。これを手にしたオマエは、1人分の命を手に入れた。これで満足か?」

その言葉のあとに、だがと付け加えるオーディンのデッキ。

「私は、それでは足りない。一人分の命では、私の願いは果たされない!」

そう叫ぶと、デッキは秋山蓮の腰に装着される。

 

オーディンは自分の器を、彼に選んだらしい。

 

「やめろっ!」

城戸真司は傷だらけの手を伸ばし、オーディンのデッキを外そうとする。

なんとしてでも、自分を認めた友が抜け殻の状態であったとしても、彼に利用されたくない。

だが、それは叶わなかった。

「変身」

新たにオーディンの身体を形作った。

「まだ手はある」

「その身体を放せ!蓮を…蓮を返せ!」

そう言って、赤くなった龍騎のデッキを構える。

「変身っ!」

 

城戸真司の体を赤い光が包み込み、龍騎Sへと変えさせた。

 

備えられたドラグバイザーツバイからドラグブレードを展開させ、オーディンに向ける。

「ムンッ!」

ガギィ!

しかし、相手もサバイブの仮面ライダー。しかも最強の「無限のサバイブ」を常時発動している。

効果的な一撃にはならなかった。

「邪魔をするならば、貴様も消す!」

その直後、オーディンの姿は消えた。

龍騎Sが背後に気を向け、ドラグブレードを構えた瞬間…。

ガギイイィ!

「ぐぅっ…!」

凄まじい力が両腕にかけられた。それは、オーディンのゴルドセイバーによるものだ。

「ハアアアアアアアアアァ!」

ガガガガガガガガガガ!

強力な刃を何度も振りかざすオーディン。力と速さを兼ね備え、隙が全く無い。

だが…。

「ドラグランザーっ!」

「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァ!」

龍騎Sの契約モンスター「烈火龍ドラグランザー」が咆哮を上げながら、反撃の出来ない龍騎Sの援護に向かう。

しかし、その攻撃も見抜いていたオーディンは、瞬間移動で避ける。

「くそ…どうして蓮を…!」

「死んだ者の肉体の再利用だ。生きている者ではないのだから、問題は無いはずだ。なぜそこまで拘る?」

「死んだからって…その死者を好き勝手に扱っていい理由にはならない。そいつは…俺の「最後の友達」だ!絶対に返してもらう!」

<<SHOOT VENT>>

ドラグランザーと共にドラグバイザーツバイを構え、「メテオバレット」を放つ。

「はあっ!」

<<GUARD VENT>>

「ヌンッ!」

しかし、その渾身の一撃すら、オーディンには傷一つ付けられない。

 

<<FINAL VENT>>

 

「オマエはここで消えるが良い」

オーディンはこのまま戦いを長引かせる事を好まないのか、早急に決着をつけるべく、最強の一枚を使った。

<<FINAL VENT>>

それを龍騎Sも自身の最大の力で迎え撃つ。

「オオオオオオオオオオオオオオオオォ!!」

「キイイイイイイイイイィ!」

オーディンは雄叫びと共に現れた「ゴルトフェニックス」と一体化し、凄まじい光を放つ。

「はあっ!」

一方の龍騎Sはバイク形態となったドラグランザーに搭乗し、その光の中に飛び込んでいった。

「エターナルカオス」と「ドラゴンファイヤーストーム」。

『龍騎の世界』に存在する最大の威力の技同士。

前も後も分からなくなり、ただ真っ白な世界になった。

 

 

 

死んだのか。

 

 

 

そう思った瞬間…。

 

 

 

「真司君…」

「優衣ちゃん…!?」

 

 

 

その光と爆風の中で、龍騎Sは不思議な体験をした。

 

 

 

それから2年…。

 

大きな大木の下で、倒れている少女に寄り添う少年。

おそらく、少女は転落したようだ。頭部から出血している。

どちらも10歳程度だろうか。

 

「竜…也くん…また…ボクと…遊んで…くれる…?」

 

「何度だって遊ぶよ!あゆに誕生日プレゼントだって…用意したんだよ!?」

 

「うれ…しい…。約…束…ゆび…きり…」

 

「あは…手…も…うごかな…い…。これじゃ…ゆびき…り…できない…」

 

「ほら、これで指きりだよ!約束!」

 

「うん…約…束…だよ…」

 

「ほら…一緒にきらないと…指きりにならないよ…?」

 

「あゆううううううううううううううううううううううううううううううぅ!!!」

 

 

 

少年は気を失い、その身体から幽体離脱のように、もう一人の少年が現れ、歩き去る。

異様な光景だった。

城戸真司はその場に立ち尽くしていた。

 

意識しないうちに、少女と少年に駆け寄る。

「おい、大丈夫か!しっかりしろ!」

両方とも、返事は無い。

ともかく、この場所に2人を置いていけば、どちらも凍死してしまうだろう。

2人を抱え、その場を去った。

山を降りてすぐ近くにあった病院に駆け込み、2人の事を医師に聞いた。

「男の子は、一瞬で極度のストレスが溜まった事で「意識障害」「記憶障害」の恐れがあります。女の子の方は…頭部に深刻な陥没が見られ、このまま「植物人間」になるでしょう…。最善は尽くしますが…万が一の場合も覚悟なさってください」

「そうですか…」

それだけ言うと、城戸真司は病院を出た。

 

外に出た瞬間、目の前に「銀色のオーロラ」が現れ、彼を飲み込んでいった。

 

 





キャスト

城戸真司=仮面ライダー龍騎サバイブ

龍崎竜也
月宮あゆ

神崎優衣

霧島美穂≠仮面ライダーオーディン

秋山蓮=仮面ライダーナイトサバイブ≠仮面ライダーオーディン

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