IS-守るための力-   作:カタヤキソバ

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 第六話更新です! 良いサブタイトルが浮かびませんでした、はい。

 あと、タグの更新をしておきますので、これが要るだろ!というご意見があれば、よろしくお願いします。

 ではどうぞ(*´∀`)つ


第六話 

 波乱を迎えたIS学園入学初日も、そろそろ終わりに近付いてきた。

 

 本音に聞いたところ、俺が寝ている間にも色々起こったらしい。

 まず始めにセシリアが皆の前で自分の態度を謝罪し、皆はそれを受け入れてくれたらしい。と言うのも、戦っている時の話はアリーナ中に聞こえていたから、セシリアが何か事情を抱えていた事は察してくれた様だ。

 もっとも、納得できない人も居るだろうから、それはセシリアの今後の態度で信頼を得るしか無いだろう。

 

 二つ目にクラス代表は一夏に決まったらしい。

 ・・・そう言えばそんな話も有ったなと本音から聞いたときに思い出した。

 最終的には色々と良い方向に進んだから良かったものの、元々はあまり関わる気は無かったんだから余計な面倒事は極力避けたい。

 只でさえこの学園には問題が起きそうな所が山ほど有るんだから・・・。

 

 それで三つ目だが、今日は一夏のクラス代表就任を祝って、何やらパーティーを開くらしい。入学式初日だというのに場所の手配等どうしたのかと思ったら、一夏とお近づきになりたい女子たちの結束力に依るものだという話だ。何ともバイタリティー溢れる話だ。

 

 

 そんなことを考えながら、護瑠は外を散歩していた。

 食事は簡単に済ませ、簪には本音と一緒に一夏のクラス代表就任パーティーに参加してもらっている。

 もうすっかり辺りは暗くなってしまっていて、歩いている生徒も見当たらず、まるでこの世界に自分だけが取り残されてしまったかのような錯覚を覚える。

 もしかしたら、こんな風に一人になるのは簪と出会ってから初めてかも知れないと、そんな気さえしてくる。

 少々心細いが、何分今は一人になりたかった。

 

 一夏は俺を目標だと言ってくれた。俺と出会って影響を受け、みんなを守りたいという願いを持ったと。でも・・・

 

「俺は、お前に憧れて貰えるような人間じゃないんだよ・・・」

 

 一人呟いた護瑠の声は闇に溶け、その声を聞いたものは誰も居なかった。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 一夏のクラス代表就任パーティーが行われている食堂の入口では、一人の少女が恨めしそうに中を覗いていた。

 

「一夏ったらデレデレしちゃって、そんなに巨乳が良いっての!」

 

 デレデレというより、周囲で巻き起こる幼馴染みとクラスメイトのやり取りにゲッソリしているというのが真実だが、そんなことは少女の抱えるコンプレックスの前には無意味らしい。

 

「ん?あれ、もしかして鈴?」

 

「なによ!私は今忙し・・・ってもしかして簪!?」

 

 巨乳に魅了された幼馴染みをいざ救い出そうとしたタイミングで呼び掛けられ、文句の一つでも言おうと振り返った少女の前に現れたのは昔の友人、更識簪。

 そして少女は鳳鈴音である。

 

「こんなところで何やってるの?」

 

「何って、今から巨乳に惑わされた一夏を助けに行くのよ!」

 

 どうやら鈴は色々拗らせているらしい。そう判断した簪は、取り合えず鈴を連れてその場を離れる事にした。一緒に居た本音が鈴を捕まえて。

 

「!この背中に当たる柔らかさ・・・。さてはあんたも巨乳ね!!巨乳は敵よ!」

 

 放しなさいと暴れる鈴をガッチリ抱えて、本音と簪は食堂を後にした。

 

 

 ここなら良いかなと連れてきたのは簪(と護瑠)の自室。その頃には鈴も落ち着いたのか、どこか疲れきった顔をしていた。

 

「あたし何してたんだろ」

 

「そういう時もあると思うよ」

 

 あるのか・・・とお菓子をポリポリ食べながら、本音は内心呟く。巨乳に貧乳の気持ちは分からないのだ。

 

「って、そんなことは良いのよ。二年ぶりじゃない、元気してた?」

 

「まあね。色々有ったけど、大きな怪我も無かったよ。鈴こそビックリしたよ、まさか中国の代表候補生になってるんて」

 

「え・・・あはは、知ってたんだ」

 

「IS関連の国際紙に載ってたよ。半年足らずで代表候補生にまで上り詰めた天才だって」

 

「最初はあんまりやる気なかったんだけどね・・・ほら、去年の秋頃に騒がれたでしょ?それからね・・・」

 

 去年の秋頃の騒ぎと言えば、一夏がISを使えることが判明した時の騒ぎだ。どうやら鈴はその時の報道を聞いたらしい、もしくは友人だった関係で上から色々聞かれたのかも知れない。そして本格的に代表候補生を目指し、それを勝ち取ったようだ。

 

「まあ、私の事は良いじゃない。それより簪よ簪!あんた聞いたわよ!護瑠もIS動かせるって!!」

 

「あ、鈴も知ってたんだ」

 

「あったり前でしょう!イギリスの代表候補生をボッコボコにしたって聞いたわよ!今どこに居るのよ、私も久しぶりに会いたいんだけど」

 

「・・・今はちょっと調子が悪いみたいで、どこに居るのか分かんないんだ。明日には会えると思うけど・・・」

 

「・・・何よ、喧嘩でもしたの?」

 

 そうじゃないんだけど・・・と簪は複雑な表情を浮かべ、言葉を濁してしまう。本来そういった煮えきらない態度を嫌う鈴だが、簪の表情は鈴にあることを思い出させ、追求を妨げる。

 

「・・・まあ良いわ。何か有ったならちゃんと話しておきなさいよ。・・・全部済んでからじゃ、遅いんだから・・・」

 

 そろそろ部屋に戻るわと言う鈴を見送り、簪はベッドに倒れ込む。ドアを閉める前、何か忘れてるような・・・という声が聞こえたが、もしかしたらまた巨乳憎しと駆け出しているかも知れない。

 

「かんちゃん、まもるん放っておいて良いの?」

 

「・・・あんな風に悩む護瑠は初めてだから・・・。一夏は護瑠を美化してるみたいだし、護瑠はそんな一夏に後ろめたさを感じてる」

 

「そうだね~。おりむ~はピットでもそんな様なこと言ってたし~」

 

「あの時の事は良いの///・・・と、兎に角!これはあの二人の問題で、護瑠は一人で気持ちの整理を付けようとしてる」

 

「だね~。かんちゃんを遠ざけるまもるん何て初めてだよ~」

 

「・・・一緒に居ないこと位たまには有ったよ。でも良いの、護瑠はまた元気に戻ってきてくれるんだから、それまで待ってる」

 

 そう言って枕に顔を埋める簪の顔には、憂いはあっても悲しみは無い。心配だけれど、それでも護瑠を信じているからだ。

 

「・・・またまた~。本当は何時でも側に居て欲しいくせに~」

 

「もう、茶化さないで!」

 

 クッションを振り上げる簪と、それを巧みに避ける本音。こんなじゃれ合いは何時もの事。そんなやり取りが簪の心配を忘れさせる。

 二人のじゃれ合いは、護瑠が部屋に戻ってくる消灯時間間際まで続いていた。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 翌日

 

「護瑠、もう平気?」

 

「ああ、大丈夫だ。昨日一人で考えて、一応の区切りはついたよ」

 

「良かった・・・。私は何時でも護瑠の味方だからね?」

 

「ん、ありがと簪」

 

 上目遣いになる簪と、簪を愛しそうに見つめる護瑠。

 そんな会話をするのは朝の食堂、みんなが集まる朝食の席だ。

 一夏と同じくらい注目の的の護瑠だが、相も変わらずラブラブ具合を隠そうとしない(本人たちは平常運転)護瑠と簪の姿に、コーヒーが飛ぶように売れ、壁は殴られる。当の本人たちはお互いしか見えていないのが、これまた救いようが無い。

 

「・・・お!おはよう護瑠!昨日は大丈夫だったか?」

 

 と、そんな所に割り込んで来たのは一夏だ。見つめ合うカップルに割り込めるのも、朴念神と言われる一夏の為せる技かもしれない。普通なら馬に蹴られる状況だが、あの桃色空気が消えるなら何のその、周囲の気持ちは一様にグッジョブ織斑君だ。

 

「・・・おはよう一夏、もう大丈夫だ。それより悪かったな、対戦楽しみにしてただろ」

 

「良いんだよ、また何時でも出来るんだからな!それより此処良いか?」

 

「ん、悪いな・・・。良いぞ、ついでにそっちにいる三人もどうだ?」

 

 そう言われてぞろぞろと此方に来たのは箒、セシリア、鈴の三人だ。どうやら護瑠と簪に遠慮していたのか、遠目に此方を伺っていた様だ。

 

「すまないな、二人の時間を邪魔して」

 

「いや、構わないぞ。それより鈴が居ることは昨日簪から聞いたけど、皆は何処で鈴と会ったんだ?」

 

「昨日のパーティーだよ。鈴の奴、いきなり巨乳がどうとか言って俺に飛び蹴りしてきたんだ・・・」

 

「(鈴、やっぱり行ったんだ)」

 

「まったく、短いスカートで飛び上がるなんて恥ずかしく無いんですの?淑女として、そういった行為は控えるべきではなくて?」

 

「見られなければ良いのよ」

 

「それで気絶させるのは問題ではないのか・・・いや、やぶ蛇だな」

 

 何やら三人ともいやに仲が良い。一夏に聞いたところ、蹴られた所までは覚えているのだが、気が付いたら意気投合していたらしい。

 

 

 そんなこんなで朝食を終え、熱いお茶で一息吐く。

 

「護瑠、お茶のおかわり要る?」

 

「貰うよ。・・・うん、やっぱり簪に淹れて貰うお茶が一番美味しいな」

 

「護瑠はいつも簪にお茶を淹れてもらってるのか?」

 

「いつもって訳じゃないが・・・まあ朝一緒の時はそうだな」

 

「へー、そうなんだ。家は千冬姉が家事できなーー」

「私が何だって?」

 

「」

 

 

 余計な事を言おうとして鉄拳が下された一夏は置いといて、今は一組に移動中だ。ついでに、一夏は織斑先生が寮長をしていることをこの時初めて知ったらしく、部屋がどんな状態なのか心配していた。

 

「と、ところで一夏。今日の放課後は何か予定があるか・・・?じ、実は剣道場が使えるらしいのだが、良ければ、一緒にどうかと思ってな・・・?」

 

「ん?良いぞ、俺も久し振りに箒と手合わせしたいと思ってたんだ。護瑠もどうだ?」

 

「・・・は?」

 

 簪と昼休みの事について話していた護瑠の耳に、信じられない言葉が飛び込んでくる。

 

 そこでどうして俺に振る。さっきの言葉をどう捉えても、箒は二人っきりでってつもりだっただろ。見ろ、恨めしそうにこっちを見てるだろうが。

 俺も一夏の実力は気になるが、どう考えても一夏に惚れている箒の邪魔をしたいとは思わない・・・。ここは断るか。

 

「・・・いや、俺は「はいはい!じゃあ、あたしも行くわ!」」

 

「で、でしたら私も!調度近接武器の扱いも訓練しなくてはと思っていた所ですの!!」

 

 ・・・そう来るか。と言うか、薄々感じてたがセシリアは一夏に惚れてるな、こりゃ。

 鈴は前会ったときから一夏の事が好きだったみたいだが、会って一日のセシリアを落とすとは・・・。

 

「・・・俺も参加するよ、簪も一緒に行くか?」

 

「うん、なら私も(ごめんね、箒)」

 

「(いや、良いんだ・・・うん・・・)」

 

 謝る簪に良いんだという箒だが、明らかに残念がっている。護瑠も簪も、一夏の身辺を調べた際に朴念神と呼ばれているという情報を知ってはいたが・・・

 

「これは何と言うか・・・」

 

「不憫・・・だね」

 

 将来誰かに刺されなければ良いが・・・と箒の恋心に気付けない一夏を見て、友人の将来を心配する護瑠であった。

 




 お読み頂きありがとうございました。

 もしかしたらこの作品、一番キャラが違うのは本音かも知れません。あと、やっぱり鈴が出ると話が作りやすいです。元気っ娘は勝手に動いてくれますね!

 では次回をお待ちください。
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