今回は少々短いですが、代わりに次回は早く投稿出来そうです。
では、どうぞ(*´∀`)つ
あと数日でクラス対抗戦となった日の放課後。
護瑠と簪はいつもの様に鈴のIS訓練に付き合うのではなく、急な呼び出しを受けて生徒会室を訪れていた。
「護瑠、用事ってやっぱりこの間の?」
「ああ、前の昼休みに貰った書類の件と、大方クラス対抗戦の事だろうな」
護瑠が簪の手作り弁当を食べた日、鈴が一夏を殴り飛ばした日の昼休みに、護瑠は一度生徒会室を訪れ、頼まれ事をされていた。
それに加え、近々クラス対抗戦も控えている。突然の呼び出しだったが、理由は何となく察する事が出来た。
護瑠が生徒会室のドアをノックすると、あまり間を置かず、ドアが開けられる。
「簪お嬢様、お久しぶりです。護瑠君は、大体一週間振りですね」
内側からドアを開けたのは、眼鏡を掛けてカチューシャを付けた、見るからに真面目そうな雰囲気の少女だ。リボンの色を見るに、三年生だと言う事が分かる。
「虚《うつほ》さん、お久しぶりです。お姉ちゃんは?」
「お嬢様は、会長は中で書類の整理中ですよ。すぐに終わりますから、中で待っていて下さいね」
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「あら、二人ともいらっしゃい。ちょっと待っててね」
二人が生徒会室に入ると、すぐに会長である楯無の姿が確認することが出来た。
楯無は書類の山に囲まれ、忙しそうに手を動かしている。
「どうぞ」
護瑠と簪が椅子に座り、その様子を見ていると、虚が紅茶の入ったティーカップを差し出した。
一口飲み、護瑠は頬を緩ませる。
今までも虚の淹れた紅茶を飲んだが、やはり美味しい。簪もほっ、とした表情をしている。
虚は本音と同じ、というか虚は本音の姉であり、更識家に仕える布仏家の長女だ。
家事能力や事務能力は妹の本音より数段上で、優秀な割りに怠け易い楯無が快適に生活、仕事を行えるのは概ね彼女のお陰だ。
虚の紅茶で一息吐いていると、どうやら楯無の書類整理も終わったらしく、声をかけられた。
「二人ともわざわざ悪いわね、最近忙しいんでしょう?」
「いえ、大事な用件の様だったので」
護瑠の言葉に、楯無はそうなのよ、と嘆息する。
「今度、クラス対抗戦が有るでしょう?開校当初からIS学園は行事の度に問題が起こってね。小さなものだとISに対する抗議運動だったり、大きなものだと最新のIS技術を狙ったハッキングやテロ行為とかが起こったわ。でも、今年はもっと大きな事が起こりそうな要因がある」
「護瑠や一夏といった男性IS操縦者の出現、だね」
「それに、箒はあの大天災、篠ノ乃束の妹だ。何も起こらない方が不思議な位だな」
「ですので、今回お二人に来て頂きました。護瑠君、この間の件はどうなりましたか?」
虚に尋ねられ、護瑠は生徒会室のモニターに携帯端末を接続し、IS学園周辺の地図を映し出す。
「この間の件、杜野家によるIS学園周辺の監視・警戒ですが、人員の配置は完了しています。二人一組による交代制、陸はIS学園近郊の沿岸部に配置し、海上は小島と船舶を利用した不審船や不審な飛行物体の監視、衛星を利用した広域の監視体制を整えてあります」
「監視体制としては十分そうね。衛星からの監視には更識からも人を出すわ。問題は・・・」
「IS学園まで近付かれた時の防衛だね」
「学園の説明を聞く限り、有事の際は教師部隊が対応に当たると言う話でしたが・・・」
「・・・それは、あまり期待出来ないわね」
これを見て、と虚が取り出した学園の見取図を指し、楯無が説明する。
「この学園、公には成っていない施設が結構あるの。ここは元々無人島だった所を開拓しているから、その際広大な地下設備が作られているのよ。教師部隊による防衛戦力は、これらを優先される様になっているわ」
示された見取図に描かれた、広大な地下施設に護瑠と簪は絶句する。IS学園は島に広がる校舎やアリーナだけでも広大な広さを誇っているが、この地下施設の広さと設備の充実さは何なのだ。居住空間に生産プラント、発電設備まで有るではないか。一体、これらを何に使うつもりだと言うのか。まるで・・・
「もしIS学園が孤立しても、容易に存続可能な程の設備だね・・・」
簪の呟きは、そのまま護瑠が考えていた事だった。
まあ今はそれは良いのよ、と楯無は話を切る。
「問題はこれらの設備に防衛戦力が回って、教師部隊はすぐには動けないってことなの」
「それはつまり、有事の際には専用機を持つ俺たちが率先して事態の終息に動かなければいけない、という事ですね」
「そうなるわね」
護瑠は分かりました、と頷く。
「・・・今、私のISは改修に出していて手元に無いわ。もしもの時は、頼むわね」
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「・・・ねえ護瑠」
「ん?どうしたんだ、簪」
寮へ向かう帰り道。並んで歩いていた簪が立ち止まり、護瑠も足を止める。
「・・・お姉ちゃんの話を聞いてから、嫌な予感が止まらないの」
簪は不安そうに、目を伏せている。
「だからお願い。怪我だけは、しないでっ!」
いざという時に護瑠がどんな行動に出るか、簪が一番良く分かっている。それでも、例えそれが護瑠なのだとしても。
無事でいて欲しい。簪の願いはそれだけだ。
キッと強い眼差しで護瑠を見つめる簪の瞳を、護瑠はただ黙って、見つめ返した。
お読み頂き、ありがとうございます!
今回は次回の前振りと、IS学園の地下設備と原作での教師部隊の介入の遅さの自己解釈の説明でした。
※今回出たIS学園地下設備の設定が、この作品で生かされる事は恐らく有りません。もし私がISで別の作品を書いたら、その時生かされるかも知れません。
では、次回をお待ちください!