つい先日から新学期が始まりましたが、皆さんどのようにお過ごしでしょうか?私は授業日を勘違いしていて、大学の一週目を丸々休む所でした(笑
では、どうぞ(*´∀`)つ
あの後。箒から謝られたり医者に精密検査をされたり、杜野の家に無事を伝えたり金剛のメンテナンスを倉持技研に頼んだりと忙しかったが、今はそれは良い。
体に異常は無かったが、問題は山積み。
襲撃犯に目星は有るが確たる証拠は無し。
金剛は大部分が損傷していてメンテナンス必須。
心配事は多いが、それも今は脇に置いておく。
大事なのはそうーーー
「護瑠、待った?」
「いや、今来たところだ」
簪とのデートだ。
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「護瑠、デート・・・しよ?」
簪のそのご褒美は、あの戦いで自分の不甲斐なさを痛感し、更なる鍛練に打ち込もうとした矢先の事だった。
いや、確かに大変魅力的な誘いだが・・・
「ねえ・・・」
俺には、やるべき事が・・・
「お願い・・・」
俺、には・・・
「デート、行こ?」
「ああ、勿論だ。今度の休みに行こう」
抗える訳が無かった。簪の上目使い+うるうる目に抗える男が居るはずがない。居たらそいつはホモ野郎だ、間違いない。
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と言うわけで、護瑠は簪とデートに来ていた。
ここはIS学園から程近い繁華街。この辺りはIS学園の設立により、近年急速な開発が進んでいた。
今回は、つい最近出来たショッピングモールがメインだ。
・・・本当は張り切って泊まり掛けで遠出しようかとも考えていたんだが、簪に近場が良いと言われては仕方がない。
一緒にこの辺りを見て回りたいというのが簪の要望だった。
「可愛い服だな」
「ん、ありがと。護瑠の為に選んだんだよ?」
・・・ああ、天使はここに居た。
簪の服装は白のワンピースに若草色のカーディガン、白のキャスケットに紺色でヒールの低いパンプスを履いていた。
シンプルながら、良く似合っていた。
・・・シンプルさなら、護瑠も負けていないが。
「護瑠は何時もそんな格好だね」
「・・・まあ、好きだからな」
ジーンズにTシャツとジャケット。
筋肉のある護瑠だから、似合ってはいるのだが・・・。もっと何か無かったのかと言いたくなる。
「もう・・・。また今度来るときは、護瑠の服を選ぶからね」
「・・・そうだな、頼むよ」
「うん、任せて。・・・じゃあ行こ?」
簪は護瑠の腕に抱き付く。
「じゃ、まずはあっちからだな」
いつもよりちょっと積極的だなと思いつつも、役得だからと何も言わずに護瑠は歩き始めた。
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ショッピングモールに向かう道すがら。
どうして何時もより積極的なのかと聞いてみると、牽制なのだと答えられた。
どうやら、この間の襲撃の際に戦う俺の姿を見て、好意を寄せる様になった子が何人か居るらしい。
だからIS学園に近いこの辺りで、自分が恋人なのだとアピールするとの事だ。
だがよく見てみれば、ほんのり頬が赤い。やはり衆人環視の中で恋人とくっついて歩くのは、少々恥ずかしい様だ。
そんな簪が愛しくて。
護瑠は簪をグイッと抱き寄せて、目的地に急いだ。
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「こんなに高い物、ホントに良かったの?」
買い物を終えて休憩に入った某コーヒーチェーン店で、簪は護瑠からのプレゼントを開けていた。
「良いんだよ。大事に使って貰ったら、俺も嬉しい」
護瑠が簪に贈ったのは、イヤリングだ。
ウィンドウショッピングの最中に偶々通った宝石店で売っていた物だが、物は確かだ。
IS学園はあまり派手で無ければ装飾品も許しているから(専用機の待機形態が基本的に装飾品を象るからだ)学園でも付けられる。
簪の恋人アピールにも一役買ってくれるだろう。
「うん、大事にする」
そう言って嬉しそうに微笑む姿を見ると、少々無理をした俺の財布も報われる。
使ってあるのが小粒だがダイヤだというのは、少し気恥ずかしい気持ちがするが・・・。
まあ、俺の簪に対する気持ちは本物だからな。
「ダイヤ・・・だもんね///」
「あ、ああ・・・///」
店員曰く、この日は良くブラックコーヒーが売れたそうだ。
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「綺麗だね」
「そうだな。学園から見る夕日も良いけど、場所が変わればまた違って見えるもんだな」
ここは高台の展望台だ。
IS学園が良く見えると評判の展望台だから人が多いかと思ったが、今日はそうでも無いらしい。
今ここに居るのは、護瑠と簪の二人だけだ。
「護瑠、今日は色々見て回ったね」
「だな。モールもそうだし、駅前も賑わってた。古い商店街も在ったし・・・ああ、駄菓子屋がまだ在るのにはビックリしたな」
「そうだね。・・・ねえ護瑠。この町並みは、大勢の人の笑顔は、護瑠が守ったものなんだよ?」
簪は振り返り、護瑠を見つめる。
「護瑠はこの間、ボロボロになって皆を守った。この町も、ここに居る人達も」
・・・知っていたのか。
護瑠はこの間の戦いで敵がどんな戦い方をしたのか、簪に話した事は無かった。恐らく、金剛の戦闘ログをこっそり見たのだろう。
そうで無くとも簪は実際にアリーナで戦ったのだから、どんな戦い方をする相手なのか検討を付けることはそう難しく無いはずだ。
「でもね・・・私が笑っていられるのは、護瑠が居るから。護瑠がどれだけ多くの人を守っても、護瑠が犠牲になったら・・・私はどれだけ多くの人が救われても、笑えない」
・・・酷く身勝手な言い分だ。簪が言わんとしているのは、大勢の人よりも私を優先して欲しい、という事だ。それは国を裏から支える杜野の人間として、更識の人間として、許されるものでは無い。
だけどーーー
「約束・・・いや、誓うよ。俺は簪を置いて勝手に居なくなったりしない。俺も、簪と二人で一緒に幸せになりたいからな」
組織の人間以前に、一人の人間として。
「だから、俺が本当に守りたいのは簪だけだ」
我が儘な理想論を語った。
「心配すんなよ、俺が愛してるのは簪だけだ。これからも、ずっと一緒だ」
「うん。誓って、だよ?」
「ああ、誓って」
護瑠がプレゼントし、簪が付けたイヤリングは。
二人を祝福するように、キラリと輝いた。
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