今回は人気の高い二人の登場です!
では、どうぞ(*´∀`)つ
「護瑠君、転校生よ」
「転校生?」
休日という事で部屋で実家関係の書類に目を通していた護瑠の元に、珍しく楯無が訪れていた。
因みに今日はゴールデンウィークだが、簪はここに居ない。
いつもの三人組と遊びに行ったからだ。
と言うのも、箒も鈴もセシリアも、それぞれ折角のGWだからと一夏を遊びに誘おうと密かに計画していのに、当の一夏が居ないせいで大層機嫌が悪かったのだ。
だから丁度良い機会だと、専用機持ち同士親交を深めようと出掛けていった。
・・・見送りに行った時に、主に鈴から向けられた「あんたらホントに別々に生活するんだ・・・」という視線が忘れられない。
・・・一人で寂しく無いのかって?当然だろう、寂しいさ!
本当は今回こそ二人きりで遠出だと張り切ってたのに!一夏のお陰《せい》でーーー
「護瑠君・・・話聞いてる?」
「ええ。聞いてますよ、楯無さん」
「聞いて無かったでしょうが」
楯無は深々と溜め息を吐く。
「すいません・・・。それで、転校生が来るんですか?この時期に?」
「護瑠君の疑問も尤もよ。それに、心配している事もね」
楯無の言葉に、護瑠は気持ちを切り替える。
「厄介事だと?」
「そうね、少なくとも一人は・・・ね」
「・・・てことは複数ですか、その転校生ってのは」
「二人よ、二人」
楯無の話を聞いて、今度は護瑠が溜め息を吐く。
「・・・それで、その二人は?」
「一人はドイツの代表候補生『ラウラ・ボーデヴィッヒ』、二人目はフランスの代表候補生『シャルル・デュノア』よ」
「シャルル・デュノア?」
「そう、シャルル・デュノアよ」
どちらも護瑠には気になる名前だった。シャルル・デュノアの方は特にだ。
「・・・成る程、男性名にデュノアの名前。これは・・・疑えと言っている様なものだな・・・」
フランスのデュノアと言えば、世界第三位のシェアを誇るISの一大企業だ。そんな企業の名前を持った、『男』の代表候補生。
一夏も俺も居るんだから、他に男の操縦者が居てもおかしくは無い。
ただ、何故この時期なのかという話だ。代表候補生に成る程なのだから、相当以前から適正が判明していたのだろう。
にも関わらず、この時期の編入。
おまけにデュノアは最近業績が下がっている。広告塔にするにしても、早くから公表するのに不都合は何も無かったはずだ。
「そう言う訳だから、シャルル・デュノアには特に気を付けてね」
「分かりました。・・・もしかして、同じクラスですか?」
「そうよ。ついでにラウラ・ボーデヴィッヒの方もね」
護瑠はガックリ、肩を落とした。
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「へぇ、そんな話が有ったんだ」
「そうなんだよ・・・。簪も十分注意してくれよ」
夜。
食堂で夕食を食べながら、護瑠は簪に昼間の話をしていた。
人の大勢居る食堂でそんな話をするのはどうかとも思うが、食堂の反対側で行われている一夏関係の騒ぎのお陰でこの辺りに人は居ないから別に良いだろう。
「うん、分かってる。IS学園って、国の承認が有れば書類だけで審査が通るからね」
「だな。・・・正直、性別から偽ってる可能性も高い。ってことは・・・」
「護瑠か一夏に近付くのが狙いかな?」
「簪、意味深に雷電に目を向けないでくれ、気持ちはありがたいから」
「分かってる、冗談だよ」
ふふっと笑う簪の笑顔は最高に可愛い。・・・最近少々ヤンデレが入って来ている気もするが、気のせいだろうしむしろ御褒美だな、うん。
「一夏には・・・言わなくても良いか」
「だね。こんなことは、私達だけが知ってれば良いことだよ」
「だがドイツの代表候補生もいるしな・・無関係って訳には行かないだろう・・・」
鈴からキャメルクラッチをかけられ、箒から四の字固めをかけられ、セシリアにジャーマンスープレックスをかけられて瀕死の一夏に目を向ける。
「その時はその時だよ。・・・やっぱり、簡単には吹っ切れない?」
「まあな。気持ちに区切りは付けたつもりだけど・・・割り切るのは簡単じゃないな・・・」
「護瑠・・・」
「まあ、今気にしても仕方無いな。さ、早く食べ終えよう」
少々暗い雰囲気に成ってしまったが、最終的には楽しく食事を終えられた。
因みに、簪が買ってきてくれた金つばをお茶請けに飲んだ緑茶は最高だった。
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翌日。
「皆さんおはようございます!今日はなんと、転校生の紹介です!」
開口一番。朝のホームルームでの摩耶の言葉に、クラス全体がどよめいた。
「では、入って来てください!」
だがそのどよめきは、転校生の登場と共に掻き消えた。
「お、男・・・?」
入ってきたのは長いブロンドの髪を一つに束ねた中性的な顔立ちの男子と、小柄で長い銀髪の少女。ブロンドの男子は男子用の制服を着ていなければ少女と見間違える程で、銀髪の少女はツンとした雰囲気と左目の眼帯が特徴的だった。
「はい。IS適正が判明したためこちらに転入してきました、シャルル・デュノアと言います。皆さん、仲良くしてくださいね」
ニコリと笑顔を見せるデュノアに、クラス中から黄色い悲鳴が上がった。
「キャァァァーー!!織斑君とも杜野君ともまた違う美形!守ってあげたくなる系の!」
「はいはい!デュノア君は恋人はいますか!!」
「あ・・・いえ、そういうのは、まだ・・・」
「しかもフリー!!杜野君みたいな彼女持ちじゃない!!」
一気に騒がしくなったクラスを、千冬が一声で静まらせる。
「お前たち・・・まだもう一人残っているぞ、静かにしろっ」
その一言で熱気はともかく騒ぎは治まるのだから、大したカリスマ性だ。
「・・・」
「おい。挨拶をしろ、ラウラ」
「はい、教官。ラウラ・ボーデヴィッヒだ」
「・・・えっと、それだけですか・・・?」
「それだけだ。ーーーっ!」
ここに入ってきてから窓を震わせた悲鳴にも動じず摩耶の質問にもぶっきらぼうに答えていたボーデヴィッヒだったが、突如、表情を変えた。
「お前がッ!」
「えッーーー」
パンッと乾いた音が鳴った。
音の発生源は一夏の頬。ボーデヴィッヒが一夏の頬を叩いたのだ。
「私は認めない・・・。お前が教官の弟などッ!」
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「それで、クラスの雰囲気が悪かったんだ」
「ああ、その後も刺々しい雰囲気を出しててな。席が近いから居心地悪かったよ」
ボーデヴィッヒが一夏を張った後、千冬は何のフォローもせずクラスを後にした。そういう事には厳しそうな摩耶も、気にはしながらも黙ってクラスを出ていった。
だから当然、皆何が起こっているのか分からず、その後の授業もおかしな雰囲気が漂っていた。
そういう今は昼休み。護瑠と簪は生徒会室で楯無と虚と共に昼食を摂っていた。
ボーデヴィッヒの件とデュノアの件を話し合う為だ。
因みに護瑠と簪は簪の手作り弁当だ。広げた時、楯無が大変羨ましそうな目を向けていた。
「それでボーデヴィッヒさんの件は置いておいて、デュノア・・・今は便宜上君と呼びましょうか。デュノア君はどうでしたか?」
「・・・あれは女ですね」
護瑠は虚の質問に迷わず答えた。
「へぇ、どうして?」
護瑠の迷いの無い答えに、楯無は興味深げに聞いてくる。
「実技の授業の為に着替えに行ったとき、上半身裸の一夏を見て真っ赤になってたんですよ。しかも授業が終わってからも一緒の着替えを必死に拒否してましたし・・・」
あれで男だったら逆に困りますよ、と護瑠は言う。
「何か、分かり易すぎて逆に怪しいね。何が目的なんだろ・・・」
「・・・考えられるのは、女だと逆にバラして取り込む気かもね。相手の秘密を知っているのが自分だけだと思うと、入れ込む率も高くなるし・・・」
「ハニートラップ?」
「ハニートラップですね」
正直、俺には相手の目的が全く分からない。教育する時間は有っただろうにスパイとしては怪しすぎるし、自分から女だとバラしている様な態度と言動だった。まさか本当にハニトラ要員として送り込まれて来たのか?
「護瑠君、そのデュノア君は今どこにいるの?」
「今は一夏たちと一緒に昼食を食べている筈です」
「そう・・・。取り合えず、相手の狙いが分かるまでは此方からは動かないでおきましょう。護瑠君の心配はしてないけど、一夏君には気を配っておいてね」
「了解です」
「あとはボーデヴィッヒさんですけど・・・」
一人の話題が終わればもう一人だ。いきなりクラスの雰囲気を最悪にしたボーデヴィッヒの対応も必要な事だ。
「ボーデヴィッヒちゃんはどんな感じだった?」
「あれは、丸っきり軍人でしたね・・・。織斑先生がドイツ軍で教鞭を取っていた時期が有りましたけど、その時の教え子でしょう。しかも、あれはかなり心酔しているタイプですね」
千冬は第二回モンド・グロッソでの事件の際、解決に協力したドイツ軍の要請に応じ、ドイツ軍IS特殊部隊で教官をしていた時期がある。ボーデヴィッヒの教官発言からも、それが伺えた。
「ドイツ軍IS特殊部隊シュバルツェ・ハーゼ。ボーデヴィッヒちゃんはそこの部隊長みたいね。書類にも少佐って書いてあるわ」
あの年で少佐か・・・。余程優秀なのか、何か特別な事情が有るのか?
「ボーデヴィッヒさんが敵意を向けてるのは一夏だけなの?」
「ああ、一応な。ただ実技授業の時の様子を見るに、他の生徒と仲良くしようって気は無さそうだけどな」
実技授業の際に専用機持ちが一般生徒の補助をするが、ボーデヴィッヒは自分の班の生徒にマトモに教えようとはしていなかった。何を聞かれても無言で、率直に言ってその班の生徒が可哀想だった。
「こっちもこっちで困ったわね・・・」
「・・・会長、先生方は何と?」
「『生徒会に任せる』それだけよ。ただ、何かするときのサポートはすると言われたわ」
つまり、問題に介入する気は無いが、何か問題が起こったらその処理には手を貸すといった所か。
国同士のやり取りになるから、ある意味国家公務員の学園職員が動けないのは仕方無いが、正直思うところはある。
「けど、文句も言ってられませんからね。様子を見て動きましょう」
「そうね。護瑠君、簪ちゃん、何か有るとしたら二人の周りで起こるでしょう。・・・ごめんなさいね、私達は何も出来なくて・・・」
「お姉ちゃんも虚さんも、学外の事に目を光らせてるんだから仕方無いよ。学園の中の事は私達に任せて」
「そうですよ。・・・ところでその学外の問題、どうなってますか?」
「最近、また動きが活発に成ってきている様です。前当主の方々も、最近はヨーロッパを飛び回っているとか」
滅多に連絡の無い両親の近況を聞き、相変わらずだと安心する。
だが『奴ら』の活動がまた活発になるのは、気になる事だった。
「そっちは私達に任せて。あの二人の問題は、よろしくね」
「「了解」」
内も外も、常に争いの種はある。その争いを未然に防ぎ、犠牲を出さないのが俺たちの仕事だ。
護瑠と簪は、決意を胸に声を揃えた。
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一夏の護衛は良いのかって?
某お菓子好きな袖の娘がこっそり着いて行ってますよ。きっとOVAのプールで出てきたのもそう言う事なんじゃないかと。
セシリアも英国淑女なので、プロレス技はバッチリでしょう。
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