IS-守るための力-   作:カタヤキソバ

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 お待たせしました、第十五話更新です!

 前回。デュノア社が本来シェア三位なのを、シェア二位と間違えて書いていましたので、修正しました。

 では、どうぞ(*´∀`)つ


第十五話 黒ウサギ、来る

「さあまだまだ行くよ、一夏!」

「おう、来い!」

 

 放課後のアリーナ。

 昼休みに楯無たちと色々話していた護瑠だが、今は件のデュノアと一緒に居た。

 今は一夏とデュノアの模擬戦を見学中だ。

 デュノアの機体は『ラファール・リヴァイヴ・カスタム』

 量産型のラファール・リヴァイヴを、自分専用に改造したものだ。

 ラファールは第二世代のISでは有るが、第二世代特有のバススロットの多さを利用した、多用な武器を使っての全距離に対応した戦い方をしている。

 

「なあ簪。やっぱりあいつ、俺達を嵌めようとしているようには見え無いよな」

「同感。凄く楽しそうにしてる」

 

 確かにデュノアは状況証拠的には黒に限り無く近いグレーと言えるが、そうは言ってもまだグレーだ。何かアクションを起こすまでは、俺たちの敵とは言い切れない。

 それに、俺も積極的に人を疑いたい訳じゃあ無い。

 何より当の疑っている対象が余りにも無防備過ぎて、俺達が考えすぎているだけなのかと思わされる位だ。

 ・・・尤も、それも全て計算なのかどうなのかは、今のところ検討が付かないが。

 

「・・・ねぇ護瑠。やっぱり、まだ一夏と戦う気にはならない?」

「・・・唐突だな」

「うん・・・。どうなのかなって思って」

「そうだな・・・」

 

 護瑠はどう答えた物かと、頭を掻く。

 

「言ってみれば、一夏は主人公みたいな奴だろ?いつも事件の渦中にいて、みんなを助けようと奔走する、主人公」

「・・・それは、護瑠だって・・・」

「まあ、言われてみればそうかもな・・・。けど、俺は・・・」

 

 そこで護瑠は口を閉じて閉まった。これ以上言っては、自分の大切なものが壊れてしまう様な。そんな空気を、簪は感じた。

 思い当たる事はある。けれど、もしそうならそれの何がいけないのだろう。

 確かに誉められる事ではない。だけど。だからこそ、自分だけは何が有っても味方で居ようと、簪は思った。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「簪、行くぞ」

「うん、よろしく」

 

 一夏・デュノアと交代し、護瑠は簪と模擬戦を始める。

 下を見れば、デュノアが一夏に射撃武器の使い方を教えているのが見える。射撃武器の無い白式だが、使い方を覚えておいて悪いことは無いだろう。

 視線を簪に戻し、構える。

 

「今日はどうする?」

「取り合えず、全力でやろう?」

「じゃあ、それで行くーーーかっ!」

 

 護瑠は全力で後退しながら、高度を下げる。簪が春雷を撃ってきたからだ。

 

「先手必勝、だよ!」

 

 別にそれを咎める気はさらさら無い。

 護瑠は地面スレスレを飛びながら、手元に武器を呼び出し、簪に投げつける。

 

「っーーー!?」

 

 スタングレネードだ。

 大量の光と爆音が、ISによって強化された簪の目と耳を襲う。

 咄嗟に顔を背け、聴覚強化を切ったが、それでもダメージは甚大だった。

 

「う・・・くっ!」

 

 だがそれで止まる程、簪は弱くない。

 次の護瑠の行動が読めているからこそ、簪は更に上昇し、距離を取り、視力と聴覚の回復を図る。

 

『やっぱり、簡単には行かないな』

「当然、だよっ!」

 

 ISを通じた声に反応するよりも早く、第六感とも言える感覚で振るった夢現から、腕に衝撃が走る。

 

 スタングレネードで目と耳を奪ってからの接近戦。防戦一方だった無人機戦では出来なかった、護瑠の常套戦術だ。そして、これだけで終わる筈が無い。

 

 護瑠が離れるのを肌で感じ、未だ見えず聞こえない目と耳では無く、ISのハイパーセンサーから直接脳に送られてくる景色を頼りに、その場から離れる。

 

 それを追うように炸裂する爆発音。

 護瑠の置き土産という名のフラググレネードだ。

 

 全力で、どんな手を使っても『勝つ』為の戦い方。

 汚い手だろうと、勝ちゃいいんだと言わんばかりの攻撃だった。

 

 そのやり方に、簪の心に火が着いた。

 

「絶対、負けない!」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「なあ簪、エネルギーが尽きるまで山嵐を打ち続けるのは、流石にどうかと思うんだ」

「・・・ごめんなさい、つい・・・」

「ああいや、ミサイルにチャフが混ざってたり、スモークで視界を潰すのは良いんだけど、一方的過ぎて練習にならないというか・・・」

 

 あの後、一方的にやられた。

 360度をミサイルに囲まれる恐怖というのを、あそこで頬を引きつらせている連中に味わって貰いたいものだ。

 セシリアのBT位の包囲攻撃は厭離穢土で耐えきれるが、ミサイルという爆発を伴う攻撃が延々続くと、流石にどうしようも無かった。

 

「・・・更識さんて、意外と強いんだね・・・」

「簪はこの中で一番戦績が良いんじゃないか?護瑠はあんまり模擬戦しないけど・・・」

「なんか、簪って意外と固定砲台よね・・・」

「だが、雷電は本来高機動型なのだろう?」

「とはいえ、皆さんあのミサイルの嵐には手も足も出ませんから・・・。真価を発揮する前に決着が着くと言いますか・・・」

 

 散々な言われようだった。

 見ろ、簪が涙目じゃないか!可愛い、お持ち帰りだ!!

 ゴホン

 

「そうだな・・・。じゃあ、次の模擬戦は簪は山嵐抜き、俺は厭離穢土抜きでやってみるか。お互い、それに頼ってる部分も有るからな」

「ん、分かった」

 

 と、そろそろ上がるかと思ってると、何やらアリーナが騒がしかった。

 

『織斑一夏』

 

 現れたのは、ラウラ・ボーデヴィッヒだ。

 

『私と戦え!』




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