IS-守るための力-   作:カタヤキソバ

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 皆さん、明けましておめでとうございます!

 今回は少し短いですが、次回は早めに投稿出来ると思います。

 では、どうぞ(*´∀`)つ


第二章 IS学園入学後
第一話 入学


 IS学園。

 

 そこは世界最強の兵器ISを扱うための専門的な学習を行う為、世界各国の要請により日本の無人島を丸々開拓されて作られた学園だ。

 

 その島にはIS学園本校舎だけでなく、IS戦闘を可能にするアリーナや学生寮などが有り、自然豊かな環境も整えられている。

 

 IS学園に入るには必須とされるものがある。それは、学力と身体能力、そして一定以上のIS適正値だ。この一定以上のIS適正値というのが厄介で、IS学園設立以来、男が入学することは無かった。何故なら、IS適正値を計ろうにもISは男には反応しないからだ。

 そのため、IS学園は事実上の女子校となっていた。

 

 

 今年までは。

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「・・・はぁ~」

 

「護瑠、元気だして?クラスは違うけど、部屋は一緒にしてもらえたんだから」

 

「そうだけどさ・・・」

 

 ベッドに腰掛け、護瑠と簪は話していた。

 

 入学式前日。本来は明日の入学式の後からだが、護瑠と簪は先にIS学園の寮へと入っている。

 

 現在、護瑠がISを使えるという事は広く知られていない。護瑠がISを使えると判明した半年前と時期を同じくして、一夏もISを使えると判明したからだ。しかも、一夏の事は連日ニュースで取り上げられた。まるで何者かが護瑠の存在を表に出させない様にするかの如く。そのため、今の世の中で男性IS操縦者と言えば織斑一夏を指す言葉となっている。

 

 そのお陰で護瑠の事が知られる事は無かったのだが、代わりに入学の際面倒事が起こることが予想された。

 それは、IS学園に渡る為には一本のモノレールを使うしか無いため、一夏の様に知られているならまだしも一般には知られていない護瑠がIS学園行きのモノレールに乗るのは、今までのIS学園の性質上騒ぎになる可能性が有ったのだ。そのため、護瑠は簪と一緒に先に寮に入っているという訳だ。

 

 それを勧めたのは他ならぬIS学園生徒会長である更識楯無である。どうせなら皆を驚かせちゃいましょう♪と楯無は言っていたが、周囲からの護瑠への反応を気遣っての事だと言うことは護瑠も簪も気付いている。

 因みに、護瑠がISを扱える事は判明した段階で学園に伝えてある。その時にも色々有ったのだが・・・今は割愛しておこう。

 

 そういう訳でIS学園の寮でまったりしている二人だが、護瑠の機嫌は少々悪い。簪とクラスが違うからだ。

 物心付いた頃から簪とずっと一緒だったのに、今になって違うクラスで勉強しなければいけないと思うと憂鬱になってしまっている。

 

「う~~・・・」

 

「もう・・・仕方無いな」

 

 簪は護瑠の頭を胸に抱えると、ベッドに横たわる。

 

 護瑠は、普段は真面目で気を張っている印象が有るが、二人きりの時は簪に甘えっぱなしな所がある。逆に、普段気を張っている分の反動が来ているのかも知れない。

 

 それに、仕方無いと言う簪だがその表情は嫌がっているものではない。むしろ微笑ましいものを見る顔をしている。

 

 護瑠は、護瑠にとっての安全地帯である簪の前で気を緩められて、簪としては他の誰にも見せない特別な護瑠の様子を独り占め出来てうれしいという、win-winな状態だ。

 

 ひとしきりイチャついた二人は、二人で夕食を作って食べたり一緒にシャワーを浴びたりとしてから、翌日の為に早めに就寝した。何時もの様に同じベッドで眠る二人の表情は、非常に穏やかなものだった。

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 翌日。

 

 先にクラスへ向かった簪を見送った護瑠は、寮で迎えの教員が来るのを待っていた。

 

「(今日から女子校の中に放り込まれる様なものだな、憂鬱だ・・・。それに、一夏か・・・あいつにはーー)」

 

 つい何もすることが無くて考え事をしていた護瑠の思考を、ドアをノックする音が遮る。

 

「はい。・・・!?」

 

「久しぶりだな、杜野」

 

「・・・ええ、お久しぶりです、織斑先生」

 

 ドアを開けた護瑠を待っていたのは『織斑千冬』だった。

 

「まさか、織斑先生がいらっしゃるとは思っていませんでしたよ」

 

「なに、私はお前のクラス担任だからな。それに、お前には昔助けられた、この位するさ」

 

「・・・あれは助けたとは言いませんよ・・・」

 

 そう言って顔を背ける護瑠だが、千冬はその言葉を否定する。

 

「いや、間違い無く助けられたよ。前もそう話しただろう、一夏も分かってくれていたぞ?」

 

「・・・はい・・・」

 

 護瑠は不承不承といった様子だが、千冬の言葉に肯定で返す。

 

「よし、では教室に向かうぞ。もう全員揃っている時間だろう」

 

「ええ」

 

 そうして二人は本校舎の教室に歩いていく。無人島をそのまま学園にしているだけあり移動にもそれなりに時間がかかる為、必然的に二人は雑談を始める。

 

「そう言えば、お前と更識妹は許嫁だったか?」

 

「ええ、そうですよ」

 

「教師が学生の関係に踏み込むべきでは無いが、許嫁という関係の前にお前たちは学生なんだ、ここに居る間は節度有る行動を心掛ける様にな」

 

 そう言って面白そうにこちらを見る千冬に、護瑠は苦笑いを浮かべる。護瑠には、昨日簪に甘えていた事がバレている気がしてならない。

 外では出来るだけ自重しようと思う護瑠であった。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 護瑠のクラスである1-Aの前まで来た護瑠と千冬に、何故か教室の中からズッコケル様な音が聞こえてくる。

 

「はぁ・・・あのバカめ」

 

 呼ぶまで待っていろと言うと、千冬は教室に入っていく。直後に固いもので何かを殴り付ける音と、女子の歓声が教室の外まで響いてくる。

 

「(凄いな・・・流石女子校!!)」

 

 歓声の中に混じる『お姉さま!』や『厳しく躾て下さい~!』といった危ない言葉にアホな感動をする護瑠だったが、程無くして千冬から声がかかる。

 

 教室に入った護瑠を待っていたのは視線視線視線。教室中の視線が護瑠に集中していた。

 

「(・・・こういうのは、やっぱり少しキツいな)」

 

 視線に晒されるだけなら当主という立場上、部下の前で話す機会もある護瑠には問題無いが、大勢の女子から一斉に見られるというのは初めての事だった。

 

「・・・っと、初めまして、杜野護瑠と言います。IS適正が有ることが判明したため入学することになりました。よろしくお願いします」

 

 一瞬場に飲まれた護瑠だったが、直ぐに気を持ち直すと自己紹介に移った。当たり障りの無い内容だったがクラスメイトの疑問は解消されたようで、向けられる視線は緩んだ。・・・依然として敵意を向けてくる者も居るが。

 

「(これは・・・あの金髪からか。確か、セシリア・オルコットだったかな)」

 

 ISの勉強をすると同時に現在のIS関係の事も調べていた護瑠は、IS操縦者として有名人である彼女には直ぐに思い当たった。

 

「よし、では次の時間から早速座学に入る。各自準備をしておくように」

 

 チャイムが鳴り千冬の言葉で解散となると、護瑠はオルコットの事を一旦置いておき、一夏の元へ向かった。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

「一夏」

 

「おう、護瑠。・・・久しぶりだな」

 

「ああ、久しぶりだ。・・・ここじゃなんだ、少し場所を変えないか?」

 

 お互いの声は少し暗い。

 

 周囲からの興味津々な目も気になるが、今からする話は人に聞かせるものじゃない。そう思った護瑠は一夏と共に屋上へと移動した。一夏に話しかけてから移動する間も、護瑠の声も表情も固いものだった。

 

 

「一夏・・・すまなかった!」

 

 屋上に着いた護瑠は、開口一番頭を下げた。

 

「!!ちょ、護瑠やめてくれよ!?」

 

 突然頭を下げた護瑠だが、一夏にもその理由は察しがついていた。だからこそ、一夏も驚きながらも護瑠に頭を上げさせようとする。

 

「お前の話は千冬姉からも聞いてるし、第一俺はお前が悪かった何て思って無いし、むしろ助けられたと思ってるんだぞ!?」

 

「いや、でも俺は・・・」

 

「取り合えず頭を上げてくれ、あれはお前が悪い訳じゃないんだから。でも・・・それでもお前が自分を赦せないって言うなら、俺はお前を赦すよ。それで良いだろ?」

 

 そういう一夏にほっとした表情を見せ、護瑠の表情が緩まる。

 

「一夏・・・ありがとう・・・」

 

 おうと笑う一夏に釣られ、護瑠も笑顔を見せる。二年ぶりに一夏と出会って、初めての笑顔だった。

 

「護瑠が居るってことは、簪も一緒なのか?」

 

「ああ、昼休みに会えると思うぞ。・・・まあなんだ、これからよろしくな」

 

「おう、俺の方こそよろしくな!」

 

 そう言って拳を合わせる二人に、当初の複雑な空気は感じられなかった。そこに有ったのは友人との再会を喜ぶ気持ちと、女子校に通うことになった男どうしの絆だ。

 

「じゃあ、俺は教室に戻るよ。一夏はちょっとここで待っててくれ」

 

 護瑠の言葉に首を傾げる一夏だったが、護瑠は構わず階段室へと向かう。

 

「・・・邪魔をして悪かった。さ、一夏の所に行ってやってくれ」

 

 途中から階段室の影からこちらの様子を伺っていた人物にそう言うと、その人物は驚きながらも返事を返し、一夏の所へと駆けて行った。

 

「(あれが篠ノ乃箒・・・一夏の幼馴染みで、ISの発明者である篠ノ乃束の妹か・・・」

 

 二つに分かれた特徴的なポニーテールをした少女の姿を見て、護瑠はそう確信する。

 

 初代世界最強である織斑千冬の弟である一夏と、ISの発明者である篠ノ乃束の妹である篠ノ乃箒が仲良さげに話す姿を見て、二人を中心に騒動が起こることを予感する護瑠であった・・・。

 

 

 

 

 

少年少女の邂逅は波乱を呼び寄せる。意図せずとも、宿命として・・・




 お読み頂きありがとうございます!

 護瑠がずっと一夏の事で気にしていたのは何だったのか、それが明かされるのはもう少し先になると思います。

 では、次回をお待ち下さい!

 感想、質問等お気軽にお願いします。
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