東方トライアングル   作:幻想郷のトラウティスト

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第1話

「咲夜、花子のところに行ってくるわ。」

 

「いってらっしゃいませ。お嬢様。」

 

咲夜に見送られて紅魔館ではなく一時滞在先の幻想郷の外、現代社会の別荘のテラスから夜空に飛び立つ。

 

なぜ、幻想郷の外にある別荘なのかというと。

2週間前、八雲紫が何時のように突然現れて結界維持の為に紅魔館の地下にある霊脈の調整をするから用意した宿泊先にひと月移動してほしいとの要請があったから。

その要請を受けた私は、古明地こいしと一緒に幻想郷巡りに行く予定だったフラン以外の紅魔館の全員を連れて今は紫が用意した別荘に滞在している。

 

今日は美しい紅い満月の夜だ。

パチェは太陽と地球と月の位置とか光の屈折とかなんか理屈っぽい事を言ってけど、月が美しければそれで良いのよ。

 

空を駆けること暫らく別荘のある山の麓の人間達の街、間宮市の上空に出る。

そろそろ日付が変わるころ。

眼下の駅前通りを見る、こっちに移り住んで2日目の昼間にここに来た時は人の多さに辟易したけど、今はずいぶん閑散としているな。

早苗が『東京だと丑三つ時でも蛍光灯の明かりで外でも新聞が読めるんですよ。』なんて言っていたけど、この街がそうじゃなくて良かったわ。

あの蛍光灯の光は気に入らないのよ。

 

そんな駅前通りから少し離れた小高い丘の上にある間宮美園中学校に向かう。

 

こっちに移ってから4日目の夜、以前早苗が宴会の席で話していた『学校の七不思議』とか言う現代の妖怪達の事を思い出し、深夜の学校を幾つか訪ねたところ、この学校で出会ったのが「トイレの花子さん」こと花子だった。

力は大人の人間より少し強いくらいで能力も持っていないが、その明るく物怖じしない性格、彼女の妖怪としての存在の在り方、そして一緒にいると何となく心が和む彼女の雰囲気が気に入った私は何度か彼女に会いにこうして夜の学校を訪れ、今では新しい友人の1人になっている。

 

花子も妖怪の数がめっきり少なくなってしまった中で新しい妖怪の友人が出来て喜んでいた。

友人と言えば人間の友人がいるとか言っていたな。確かレナちゃんとか呼んでいた。

何でも、夜遅くに中学校に中学生よりも歳が上の女の子が1人で居たので、興味を引かれトイレで脅かしたら反撃されて捕まったらしい。

なんと言うか、霊夢や魔理沙に勝て、なんて言わないから、せめて普通の人間には勝ちなさいよ花子。

それにしても、力が弱いとはいえ妖怪に立ち向かって勝利したなんて少し興味があるから今度紹介してもらおうかと考えたが、吸血鬼の友人がいるなんて知ったらその人間が怯えて花子との関係にヒビを入れる事になるかも、うーん、でも気になるんだよなぁ。

なんて、悩んでいたら学校に到着してしまった。

 

「あら?珍しいわね。」

 

校舎の上空まで来ると何時も屋上で出迎えてくれる花子がいない。

そして、何時もは暗闇に包まれている体育館からは明かりが漏れていた。

 

「体育館に居るのかしら。」

 

私は体育館まで飛んで行き天井の窓から中を見ると、

 

「え!?」

 

花子が人質に取られていた。

 

体育館の真ん中に二本足で直立しているトカゲの様なのが1匹、そいつは右腕で花子を抱えて左手の爪を花子の首に突きつけている。その前に真っ白な手品師の様な服に顔を真っ白な仮面で隠した人間が1人、いや、人間じゃないな。

こいつ人間では無いけど妖怪でもない、何者だ?

手品師の前にもう1匹トカゲがいる。

 

そして手品師の正面には1人の小娘が、歳は10代後半、亜麻色の髪をピンクのリボンでポニーテールにして、胸元が大きく開いたドレスの様な体にピッタリとフィットした服にロンググローブ、ミニスカートは咲夜より丈が短くニーソックスに少し低めのヒール履いて、手にレイピアの様な剣を持っている。

顔立ちは十人が十人とも美少女と言うだろう。

まあ、咲夜には劣るけれどね。

 

「さあ、武器を捨ててもらいましょうかセイバーナイト・レナ。」

 

レナ?花子の人間の友人か?

 

どうやら、手品師は花子を人質にレナを脅しているようだ。

状況が見えない中、介入するべきではないのだろうけど友人が傷物になるのを黙って見ている程、私は大人しい性格ではないんだよ。

私が介入しようとした瞬間。

 

『カシャン』

 

レナが剣を捨てた。

 

「武器は捨てたわ。その子を解放しなさい。」

 

あら、あの子少しは見所があるわね。

 

「いえいえ、まだ解放できませんね。彼女にはまず観客になっていただきます。貴方の凌辱劇のね。

その後で、彼女にも劇に加わっていただきましょうか。」

 

あら?

 

「くっ!彼女は関係ないわ。」

 

私の友人を・・

 

「おやおやおや、十分関係はあるでしょう。彼女は、あなたの、この世界に住む、人間以外のお友達なのですから。セイバーナイト・レナこと紫藤レナさん。」

 

傷つけると・・

 

「!なぜ、お前たちがそれを知っている。」

 

いい度胸をしてるじゃあない・・

 

「それは企業秘密ですよ。まあ、私達があなた1人で満足すればお友達には何もせず解放してあげましょう。」

 

こんなにも月が紅いのだから・・

 

『ガチャ!バン!』

 

サイコキネシスで体育館の全ての窓のカギを開けて、全ての窓を開く。

勢いよく開かれた窓からコウモリになった私が入っていく。

 

コウモリが体育館の真ん中、そう、立体的な意味での真ん中に集まり私を形作る。

最後の1匹が集った後、コウモリの群れは私へと変化する。

私はバサリと羽を打ち鳴らし、魔力と殺気を放出しながら眼下の者共を睥睨し宣言する。

 

「本気で殺すわよ。」

 




さあ!この続きがどうなるか!
続きを書いていない作者にもわかりませんwww
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