令呪が発現した時の対処法   作:八雲 紅

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令呪が発現しちゃった!どうしよう!?(EXTRA編)

ぶっちゃけ対処法も情報も何も無いのでかなり短いし適当です


月の聖杯戦争

 

 

グッモーニン。私は転生者。いま月に居るの。

正確には月の中にある巨大な霊子空間の中だけど。

 

何の因果かセラフにて意識が覚醒し、現在は月海原学園の屋上に一人で突っ立ってます。

 

ここが何処なのかは直ぐに見当がつく。

《Fate/EXTRA》に登場する聖杯戦争が行なわれる場所だ。

セラフとは、目の前に広がる霊子虚構世界の名称で月に存在する聖杯、ムーンセルによって生み出された仮想現実世界。

ゲームの世界みたいなものだ。

 

俺からしてみればゲームの中の世界のゲームの中の世界だ。

 

この世界は通常のFateシリーズの聖杯戦争と違い参加者が多くトーナメント形式で参加者を絞る。

トーナメントを本選とするなら参加者を絞る予選が存在することになる。

この予選というものが中々に厄介なのだ。

 

まず万能の願望器である聖杯を求めてムーンセルにアクセスした現代の魔術師、ハッカー達は記憶を奪われて容赦なくセラフにぶち込まれる。

そしてセラフが構築したこの場所「月海原学園」に偽りの記憶と共に置かれる。

本選開始までにこの偽りの世界で記憶を取り戻した者が先に進め、それ以外は全員消される。

 

そう、死ぬ。

 

冗談抜きの問答無用。

ムーンセルにアクセスした魂を消去される。当然、魂が消去されれば肉体も死ぬ。ここで消されるのは即ち死に直結する。

当然だが本選で負けても死ぬ。

生きて月から出られるのは例外中の例外を除けば、基本は聖杯を手にした優勝者だけだ。

 

「いやー、マジでふざけんなよ、マジで」

 

憎々しげにそう呟いて屋上のフェンスの金網を掴む。なーんでこんな死亡フラグしか存在しない場所に来ちゃったかね。

 

 

今は学園生活でいう放課後。屋上から見下ろす校庭には多数の人間が見える。

早いところアクションを起こさなくては消えてしまう。

予選は記憶を取り戻せば終了、という訳ではない。とある場所に行きそこで偽りの学園生活から抜け出す必要があるのだが、そこに一つ落とし穴があるため行動するのを控えている。

ホイホイ向かえばその場所の門番の人形に返り討ちにされる可能性だ。原作主人公の岸波白野もあれで死にかけている。

岸波白野はサーヴァントを召喚して助かったとはいえ、俺に同じことが起こるかと言うと答えに困る。

 

というかそもそも、自分の存在を問われても答えに困る。

 

まず最初に、俺にはこの世界での(・・・・・・)記憶はない。

すなわち、この身体の持ち主の記憶が一切無い。

覚えているのは全て前世の知識だ。というかそもそもこの身体の持ち主に前世の記憶があるならまず月には来ない。

放っておいて世界がすぐに滅ぶ訳ではないし参加すれば死しかない場所にわざわざ行く訳がない。

 

じゃあ俺は一体誰なのか?それは俺にも分からない。

原作主人公の岸波白野みたいにサイバーゴーストなのかもしれないし、この月海原の生徒として与えられた仮初めの記憶(せってい)に紛れ込んだバグデータかもしれない。

自分のことは分からないが、この前世っぽい記憶のおかげでアイデンティティがクラッシュする事態は免れた訳だ。

 

「さて……」

 

そう口に出して思案する。

まず考えるのはこれから行なわれる聖杯戦争についてだ。

逃げることは不可能。待っていても避けられぬ死が迫っているのならば参加するしか他ない。そして自分が生き残るためならば他の参加者を蹴落とさなければならない。

 

……他人を蹴落とす覚悟は今すぐにどうにかなるものではない。しかし最低でもこの予選は勝ち抜くべきだろう。

では予選を確実に勝ち抜くためにはどうすれば良いか?

俺は前世の記憶の代わりにハッカー技術がほぼ0に近い。限りなく一般ピーポーだ。

予選を勝ち抜くためには校舎一階の端っこにある扉を開けなければならないが……正直、行ったら死ぬ。

人形の操作技術もコードキャストも使えない俺が門番人形に勝つ見込みは無い。

 

だが、解決策が無い訳ではない。

人形は俺のような非力な人間には強いがサーヴァントからすればゴミに等しい。つまり、サーヴァントを召喚出来れば勝ちだ。

予選でサーヴァントは召喚できる。漫画版ではランルーくんや凛やユリウスが予選の時点で召喚していた。というか、確か漫画版だとサーヴァント召喚したら合格だった気がする。

なんにせよ、今の予選の時点でサーヴァントが召喚できない訳ではないという事だ。

召喚の言葉は……なんとか覚えている。サーヴァントが応えてくれれば大丈夫だからなんとかなるはず。多分。

 

さて、サーヴァントを召喚するに当たって大事なことは触媒が無いから縁召喚になってしまうことだ。

俺がちゃんとしたハッカーなら触媒を作れる可能性があったがパンピーと変わらない俺にそれは無理だろう。

ぶっちゃけこの聖杯戦争はサーヴァントの強さで全てが決まる。

 

「こればっかりは運命力に頼るしかないか……」

 

運を天に……というか月に任せるしかない。

望むならばランサーとしてカルナを召喚出来れば万歳だが難しいだろう。

カルナは強いし裏切ることも無いし敗退しても宝具の鎧で消滅回避できる可能性がある。

ジナコ?大丈夫でしょ、あれより先に召喚すれば。

 

CCCについては考えないことにする。

あれはどう頑張っても回避出来そうにない。

なんだか始まる前から鬱になってきた。

 

「図書室でマハーバーラタでも借りてくるかなぁ……」

 

マハーバーラタはインドの有名な叙事詩。カルナの活躍もこれに描かれている。

気休めかもしれないが、触媒になればいい。

 

そう考え、俺は屋上を後にした。

 

 

 

 

月の聖杯を巡る争いは、静かに始まった。

 





なお校舎内はこの時点でユリウスがアサシン先生と一緒に徘徊しています

EXTRAは強制参加なので回避も何もなし
なので参加する形にするためにはこんな感じになりましたがぶっちゃけこれはくのんと変わらないような

EXTRAは要約すると「強いサーヴァントください」ですね
FGOのガチャかな?(すっとぼけ)
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