不甲斐ないところもあるでしょうが、楽しんでいただけるよう励んで行きたいと思います
いつもの日常
学園都市
ここは世界各地の科学技術の最先端が集まり、日々研究を重ねていく。
言わば巨大な実験都市である。
ここには何十もの小中高や大学が存在し、そこにたくさんの生徒や学生が在籍している。
実験都市で有るのに学生がいるのは何故か?
それは学園都市の校舎に通うにおいて、実験体となることが義務づけられているからだ。
ただ、その実験体というのは非人道的なことではない。
では、一体なんの実験体となっているのか?
それは『超能力』である。
昔は非現実的とされているものの一つなのだが、『AIM拡散力場』というものが出来たため、超能力というものが現実的にできるようになった。
ここでは普通の授業の他に超能力を発現させ、その力をより強固にさせる授業がカリキュラムに含まれている。
学生達はそこで日々勉学以外に超能力の開発などに励んでいる。
そんな学園都市の校舎に通う1人の学生がいた。
夏服と思われる半袖のシャツと黒いズボンを履き、手に持ったバッグを肩に掛けながら欠伸をしているツンツン頭の少年が、もう片方の手に持った焼きそばパンを口に咥えてゆっくりと歩いている。
そう、上条当麻当人である。
彼も超能力を発現させるため、この学園都市に通っているのだが……残念な事に学園側からはLevel0という診断を受けている。
学園側から、というのはどういうことか?
実は彼はーーーいや彼の右手には『幻想殺し』と呼べるものが宿っている。
宿ってはいるのだが……如何せんその力が学園側の装置には何も反応しないという。
まぁ、なんというか不幸と言うべきなのか……。
そういう理由でLevel0という烙印が押されている不幸少年である。
今日も研鑽を積むために校舎に通っていると思われるのだがーーー。
「ふわぁ〜あ、ねむ。全く、どうして私は超能力以外に通常の補修授業を受けなきゃならんのですか?」
訂正、自業自得である。
「しかし、この夏の不幸具合もひどかったなー。」
ひどかったーーーと言っても、ほとんど自分から巻き込まれに行った事件しかないような気がするのだが。
ほとんど、というのは一部別の原因が有るわけで……。
「はぁ、インデックスさんはおとなしくしているのですかね〜?いくら午前中で終わるとはいえ、あの腹ペコシスターさんはそんな融通利かせてくれるのやら……。」
インデックス
本名はIndex-Librorum-Prohibitorumという。
特徴として、腰まで伸びている銀色の髪に緑色の眼をしたシスターである。
彼女はこの夏から当麻の家に居候として過ごしている。
彼女が居候になるまでに彼女に関する事件があった。
あったのだがーーー。
「……覚えてないんだよなぁ。病院で目が覚めたら、あの子が既に居たっていう感じだからなぁ……。この右手だって……。」
当麻はそう言いながら、肩まで上げた右手を見る。
そう、彼は記憶喪失者である。
いや、記憶破壊者と言うべきなのか。
当麻はインデックスを助けた際、不幸な事故で記憶が破壊されてしまったのだ。
記憶喪失はいわゆる忘れてしまったという状態なのだが、記憶破壊となるとそうはいかない。
記憶そのものがなくなってしまうのと同義なのだ。
つまり、本人からすると始めからその出来事が無いのである。
ーーーーーーだからこそ、俺は彼女が望む上条当麻であり続けないといけないんだ。
改めてそう決心し、右手を下ろすのであった。
と、そこへ彼の名を呼ぶ声が聞こえる。
「カミや〜〜〜ん、おっはよーだにゃ〜。」
当麻は振り返ると、そこには金色の髪をしたサングラスをかけた高身長の少年で、そこから少し青い瞳が見える。
夏服用の学生服は第一、第二ボタンを開けており、開けたところから緑のシャツが見える。
彼の名は土御門元春。
上条当麻と同じクラスに在籍していて、男同士でだとよく一緒に行動している仲である。
「土御門か……おはよーさん。朝から元気だねぇ。私なんかもう帰ってエアコンで涼んでいたい気分ですよ。」
「ははは、カミやんはあいっかわらずマイペースでだにゃ〜。そんなこと言ってると小萌ちゃんに泣かれちゃうぜ。」
「ちょっ?!あの人に泣かれると、皆からの殺気で上条さんの意識がログアウトしてしまうでありますよ!」
「まぁ〜そん時は……ドンマイ!!」
「そ、そんな……あぁ、不幸だ。」
とまぁ、こんな感じが彼らの日常なのだ。
いつも通りの和気あいあいとした話をしながら教室に入ると、そこでまた彼を呼ぶ声が聞こえる。
「カミやん、おはよう。なーんやいつも通り辛気臭い顔しとるの〜。」
当麻は声の主を見ると、青い髪に耳にはピアスをしている少年がいた。
「おい〜っす、今日は早いな。何かイベントでもあったのか?」
「ふっふっふ、カミやん、これを見るがいい!!」
青い髪の…面倒なので青髪ピアスと言おう。
青髪ピアスは机の横に掛けている学生バッグを開け、そこから一冊の本を取り出した。
どうやら雑誌のようだ。
「何々……学校別美少女アンケートの集計結果発表?」
「ふぃ〜、そのアンケートもう結果が出たのかにゃ〜。さすが、学生のことになると仕事が早いんだぜ。」
「そうそう、このアンケートの趣旨は、学園の看板とも言われる美女がどんな人物なのかって言うコンセプトで作られた企画!もちろん、番外編として先生も対象としてアンケートを取ってる、『健全な』男の子には嬉しい雑誌なんやで。」
と、雑誌と思いっきり上に上げながら力説する青髪ピアス。
当麻はその様子を見て、青髪ピアスにこう告げる。
「……で、本音は如何に?」
「それはもう、この雑誌でランクインしてる女の子を片っ端からナンpーーー」
「はーい、ストップストップ!!これ以上は言わせねぇよ?!」
「んん〜〜〜、んんんん、んんんんんん?!」
当麻は青髪ピアスの口を手で塞ぐ事で、最後まで言わせないように頑張っていた。
当然、された側は抵抗するわけで、両腕で当麻を引き剥がそうと必死になる。
「まーったく、二人ともわかって無いにゃ〜、そんなことしても男の境地には至れんぜよ!」
「土御門、お前一体なんのこと言ってるんだよ?!取り敢えずこいつ抑えんの手伝えよ!」
「何とカミやん、知りたいと言うのか?!いいだろう、教えてあげるぜよ!」
「いや聞けよ、俺の話。それとお前の話は聞きたくない!」
「真の男の境地!それはーーー」
「だから、言うなーーーーーーー!」
と、当麻が叫んでいる時に、教室の前方のドアがスライドする音がする。
そこからピンクの髪にピンクの衣装をこらした少女が………え?少女?………が生徒に向けて言葉を発した。
「はいはーい、皆さん、おはようございま〜す。今日は午前中だけですけど、皆頑張って一緒に進級しましょうね〜。」
何と先生だったようだ。
先生らしき少女?は教壇に上がり、教材を教壇の上に置く。
少女?は辺りを見回して、ふと当麻と青髪ピアスが乱闘してるところを見る。
「はいはい上条ちゃん、座ってくださいね〜。もう授業始まってますよ〜。」
と、注意した。
しかし、この少女?の声が聞こえてないのか乱闘が治まらない。
乱闘してる横で土御門が笑いを堪えてる様子しか、変化が無い。
なのでもう一度、この少女?は当麻に注意することにした。
「上条ちゃ〜〜〜ん、聞こえてますか〜?授業の時間ですよ〜、早く席についてくださーい!」
……が変化なし。
聞いてくれない不満なのか、段々不機嫌な顔になって行き、終いには頬を膨らませながら泣きそうになっている。
それを待ってましたかのような顔をした土御門は当麻に声を掛けつつ、彼の肩を叩いた。
「カミやんカミやん。」
「なんだよ土御門?今こいつと拳を交えたお話しなくちゃならないんだ。話なら後にしてくれ!」
「いや、カミやん。その前に教壇の方を見た方が後々の為だと思うんだけどにゃ〜。」
「教壇?教壇に一体何が………え?こ、小萌せん、せい?!」
当麻が教壇の方を見て、泣きそうになっている少女?……失礼、小萌と呼ばれる女性を見て、かなりの動揺を見せた。
と、不意に悪寒が走る。
この悪寒は前にも同じような事、と言うより、全く同じ感じ。
嫌な予感と滾らせながら辺りを見回すと………。
なんとまぁ、他の居残り組がこちらに向いて睨んでいるではないか。
「また上条か?!」
「小萌ちゃん、また泣かしたぞ。」
「何故だ?!俺らがやってもただ怒るだけなのに、どうしてあいつにだけ涙を見せるのだ?!」
「
「体のことさえなければ、俺の結婚したい女性No.1の小萌ちゃん泣かしやがって!」
「おい、待て待て!誰だ永遠の幼女なんて言ったやつ…いや、犯人はわかってるが、それともう一人!体のことは言っちゃダメだろ?!」
「上条ちゃ〜〜〜ん!!」
「理不尽だーーーーーーー!!!」
当麻は頭を抱えつつ、天井に向かって叫ぶのであった。
◆◆◆
今の時間は午後2時と言ったところか。
今は夏休みとも言える時期。大通りには人がたくさん歩いている中、ここに1人、何故か自身の周りに黒いオーラを出しているのではないか、と言われるくらいに落ち込んでいる少年がいる。
そう、言わずもながら上条当麻当人である。
「はぁ、今日も相変わらず不幸具合が半端なかった………。お陰で俺だけ小萌先生に説教食らうし、黄泉川先生にはからかわれるし………帰ったら帰ったでインデックスに怒られるんだろうなぁ。」
そういいながらため息をもう一回吐き、
と、普通ならすんなりとスーパーに行けるのが当たり前なのだが、上条当麻の不幸スキルはこんなところでも発揮される。
一体何を言ってるんだ、と言うところなのだがーーー。
「あぁーーー、アンタ!こんなところで一体何やってるのよ。」
当麻は聞き覚えのある声に頭を抱えつつ、その方向へ体を向けた。
そこには茶色の髪に、お嬢様学校と呼ばれる常盤台中学の制服をきている。スカートのしたに短パンを履いているのは、彼女自身の性格上たくさん動き回るからであろう。体育少女と言われてもいい位清々しい少女であった。
御坂美琴
学園都市では7人しかいないとされるlevel5の超能力者。
その中で第3位の
「御坂か、相変わらず元気だなぁ。疲れると言う言葉を知らんのですか?」
「何よ?!再会した女の子への第一声がそれって、ちょっとデリカシーがないんじゃないのかしら?だいたいあんたーーー。」
「だぁーーー、わかったわかった。頼むから開幕一番に説教はやめてくれないでせうか?そろそろスーパーの特売の時間なんでそっちの方に行きたいんだが。」
当麻の言うことに首を傾げる御坂。
「あんたのとこって食事出ないの?」
「あぁ、全部スーパーとかで買って調理しないといかんのよ、これが。お陰で生活費がカツカツですよ。っほんっとに!」
「ふぅ〜ん、何か大変ね。常盤台は全部食事が出るからあんま気にしたことないのよね。」
「………ちなみになに食ってるか聞いてもよろしいでせうか?」
「うーん、昨日の晩は確かフランス料理のフルコースだったかしら?」
「なんと言うお金持ち専用の料理。………くぅ、一度でいいから食べてみたいわ!」
「学校も色々あるのね。………あ、そうだ!ちょっとスーパーで買い物して見たかったのよ。と、いうことで手伝ってあげる。」
「………はい?今の会話からどうしていきなりそういう話に?」
当麻の疑問が頭の中でいっぱいになるも、それを不思議に思わない御坂は当麻の手を取り、引っ張って行った。
「さぁさぁ、行くわよ。」
「待って!その前にこの上条さんの疑問に答えてくれー!と言うかお前、俺が行ってるスーパーへの道わからないだろーーー?!」
当麻の叫び声をバックミュージックに、2人はスーパーへと向かうのであった。
青髪ピアスは何て言ってたのか
「んん〜〜〜、んんんん、んんんんんん?!」
⬇︎
「おい〜〜〜、カミやん、なにするんや?!」