今回、賛否両論があること覚悟で書きました。
温かい心で見てくれると助かります。
それでは、第12話を始めましょう。
兵藤達と合流した当麻。
4人の無事を確認すると、すかさず中で何があったかを確認するのであった。
「無事でよかった。けど、本陣に乗り込んだにしては服とかがずいぶん綺麗なんだが………一体何があったんだ?」
そう、本陣に乗り込んだにしては汚れがあまりないのである。
アーシアは捕まっていたからそんなに汚れはないとしても、乗り込んだ3人まであまり汚れてないのはさすがに気になったのだ。
「それなんだけどな………実は、俺達が乗り込んだ時にはすでに戦場と化してたんだ。」
「…なんだって?」
兵藤の言葉に驚愕を隠せない。
それもそうだろう。
敵しかいない地下で一体誰と争うのであろうか?
そんな疑問に、木場がこう答える。
「…上条君、金髪の堕天使に覚えはないかい?」
「?あぁ、一度戦った事がある…ってまさか!?」
「どうやら、面識はあるようだね。そう、彼女がもう一人の堕天使レイナ―レという人物とその他の神父たちと戦っていたんだ…シスターアーシアを守るようにね。」
金髪の堕天使ミッテルト
当麻がこの事件に片足を突っ込む事になった存在。
だが、何故彼女がそんな事を?
先ほど言っていた堕天使レイナ―レと供に行動していたのではないのか?
そんな事思いながら、木場の次の言葉を待つ。
「彼女は僕達を見たとたんね、『アーシアを頼む』って言って僕達の所に投げ込んだんだ。ただ、僕達もある程度中に入っていたんで、出る時に少し戦闘になったんだけど…。」
当麻はその話を聞いてますます訳が分からなくなった。
彼女が何か心変わりするような出来事、いや悩む事があったのだろうか?
少なくとも、自身が戦った時にはそんなそぶりはなかったはずだ。
そんな事を考えていると、アーシアが兵藤に向かって何かを話している。
相変わらず英語で話しているせいか何を言っているかわからなかった。
「えーと、一誠さん?アーシアさんはなんて言ってらっしゃってるので?」
「え?…あ、そうか。当麻は人間だから言語の自動変換は出来ないんだっけか。えっとな、アーシアが言うには少し前からミッテルトっていう奴は悩んでいる事が多かったらしいぞ。」
「…悩んでる?」
当麻の疑問に兵藤は続けて話す。
「なんか、『自分の力はレイナ―レ様の為にあるんだ。でも、自分が力を得ようと思ったのは…いや、これでいいはず…』みたいな事を言っていたらしい。アーシアが偶に声をかけた時は最初は突っぱねてたんだけど、だんだん緩和して何回か話すようになったんだと。」
当麻は、その言葉に対し、ある意味安心感を覚えた。
――――――そうか、アイツ、自分が力を手に入れた理由、思い出したのか。
その笑みに、兵藤達は疑問を覚える。
「どうしたんだ、当麻。急に笑みなんか浮かべて?」
「…いや、何でもない。」
当麻はすぐ様、真剣な顔になり、今後の予定を聞こうと思っていた。
「それで、どうするんだ。一応、アーシアは助けたが、彼女をいったいどうするつもりなんだ?」
当麻の疑問に今度は塔城が答える。
「一応、部長に頼んで匿ってもらう予定です。部長は何故か一誠さんの事は気に入っているので、何だかんだ言って受け入れてもらえるかと…。」
「そうか…。」
当麻は、そういうと、自身は祭壇の下へ足を向けた。
兵藤は当麻の行動に疑問をもち、声をかける。
「当麻、一体どこに行くんだ?出口はあっちだぞ?」
「…お前達は先にいけ、俺は俺でやる事がある。」
当麻の発言に、木場がまさか、という表情になり、声をかける。
「…まさか、あの金髪の堕天使を助けるつもりなのかい?」
木場の発言に、兵藤と塔城は驚愕の表情を浮かべる。
「当麻、いったい何考えてるんだ!今、あそこに行ったら帰ってこれないかもしれないんだぞ?!」
「そうですよ、彼女は堕天使ですよ!?私達悪魔とは敵対してる関係なんです。しかも、上条さんは命を狙われたんですよ?助ける必要なんてないじゃないですか!?」
兵藤と塔城の言う事は確かに的を得ていた。
堕天使、特にミッテルトに対しては、当麻は助ける理由がまったく見当たらないのだ。
それなのに、何故?
その疑問に、当麻は当然のように返事をする。
「…そうだな。確かに、あいつを助ける理由がないな。」
「だったら――――――」
「でも俺は、あいつを助けたいと思っちまった。」
「?!…どうして?」
兵藤達はますます当麻の事がわからなくなってきた。
――――――それだけの理由で?
なぜ、当麻はそこまで他人を助けようとするのかがわからなかった。
今まで、そんな事を言う人物にあった事がないかもしれないが…それでも、当麻が動くのは一体何なのだろうか?
そんな疑問に駆られていると、当麻はゆっくりと口を開いた。
「アイツは―――ミッテルトは足掻いてるんだ。」
「…足掻いてる?」
「そうだ。アイツは今のこの現状に疑問を持ちながら、自分という存在が一体何なのかを探し始めたんだ。だったら、俺はそれの手助けをしてやりたい。そう思ったから、ミッテルトを助けたいんだ。」
「…当麻。」
当麻の発言に、兵藤はある意味尊敬の念を覚えた。
――――――当麻、お前、すげぇよ。俺なんか、レイナ―レに一回殺されてから、アイツに何だかんだビビってるっていうのに…お前は怖がるどころか立ち向かい、更にはそいつの事を助けようとしてる。力だって、たぶんだけど俺らより小さいはずなのに、そこまでの意思の強さは…俺にはない。羨ましいよ、当麻。
そんな事を思った時だった。
教会の外から、何やら大きい音が聞こえる。
「この魔力は!!」
「部長と姫島先輩!?」
木場と塔城はさも当然のようにその音の原因となっている人物を言い当てる。
それを聞いた兵藤は驚きを隠せなかった。
「え?部長と姫島先輩が来てるのか?」
兵藤が驚きの声をあげ、木場と塔城に確認をとった。
そんな時だった。
教会の壁が崩れ、それと同時に何かが教会内に入り込んだ。
その姿を見て、当麻は驚く。
無理もないだろう。
茶色の女性用のスーツを着ており、髪は腰までのびていて、色はエメラルド。
そしてなにより、背中に黒い翼が付いていた。
間違いない、彼女も堕天使だ。
そして、彼女に続くように教会内に入る人物が2人。
「どうしたの、カラスさん。その程度?」
「あらあら、もう一匹のカラスさんに逃げられて、絶体絶命ですわね。」
そう、リアス・グレモリ―と姫島朱乃である。
「く、ドーナシークめ!裏切りおって!!」
そう言いながら、立ちあがる、堕天使。
が、背後の気配に気づいたのか、すぐ様、当麻達の方を振り向く。
「な、アーシア!?何故ここに?まさか、儀式は失敗したのか?!」
堕天使の言葉に、兵藤が答える。
「あぁ、そうさ。お前の仲間がアーシアを助けてくれたんでな。」
「…やはり、ミッテルト。そういうことなのだな…お前まで…裏切るのか。」
無理もないだろう。
仲間だと思っていた堕天使が2人裏切る。
そんな事実を目の前に突きつけられて、心が折れないわけがない。
事実、目の前の堕天使は心が折れかけていた。
そんな時だった。
今度は祭壇の下から激しい音が聞こえる。
「…なにかしら、イッセー、何が起こっているの?」
リアスは状況が読み込めていないのか、兵藤に質問を投げかけた。
「さぁ、俺も良くは…って当麻!?」
兵藤はリアスの質問に答えようとするが、それよりも早く、当麻が祭壇の方へ向かう、という行動を起こしていた。
――――――ミッテルト!!
ミッテルトの身を案じた当麻は祭壇の元へと走る。
が、すぐにその足が止まった。
何故止まったのか?
「うわああああぁぁあぁぁぁぁ!!」
それは、祭壇が上に飛び上がりながら、壊れて行くのが見えたからだ。
そして、それと同時に金髪の堕天使が何かに飛ばされるように、この教会内に出てきたのだ。
「ミッテルト!!」
当麻はすかさず、ミッテルトが落ちるであろう位置に移動し、落ちてくるミッテルトを抱きかかえた。
意識を失っているらしい。
ミッテルトの体には力が入っておらず。当麻の腕の中でぐったりとしていた。
「ミッテルト。おい、しっかりしろ!!」
当麻がミッテルトに呼び掛けている姿に、リアスはますます混乱した。
「…どうなってるの?」
「いや、それが俺にもよくわからなくて…」
当麻以外が完全に混乱している今、その場に比較的落ち着いた、しかし、怒りを抑えられていない声が響く。
「まったく…どうして私を裏切るのかしら、うまくいけば、アザゼル様やシェムハザ様に寵愛を受けられるっていうのに…。」
そう言いながら、祭壇があった場所から出てくる人影。
その姿は、黒髪で腰まで伸びており、何より背中に黒い翼が生えている。
そう、当麻が、アーシアが連れ去られていく時に見た堕天使であった。
「…夕麻ちゃん。」
「あら、イッセーくんじゃない。なぁに、また殺されに来てくれたの?」
堕天使の発言にリアスは間髪いれずに返事をした。
「ふざけないでちょうだい。
「レイナ―レ!?アーシアをさらったこいつが?」
当麻は顔と名前が今はっきりと一致したのか、確認の言葉を言った。
それに対して、木場が肯定の頷きで返す。
そして、レイナ―レは当麻の方を向いた。
「…あら?なんでこんなところに人間がいるの?しかも、
「!?いくら夕麻ちゃんでも、当麻に対する侮辱はゆるさねぇぞ!」
「許さないから…何?私を倒すのかしら?フフッ、面白い冗談ね。戦いを経験し始めてからどの位経つのかしら?その程度の経験で、私に勝てるとでも?」
レイナ―レの言う事にたじろぐ兵藤。
だが、兵藤の前に木場と塔城が兵藤への視線をふさぐかのように移動した。
「それ以上、僕達の仲間を侮辱するというなら、僕は黙っておかないよ?」
「兵藤先輩は変態ですけど、私達の仲間です。傷つけると言うなら、容赦はしません。」
「こ、小猫ちゃん…変態はひどくない?」
「…事実を言ってはいけませんか?」
「…ちくせう。」
塔城の突っ込みに膝をつく兵藤。
「…何やってんだ?こいつら。」
当麻は、この緊張感でこんなふざけた事が出来るこのメンバーにある意味尊敬の念を抱いた。
「さてと…アーシア。」
レイナ―レに呼ばれたアーシアは、ビクッとしながら兵藤の後ろに隠れ、レイナ―レの方を覗いた。
「Ms,Leinare….」
「さぁ、こっちへいらっしゃい。アザゼル様とシェムハザ様の為に、私に貢献しなさい。」
レイナ―レがアーシアに向かって手を伸ばすと、それを塞ぐかのように、兵藤がアーシアを自身の背に隠した。
「…何のつもりかしら?」
「悪いが夕麻ちゃん、アーシアを渡すわけにはいかない。」
レイナ―レは兵藤の言う事に少し怒りを含めた表情をした。
「…まったく、わからないわね。アザゼル様とシェムハザ様の寵愛を受けることが、アーシアを生かすことより、ずっと有意義だっていう事が、まだわからないの?」
「そもそも、そう思う方がこっちとしては意味不明だよ。死なせる事より寵愛が重要な事なんてあるもんか!」
「…まだまだひよっこね。世の中の事をまったく分かってないわ。あの方たちの寵愛を受ける事は何よりの神聖で、素晴らしいものなの。…それをわからないなんて―――」
「いい加減にしやがれ!!」
当麻が大声を発することでレイナ―レの発言を妨げた。
当然、レイナ―レは憤慨の表情を作る。
「なに?人間風情が私に盾つくつもり?」
レイナ―レが殺気を放つも、それを気にしないかのように、当麻は言葉を続けた。
「お前、それ、本当にアザゼルって奴とシェムハザって奴がそういったのかよ?」
「あの方たちを呼び捨てするなんて、あなた、相当罰あたり――――――」
「聞こえなかったのかよ?質問しているのはこっちなんだ。いいから、さっさと答えろ!」
当麻はレイナ―レの発言を遮って言うも、レイナ―レはうんざりとしながら答える。
「そんなの当たり前じゃない。アザゼル…様………とシェ…ムハザ――――――」
レイナ―レが発言をしようとするが、だんだん言葉が少なくなっていき、しまいには黙ってしまった。
「…夕麻ちゃん?」
兵藤が心配した顔になり、レイナ―レへと声をかける。
「…違う。」
「え?」
レイナ―レが否定の言葉をだし、そして――――――。
レイナ―レは頭を抱えた。
「ちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがう、アザゼル様とシェムハザ様はそんなこと言ってない、いや言ってる…うわぁーーーーーーーーーー!!!」
レイナ―レが発狂したように声をあげ、顔を天井に向けた瞬間。
レイナ―レの後ろに魔法陣が浮かび上がった。
「!?これは、一体?」
「何だかわからないけど、皆、来るわよ」
リアスがそういうと同時に、当麻達は皆戦闘準備にはいる。
堕天使レイナ―レ?戦、開幕。
さて、第一章も終盤に入りました。
一応、原作で疑問に思ったところをあえて突っ込んで書いては見ました。
堕天使レイナ―レとの戦いの結末は!?
当麻はその時どういう行動をするのか!?
そして、リアス眷属達はどう動くのか?
そして、ちらっと出てきた土御門の目的とは!?
次回、待て!