………え?彼って誰かって?
解っている方もそうでない方もとりあえず本文を読んで見て下さい。
日が傾き始めた頃合いだろうか。
スーパーで御坂と買い物を終えた当麻は、片手に学生バッグとビニールの買い物袋を、もう片方にもビニールの買い物袋を持ち、自宅へと帰っているところだった。
もちろん、御坂とはスーパーで別れている。
ただ一つ疑問に思ったのは、買い物が終わった御坂が最初よりも機嫌がすこぶる良かったという点に関して、そこだけ当麻は疑問に思わざるおえなかった。
「まぁ、あいつが楽しんでくれたのならいいか。」
そう言いながら、自宅のマンションへと着き、階段を登る。
当麻の部屋は最上階にあるので、上がるにも一苦労だ。
「何で最上階何か選んだんだか……うぅ、すぐ先の未来がわかってるだけに、足が重いのでありますよ。」
そう言ってる間に最上階に着き、自分の部屋へと足を運ぶ。
玄関のドアにたどり着いたところで、一旦荷物を置き、ポケットから鍵を出してドアを開ける。
そのまま一歩踏み出そうとして……その足が止まった。
止まったと同時に、当麻の体から汗が噴き出る。
何故か?
それは当麻の視線の先にあった。
視線の先には、もう怒ってますと言わんばかりに、顔が般若化しそうな顔をしているインデックスが腕を組んで仁王立ちしていた。
「……イ、インデックスさん?玄関の所に立ってどうしましたでせうか?」
「とうま、私に何時頃帰ってくるって言ったか、覚えてるよね?」
「……えーっと、何時頃って言いましたっけ?アハハハ……。」
「お昼にはちゃんと帰ってくるって言ってたんだよ、とうま。」
「おぉー、そうだったそうだった。」
「……で、今何時だと思ってるの?」
「あ、あははー……。」
当麻が誤魔化しきれなくなったその時、ガチンという言葉が適切なくらいの音が鳴る。
インデックスが歯をむき出しにしながら、強めに噛んだ音が鳴ったのだ。
いやいや、歯の構造と材質からしてカチンならわかるが、ガチンとは……彼女の歯は一体どうなっているのだろうか。
「イ、インデックスさん?!待って、話し合いましょう?暴力からは何も生まれんのですよ?!」
当麻は説得を試みるも、インデックスはそれに応じることは無いと言わんばかりに一歩前へ踏み出した。
当麻は一歩引く、インデックスは更に一歩前に出る。
当麻はまた一歩引こうとしたが、残念、共有通路の幅が狭いせいか、その一歩が引けなかった。
そして彼女がまた一歩前に出る事で、インデックスの有効範囲に入った。
そしてーーーーーー。
「とーーーうーーーまーーー!」
当麻の頭に噛み付いた。
「んぎゃぁぁぁあああああ!!!」
「
「あぁーー、インデックス、マジで悪かった!悪かったから噛み付くのやめてください!ホント痛いんです!」
痛みから逃れる為に、あっちこっち動いてインデックスを振り払おうとする当麻。
一方、インデックスは振り払われないように噛み付く強さを上げ、更には当麻の頭を掴む始末。
全く、ちちくり合うのなら部屋でやって欲しいものだ。
と、そんなことをやっていると開けたドアの向こうから当麻を呼ぶ声が聞こえる。
「相変わらずの不幸具合ですね、とミサカはこの惨状を見て憐れみてみます。」
「え?………御坂?!……妹の方か。どうした、何かあったのか?」
「………また女の子引っ掛けてる。」
御坂妹
いや、この名前は当麻がそう呼んでいるだけであり、正確には
容姿としては御坂美琴とほとんど変わらない姿である。
違うといえば頭に戦闘用のゴーグルを着けている。
後は……短パンを履いてないということだけか?
いや、待って欲しい。別にふしだらな思いがあって言った訳ではなく、単に違いがあるとすれば何処か……ということであげただけで深い意味は………ゲフン、失礼、取り乱した。
ただ、名前からも何と無くわかると思うが……彼女は御坂美琴のクローンで、『
とある実験の被害者であったが、当麻がその実験を止めたことにより、彼女たちは解放された。
今は治療を受け、彼女達自身の日常を歩んでいるはずである。
御坂妹は、当麻の返した返事に少し不機嫌になった。
「用がなければここに来てはいけないのですか?と、ミサカはその返事に対して心外の意を示します。」
「あぁ、悪い。お前がここに来るなんて珍しいから、つい、な。」
「いえ、構いません。今は世間話をしている暇はないのです。と、ミサカは焦燥の念を現します。」
御坂妹の言葉とその真剣な顔を見た当麻はただ事では無いと感じ、次に言う言葉を待つ。
インデックスも、2人の雰囲気から噛み付くのをやめ、事の詳細を見守ることにした。
そして発せられるーーーーーー非日常への入り口への言葉が。
「お願いです。私達
◆◆◆
今ではすっかり太陽が沈み、月が出始めたこの時間。
上条当麻は走っていた。ただひたすらに、真っ直ぐ、真っ直ぐ走っていた。
走っている理由はただ一つ、御坂妹に助けを求められたからだ。
内容としては、御坂妹以外の
御坂妹が当麻に助けを求めた時には、もう既に10人弱の
そして襲った人物は顔が判明してないのでわからないらしい。
しかし、思い当たる人物が1人だけいた。
学園都市第1位
ついこの前、当麻と戦ったLevel5の能力者であり、最強の能力者と呼ばれていた。
彼の能力は力の
それは電気で有ったり、熱で有ったり、放射線で有ったり………力と感じる物は全て知覚でき、その力の方向を変えることが出来るという、最早無敵と言ってもいいのではないかというくらいに強すぎる能力である。
だが、それは発動できればの話。当麻の右手によって、消されてしまえばただの人間と変わりない。
それを利用して、当麻は
それによって、彼に関する実験は同時に終了したはずであった。
だが今、その
当麻にとって、それは見過ごすことの出来ない事件。
それが、友達に関することならなおさらである。
だから、当麻は御坂妹の頼みを聞き、こうして行動しているのである。
当麻は、御坂妹との会話を思い出していた。
ーーーーーー実は途中から奇妙なことがありまして。
ーーーーーー奇妙なこと?
ーーーーーーはい、被害が10人目を越えたあたりでしょうか?気絶した
ーーーーーー紙切れ?
ーーーーーー今把握している単語は『筋ジストロフィー』『御坂美琴』『10032』『X-228561』『Y-568714』の5つです。
ーーーーーー?!おい、それって!
ーーーーーーはい、上条当麻と
ーーーーーーって事は今回もそこに
ーーーーーー確証はないのですが、しかし何もしないというわけにも………。
ーーーーーーわかった。とりあえず、俺はそこに行ってみる。御坂妹は他の妹達に伝えてそこに近づかないように連絡を入れてくれ。
ーーーーーーわかりました。
そう、こうやって走る前にどこに行くべきなのかを思い返していた。
答えのない思考に囚われつつも、まずは目的地に着くことが先であると考え、その場所へと足を走らせたのだった。
◆◆◆
かつて、上条当麻と
白い髪に赤い眼、いわゆるアルビノというのだろうか、それに加えて、服はまるで蜘蛛を象ったような模様の服を着た少年がいた。
そう、かの少年こそ学園都市最強と言われたLevel5の中で第1位を司っている
彼は今、コンテナの上に座っており、その状態で月を見上げていた。
「全く、俺もやきがまわったもンだなァ。こンなことしたって、どうにもなンねェってのが解ってるクセにな。」
ーーーーーー君が
ーーーーーー………なンだァ、てめェら?なンか俺に用かよ?
ーーーーーー単刀直入に言おう。君はまだ
あの忌まわしい実験。やってることが非人道的であると解っていても、その力を手に入れようとして実験に参加したあの出来事。
今までの生活を変えたいと願って非人道的な実験に参加し、淘汰されたあの出来事。
実験を淘汰させる為に立ち向かった奇妙な少年の事。
色んな事が頭の中でグルグル回る。回り続ける。
そんな事を考えているも、接触して来た者達は話を続けた。
ーーーーーーどうした、何か考えることでもあったのか?
ーーーーーー?!いンや、なンもねェよ。ンで?その質問に答えるとして、俺にどンなメリットが?俺はもう最強という肩書きが消えたもドウゼンなンだぜ?
ーーーーーー確かに、我々の目的は
ーーーーーーあァ?どういうことだよ?
ーーーーーー例えばの話だ。もし、君が学園都市第2位で、第1位が他にいたとしよう。我々以外の研究者ならば、最強の象徴である第1位にその力があると考えるだろう。その人物の素質も見ずに。だが我々はそうではない。至れる素質があるかどうか判断し、第1位にその素質がなく、第2位にその素質があれば真っ先に第2位を勧誘するのさ。ただ、今回のことに関しては第1位である君に素質があると判断された為、こうして我々が勧誘しに来たというわけだ。
ーーーーーーそれだとおかしい事があるぜ。だったらなンで、この時期に勧誘してくる?それこそあの実験を利用して、他の実験をやるンじゃねェかって疑われても、しょうがないンじゃね?
ーーーーーーここからが本題だ、
ーーーーーー!?
寝耳に水だった。
あの実験をやらなくても絶対という高みに上がれる、そんな方法があるのかと。
信じたくはなかった。
そんな夢のような話が、何故今まで自分の耳に入ってこなかったのだ?
誰の犠牲もなく、自分が犯した罪に悩まされることなく?
疑いたかった、不信を貫こうと思った。
だが、あの出来事の後の生活がガラッと変わった自身においては、とても魅力的なものに見えてしまった。
食いついてはいけない、まだ質問は終わってないと心を落ち着かせた
ーーーーーーだったらなンで、あの実験が終わる前に勧誘しなかったンだ?
ーーーーーーこちらも寝耳に水だったのだよ。あの実験に関する書類が送られて来たかと思えば、急に中止すると書いてあったものだ。焦ったよ、参加してる我々に一言の断りもなく終了の鐘を鳴らすのだからね。それから少し前まで、上層部を説得し続けたのだよ。おかげで、
一見矛盾してなさそうに見えるこの話。
信じるべきか、信じざるべきか。
そして、次に発言するであろう言葉に耳を傾けた。
ーーーーーーもし協力してくれるのならば、我々の計画に使われる一部が、あの実験を邪魔した彼を倒せる可能性となるだろう。
………衝撃的だった。
自身の生活を変えたあの少年を倒せる?
あの少年を超えられるのか?
そんな思いが心の中のほとんどを占めてしまった。
ーーーーーーソレは本当なンだろうな?
ーーーーーーあくまで可能性だ。それをうまく使えるかは、君次第だ。
後はもう言わなくてもいいだろう。
そのままなし崩しに了承を重ね、今に至る。
「こンどこそ、変えてやる………今までの事も。そして、アイツとの決着もココで終わらせてやる!」
そう言った後に、ふと、地面に靴が擦れた音がした。
「やっと来たか………オマエがココに来たって事は、大体は把握してるって事でイイんだよなァ?」
「あぁ、悪いが今回も止めさせて貰うぞ。
「こいよ………三下ァ!!!」
ここで、上条当麻と
今回大変だと思ったこと
登場人物の心情を三人称っぽく書くのってムズ!