上条当麻がこっちでどう言う日常を過ごしているのか。
そんな話がかければな、と思って書きました。
では、今回のお話を始めましょう。
駒王学園の幻想殺し
朝日が昇り、小鳥の鳴き声が聞こえる。
まだ少し肌寒い時期、ベッドから起きたくない人もいるであろう。
あのベッドのぬくぬくとした感覚は、ハマってしまうと中々抜け出せないのだ。
そんな決まりごとの様に動いてしまう人物が、ここに1人………。
とあるマンションの一部屋。
その中のベッドで寝ている1人の少年がいた。
そう、相変わらずの上条当麻当人である。
ピピピ、と時計のアラームが鳴り響く中で、当麻は布団の中から手を出して時計のアラームを止めようとしていた。
そこに時計があるのかを確かめる様に手探りで探し、時計に触れた所でアラームを止めるボタンを押す。
音が止まったのを確認した当麻は、伸ばした手を布団の中に戻し、布団の中で丸くなった。
と、そこにタイミング良く携帯の着信音が鳴る。
「んん、なんだよ朝っぱらから………。」
そう思いながらまた布団から手を出して、手探りで携帯を探す。
携帯の周りを当麻の手が右往左往しながら目的の携帯を手に取り、それを布団の中に持って行き、画面に映っているであろう着信の相手を見る。
そして見たと同時に、当麻の寝ぼけている頭が急にはっきりし、苦笑いを浮かべた。
画面に映っていたその人物の名前はーーー。
リアス・グレモリー
当麻は、電話を取るのに戸惑うも、出なければ出ないで、また面倒くさい事になるとわかっているので、仕方なく通話ボタンを押すのであった。
「………もしもし、こちら上条さんですが。」
「あら、トーマ。なんか最近、電話するたびに呼び出し時間が長くなってる気がするのだけど………気のせいかしら?」
あなたのせいですよ。と言えない当麻は冷や汗をかきながら対応する。
「き、気のせいじゃあないのですのよ?まさか、二大お姉さまの1人であるグレモリー先輩を待たせる様な事なんて………。」
「………まぁ、そう言うことにしておいてあげるわ。」
そう言いながら電話口で溜息を吐いているのを当麻は聞き逃さなかった。
「で?今日は朝っぱらからどうしたので?」
「あら、言わなくてもわかってるでしょ?今日ね、朝のうちにオカルト部に荷物が届くのよ。」
「へぇ、そうなんですか。頑張ってくださいね。」
「あら、何を言ってるの?………荷物運び、頼んだわよ。お手伝いくん。」
「………はい。」
「部室は朱乃に頼んで開けててもらうから、机の上に置いててね。それじゃあ、また放課後に。」
「は?いや待ってください、グレモリー先輩!放課後も………って、切りやがった。」
当麻は通話が途切れた携帯を見て、溜息を吐く。
リアス・グレモリー
腰まで伸びている紅い髪の女性で、駒王学園の高校3年生、つまり、当麻の先輩にあたる。
彼女とは生徒会長である支取を通じて知り合った人物であり、彼女もまた、悪魔と言う種族である。
彼女は二つ名を持っており、『
学校では二大お姉さまの1人であり、その美貌は女優と言われてもいい位に整った顔をしている。
さて、どうして当麻はそんな彼女から雑用扱いされているのか?
それは支取達が悪魔だ、と正体を明かした所まで過去を遡らないといけない。
ーーーーーー私達は悪魔、と言う種族に分類されるものです。
当麻は、その言葉を聞いた時、思考が完全に停止していた。
それもそうだろう。
異世界などと言う、ゲーム上の設定みたいな出来事にあい、そして今度は当麻達の世界にとっては幻想上の存在が、今目の前にいる。
いや、吸血鬼とかそんな話は少し前に聞いたことがあるが、今度は悪魔………、そして現物が目の前にいる。
そんな非現実的なもののオンパレードに、当麻の頭は着いていけず、パンクした彼が出した答えはーーー。
ーーーーーーふ、なるほど。上条さんわかっちゃいましたよ。
当麻の急な豹変に戸惑いを見せる支取と真羅。
ーーーーーーえ?か、上条くん、わかったって………何が?
ーーーーーーえぇ、私上条当麻は全てを理解したのことですのよ!
ーーーーーー上条さん?え、会長、彼に一体何が?
ーーーーーーそ、そんなの私に聞かれても………。
ーーーーーーそう、会長!あなたの話を聞いて私の出した答え!それはーーー。
ーーーーーーそ、それは?
豹変した当麻の勢いに圧倒されながらも、彼の答えを聞こうと緊張した面持ちで見守る支取。
ーーーーーーそう、これは夢だ!!!
ーーーーーーえ?
ーーーーーーいやぁ全く、異世界とか悪魔とか、そういっぺんに非現実的な事がポンポンと出て来るわけがないじゃないですか。となると、これは上条さんが見ている夢に違いない!!さぁ、目を覚ますのだ。上条当麻!!
ーーーーーーいや、夢じゃなくて現実ーーー。
ーーーーーーシャラップ、上条さんの妄想よ。そこまでにしようではないですか。いくら現実逃避したいからって、こんな綺麗な女性が私の前に現れるわけがないじゃないですか!!
当麻が錯乱しているとはいえ、綺麗と言われて、満更でもない表情をする女性達。
ーーーーーーえと、一応ありがとう?と言っておきます。………じゃなくて、上条くん、ホントに落ち着いてください!
ーーーーーーまだ抵抗しますか、私の妄想よ!ふ、設定が甘かったな。今までの不幸スキルによる経験がこんな所で活かされるとは思わなかったが、騙そうとも思わずに私に近づいて来るなんて、経験上絶対にあり得ないのでせうよ!
ーーーーーー一体どんな経験をしてきたんですか?!って、あぁ、もう、お願いですから正気に戻ってください!!
当麻が暴走しているのを支取と真羅が落ち着かせようと、必死になって説得する。
………なんだ、このカオス空間は。
そんな事をしていると、この部屋のドアがスライドする音がする。
そこから入って来るのは、腰まで伸びた紅い髪の女性。
そう、リアス・グレモリーである。
ーーーーーー失礼するわ、ソーナ。話があるって聞いて来たんだけど………って、何、この状況?
ーーーーーーリアス、お願い。彼を落ち着かせるために手伝って!!
ーーーーーーえ、いやソーナ。どう言う状況か説明してもらわないとわからないんだけど………。
ーーーーーー彼を落ち着かせたら、ちゃんと説明するから!お願い、手伝って!
ーーーーーーナーハッハッハ、今の私に不可能なんて………ない!
リアスはこの状況から、たぶん、彼女の話は彼に関することなのではないかと判断し、取り合えず、支取の手伝いをするのであった。
◆◆◆
ーーーーーーいや、申し訳ないです。あまりにも非現実的な事が多すぎて頭が処理を諦めた様なんです、はい。
何とか当麻の説得に成功し、落ち着かせる事が出来た支取とリアス、真羅はどうしてあんなことになったのかの事情を聴いていた。
まぁ、混乱してしまうのはわかるが、まさかあそこまでおかしくなるとは………人にも色々いるのだな。と、支取とリアスはまた一つ大人になるのだった。
ーーーーーーそれにしても異世界人、ね。今の説明を聞いていても信じられないって言うのが、今の私の心境よ。………何か根拠があってのことかしら?
ーーーーーーえぇ、と言うのも彼のことを調べていたんですよ。幸い、彼の生徒手帳に実家の住所や電話番号が書いてあったので他の役員に調査してもらったのですけど………。
ーーーーーー該当するものがなに一つ無かったと。
ーーーーーーえぇ、更には
ーーーーーーだから、彼は異世界の人物ではないかと?………まぁ、確かに。五体満足で出て来る人間なんで聞いたことないしね。………一応、彼が異世界人って事は信用しましょうか。
支取は理解を示してくれたリアスに感謝の言葉を言う。
ーーーーーーありがとう、リアス。
支取の感謝の言葉にリアスは笑みを浮かべた。
ーーーーーーいいのよ、ソーナ。私達幼馴染の仲じゃない。さて、本題に入りましょう。たぶん、彼のことだと思うのだけど。
ーーーーーーえぇ、今回はリアスに頼み事があって。
支取の言うことに首を傾げるリアス。
ーーーーーー頼み事?
ーーーーーー今回、彼をわたしの所で保護しようと思ってるのよ。ただ、彼の力を考慮した結果、監視付きになる可能性があるの。そうなった場合の事を考えて、リアスに監視の協力を頼みたいの。それに、この地域の管轄はあなたでしょ?話を通しておいた方がいいと思って。
リアスは支取の話を聞いてチラッと当麻の方を見た。
当麻の方は話についていけず、ただじっと事の終わりを見守っていた。
ーーーーーーまぁ、それくらいなら良いわよ。流石に今回のことは例外中の例外だもの。何かあった時のために協力した方が良いわね。でもソーナ。悪いけど、今回のことはお兄様に報告させてもらうわ。状況が状況だし。
ーーーーーーそのことに関しては問題ないわ。こっちが頼んでるんだし、わたしがお姉様とザーゼクス様に報告しておくわ。後は、そうね。彼の表向きの理由を考えないと。
リアスは支取言うことにまた首を傾げる。
ーーーーーー表向き?別に気にしなくてもいいんじゃない?どうせここに通わせるんでしょ?
ーーーーーーそれはそうなんだけど、彼、こっちの常識はある程度しかないから、肩身の狭い思いはさせたくなくて………。
支取の言うことに、頭を抱えながら、その顔は優しそうな目をしている。
ーーーーーー全く、ソーナったら………なら、私に考えがあるわ。
ーーーーーー考え?
ーーーーーーそう、それはねーーー。
後はもうお分かりだろう。
当麻は生徒会とオカルト研究部の雑用係として、リアスやソーナと関わることになったのだ。
このことに関しては当麻は何も文句は無かった。
学校に通わせるだけではなく、住居や月々のお金の配給までやってくれたのだ。
もうソーナには頭が下がりっぱなしだ。
だが、リアスはいただけない。
何故か?
それは雑用を頼む回数が尋常じゃない位に多かったからだ。
具体的に言うと、ソーナが今までで2、3回程度だったのに対し、リアスは今回を含めて計15回以上。
家の執事と勘違いしてるのではないか、と思われるくらいの雑用を頼まれていた。
まぁ、それでも文句を言わない理由があるのだが。
そんなこんなで駒王学園の学生服を着た当麻は、その朝に来るといわれている荷物の受け取りのために、学校の受付へと向かうのであった。
いつもより早く出ているのか、学生の姿はほとんど見当たらない。
「はぁ、異世界に来て不幸中の幸いだと思ったら不幸中の不幸だったなぁ。あぁ、いつ私は元いた場所に帰れるのだか………。」
そう思いながら、学校へ向かうのであった。
途中でガムを踏んでしまったことについては余談である。
◆◆◆
今、当麻はリアスの言っていた荷物をオカルト研究部に運んでいる途中である。
「全く、いつも思うけど、何で旧校舎なんかに部室を作ってるんですかね。遠くて行きだけでもキツいってのに………。」
旧校舎の廊下を渡って行き、おどろおどろしい気配がするドアの前まで来た。
そう、ここがリアスが部長をしているオカルト研究部の部室である。
当麻は何時もの様に一呼吸してから、ドアの向こうで待っているであろう人に呼びかける。
「姫島先輩、いらっしゃいますか?グレモリー先輩から頼まれた荷物を持って来ましたよー。」
当麻が声をかけてからすぐにドアが開き、1人の女性が顔を出した。
姫島朱乃
腰まで伸びている黒髪の女性で、髪をゴムで一纏めにしている。いわゆるポニーテールというやつだ。
オカルト研究部の副部長を務めており、彼女もまた、悪魔と呼ばれる種族である。
そっちの方面では『雷の巫女』と言う異名で呼ばれており、ドSである。もう一度言おう、ドSであると。
表の方では二大お姉さまのもう片割れの方で、こちらの美貌も女優と言われても良いくらいに整っている。
「あら、トーマくん、早かったわね。朝からお疲れ様。悪いんだけど、その荷物、あそこの机まで持って行ってもらえるかしら?」
姫島は置いて欲しい机に向かって指を指して当麻にお願いする。
「わかりました。」
当麻はその机を確認して荷物を持って行き、その机の上に荷物を置いた。
置いてから部室を見回すと、辺り一面魔法陣だらけで他にもろうそくなら何やらの儀式グッズと言われてそうな道具がたくさんある。
「トーマくん、いつもありがとう。はい、いつもの紅茶とお菓子。」
「いつもいつもすいません。頂きます。」
そう、当麻が文句を言わない理由がここにある。
姫島が、いつも頼んでいるのにお礼できなくて申し訳ない、と言う理由で始まったこのやり取り。
これの為に、彼は毎回リアスの言うことを我慢して聞いているらしい。
こいつ、かなり現金である。
当麻は紅茶を一口飲んで、そのあとお菓子を口にする。
「ふぅ、生き返るー。」
姫島は、そんな当麻のリアクションに口に手を当てて微笑んだ。
「あらあら、そんなに大げさに言わなくても良いのに。」
「いや、本当に美味しいですよ。この紅茶、あと、このお菓子のチョイスも良いですね。紅茶にあってて美味しいです。」
「あらそう?ありがとうございます。フフ。」
そんな感じで、当麻と姫島の日常的な会話が行われるのであった。
ただ、当麻くん。姫島に後ろから抱きつかれるとは、羨ま………ゲフン、全くもってけしからん。
そんなやり取りをした後、姫島と分かれて自分の教室へと向かう。
学年は高校1年の教室だ。
この時間になると、学生らがちらほら見えて来てそれぞれの教室へと入っていく。
当麻も自分の教室へと入って行った。
ただ、入る途中で、どっかの女子生徒が変態がーやら何やら叫んでいたのは何だったのだろう?
と思いながら自分の教室の自身の机へと向かうと、途中で可愛らしい少女が見えた。
「おう、塔城。おはよう。」
「………おはようございます。上条さん。」
塔城小猫
肩まで伸びた白い髪の女の子。
身長は………小萌とタマを張れるのではないかと言うくらいに背が小さい。
その為、学園のマスコットとして、今人気が高いらしい。
彼女も悪魔らしく、オカルト研究部の部員で格闘技を嗜んでいるらしい。
………何だこの学園、悪魔だらけではないか。
そんな塔城は和菓子の中でも定番の羊羹を小さな口でムシャムシャと食べていた。
彼女はいつも無表情で通っているのだが、羊羹を食べている彼女は何と無く嬉しそうに食べているのが、表情に見え隠れする。
「………私の顔に何かついてますか?」
塔城が首を傾げながら、少し不機嫌になって当麻に尋ねる。
「あぁいや、塔城は食べてる時って、ホント嬉しそうに食べるなぁって思ってさ。」
当麻の返事に少しだけ顔が赤くなる塔城。
「………顔に出てましたか?」
「いや、俺はそんな風に感じただけ。お前とあって間もないのに、そんなすぐにはわからんと思うぞ。」
「そうですか、なら、良いです。………今日も部長の雑用で?」
「あぁ、もうあの人、人使い荒くね?頻度が多すぎて上条さんバテバテですよ。」
「………それだけ部長は気に入っているんだと思いますよ?興味ない人にはほとんど声かけなんてしないですし。」
「そんな気に入られ方は不幸だ………。」
「まぁ、放課後もお願いしますね。」
塔城の言うことに、あぁ、やっぱり逃げられないんだな、と諦めの境地に入る当麻であった。
こんな感じで、今の上条当麻の日常は過ぎて行く。
はい、と言うことでキャラ紹介の回みたいになりましたが、日常回の話でした。
キャラ崩壊………してないよね?
注意しては書いてはいたのですが………。
え?イケメン君紹介してない?
ん?何のことかな?
それではまた次回にお会いしましょう。