一ヶ月も執筆から離れていると、執筆スピードが遅くなる遅くなる………。
慣れがこないと、ホント執筆って難しいですね。
さて今回のお話はいよいよ上条さんがあの登場人物と出会います。
誰かは本文を読んでみてください。
それでは今回のお話を始めましょう。
当麻が目を覚まして最初に見たのは、月明かりに照らされた天井だった。
当麻は何故こうなっているのかを思い返し、急に布団から起き上がった。
「そうだ、堕天使!?…い、いてて。」
急に起き上がった事で脇腹に痛みを感じ、その場で蹲った。
自身の体を見て見ると、体のあちこちに包帯が巻かれている。
特に目立つのは、右手、腹、そして顔。
脇腹と包帯の間に指を入れて包帯の方を引っ張ると、脇腹に青痣があるのが見えた。
青痣を見て思い出されるのは堕天使との戦い。
身体能力や光力を使った槍など、あの細腕からでは考えられない力が内蔵されている。
次に戦う時はそのことを踏まえて戦わないといけない、と当麻なりに分析していた。
そんな事を思いながら右手を布団の上におこうとし、その途中で暖かい何かに触れた。
「ん?何だ………って、会長?」
右手は支取の肩に触れており、触れられた支取は女の子座りをしながらベットに寄り掛かって寝ていた。
多分、当麻がこの部屋に運び込まれてから今さっきまで看病していたのだろう。
支取の傍らには水が入った桶とオケの淵にタオルがかかっていた。
「………ん………?上条くん?」
肩が触れたことで目が覚めたのであろう。
寝ぼけ眼で目をこすりながら体を起こそうとし、その動きが突然機敏になった。
「!!上条くん、目が覚めたのですね!」
「あ、あはは………お、おはようございます?」
当麻は苦笑いを浮かべながらも、支取の返事になんとか挨拶を返す。
支取は当麻が目を覚ましたことに安堵し、そして次第に目に涙が溜まってきた。
当麻は支取の涙に何故か心に来るものがあったが、それが何だかはわからなかった。
そんな状況に呆然としていると、突然、当麻の頬に痛みと乾いた音が響いた。
当麻はその痛みから叩かれたのだと悟る。
「………逃げてくださいって、言いましたよね。」
「………。」
当麻は支取の言葉に沈黙で返す。
「他種族の話をした時、身体能力は普通の人間と比べたら、頑丈で強化されているから勝ち目はほとんどないって言いましたよね?」
「………。」
そして支取の目から涙が零れ落ちる。
「心配、したんですよ。貴方が死ぬんじゃないかと思ったら、とてつもない不安にかられました。」
「………。」
「何で………何であんな無謀な事をしたんですか?!下手をしたら死んでいた可能性だってあったはずなのに!」
「………。」
支取は顔を両手で覆い、嗚咽を漏らしながら顔を下に向けた。
どれくらいそうしていたのだろう。
5分?10分?
短い時間だったと思うが、その時間がやけに長く感じた。
やがて支取が嗚咽を漏らさなくなり、落ち着いてきたところで当麻は口を開けた。
「俺が戦った堕天使………ミッテルトが言ってたんだ。『自分たちの種族にすることが出来ないから
当麻の言うことに耳を傾ける支取。
「その時、さ………真羅先輩と木場先輩が頭に思い浮かんだんだ。」
当麻はその事を思い出しながら、自身が思ったことを口に出す。
「もし、俺がやられたら、今度はあの2人や他の
「………でも、だからって相手が相手です。実力差があるのは、対峙していた貴方なら肌で感じ取ったはずですよ、なのに何故?」
当麻は、支取の話を聞いた上で支取の目をしっかりと見る。
「会長、俺は実力差があるからと言って、それが戦いを辞める理由にもならないし、助けない理由にはならないと思う。誰かが傷ついていて、助けを求めていても、実力がない俺は無理に助けなくてもいいのかもしれない。でも、だからって助けを求めている人を、これから傷つくかもしれない人を見捨てるっていう理由も、道理も無いんだ。だったら俺は助けるさ、助けた方がいいに決まってる。」
この言葉を聞いた支取は酷く動揺した。
それもそうだろう。
誰もが子供の時に抱いた思いを、今現在まで思い続けるなんて到底不可能だ。
成長して行くにつれて己を知り、相手を知り、社会を知っていく事で、自分が子供の時に描いていた思いは不可能であると気付かされる。
だからこそ、支取はここで引くわけにはいかなかった。
「………上条くん、それは綺麗事です。世の中、そんな綺麗事で済ませられるのなら、皆苦労しないんです。」
「あぁ、そんなのわかってるさ。世の中、綺麗事だけでは済まないってこともわかってる。」
「!?だったら何故?」
当麻は支取の言葉に対して、一旦間をおいてから窓を見た。
「………自分が、後悔しない為、かもな。」
「………え?」
支取は当麻の意外な言葉に、肩透かしを喰らってしまう。
あんなに助けたい助けたいって言っておいて、あまつさえ自分の為?
支取は少し憤りを感じた。
だが、当麻はそれを気にしないかの様に話し続ける。
「例えばさ、会長はある時グレモリー先輩が戦ってるところを目撃したとして、どう行動する?」
「………そんなの助けにいくに決まっています。」
「じゃあさ、もしそれが、グレモリー先輩と会長が力を合わせても勝てない相手だったら?会長は助けることを辞めるのか?」
「………それは………。」
支取は、当麻の言うことに対してすぐに諦めると言う言葉が出ず、口籠ってしまった。
「会長、俺が言いたいのは多分そこにあるんだ。自分にとって大事な人が傷ついているのに、もし助けないで逃げたとしたら、俺だったら一生後悔に駆られちまう。だったら、助けた方がいいだろう?………俺のはそれを延長したものなんだと思う。」
支取は当麻の言うことを、すぐには受け入れられなかった。
そう、自分は、自分には王としての責務がある。
だからこそ、戦略、戦術、武道などを習い続け、その途中でその壁に行き当たったのだ。
ーーーーーーそれでも私は………でも…………。
そう、支取は迷っていた。
支取が言っていることは、いわゆる上に立つものが考えている事。
対して、当麻が言っていることは人として一個人が考えている事なのだ。
戦いにおいて、ここまで正反対とも呼べる考えがあるのは、ある意味珍しいと言っても良いし、今、人類全員が考えても一つの答えにたどり着かない、人類にとっての課題とも呼べる内容に、支取は頭を悩ませていた。
「別に、俺の考えに賛同してくれって言ってるわけじゃない。ただ、俺はこう考えているやつだって思ってくれればいい。」
「………勝手にしてください。」
支取はそう言うとすぐ様立ち上がり、部屋から出て行った。
当麻と支取の会話は、亀裂を残す形で終わった。
◆◆◆
あれから2週間が経った。
ちなみに、あの会話の次の日に新たな眷属となった匙元士郎が紹介されたが、支取の不機嫌さから、何故か勘違いされて当麻が敵視されてしまった。
他の生徒会のメンバーが匙を説得しているらしいが、相変わらずである。
支取は支取で、なんでもないと言っており、あの時の会話は支取と当麻だけしか知らない事実になっていた。
リアスにおいては早く仲直りしろと言わんばかりに鋭い目で睨まれる始末。
それでも、今回のことに限っては時を待つしか無いのだろう。
支取も当麻も中々話を切り出せずにいた。
そうそう、変化があったといえば、最近リアス・グレモリーに新たな眷属が出来たらしい。
塔城が言うには、その新入りを一言で表すと『変態』と言う言葉で収まるらしい。
………なんて奴を眷属にしてるんだ。
そんなこんなで2週間、何も改善することなく日々の学園生活を過ごしていた。
今日も授業が終わり、そのまま自室に戻ろうと帰宅してる途中、突然突風が吹き、それと同時に女の子の声が聞こえた。
「Ah!?」
当麻は声のした方を向くと、何かこちらに向かって来るものがあったので、すかさずそれを手に取った。
手に取った物を見て見ると、白地に一部だけ碧枠になっている布であった。
当麻はそれが教会の一般女性が身につけているヴェールであることに気づく。
それを見て思い出されるのは、あっちの世界で居候として住んでいるあの
あちらではどのくらいの期間が経っているのであろう。
あの子を悲しませているのではないか………と考えていた。
「ーーーーーーー?」
自身の記憶がない中で、何故かあの子だけは悲しませない様にしないと、と思っていた当麻にはとても辛い物があった。
「ーーーーーーme?」
早くあっちに戻って安心させないとな、と考えるのであった。
「Excuse me,Mr?」
当麻は自分が呼ばれていたことに気付き、すぐ様呼ばれた方に顔を向ける。
「あぁ、ごめんなさい。何でしょうか?」
当麻が向いた先には、腰まで伸びた金髪に緑色の目、そして修道女が着る服を身につけており、その佇まいから清楚な雰囲気が漂っていた。
「Pleaseーーーーーーーー?」
どうやら外国人の様で、日本語を喋れないらしい。
当麻が聞き取れたのは『Please』と言う単語のみで、他は何を言っているかさっぱりわかっていなかった。
ただ、この子がシスターであると言うことと、当麻が持っているヴェールのことを考えると、このヴェールの持ち主は彼女のではないかと考え、ヴェールを指差した後に、今度は彼女の方を指差した。
彼女の方は最初は首を傾げたが、その行動の意味がわかったのか首を縦に降り、『yes』と言う言葉で肯定を示した。
「えと………ヒ、ヒアーユーアー。」
「Thank you!」
当麻は彼女の方にヴェールを差し出し、彼女はお礼を言って、それを受け取った。
「Sorry Mr. WhereーーーーーーーChurch?」
彼女は続けて何かを聞こうとしているらしい。
どうやら協会までの行き方を聞いている感じの様だが、如何せん当麻の頭では何を言っているかさっぱりであった。
「ぬあぁーーーー、何言ってるかわっかんねぇーーーー!不幸ーーーーーだーーーー!!!」
当麻は頭を抱えながら大声で叫びつつも、これからどうしようかを考えていた。
そんな時だった。
「あの、えっと………どうかしましたか?」
当麻は声のした方を見ると、少し濃い茶色の髪をしていて、尚且つ髪と似たような色をした目を持った青年がいた。
服は駒王学園の制服を着ており、Yシャツは全開であいており、そこから赤色のシャツが見えている。
「あの、えっと貴方は?」
「あぁ、悪い。俺もここ帰り道になってるんだけど、ちょうど君を見かけてな。同じ駒王学園の生徒だし、なんか助けになればなぁと思って声を掛けたんだ。」
「あぁ、どうも………1年の上条当麻です。」
「俺、2年の兵藤一誠って言うんだ。よろしくな。………って、上条?」
兵藤が首を傾げたことに、当麻も首を傾げ、その理由を聞くことにした。
「あの、俺、何か噂になってるんですか?」
「………学年全体に広まっているめっちゃ有名な噂なんだけどな………本人知らないのかよ。」
兵藤の言うことにますます首を傾げる当麻。
「上条、お前って学校で『歩く不幸人間』って言われてるの知ってる?」
「………なんすかそれ。」
「上条が歩いたらガムやら鳥の糞やらが自身に降りかかり、何をしたかわからないが大量の犬に追いかけられてたりすることなどからそう呼ばれてるんだが………。」
当麻は兵藤の言うことに心当たりがあり過ぎて、精神的ダメージをくらった。
「マジかよ………あれ、見られてたのか………ふ、不幸だ。」
「………あ、えと………なんかすまん。」
兵藤は自身が言っていて自分が悪いことをした様に感じ、バツが悪くなって当麻に謝罪した。
一方当麻も、そんなことは言われ慣れている為に、気にするなと言う言葉をかけておいた。
と、そんな時に置き去りにされかけていた少女から声がかかる。
「Sorry,Mr.」
当麻は当初の目的を思いだし、兵藤に相談しようと声をかけようとしたが、意外にもそれは彼の言葉で打ち消された。
「あっ。ゴ、ゴメン。えっと………。旅行?」
兵藤の質問に彼女は首を横に振った。
「No I do not.ーーーーーーーーーー.」
そして彼女は頭を下げる。
「ーーーーーーーーーーー.Do you knowーーーーーーーー?」
彼女はまた、何かを尋ねるかの様な言葉を言うものの、当麻にはさっぱりである。
だが、兵藤はその言葉を理解している様で、続けざまに言葉を言う。
「教会までの道のりなら知ってるかも。」
「Really!?Thank you so much.」
当麻は、その状況を見て凄いなーと思うも、ふと、首を傾げた。
何で英語で聞かれてるのに、日本語で返して、それを彼女は理解出来てるんだ?
「えと、兵藤さん?」
「ん?何、どうしたんだ?」
「………貴方が言ってるのって、日本語………だよね?」
兵藤は一体何を言ってるんだと言う顔をするも、すぐ様意味が理解出来たのか、尋常じゃない位の動揺を示した。
「………あ、あはは。………気のせいさ、上条。」
「え?でも俺日本語にーーー。」
「な、何言ってるんだ。上条、英語じゃなきゃ彼女が返事できるわけないじゃないか、あ、あはは………。」
当麻は追求しようと思ったが、兵藤の傍でオドオドしている彼女を見て、まずは彼女を案内しないとな、と思い、追及するのを辞めることにした。
「えと、兵藤さん?」
「あぁ、一誠でいいよ、上条。それとお前、敬語苦手だろ?何かギクシャクした感じになってるし、フランクに言っていいよ。」
「………そうか?じゃあ、言葉に甘えるとするよ。一誠も、俺のこと当麻で呼んでいいぜ。」
「あぁ、よろしくな。当麻。」
そう言って、彼らは握手をした。
これが、幻想殺しと赤龍帝の最初の出会いとなった。
◆◆◆
その後、公園で彼女の
すいません、最後の方は駆け足っぽくなりましたが、原作とそう変わらない状況だったので、そこら編は割愛させてもらいました。
次回のお話………早めに投稿できるといいなぁ。