THE PHANTOM PAIN Another ep:X   作:delutaplus

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今回から本編というところです。一気にグロですよ。
でもだいぶ進みます。
タイトルはマイケミの楽曲からとっています。
あれのMGSMADがすごいので使わせていただきました。


welcome to the black parade

11月半ば、かなりクラスになじんできたジャック。

彼は、自分の体の異変・・・いや、体質に気付き始めていた。

例えば、以上に速い傷の治り。例えば、周りで起こっていることが客観視できる。例えば、いくら走っても疲れない身体能力。

彼はまだ知らないが、彼の体を構成する遺伝子は他人とは違う。

'ソルジャー遺伝子'と呼ばれる、戦闘に特化した遺伝子。彼は60を超えるとされるその全てを体に宿していた。

 

 

 

今日は、いつもと違う。

なぜだか、そう思った。周りの景色は同じはずなのに、どこかが違う。自然が警告を発している。そう感じた。

今日は学校が終わったら悠とデートなのだ。結局付き合うことになってしまった。

(光輝には感謝だな)

だから心なしか足も弾んでいるように見える。普段の彼を知る者が見れば、明日は槍でも降るのではないかと思うほどだった。

今日は学校が表彰を受けて、学校代表として市役所に賞状を受け取りに来たのだ。

(校長か生徒会長が来ればいいものを、なぜ俺が・・・)

「早く終わらせて帰ろう」

 

 

「ようやく終わった・・・話なげぇよ市長・・・」

ともかく、早く学校に帰ろう。

その思いとは裏腹に、タクシーで帰る途中の信号、渋滞に巻き込まれていた。

その時、彼の携帯が震えた。

(・・・メールか?誰から・・・ッ!?)

<たすけて 悠>

「‼」

悪い予感が当たってしまった。タクシーの運ちゃんに札を突き出し、タクシーから降りる。

学校の方向を見ると、黒煙が立ち上っていた。ヘリらしきものも見える。

何があったかは知らないが、急がなくては。

ジャックは学校へ向けて駆け出した。

 

 

(ジャック、まだかな・・・)

悠は想い人の帰りを待ちわびていた。

昼過ぎに、ヘリがやってきた。

「なんだろ?」

すぐ後に、大きな爆発音と振動。

「きゃっ!」

「なんだ!?」

「逃げろ!爆発だ!」

「どこに!?」

生徒は混乱の極みに達していた。

そこに、戦闘服を着た兵士がやってきた。

銃を構えてこっちを脅してくる。

「動くな」

「腹ばいになれ」

彼らは従うしかなかった。

静寂のみが支配する空間。

音を立てているのは兵士、散発的な爆発音、炎の揺らめく音のみ。

「奴はいたか?」

「見当たらない。どうも市役所にいて、今から帰ってくるようだ」

「子供とはいえBIG BOSSの幻影だ。気を抜くなよ」

彼らが話していたのは英語だった。聞き取れたのは、"BIG BOSS"、"ファントム"という単語のみ。

それが何を、もしくは誰を意味する単語なのかを彼らは知る由もなかった。

しばらくして、彼らは屋上へ集められた。

 

 

(急げ・・・急げ!)

ジャックは、力の限り走っていた。

学校が見えてきた頃、上からやってきたヘリが前に降下してきた。

側面には、ナイフをくわえた狐のエンブレム。

側面のドアを開け、一人の男が出てきた。

「乗れ!」

「・・・誰だ、お前は」

「俺か?俺はお前だ。お前が生まれてからずっとお前を見守った。スネーク・・・いや、ビッグボスと呼んでくれ」

意味の分からないことを言う。

「どういうことだ?」

「お前の学校が襲撃された」

「大体想像はついてる、急いでるんだ」

「ろくな武器も持たずにか。何も出来はせんぞ」

「それでも行かなきゃならないんだ」

「死ぬぞ」

「それでもだ!そこをどけ!」

「これは訓練でも、遊びでも、ましてゲームでもない。生死をかけた闘いだ。ヒーローもヒロインもいない。負ければただの犬死にだ」

「ッ・・・」

「乗れ。援護はしてやる」

「・・・わかった」

「よし、ジャッカル、目標地点へ直行だ」

ヘリは高校へと向かった。

「俺の銃を貸してやる。必ず返せ」

「使い方は知らないぞ」

「体が知っているはずだ。無線機を通じてサポートする」

 

いいか、これは潜入任務だ。誰にも悟られてはいけない。

そのための技術が"スニーキングモード"だ。

お前はおそらく使えるだろう。

呼吸を深くし、自分と世界の境界を曖昧にする。自分を周りと同化させる。

まずは職員室のところを目指せ。場所は一階北端だ。

侵入経路は二つ用意してある。

一つは地上から、もう一つはドローンに乗ってのHALO降下<高高度降下低高度開傘>だ。

どちらを選ぶかは、お前の自由だ。

武器は用意してやれるが、弾薬は少ない。必要な時は使うなよ。

職員室で情報を得たら人質の確保だ。屋上を確保しろ。

以上だ。

 

 

「・・・できるのか、俺に」

「やるしかない。選択肢は一つだ」

「・・・無理だ」

「よし、こうしよう。お前はこれから"できるわけがない"と四回言っていい」

「何?」

「それ以上はだめだ。始めるぞ」

「・・・地上から行く」

「よし、聞こえたな、ジャッカル」

<了解>

 

 

「おい、聞いたか。BIG BOSSの部隊のヘリが確認されたらしい」

「どう思う?」

「おそらくは・・・」

そのあとは小声で聞こえなかった。

さっきから聞き取れるBIG BOSSという単語は何なのだろうか。

「おそらく、そろそろ到着するだろう。準備を始めるぞ」

「了解」

「来い」

悠は兵士に保健室に連行された。

そこで麻酔を打たれ、悠の意識はブラックアウトした。

 

気が付くと屋上にいた。おなかに何かが入っているような違和感があるが、縛られているので確かめられない。

(ジャック・・・助けて・・・)

 

 

ここは校門前。確認したところ、敵は歩哨が二人。

「こちらジャック。校門前に到着した。敵兵は二人。装備はM16A1サプレッサーとハンドガン・・・M9のようだ」

<よし、任務開始だ。まずは二人の頭をぶち抜け。気づかれないようにな。気絶は後が面倒だ。俺たちは非正規戦闘部隊、いわばブラックオプスだ>

「できるわけがない、俺は銃なんて撃つのは初めてだ。まして人を殺すなんてできない」

<殺らなければ死ぬだけだ>

「・・・了解」

武器はM1911A1、四五口径のハンドガンサプレッサー、M16A4サプレッサー、フラッシュバン、グレネード。服はスプリッターの野戦服だ。

距離を考え、M1911A1を選択。

立射で狙いをつけ、引鉄を引くと同時に目標をシフト。さらに発砲。

俗に"スネークマッチ"と呼ばれるM1911の.45ACP弾は狙いたがわず二人の脳を破壊。

慣れたように動く体への驚きとともにジャックは校舎へと侵入する。

 

<校舎に入ったようだな。屋内では全方位に気を配れ。スニーキングモードで敵の気配を探り、敵か気に素早い行動をしろ。CQCだ。>

「了解」

先ほどの射撃で自信を持ったジャックはさらに進む。

幸い敵に遭遇することなく職員室にたどり着き、情報を入手したジャック。

そこにあったのはジャックによく似た誰かの資料だった。

「これだけか」

<仕方ない。次は人質の解放だ。屋上へ向かえ>

「了解」

 

M16のサプレッサー、セーフティを解除し、屋上の扉を開ける。

扉を蹴破り突入した瞬間、大きな爆発が起こった。

校舎が斜めに崩れていく。

「何!?」

<校舎の基礎部分で大規模な爆発を確認した、おそらくそこはもう持たない!敵兵はいるようだが、強制着陸を強行する!人質を乗せる間、援護しろ!ジャッカル、校舎の脇につける、ミスは許さん!お前の腕を見せろ!>

ボスの指示が飛ぶ。

「了解!」

出入り口の柱に身を隠し、銃撃の間を縫って応射する。

すぐにヘリが到着し、横たわっている悠を回収する。重症者から載せているようだ。

しかし、数人を乗せたところでボスが叫ぶ。

「RPG!」

「!」

RPGを構えている兵士を確認したジャックはすかさず発砲する。

しかし、弾丸の到達より早く発射されたRPGの対戦車擲弾は、兵の崩れ落ちる銃身から

目標のヘリを大きくそれ、人質へ着弾。

「ッ!」

それを見たジャックの中で、何かが切れた。いや、燃え落ちた。

「うぉぉぉぉぉぉ!」

人質の回収を離れ、敵を撃つ。

その形相は鬼というべきか、修羅と言うべきか。

「ジャック!」

ボスに呼ばれ、気が付くと弾切れを起こしたM16を放り投げ、ヘリへ走る。

 

乗っていた人質はわずかに4人。

悠、光輝、そのほかに他学年の生徒二人。

悠はボスが手当てしていた。

「光輝・・・」

「なんなんだよ、あいつら!みんな死んだ・・・殺された!」

「・・・」

「それにこのヘリ、お前は?何もかもわからないことだらけだ!」

眼下に見える校舎は爆発による基礎の崩壊により崩落していた。

「ジャック、手伝え!」

「どうした、ボス」

「おそらく腹の中に爆弾を埋め込まれている」

「何!?」

「麻酔はあるにはある。時間がない、ここで手術する」

「・・・わかった」

「おい!どういうことだよ!」

「この娘はトロイの木馬のようなものだ。襲撃が失敗しても確実に俺とジャックを葬るためのな」

ボスは日本語も話せるらしい。

「奴らの目的は俺だったようだ。すまない、俺のせいだ・・・」

「な・・・」

それきり光輝は放心したように座っていた。

 

「始めるぞ。助手を頼む」

「了解」

雑に縫合された腹の傷を開く。

そこには狐のマークが刻印されたC4爆薬があった。

内臓を取り除いてまで入れた爆薬。

ジャックは心の奥底で怒りがふつふつと煮えたぎるのを自覚していた。

 

「摘出は完了したが、おそらく彼女はもうだめだろう」

「・・・せめて、俺の手で逝かせてやろう。埋葬も俺がする」

そう言って、M1911を悠に向ける。

「おい!何してんだよ、悠を殺すってのか!?」

「だめ・・・!」

「!?」

悠が目を覚ましていた。麻酔を乗り越え、ジャックに語り掛けてきたのだ。

「・・・すまない」

「爆弾はもう一つある、もう時間切れよ・・・」

「何!?」

「ごめんね・・・こんなこと・・・光輝も・・・ごめんね・・・」

「なんで謝んだよ!まだ・・・まだ・・・!」

「ジャック・・・ずっと・・・愛してるよ・・・」

悠は、ヘリから身を投げた。

次の瞬間、ジャックの意識は白に染まった。

 

 

 

4年後

 

1974年11月4日

コロンビア バランキヤ海岸

MSF<Militaires Sans Frontières>基地

 

バイクで一人の男がやってくる。

野戦服を着た若い男だ。

雨の降る砂浜では、数人の男が近接格闘術<Close Quarters Combat>CQCの練習をしていた。

男は砂浜へと歩いてゆく。

野戦服の上を脱ぎ捨てる。

雷に照らされたその肉体には大小さまざまな傷が刻まれ、左手のひじから先はクリムゾンレッドの義手。右目に眼帯、その上には二つの黒い金属片が突き刺さり、鬼のように見える。

 

隊長格の男が向かってくる男に気付き、声をかける。

「リーダー!」

「どうだ?習得具合は」

「まぁまぁといったところでしょうか。かなり速いペースのやつもいますし、時間の問題でしょう」

「そうか」

「スネーク!」

「どうした、カズ」

「ちょっと来てくれ」

「わかった」

 

 

このサングラスをかけた男はカズヒラ・ミラー。

ビジネスや組織の運営能力に秀でた男だ。

「スネーク、任務だ」

そこにいたのはビッグボスだった。

「内容は」

「一つ、潜入任務だ」

「潜入・・・珍しいな。それで?」

「カズ」

「ああ。これはボスのもとへ届けられた情報だ」

「ボスに直接?」

「そう、ボスに。宛名はネイキッド・スネーク、差出人にはシギントとある」

「俺の昔のチームメンバーだ」

「内容は、国家反逆罪で捕らえられた元FOX部隊指揮官、メイジャー・ゼロの救出」

「ゼロ少佐が?」

「俺が原因だろう。FOXを抜け、傭兵としてさまよい、4年前にはそのFOXを潰した。少佐はその頃には捕まっていたらしいが」

「救出・・・どこに捕らわれてるんだ」

「コスタリカのCIA中米支部だ」

「飛ばされたというわけか」

「俺からも頼む。少佐の指揮能力は本物だ。俺たちの下に来てくれれば、大きな力になる。無線サポートはしよう。だが俺はいけない。シギントの依頼の条件だ」

「条件?」

「俺の・・・いや、"スネーク"の名を引き継ぐ男にやらせろ。それが条件だと・・・」

「・・・いいだろう。少佐とやらにも会ってみたいしな」

「ありがとう」

「じゃあすぐ準備を始めるぞ」

「ジャック、お前のコードネームはスネークだ。罰せられた、復讐の鬼・・・

"Punished "Venom" Snake"だ」

「いいだろう。少佐を助けた後はFOXとその裏の"奴ら"に復讐してやろう」




携帯があるのはMGSだからということで妥協していただけないでしょうかね・・・
次に用語解説を入れていきます。
ニコニココメであった
MEME
GENE
SCENE
VOICE
がすごいぐっときました。
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