THE PHANTOM PAIN Another ep:X 作:delutaplus
例えば世界を救うために人を殺さなければならないとき、あなたならどうするか。
自分の力が及ばないところで世界はその人、あるいは物を破壊することを決める。
世界のためと信じ、泥に塗れ、その手を血で汚し、満身創痍でたどり着いた先の殺人。
世界は誰かの犠牲の上に成り立っている、と人は言う。
おかしいとは思わないだろうか?
ヒトという自らの知性を自覚し様々な文明が興り、戦いが起き、地球を汚染し続ける生物。
しかしそのヒト、中でも現代人とされるホモ種が地球に種として存在する遥か36億800万年前から生命は存在する。
決して人がいなければ地球は回らない訳ではなく、まして人を犠牲にする必要はないのである。
だが人がここまで繁栄したのは犠牲の上というのは事実だ。
当然、優秀な人とそうでない人というのは存在する。
人を支配したいという支配欲、甘えたいという庇護欲。
結局、世界は資源の奪い合いで、それを確保する人、指示を出す人に別れる。
故に人を殺すことに何のためらいもない。
奪うために殺す。それを世界のためと偽り、あまつさえ自分の手を汚さず殺す。
戦争は突き詰めれば戦場以外は代理戦争なのだ。
その指導者の片足は棺桶の中に、火の手は背中を焼いている。
1974年11月10日
コスタリカ カリブ海沿岸 プラヤ・デル・アルバ
「こちらスネーク。コスタリカに上陸した。敵影はなし」
「フゥー・・・」
「おい、葉巻は吸うなよ。今は作戦行動中だぞ」
「いいじゃないか。せっかく葉巻のウマい中米のモンを持ってきたんだ」
「はぁ・・・」
相変わらずマイペースなボスに振り回されるスネーク。
どうしてこうもマイペースなのか。
<まぁまぁスネーク。まずはその先の森の向こう、資材搬入施設を目指してくれ>
「森ねぇ・・・森は何だかんだ苦手だからなぁ」
<安心しろ、隣にいるのは潜入のプロだ>
「すごく心配」
「ンだとコラ」
「すいません」
<気をつけろ、何が潜んでいるかわからん>
「了解、いまから資材搬入施設に向かう・・・ほら葉巻消して」
「わかったよそうカリカリすんなって」
ボスケ・デル・アルバ
「こちらスネーク、敵を視認」
<こちらでも確認した・・・装備を見る限り米兵、おそらくは”教授”の言う通りCIAだ>
<こちらマザーベース。敵との交戦はできる限り避けろ。あんた達はそこに存在してはならないんだからな>
「了解、左の倒木まで移動する、索敵を」
<問題ない、3カウントで移動。3・・・2・・・1・・・GO!>
敵の目をかいくぐり、前進する。二人とも天才的な戦闘センスで音を立てずに移動する。
資材搬入施設 プエルト・デル・アルバ
「さあ、到着だ」
「さすがにこの程度じゃ肩慣らしにもならんな」
「そういうな」
「!待て」
「捕虜が自白した。目標500の潜伏場所を特定」
拷問されたと思われる捕虜が死んでいる。
スネークはそれを見て、怒りよりも哀れみ、悲しみを覚えた。
<TJ chrysalis 6000 目標500確保に向かう>
無線から聞こえてきたのは
(女の声・・・だが人のものなのか?妙に発音とかが違う気がする・・・)
<槍の積み替え完了、艀は地点Bを通過>
「了解、通信終了」
(スピア・・・?槍?)
ボスとアイコンタクトをとる。
(どうする?)
(奴に聞いてみよう、俺が行く)
(OK!)
兵士が無線マイクを置く。
同時にボスがとびかかる。兵士はなすすべなく拘束される。
「動くなよ・・・動くとナイフがその肌を切り裂くぞ」
「お見事。さあ、聞かせてもらおう。積み荷は何で、どこへ向かっている?」
「・・・山岳の・・・イラス・・・」
「そこに何が?」
「・・・」
そこへ、何かが飛んでいく音が聞こえてきた。
「歌・・・?」
刹那、ボスが兵士を壁に叩きつける。
哀れ兵士は頭から壁に激突、気絶した。
兵士の体を検めるボス。
「おい、スネーク、ちょっと」
「どうした?」
「これを見てくれ」
「フィルムバッジ・・・?」
窓からは空を飛ぶ異形が見える。
海岸には船から離れるトラック。
「一体何が・・・?」
ボードにはゲリラとみられる顔写真。
「こいつらに接触するのがいいかもしれん」
「一旦帰還しよう」
「こちらスネーク、カズ、聞こえるか?」
<良好だ。どうした?>
「情報によると物資は川を上り山岳地帯のイラスへ向かったようだ」
<流石だなスネーク>
「カズ!フィルムバッジがあった。大量にだ」
<放射線被曝量を測定する、あの?>
「通信相手は物資のことを”槍”と」
<待て、じゃあそこには>
「そう」
「核だ。コスタリカに、核が運び込まれている」
<なんてこった・・・とにかくいったん戻ってくれ、ノーマルを送る>
「なんだって?何を?」
<話は戻ってからする>
ようやく話が進みました。pwのここのムービーはなかなかに緊張感ありました、ムービーは。
最後に登場したノーマルとは!?
次回、乞うご期待!