おっぱい目指してユクモ村   作:Shalck

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 久しくお待たせいたしました。4話目です。


04~同士を集めて狩りに行こう~

 取り敢えず応急処置を施した俺は、家で休むことになった。

 そこまで酷い怪我にはならなかったものの、俺の背中には一生あの三本の爪痕が残るらしい。

「……背中に傷が残るのはやだなぁ」

 背中の傷は剣士の恥だ――とまでは言わない。

 それでも背中に傷を負ったと言うのは逃げた以外の何者の証ではなく、俺にとっては結局何よりも代え難い痛みだと言うことだ。

「情けない」

 声に出て呟いてしまう。

 ルナちゃんは受付嬢ちゃんと話している。

 あの古龍種級ジンオウガについての対策会議でも開いているのだろうけれど、そんなものに意味は無い。

 あれはもっと――化け物じゃなきゃ狩りきれない。

 ハンターレベル100は常識だ。

 それ以上の、G級が何人も集まらないと意味がない。

 そんだけあのジンオウガは古龍種の中でもキチガイってことだ。

 ――キリン、ラオシャンロン、クシャルダオラ、オオナズチ、ナナ・テスカトリ、テオ・テスカトル、ヤマツカミ、ナバルデウス、ジエン・モーラン、アマツマガツチ、ダラ・アマデュラ、ダレン・モーラン、ゴグマジオス、オストガロア、ルコディオラ、レビディオラ、シャンティエン、ディスフィロア、イナガミ、ガルバダオラ、ハンドメルグ、ヤマクライ、ミラボレアス、アルバトリオン、グラン・ミラオス。

 これが現在わかっている古龍種だ。

 勿論これ全てが存在しているわけじゃなくて、クシャルダオラ、ラオシャンロン、オオナズチ、ヤマツカミは討伐されている。

 聞いたところによると、最近ではルコディオラとオストガロアも討伐されたようだ。

 G級ハンターかどうかは知らないけれど、現在生き残っている古龍殺しは俺とみーちゃんの二人しか存在しない。

 まぁウカムルバスは古龍じゃないってわかったから、限定的な古龍殺しだけどね。

 この古龍を殺したことがある者達――レジェンドホルダーは確実に集められる。

 つまり俺にもジンオウガ討伐作戦に参加する様に命令が下るはずだ。

 だけれど恐らく最初は様子見で、他の古龍を狩ってからの行動になるのはわかっている。

 パーティ強化、G級世代の育成、やることは多く余ってるんだ。

 G級でなければ攻略できないキチガイの相手なんて、やってられるか。

「……ヴァニラ?」

 ひょこっと顔を出してきたルナちゃんに微笑みかけながら、俺は用意された杖を使って立つ。

「おかえりルナちゃん。どうだった?」

「今から、この村のハンターの集会を開くって」

「そっか」

 ハンターの集会を開くってことはつまり――ハンター協会はこの村のハンターを犠牲にすることを選んだってことだ。

 G級ハンター一人と村のハンター数人のパーティで様子見させて、生き残ったG級ハンター一人にどんな相手だったか聞く。

 人道的じゃないとか言う奴は居るかもしれないが、古龍なんざ放っておけばもっと人道的じゃないことが起こるのは目に見えている。

 一の犠牲で十を救えればそれでいいんだから。

「それと、ノームさんって人が来るらしい」

「だろうねぇ。ノームちゃんがこの作戦指揮を務めるって言っても俺は驚かないよ。元々俺が入っていたパーティのリーダーはノームちゃんだったからなぁ」

 キチガイをよく纏めていたよと思いつつも、あの時の惨劇を思い出してやめる。

 傷を筋肉で埋めてくる怒り狂ったイビルジョーなんて居なかったんや。

「そうだったんだ」

「ん。てことはそろそろ俺も本腰入れないとなぁ」

 俺は持ってきていた黒い袖無しコートを着て、戦闘服である黒いズボンを履くと装備入れに入れてあった俺の持つ最強の大剣を掴んだ。

「こいつは俺が狩ったキチガイイビルジョーから作り上げた究極の逸品。最高傑作だ」

 ネロ=アングイッシュ。その禍々しい雰囲気を受けたルナちゃんが少し震えている。

 ごめんねルナちゃん。でも仕方が無いんだよ。

 これに耐えることが出来ないなら、ルナちゃんはジンオウガ討伐作戦に参加させることすら出来ない。

 逃げろと告げるだけだ。

 俺はそれを背負い、ルナちゃんと一緒に歩きだした。

 集会場の中を見ると、多くのハンターが集まっていた。

 その中にはゴルダさん、ヴァルザック、ハイラオン、ガイスの姿もあった。

 入ってきた俺の装備を見てギョッとしているところを見ると、どうやら本当に俺のことを気がつかなかったらしい。

 俺はそのまま前に向かうと、俺を見た受付嬢ちゃんが俺の立つ場所を明けてくれた。

「――諸君。私がG級ハンター鮮血のトーマだ」

 開始早々堂々と告げると、驚愕した表情で全員が俺の方を見てきた。

「あぁそう言う反応は要らない。必要としていない。私が求めているのは肯定の言葉だけだ」

 このキャラ好きじゃないんだけど、G級ハンターとして威厳ある姿を見せる様に心がけよと言うのがハンター協会の方針だ。

 だから俺は威厳ある姿をしなきゃならないんだよルナちゃん……!

 そんな何こいつみたいな表情はしないでおくれ。

「騙していたことに対しては謝ろう。すまない。私としても騙したくは無かったのだが、依頼によって騙すことになってしまった。だが謝罪等どうでもいい」

 自分で謝罪しといてどうでもいいとかどういうことだよと言いたい人達、気持ちはわかる。

 俺もわかるけれどそれを我慢して、俺は今ここに居る。

「古龍種を喰らったであろうジンオウガが現れた。ハンターギルドはこれを古龍ジンオウガと断定。安直だがシンオウガと名付けることになった」

 シンオウガ。つまり神王牙。

 ハンター協会ってネーミングセンスねーな。

「こいつがいる限りこの世界は安定を迎えないだろう。これは世界規模の危機である。よって、我々は勇士を求めることにした。古龍種対策部隊に入るつもりのある人物は手を挙げるといい」

 挙手制にしたのは、全員の前で手を挙げられるだけの自信があるかどうかを試す為だ。

 手を挙げたのは――出来れば挙げて欲しく無かった人物だった。

「……ルナ。やめておけ。これはお前が関わるべきことじゃない。確かにお前は俺の弟子だけど、これは別だ。生きる死ぬのレベルを超えているんだよ」

 手を挙げた少女、ルナに俺はゆっくりとそう告げた。

 そのおっぱいを出来れば揉ませていただきたく存じ上げます。

「強い者と戦う勇気は必要だ。だが圧倒的に君臨する者と戦うのは勇気ではなく蛮勇だ」

「それでも。私は貴方に救われた。私の命は貴方のもの」

 堂々と、そうはっきりと宣言したルナを前にして参ったなと頭をかく。

 実際G級ハンターになってから考えていなかったが、本気でこのルナちゃんに惚れそうだ。

 やだやだ。G級ハンターが人に惚れるなんて、そんなこと無い方がいいのに。

「わかった。行かせるだけ行かせてやる。その代わり俺が判断したらすぐ抜けろよ。いーな?」

 お手上げだ。惚れた弱みってやつかね。

 まぁどちらにせよこのシンオウガを相手にして、俺も生きて帰って来れるかわかんねーぜ。

「なら俺達も――」

「あぁ、俺達もとか言う奴らは要らない。便乗するな。自力で登れ」

 この子がやるならやるぜとか言うバカみたいな意見は要らない。

 俺が必要なのは自己主張が出来る奴だ。

「お前ら馬鹿か? 生きるか死ぬかを聞いてんだよこっちは。何がなら俺達もだ。ぶっ殺すぞ」

 おっと。ぶっこするぞと言うところを普通にぶっ殺すぞって言ってしまった。失敗失敗。

 俺はネロをその男達に突き付けた。

「お前ら要らね。さっさとハンターライセンス置いて逃げちまいな」

 調子に乗りすぎてんぞお前ら。

 そう告げるのは野暮だったし、雰囲気的に察してただろ。

 取り敢えずパーティ一つは欲しいな。

「まぁ気長に考える時間をやるよ。今すぐ殺さなきゃならないってわけじゃない。つーかあいつ一匹で世界がどうにかなっちまうのは事実だが、そんな古龍沢山いるわ」

 要するに、考えろ。

 時間はいつ期限が切れるかわからない。

 そのいつかまでに少なくとも古龍を2から3体程度狩っておけば経験にはなるはずだ。

 それまでに多分数人死んじまうだろうけど。

「てなわけでかーいさーん。あーこのキャラ疲れて嫌になっちゃう。肩凝ったからルナちゃんの胸揉ませて」

「肩が凝ったのに揉むと治る意味がわからない」

 俺はそう言いながらルナちゃんと一緒に自分の家に戻りつつ、ノームちゃんの到着を待つことにした。

 理由は簡単で、古龍の経験は俺の方があるけれど古龍の対策はノームちゃんの方が出来るからだ。

 G級がハンターにしかいないわけじゃない。

 受付係にだってG級は居るんだよ。

 それがノームちゃんってわけ。ギルド本部受付嬢にして、G級受付嬢の資格を持つ唯一の存在。

 対古龍部隊総隊長の経験もある若き逸材。

「ま、若いって言ってもルナちゃんよりは若くないんだけどね」

「それでもヴァニラと同じ。凄い。……あ、ヴァニラじゃなくていいんだっけ?」

「好きな方で呼びなさいな。別にトーマもヴァニラも俺だからな」

 じゃあヴァニラと言ったところで、俺は気配を感じた。

 一人……以外はやる気も何も感じられないクソ以下の存在か。

「やっぱり貴方がG級ハンター、【鮮血】のトーマさんでしたか。いやはや、最初に見た時から只者ではないと思っていましたけれどね」

 ハイラオンだったっけ。

 あの中で唯一ハンターランクが村で最強と言うだけの現実を受け入れていながらも、より上に行きたがっていた馬鹿。

 才能だけでここまで登ってきたからこそ、それより上を見てみたいと思ってしまう馬鹿。

 居るんだよな。才能が凄すぎる奴。

「よ。嘘つき君」

「確かに。僕達は嘘を吐いていました。貴方の弟子だと言う嘘をね。まさか盗人のその子が本当の弟子だとは思いもしませんでしたよ」

 盗人。その言葉にルナは少し震えた。

 あくまでも俺を挑発しに来たと言うわけじゃなさそうだ。

 何か考えがあってここにきたってことか。

「たまにね、自分が滑稽に見えるんですよ。才能だけでここまで登ってきた僕みたいな人間は、G級ハンターから見てどう思うのか。もしくは才能の壁を超えたからこそその領域に立っているのか」

 典型的な天才型だと思ってたが、そうじゃないらしい。

「お山の大将は楽でした。ですが同時につまらなかった。もっと上に行けるのではないか? もっと上を目指せるんじゃないか? そう思っていたんです」

 こいつは天才型で万能型だ。一番厄介なタイプ。

 恐らく俺みたいな直線型で努力型のタイプとは非常に相性が悪いセンスの塊。

 センスだけなら間違いなく、G級ハンターに届くだろう。

 ――センスだけならな。

「ですがそれはただの夢だった。理解したんです。くだらない戦いの中にあるものを。それは死。命の危機が感じられない狩りに、何の意味があるんでしょう? 戦いではなく作業となってしまった戦いに、何が見えるのでしょう?」

 危険思想。そう言ってしまえばその一言で切り捨てられるかもしれないが、コイツの場合切り捨てたら危険すぎて手が出せねぇ。

 G級ハンターに届きうる可能性を持つ人物だ。

「――なんも見えねぇよ。見えるのは血の色。それが自分か相手かはわからないけどな」

 6874体。それが俺の狩ってきたモンスターの数だ。

 G級ハンターってのは、存在そのものが生態系を破壊してるんだよ。

「なるほど。ならばもっと見てみたい。戦う中にある高揚感を知りたい」

「ならやれよ。てめぇ一人なら俺はパーティに入れてやる。他の奴らはダメだ。典型的なお山の大将タイプの雑魚。確かに実力は上位だが、心が足りねぇ」

 実力なんてそんなもんさと言い、俺はネロを掴んで立ち上がった。

 そろそろノームの来る頃だ。遠くに見えた猫がそれを物語っている。

「これで3人か。後一人位は欲しいがまぁいいだろ。それと、お前の仲間に伝えとけ。当分は何もしない方がいいってな」

 G級ハンターがわんさか来るぜと伝えて、俺はノームちゃんの来る方向へ歩き出した。

 

 

 

「と言うわけで改めまして。ノームと言います」

「こちらこそ。ルナです」

 静かな雰囲気。その原因は俺にあるのだろう。

「それでヴァニラ。貴方こんな可愛い女の子を自分の部屋で寝かせるとかどういう了見? 手を出してるの? もしかしてルナちゃん手を出されてるの!?」

「出すわけねぇだろ! お股痛くて死んじゃったようとか洒落になんねぇだろうが!」

「下ネタ言うな!」

 殴り倒された俺を見て、ルナちゃんが驚いたように見ていた。

 まぁ俺が殴り倒された所なんて一度も見てない様な子だしね。仕方ないよ。

 あ、ジンオウガに殺されかけたわ。今はシンオウガだっけか?

「貴方の攻撃力はギルドとしても十分承知しているし、伊達にG級ハンター一の問題児を自由行動させてるわけじゃないの。それでも、今回の件は貴方には重すぎるでしょう?」

「まー重いな」

「だからG級ハンターを呼んだの。でも――」

 チラリと、ノームはそちらを見た。

 そこにいるのは包帯だらけのミイラ男。

 隙間から覗いている銀髪と青い瞳が特徴的な奴。

 彼は移動中にシンオウガに襲われそして――的な何かがあるわけでもなく、ただ単純にこう言うファッションをしているだけだ。

「久しぶりだねトーマ。あ、今はヴァニラか」

「何でテメーがここに居るかが問題なんだよバズ!」

 バズ。G級ハンター最低ラインと呼ばれる、G級ハンターで一番弱いハンター。

 その弱さはかなりのもので、大体G級クエストに出て行くとボロボロで帰ってくる。

 最近ではもうクエストに幾度にボロボロになっているから、既に救護班が用意していると言うレベルだ。

 最弱。その異名を持つバズだがそれは裏を返せば、上位ハンター最強の人物と言うことでもある。

 実際バズの実力はG級ハンターにギリギリ届かない程度の実力しか持っていない。

 しかもボロボロで帰ってくる。

 一緒にクエストに行く友達もいない。まぁ俺は行くけど。

 だから彼が何故G級ハンター最弱で、ボロボロなのにG級ハンターとして存在しているのか全くわからない。と言うのが周りの見解だ。

 正直に言えばこいつ程G級ハンターっぽい奴はいないと思うんだけど、それは一緒に狩りをしないとわからないものだ。

 気が付いた人も居るだろうから言うぞ。

 ボロボロで帰ってくるんだ。

 こいつは、どんな奴が相手でも、どんな敵が相手だろうと、ボロボロになって帰ってくるんだ。

 それが本能なのかなんなのか本人でもよくわかっていないらしいが、結論から言えばこいつは生き延びることに特化しているG級ハンターだ。

 俺が思うにこいつの二つ名は不死身の方がいいと思う。

 実際は死ぬんだろうけれど、コイツの場合何故か生き残ってしまう。

 俺が一撃必殺なら、こいつは珍しい死ぬまで殴り続けるのをやめないっ! ってタイプ。

 周りから見ればいや一撃で殺せよと思うかもしれないけれど、こいつにそんな力は無い。

 非力を頭の回転で有利に変えてしまうのがこの男だ。

「ヴァニラ以外に友達がいないんだもん」

「もんじゃねぇよもんじゃ!」

 しかもこいつ、何気に可愛い。男の癖に。

 俗に言う男の娘と言うものらしく、現在既に20代に到達しようと言うのに未だに150である。

 これも本来ならばハンターに向いていない。

 華奢なその体も、細くて手触りの良さそうな手足も、ハンターには一切向いていない。

 女よりも女らしい。

 つまりこいつの近くに居るとホモになってしまうので、ハンターは、特にG級ハンターは彼の友達にならないのだ。

 と言うかなれないのだ。

 因みに俺はノーマルだから興味がない。

 そして何より一度手を出そうとしてノームちゃんに折檻されていこう、その時の記憶を失い一切そう言う気が起きなくなった。

「ぶー。ヴァニラのケチ」

「何この可愛い生物」

 ルナちゃんんもメロメロになっている。こいつ魅惑の黒子でも持ってんじゃねぇの?

 持ってんのは太刀だけれど。

「取り敢えず今のところは遠距離がいなくても大丈夫だろ。と言うよりもノームちゃんは知っている通り古龍相手に遠距離攻撃は足で纏いにしかならない」

「何で?」

「あいつらの攻撃に遠距離攻撃があるからだよ。しかもとんでもない威力の。当たったら蒸発するレーザーとかそう言う系の」

 取り敢えず以前ノームちゃんが古龍討伐作戦に参加した時、ヤマツカミの電光蟲攻撃に気づかず喰らい失禁してしまったノームちゃんを隠しながら一度戻ったのはいい思い出である。

 因みにその時のノームちゃんはすげー可愛かった。

 顔を真っ赤にして、み、見ないでって。

「ま、ノームちゃんは電流失禁で済んだから良かった――」

 俺の口の中にボウガンの銃口がねじ込まれた。

「ふ、ふへい(す、すてい)」

「待たないわよ。ここから散弾を出して貴方を殺すんだもの」

「まぁまぁ落ち着いてってノームちゃん。僕が思うにヴァニラは場の雰囲気を和ませる為にそう言ってくれたんだと思うよ?」

 漸く銃口を抜いてくれたノームちゃん。俺はバズに感謝をしつつ、取り敢えず真面目な話をすることにした。

「まぁ言っちまえば4人パーティを強化して一気に古龍討伐に持っていくのが妥当な流れだろうな。俺とルナちゃん、そして自称俺の奴隷ことハイラオン。最後にバズを加えた4人パーティで行こうと思う」

「見事な前線極振りね。理由は?」

「まず俺が前線に行かなきゃ古龍は確実に狩れない。そして古龍狩りにて遠距離は足で纏い。そしてチーム内にパワー系が二人以上居ると、その二人がごっつんこしちゃうからスピード系のルナちゃん、ハイラオン、それとバズってことにした」

「なるほど。考えられたチームね。バズもそれでいいよね?」

「僕に否定権があるの? 優しいなぁ」

 いやね? 曲解してるけれど別に嫌われてるわけじゃないからね?

 お前は男に愛されちゃう体質だから、男に愛されない様に周りが自重してくれているだけなんだからね?

 もしお前周りに男共が来たら、お前の銀髪が白濁色に染まるからね?

「それにしても、このパーティーが最前線で戦えば幾らかマシになるけれどそんなもんじゃないんでしょ?」

「まー、そうだな。最終的な目標は何時も通りで」

 何時も通り。それは要するに、何時もの古龍狩りの作戦である。

 誰か一人がワンマン勝負を仕掛けるまでに、どれだけ体力を削れるかの勝負。

「勿論今回のラストアタッカーは俺だろうな」

 殺し殺されは一番慣れているし、何よりも俺以外の奴だと不安が残る。

「ルナを殺さないように戦わなきゃいけないから、まずはパーティの合同練習とかしないとダメだな。パーティの連携が出来なければ意味ねぇし」

「その前に普通の特訓もしておかないとね。少なくとも僕達のパーティは全員G級にならないと意味がないから」

「となると、俺がルナちゃんでお前がハイラオンか。襲われるなよ?」

「僕を襲うような人はいないよ」

 だからちゃうんやて。お前は狙われているの!

 強いて言うならお前のそのお尻を狙われているの!

「さてと、じゃあ貴方達の狩る古龍を決めるわ」

 この時が来た。

 俺達は上位古龍を狩る為に、下位古龍を狩らなければならない。

 その下位古龍を、今ここで決める。

「貴方達が狩るのは、キリンよ」

 意外と、これまた意外とそこまで強くない古龍が出てきたことに驚きだった。

「まずね」

 と思ったら違った。

「貴方達の場合G級ハンターが二人いるから、本当なら強い奴を1体と言いたいところなんだけれど、ルナちゃんとかもう一人のこの村の上位ハンターだと対抗できるかわからない。だからもう1体選ぶの」

 もう一体と言う所に違和感を感じた。

「貴方が狩るもう一体は、ジエン・モーランよ」

 予想以上のデカイ敵に、不思議と俺の心は高揚していった。

 殺し合いの中に居るからこそ感じられる狂気。

 それに侵食されていく心。

 すごく、凄まじく、俺はそれを愛していた。

 狂気に包まれ、常に殺しに全力を捧げる者達。

 それがG級ハンター。殺し屋の異名を持つ化物共なのだから。

 


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