蓬莱人で美人のヤンデレが俺の嫁   作:ちゃるもん

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投稿です!!

グロ注意!!
タグ付けるかなぁ……

では、どうぞ!!


私は……俺は……

そう……異変とは唐突に、予期せぬときに目の前に現れる。

そう……俺の目の前に……

 

射命丸の異変も、巫女さんの異変も、神奈子の異変も……全てはこの目の前で起きている異変の余興に過ぎなかった。そう気付いた時には、既に後の祭り……俺はなんとおろかだったのだろうか……俺はなんと視野の狭いことか……

 

目の前の異変が俺の肩を掴む。ただそれだけなのに、俺の体からは力が抜けた。肩からビキビキと嫌な音が聞こえる。次の瞬間にはグシャ!!と音を立て肩が抉られた。腕がボトリッと落ち、何も無い肩からは血飛沫が滝のように流れ落ちる。一瞬の間の後に、俺の脳は痛みを感知した。熱湯を掛けられているような、氷を押し付けられた時のような、高圧電流を流された時のような、切り刻まれたときのような、突き刺されたときのような、ありとあらゆる痛みが襲いかかってくる。

 

しかし、俺は声を出さなかった。否。出せなかった。

 

目の前の異変が、少女が、俺の嫁が……それを許してはくれなかった。

別段、何かをされているわけではない。嫁は俺の肩を抉ってから一切動いていない。

だが、俺も、この現状を見ているであろう魔理沙も霊夢も早苗も諏訪子も神奈子も……誰一人として動けなかった。逆らえなかった。その、圧倒的な恐怖故に。無表情の中に恍惚とした笑顔が見栄隠れしているがゆえに。

 

そして…………嫁が動いた。

 

それまでの間は一体何時間あったのだろうか?いや、腕が再生していなから数分も経っていないのかもしれない。しかし、もしかすると、俺の細胞すらも恐怖して再生を拒んだのだろうか?否定できないところが、また、恐ろしかった。

 

嫁はおもむろに俺の腕を拾い上げた。

 

そして…………

 

「うぎゃぁアァアアアア―――――――――!!??!???!?!!!??!」

 

…………何を思ったか、その腕を俺に抉れた肩に押し付け、無理やり中へ押し込んだ。

もはや、痛みとは呼べない何か。最初こそ悲鳴を上げれたものの声がでなくなり、口の中からは鉄の味がした。

しかし、どれだけ声にならない声を上げても、どれだけ、必死に止めてくれと目で訴えかけても嫁は一向に止めない。それどころか、さらに奥へ、奥へ腕を押し込んできた。

 

骨と骨がぶつかり擦れあい、千切れた繊維が潰され、引きちぎられた筋肉がかき混ぜられる。

 

痛みにより鮮明になる世界。

少し顔をずらせば、そこには顔を青くし俺の方をじっと見ているみんなの姿。

魔理沙と早苗は我慢の限界なのか、その場に吐瀉物を吐き出している。

 

俺が一体何をしたと言うのだろうか……?

 

俺は輝夜に嫌われてしまったのだろうか?

 

嫌われる。

その単語は、肩を抉られる痛みよりも、

腕を押し込まれる痛みよりも、

骨と骨がぶつかり擦れあう痛みよりも、

繊維が潰され痛みよりも、

筋肉がかき混ぜられる痛みよりも、

 

 

 

圧倒的に怖くて、恐くて、痛かった。

 

 

 

本当はどうなのか分からない。

嫌われる。輝夜が今、何を思ってこんな事をしているのか……

そして…………

 

 

 

 

彼女を信じきれない自分が……怖かった。

 

 

 

 

俺は無意識に輝夜に抱きついていた。

涙を流していた。

嗚咽を漏らしていた。

そして、

 

「きらいに……なら、ないでぇ……」

 

そう、呟いていた。

 

俺は、嫌われたかもしれない。そんな恐怖に呑み込まれ意識を失った。

 

 

 

 

「きらいに……なら、ないでぇ……」

 

私の耳に愛する人の声が届く。

 

私は怖かった。

このまま彼が何処かに行ってしまうのではないか?

もう、私は不要なのではないか?

 

嫌な事ばかり頭のなかで渦巻き、そして一つの答えに行き着いた。

 

そうだ……本当の恐怖で逆らえないようにしてしまえばいい。

 

と。

 

しかし、あの言葉を聞いて私は自身の過ちに気が付いたのだ。

 

こんな事をしなくても、縁は私を愛してくれる。

 

私を独りにしない。

何度も私に囁いてくれたじゃないか。

 

『愛しているぞ輝夜……』

『俺が愛しているのはお前だけだ』

 

信じていなかったのはどっちだ?

縁を裏切ったのはどっちだ?

 

私の方ではないか。

 

恥ずかしかった。

こんな私でも縁は受け入れてくれるだろうか?

いや、そうじゃない。それ以前に、私が縁に謝らなければ始まらない。

 

ごめんなさい。

 

と。

それで関係が崩れれば。それまで……縁は縁を受け入れてくれる存在が一杯いる。

独りになるのは私…………だ、け……

 

頬を熱いものがなぞった。

 

涙。

 

それに気付くのに一体どれほどの時間を有したのだろうか?

 

なぜなら、私の心の中には一つの考えしかなかったから。

 

独りはいやだよ……縁……一緒に……いたいよ……

 

「ごめんなさい……ごめんなさい……独りは……いやだ……きらいになっちゃ……いやだ……よぉ……」

 

 

その声は、小さい囁きにも関わらず、神社全体へと響き渡ったらしい。

 




お読みいただき有難うございます。

すれ違い、気付き、そして受け入れる。そうして絆がより強固なものになる。

誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします。

次回
俺と嫁の確かな絆

では、また次回。
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