急展開注意な。
それと、能力については事故解釈が多大に含まれております。
では、どうぞ!!
パシーンッ!!
「ふざけないでよッ!!」
「ふざけてるつもりはないんだがなぁ」
「ふざけてるじゃない!!なにが『お疲れ様』よ!!貴方は私がここで何をしようとしたのか分かってるの!?分かってるわよね!?私は此処を、幻想郷を滅ぼそうとしたのよ!?」
「ああ。だから、計画は失敗だな。お疲れ様。だろ?俺は実害が出ない限りは怒らん。だが、二度はないからな?」
そう言って、縁は私の頭を軽く小突いた。
それだけのことなのに、私の体からは力が抜け、地面にくじれ落ちた。
「そんな……そんな……無責任なことで……」
「無責任?じゃあ、逆に聞くがお前は責任を取れるのか?地震を起こして、沢山の死者が出て、その中で親を失う子供は何れだけ居るんだろうな?子供を失う親は何れだけ居るんだろうな?それだけじゃない。家が無くなる。食料がない。怪我の治療もできない。あげ始めれば切りがない。どうだ?責任取れるのか?
まさか……自分を止めておいて何も怒らないから無責任。なんて言わないよな?」
「違う!!」
「じゃあ、何で無責任なんだよ」
「それ……は……」
声がでない。
私はどうしたいのだ?分からない……分からない……
そもそも、無責任なのは私の方ではないか。
全部メチャクチャにして。自分だけ助かろうなんて……。
でも、どうすれば良かったの?もう、私が出来ることはこれしかないのに!!「そうよ!!私は何も悪くない!!私は天人なのよ!?地上に住むゲスな人間どもとは違う!!」
どんどん頭のなかで考えが可笑しくなった。
ゲスな人間ども?ゲスはどっちだ。私のアイツ等と同類ではないか。自分から逃げたいがためだけに、多くの命を無下に扱う。私は死んだ方がいいのだ。
地面に手をつこうとする私。
動き始めて、ようやくマトモな思考が出来たけど。もう、私は私自身の体を止めることは出来なかった。
地面のヒンヤリとした冷たさが手に伝わる。あとは、霊力を込めれば……
「二度目は無いって言ったよな?」
私は宙を舞っていた。
多少の苦しみから、襟首を掴まれ投げ飛ばされたのが分かる。
私は、空に浮かぶ月を見て、地面に激突するのを待った。
しかし、私の体が地面にぶつかる事はなく、地面より少し浮いて私は静止していた。
それは、私が自分の力で浮いている訳ではない。私は、縁に胸ぐらを掴まれた状態で静止していた。
パシンッ!!
「甘ったれてんじゃねえぞ!!逃げて逃げて逃げて逃げ続けて……挙げ句は人様に迷惑を掛けようとする……ふざけんな!!」
「…………私は、私は!!逃げてなんかない!!」
「逃げてんだろうが!!いや、逃げるのはまだいい。けどな、自分の問題に人様を巻き込むんじゃねえ!!お前は言ったよな!?見返したいって!!だったら面と向かって話してこいや!!無理なら誰かに頼んで一緒にいてもらえばいいだろうが!!」
「…………言うな…………知ったような口で……私を語るなぁあ!!」
私は縁を突き飛ばした。
拘束は簡単に解けた。
「そんな事が出来れば私だってこんな事をしようなんて考えなかった!!でも、どれだけ努力しても無駄だった!!仲間も友達も!!今まで一人も出来なかった!!何度も、何度も裏切られてきた!!結局どれだけ頑張っても認めてもらえないのよ!!私の努力なんて無意味だったのよ!!」
「ああ。確かに俺はお前の努力を知らない。そりゃあ当然だ。見ていないんだから。お前がそう言うならその努力は無意味なもんなんだろうさ。お前自身がそう決定しているんだからよ。だからって、人様に迷惑を掛けて良い理由にはならない。それと、一つ訂正願おうか?」
さっきまでの吐き捨てるような言葉とは違い、静かに訴えかけてくるかのような声。
私は息を呑んだ。それを聞いたら、今の私は私ではなくなる。そんな気がした。
でも、聞きたい。聞いてしまいたい。この拘束から、解き放ってくれるであろうその言葉を!!
「お前に仲間はいる」
ピシッ
「……嘘よ……私を仲間だなんて思ってくれる人なんていない」
「だったら友達が良いか?」
ピシッピシッ
「だから、そんな相手が居ないっていってるのよ……!!」
「いや、いる。断言してやる。お前に友達はいる」
ピシッピシッピシッ
「そんなのどこに居るってのよ!!」
『私は友達だって思ってたけどね』
「あ」
パリンッ
拘束は簡単に解けた。
今まで、私を閉じ込め蝕み続けた『孤独』というなの拘束は砕け散った。
寝間着姿で、美しいロングの黒髪を下ろし、その髪は月明かりを反射して一個の世界を作り出していた。
「ナイスタイミング霊夢」
「たく……無駄に強く縛ってくれたわね……抜けるのに時間が掛かっちゃたじゃない」
「どうだ?居ただろ?霊夢だけじゃないぞ?俺もお前の友達だし、輝夜だって、お前の友達だ」
「そう言えば……輝夜はどこ行ってるの?」
「ああ、輝夜なら一旦帰ってるぞ。能力を使えば一瞬だろ……サボってなければの話だが……まあ、大丈夫だろ。そうそう、霊夢ちゃんも参加するなら準備しとけよ。出来れば話し合いで終わらせたいところだけどな」
「ああ、そう言う事。確かにアイツなら動くわよね」
私をよそに何か話が進んでいた。
私はその輪に入ることが出来なかった。眩しすぎたのだ。この2人が。いや、あの3人が眩しすぎる。
どうして、私は信じられなかったのだろうか。歩み寄って来てくれたのに……結局私を追い込めたのは私ではないか。
今までやって来ていた事がバカらしく思えてきて、自然と笑みが零れた。
「お、ちゃんと笑えるじゃねえか。ただ、まあ……まだ終わってないんだけど……」
「終わってない?さっきの霊夢との会話が関係してるの?」
『ええ。天界のお馬鹿さんが面倒な仕事を持ってきてくれたお陰でね』
私と縁の丁度真ん中辺りに紫色の裂け目が現れ、そこから二人の女性が現れた。
一人は明らかに妖獣。9本の尻尾からして九尾であろう。
そして、もう一人……紫色のドレスに傘。口元を扇子で隠しその仕草は妖艶と言うのを体現しているようだった。
「よお、『八雲(やくも)紫(ゆかり)』に『八雲(やくも)藍(らん)』。一体何ようだ?」
「あら、分かっているのでしょう?そこの天人を消しに来たのよ」
八雲紫と言う女性から常識を覆したような妖力が溢れ出す。
天界でも、ここまでの霊力を持つ天人は存在しなかった。
「幻想郷は全てを受け入れるんだろ?天子は例外なのか?」
「ええ。ルールを守らない処か私に喧嘩を……それも私の逆鱗を踏みつけるような行為をした。まだ、私自身に危害を加えるだけならまだしも、その天人は幻想郷を壊そうとした……今は大人しくしていても、何時爆発するか、何時裏切るか分からないような危険因子は放っては置けないの。私個人としても、賢者としてもね」
「話し合いは無駄って事かい」
「ええ。今すぐ退きなさい。さもなくば貴方も殺すわよ?」
「はっ!!殺せるもんなら殺してみろよ!!」
そして、殺し合いが始まる……
目の前で傷付けられていく縁。私の友達。
心が、痛かった。
私のせいで、友達が傷付くのは……
「………………止めてぇえ!!」
そこにいた全員が動きを止めた。
まだ、始まって1分も経っていないと言うのに、縁の体はボロボロだった。
「私が……私が目的なんでしょう!?私は大人しくするから、縁にはもう手を出さないで!!」
「…………藍」
「御意」
藍と呼ばれた女性が私の腕を後ろ手に掴んだ。
「その隙間に入りなさい。抵抗しなければ楽に殺してあげる」
私は無言でその裂け目の前に立った。
もう一度、縁を見る。
深い傷はないが、体の至るところに傷があった。
「……ありがとう縁。わたしの友達になってくれて。さようなら」
私はその裂け目に体を通した。
後ろからスゥーと音が聞こえる。ああ、もうすぐ私は死ぬのか……
『ふざ……けんなぁああああああ!!!!』
声が聞こえた。
ごめんね。ごめんね……私のせいで……ごめん……なさい…………。
私は拘束の解けた手で、溢れ出てくる涙を擦った。
『馬鹿な隙間が侵食されている!?くッ!!がァア!!』
『輝夜ァ!!』
『任せなさい!!』
不意に手を引かれる。
目を擦っていた両手を掴まれ、引っ張り上げられる。
何が起こっているの?
色んな疑問が浮かんだが、一つだけ分かることがあった。
『あーもう!!私が着替えている間に急展開すぎるでしょ!?』
『それを言ったら戻ってきて早々、隙間に入るはめになった私の気持ちを考えなさいよ』
『お前ら……ああもう締まらねえ……』
眩しい世界が、私の目の前に広がっていた。
お読みいただき有難うございます!!
と言うわけで、戦闘らしい戦闘は有りませんでした。
縁くんは幻想郷でも上の下程度です。
まあ、それでも十分すぎるほどに強いのですが。
誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします。
天ちゃんもそんぐらい。
輝夜、紫が上の上です。
では、また次回~