受験合格しました!!やったぜ!!
では、どうぞ!!
「ふざ……けんなぁああああああ!!!!」
隙間が閉じていく。
しかし、目の前の八雲のせいで前に進むことができない。
クソガッ!!
心の中で舌打ちをする。
その時だった。目の前に一本の刀が落ちてきたのは。
俺はその落ちてきた刀を掴み、抜き放つ。
「だらしないわよ縁」
「うっせ!!」
そして、少し遅れて降りてきた嫁に返事を返した。
手には使いなれたあの重さ。
「チッ……厄介なのが来たわね」
「厄介なのって失礼じゃないかしら、八雲紫さん?」
「厄介者に厄介って言って何が悪いのかしらね」
「自分の能力が干渉されて使い難くなっているからって……やっぱりもう年かしら」
「貴方のところの医者程じゃないわ」
まさに一触即発。ここは輝夜に任せておけば大丈夫。
だったら、俺は隙間に…………。
と、一気に駆け抜けようとしたが、やはり簡単には通してはくれないようだ。
一気に駆け抜けようとした俺の目の前に、紫色の太い光線が横切る。
それを間一髪刀で軌道をずらす。しかし、それでも威力は馬鹿げたものでその力を受け流してなお、押し返された。
「簡単に通すと思って?」
「ま、だよな」
「貴女こそ……よそ見をしている暇なんて有るのかしら?」
しかし、俺の邪魔をしようとする八雲を更に邪魔する輝夜。その手には七色に輝く実を実らせた枝が握られていた。そして、その枝、蓬莱の玉の枝から輝夜を中心に七色弾幕が打ち出さる。
「行きなさい縁!!境界を抑えておいて!!」
「任された!!」
俺は八雲と対峙する輝夜を横切り、弾幕をスイスイと回避しながら境界の前を目指す。
「くッ!!なんでそんなに簡単に避けれるのよ!!」
「輝夜の技は完璧に覚えてるんでな!!」
「いいから行きなさい!!」
「このバカップルが!!」
此方に手を向け何かを放とうとする八雲だが、それは輝夜の弾幕によって妨害される。てか、バカップルとは失敬な。純愛と呼べ純愛と。
さて、これで邪魔する奴はいない……
「此処で隙間から天子を助けれたらカッコいいんだろうけどな」
生憎と、俺には閉じるまでの時間稼ぎにしかならない。
俺はその閉じようとしている隙間に刀を刺した。
この刀には輝夜の能力が掛けられている。これで少しは持つだろう。
「ちょ、ちょっと!?どうなってるのよこれ!!」
「霊夢!!手伝ってくれ!!」
「どういうこと!?」
「この先に天子がいる!!」
「……あぁああもう!!あとで掃除しなさいよ!!夢想……天生!!」
ドタバタと走ってきた霊夢に、簡単にそして分かりやすく状況を説明した。すると、霊夢は頭をガシガシと乱暴にかき、技名らしきものを叫ぶと半透明になった。
「これで、私は隙間の影響も受けない」
「そりゃあ頼もしい」
半透明になった霊夢は隙間を掴んだ。がっしりと、そこには存在して存在しないものを確かに掴んだ。
そして……力任せに……
「だらっしゃぁあああ!!!!」
隙間を開いた。
隙間の先には倒れている九尾の姿。恐らく閉じようとしていたのだろうが無理だったのだろう。
「はぁ……はぁ……」
「輝夜ァ!!」
「任せなさい!!」
飛び出してきた輝夜は隙間の中に入り天子を引っ張って来た。
俺は、今もなお閉じようとしている境界を、片手に刀を持ち、もう片方の手で天子の手を掴んだ。
そして、反対側には輝夜の姿。所々服が焦げたり、破け血が流れていたりするが……ここに居るということは八雲を何かしらの方法で倒したか、抑えているか……何にせよ、二人とも無事で本当に良かった。
俺は輝夜に合わせて天子を隙間から引っ張り出した。
引っ張り出された天子は地面にペタリと座り込んだままだが、どこにも怪我をしていようには見えない。
「あーもう!!私が着替えている間に急展開過ぎでしょ!?」
「それを言ったら戻ってきて早々、隙間に入る羽目になった私の気持ちを考えなさいよ」
「ああ……もう締まらねぇ…………。おい、天子立てるか?」
俺は今なお地面に座り込んでいる天子に手を差し出した。
天子は「ぁ」と小さな声を出して、俺の手を握ろうとする。しかし、その手は引っ込められた、と、思ったらまた伸ばしてくる。そんなやり取りを5回。遂に天子が俺の手を掴んだ。俺はその手を引っ張り天子を立たせた。そして、天子の服に付いている土や砂を払い落とす。
「どぅ……して……」
「どうしても何も……何でだろうな?俺にもさっぱりだ」
「そこは『友達だからだ』とか言っときなさいよ」
「何だか痛い子みたいだわ」
そう言って霊夢ちゃんと輝夜が二人して俺の頭を撫でてくる。
や、やめろよ!!恥ずかしいだろ!!
俺が必死に抵抗するなか、一つの笑い声が耳に届いた。
最初は小さく……そして、段々と大きくなっていったその笑い声は、天子の笑い声だった。
「ふふ……あははははははは!!!!」
顔を見合わせる俺たちを他所に天子は笑い続ける。
今までのモノを吐き出すように、これからの事を受け入れるかのように。天子はただ、笑い続ける。
「そう言えば輝夜。八雲はどうした?」
「一応蹴り飛ばしたけど……あれは逃げられてるでしょうね」
「ひーひー……あ、あの人居ないの?謝ろうと思ったのに」
「少なくとも此処には居ないわね。なに?謝ろうとしてたの?」
「ええ。だって、悪いことをしたら謝る。常識でしょ?勿論、そんなことで許されるような事じゃないことも分かってるわ。でもね、私が前に進むには八雲紫さんに謝らないと、私はスタートラインにすら立てない。利用してるみたいで悪いけどね」
…………天子がマトモな事を行ってる!?
「声に出てるわよ」
「え?」
「…………まあ、許してあげる。でも、二度目はないからね。それと…………」
俯いて俺に刷りよってくる天子。
何故だろうか……俺の理性が逃げろと言っている気がする。
どうする逃げるか!?でも、それは失礼じゃないか!?それにもし違ったりデモしたら……
chu♪
頬っぺたに感じる柔らかな感触。
やけに近い天子の顔。
「きょ、今日はこれで許してあげるわ!!」
いや、天子さん?さっきと言ってること違うよ?
あち、さっきから肩が痛いなーおかしいなービキビキって音がしてるなー
「霊夢……倉、借りるわよ?」
「あんまり汚くしないでよね」
「ねえ、霊夢。なんで輝夜はあんなに怒ってるの?」
「アンタ……気付いてなかったのね。いいわ。教えてあげる」
『ちょ……ちょっと待とう。な?あれは不可抗力だろ?不意打ちだから俺。悪くない。な?え、ナニソレ?いや、蛇って……いや、分かるけど。分かるけどさ!?え、うそ……へ、蛇が可愛そうとかおもったr』
アッ――――――――――――!!!!
それと同時期。
「え、縁と輝夜が夫婦って……え?えええええええええ!!?」
お読みいただき有難うございます!!
あい。これにて非想天は終わりとなります。
ただ、次回は非想天の後日談となります。すぐに地霊殿には入りませんのであしからず。
誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします。
天ちゃんが一番ヒロインしている気がする……
では、また次回~