今回も今回で書きたいのを書いただけなので分かりにくいと思います。
ごめんなさい。
それでも良い方はお進みください。
では、どうぞ!!
ブオンッ!!
ドガガガガガッ!!
拳がうねり、勇儀の体に吸い込まれる。しかし、拳は弾かれ、今度は勇儀の拳が俺の顔に迫る。それを、手の甲で弾きおとし、首を狙って手刀を滑らせる。が、その手刀は勇儀の拳に砕かれた。
パリンッ
氷の砕けた音が耳に届く。しかし、次の瞬間には砕けた氷はもとに戻り振り出しへと戻る。
そんな、どっち付かずな戦闘を繰り返す。だが、着実に部が悪くなっているのは俺の方だった。勇儀の拳は赤く染まり、体にも何発か入ったがまだまだ余裕を保って。対して俺は、氷ごと腕や脚を持っていかれたのを除けば未だに一発も貰っていない。と言うより一発も貰えないのだが。
まあ、それはさておき、こうやって見てみると、瞬時に再生出来る俺の方が有利に見えるかもしれない。しかし、再生を早めるのと、氷の維持。氷の再生に莫大な霊力を要している。あと、どれくらい持つかも分からない。少なくとも、長期戦に持ち込まれたら負けるのは俺の方である。故に俺は短期決戦で勇儀に勝たなければいけない。
それが、何れだけ無茶な事なのか分かっている。しかし、そんなことを言っていたら勝つことなんて夢のまた夢。何れだけ大きかろうと、まず挑んでみなければ本当に越えられるかどうか何て分からないのだ。
俺たちの間に言葉はない。しかし、音ならあった。近くに居るからこそ、その音が聞こえる。拳が風を切り、拳と拳がぶつかり合う音。ではない。
鼓動、息づかい、血液の流れ、筋肉の伸縮、それらが、さっきとは違って脳ではなく耳に届く。それも、勇儀のものも合わせて。俺の鼓動が一つ跳ねれば、間をおかず勇儀の鼓動が一つ跳ねる。俺が息を吐けば、勇儀が息を吸う。俺の血液の流れが早くなれば、勇儀の血液の流れも早くなる。俺の筋肉が伸びれば、勇儀の筋肉が縮む。
それらが、今の俺たちにとっての会話となっていた。
右 左 右受け 左脚受け
右受け 左受け 右受け 左脚
純粋な力と力のぶつかり合い。楽しい。楽しい!!輝夜や永琳と戦わないこともないが、心理的戦いになってくるので、このような純粋なぶつかり合いは久し振りだ―――しまった!!
邪魔な事を考えたせいだろう。咄嗟にガードしたが、勇儀の拳が右肩を抉る。俺は体制を崩してしまった。そして、目の前には獰猛な笑みを浮かべた勇儀が拳を引いていた。そして、その拳は俺の胸を抉るように放たれた。
回避?無理だ、間に合わない。なら、ガード?無理だ、まともに受けたら吹っ飛ばされて追撃される。なら、どうするか……
俺だって……まけたくねえんだよぉおおおおおおおおおおおお!!!!
ドドガッ!!
ガリガリガリガリガリッ!!!!
攻勢に出るしか他ない。勇儀の拳は俺の胸を抉り、俺を吹っ飛ばす。たいして、俺の拳は重さこそないが、勇儀の顔面に当たり後方まで吹っ飛ばされた。
しかし、ここで止まっていては無意味だ。俺は勇儀が吹っ飛ばされた方向へ一気に跳躍した。しかし、それは失策だった。いや、跳躍じたいは問題ない。問題があったのは焦って前を確認していなかったこと。追撃することに意識を持っていかれ過ぎていたことだ。
目の前に勇儀がいた。
まさしく地力の差。と言う所だろう。流石は鬼。跳躍して自分から勇儀の拳に吸い込まれていくように、俺の顔面に鈍い力が掛かる。
誰から見ても、決着が着いたであろう一撃を貰った。
だが、最後まで足掻いて魅せようじゃないか!!
バギャアアアン!!!!
壁ギリギリで反転、壁に足を付き受け身をとる。そして、跳躍。と、同時に降ってきた物を掴む。そして、それに今纏っている全てを纏わせる。
初めから黒い刀身はより一層禍々しく黒く、そして鋭く滑らかな刀身になっていた。
ウォオオオオオオオオ!!!!!!
この一刀に、全てを!!!!
音速を、光速を、時間を追い越せ。俺に勝利を掴ませろ!!!!
ザンッ!!
ズシャァアアアアアンッ!!!!
刀は確かに勇儀を斬った。そして、その衝撃波で街は真ん中から真っ二つとなっている。これは流石の勇儀、鬼と言えどひとたまりもあるまい。そう、俺は一矢報いたのだ。
「あー……。疲れた。んだよ、完全にフラグ立ってたじゃん。はあ、これが種族の差、なのかね?」
「いやいや、その種族の差に喰らい付いて、結果を出したのは何処のどいつだい」
「つっても、『腕一本』だぜ?こちとら話すのもやっとなのによ」
そう、俺は確かに勇儀を斬ったのだ。勇儀の左腕を、確かに。現に勇儀の左腕は俺の目の前にあるし、勇儀にも左腕が生えていない状態である。
「はっはっは!!そりゃああんなの喰らったらいくらアタシと言えどただじゃすまないからね」
「そうかい。んじゃ」
俺は刀を支えとして立ち上がった。はは、膝がガクガク震えてやがる。体力も、霊力もスッカラカンだ。
「なんだい?まだやるのかい?」
「ああ。ただ、俺はなんもできん。だから、お前の全力で締めにしてくれ」
「…………。いいんだね?」
俺は力強く頷いた。
「…………。分かったよ。その心意気や良し。アタシの全力で締めにしようじゃないか。『三歩必殺』」
一歩で距離を図り
二歩で軸を作り
三歩で全体重を支え、全力で振りかぶる
ボッ!!
ドサッ
それ以上の音は無かった。まるで突発的な強風が吹いた音と、縁が倒れる音だけ。
縁の体は動かなかった。その腹には大きな風穴が出来ており、皮一枚で繋がっている。そして、拳を振りかぶった勇儀の拳の先には何もなかった。あの賑やかだった街並みは無惨にも二つに引き裂かれ、その間は更地と化していた。
「いやぁあ強い!!まだ原型を留めているとは思わなかったよ!!いやあ、お前さん縁だったか、よし、決めた」
『敗者は勝者の言うことを聞くもんだよな?なあ、縁ィ?』
既に再生を始めている縁の体を担ぎ上げ、勇儀は笑みを浮かべる。そう、獰猛で貪欲で狂った笑みを……。
お読みいただき有難うございます!!
姉さん強ぇえええ!!更地の場所はワンパンマンのジェノスとの修行で、最後に出した攻撃を想像していただければ分かりやすいと思います。それを規模を大分小さくした感じ。
誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします。
さあ、皆様お待たせいたしました!!
次回、ヤンデレで一本使う予定です!!
では、また次回~