蓬莱人で美人のヤンデレが俺の嫁   作:ちゃるもん

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投稿です!!

覚様SIDEです。

では、どうぞ!!


私の知らない感情

「さとりちゃん。俺の目を見ろ!!」

「ふぇ?」

 

 え、永琳さん?その腰のもこって、いや、やめ……もうやめ……いやぁあああ!!『自主規制』が『スキマ送りにされました』に入って……。

 そこで、私の意識は途絶えた。

 

 

 

 

 揺りかごに揺られるような浮遊感の中、私は目を覚ました。厳密には意識が戻っただけだが。どうやら私は気絶したらしく、流石に罪悪感を覚えたのか縁さんが私を寝室まで運んでいるようだった。私は目を開かなくても、大体の情報が第三の目から流れてくるので分かる。

 縁さんは私をベットの上に寝かせると、そのまま寝室から出ていこうとした。ふふっ……ちょっとイタズラしちゃいましょう。私は遊び心に流されるまま、縁さんの服を握った。

 

 ちょ、なにこの人……。凄い力何だけど……!?だめ、これじゃ……!?

 

「うっ……。ううぅ……」

 

 離すものかと手に力を加え抵抗する。咄嗟の事に声が漏れてしまうが……、どうだろう、大丈夫だったろうか?バレていないだろうか?そんな私の心配とは裏腹に縁さんは私の髪の毛に指を通した。

 え?何で?あ、うめき声に聞こえた。と。これはあやしている分けですから怒れませんね……。て、これは……。縁さんの過去の記憶?そこまで深く読んでいたつもりは無かったのですが。どうしましょう、これは縁さんが思い出しているようですね。

 

 ふむ、なかなか可愛らしい青年ではないですか。おや、かくれんぼですか。かくれんぼ……。あの子は何時になったら帰ってくるのか……。で、隠れるのは村の端の木の下。見付けられるのですかね、これ?……、貴方は本当に強いのですね。

 

 かくれんぼで村の端の木の下に隠れていた縁さんの目に焼き付いたもの。それは、真っ黒な闇だった。まだ日も真上にあり、村からは活気のある声が聞こえてくる。そんな村の上に突如として現れた闇。闇は水滴が落ちるかの様に村へと落下し、村を呑み込んだ。縁さんは村の端に居たためか助かった。そして、逃げ出した。あんなものを前にして逃げ出すだけの勇気が有るのは凄い。まあ、その妖怪が既に縁さんに興味を持っていなかったのも原因のようだが。

 なんにせよ、縁さんは逃げた。そして、ただがむしゃらに生きた。誰にも手を差し出されず、むしろ、突き放されながらも這いつくばりながら生き続けた。そして、輝夜さんに出会い、不老不死となった。

 

 縁さんは、悔やんでいた。いや、悔やんでいたと言っても良いのか分からない。ただ、腑に落ちない。と、言えばいいのだろうか。妖怪が村を襲わなければ、家族、友人は生きていた。妖怪が村を襲ったからこそ、輝夜に出会えた。

 この、二つの事が胸の中でぐるぐるとただ迷路を回り続けるばかり。それもそうだ、その迷路に出口なんて生易しいものは存在していないのだから。なにかを失う代わりに、なにかを得る。何時もこの現実と言うモノは非情なのだ。

 

「気楽に生きてちゃダメなのかね~。俺も、お前も」

 

 ガシッ!!と心臓を掴まれた。縁さんは私の抱えるものが何か知っているのですか?いや、知っているはずがない。知っていたとしても、理解できる筈がない。だって、貴方は私ではないのだから。そして、私は貴方ではないのだから。

 でも、貴方も私も……すでに、答えは出ている。出口を作るための答えは出ている。ただ、その勇気が、一歩歩み出す勇気が無い。それだけのこと。

 案外、縁さんと私って似ているのかも知れませんね。そう思うと、何だか心の中がポカポカした。お風呂に入っている時とも違う、家族に抱き付かれている時とも違う。これは一体なんなのだろうか?心のエキスパートと言っても過言ではな私がまだ、知らない、知らなかった感情。

 

「おやすみ。良い夢を」

 

 気付かぬうちに手を離していたようで、縁さんは部屋を出ていった。私は、両手を胸に抱えた。それで、この感情がどうにかなるとも思えないが、今はこうする他なかった。

 縁さんはまだ隣にいる。小さくだが心の声が聞こえる。それは、さっきと同じ内容。『ま、何かあったら愚痴ぐらい聞いてやるよ』あの人は、私を怖がらず受け入れてくれた。だったら、少しぐらい……、甘えてしまっても、構いませんよね?

 

 私はベットから降りた。扉の前に立ち、取っ手に手を掛け……、られない。呼吸が荒く、全身から汗がブワッと出てきて気持ち悪い。目眩が酷い。風邪だろうか?しかし、そんな突発的に起こるはずもない。だったら、何故?

 足が震え、床に崩れ落ちる。頭痛もしないのに涙が出てくる。

 

 ああ、そうか、私は怖いんだ。

 

 漸く気付いた。私は怖いんだ。今まで、差し伸ばされた手を掴んだことはあっても、自身から差し伸ばすことが無かったから。今更になっても、怖くなったんだ。もし、あの人に、縁さんに手を振りほどかれたら……。私もあの子のように目を閉じてしまうのだろうか?

 頭の中にぐるぐると悲観的な事ばかりが回り続ける。

 

 でも、それでも……、私は……。

 

 地面にへたりこんだまま、扉の取っ手に手を伸ばす。しかし、どうやっても、あと少しが届かない。ああ、やっぱり私は……、あの子を見捨てた私なんかが……救われるなんて……。

 

 そして、目映い光。

 

 伸ばされる手、抱えられる感覚。そして揺りかごのような浮遊感と温もり。

 

 貴方は……、本当に、強いのですね……。

 

 




お読みいただき有難うございます!!

はい。落ちました。自覚無いけど落ちました。
まだ堕ちるかは決まっていません。

誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします。

ゴスッ(無言の腹パン)
縁『ゴハァ!!』

では、また次回~
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