蓬莱人で美人のヤンデレが俺の嫁   作:ちゃるもん

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投稿です!!

縁くんがこいしちゃんを見れる説明回だと言ったな……
……あれは嘘だ。

では、どうぞ!!


私は誓った、その心に

 私は此処にいて、此処にいない。

 他人が聞けば、何いってんだコイツ。とか、思ってしまうことだろう。でも、それ以外に言いようが、表現の仕方が私の中ではなかった。

 私は意識して何処かに向かえる。私は意識して何かを行える。私は意識して動くことが出来る。

 

 

 しかし、周りはそれに気が付かない。無意識に、私と言う存在を認識しない。

 

 

 だから、私は此処にいて、此処にいないのだ。

 誰だって、そこら辺に転がっている小石に態々興味を持たないのと同じ。

 最初はそれで良かった。だって、その為に私の()を閉じたのだから。満足しないはずがない。しかし、所詮それも最初の話である。

 

 私の種族は『覚』。里にある本なんかには、旅人を騙し、喰らおうとした。等と書かれてはいたが、そんなの間違いである。いや、一概には言い切れないが。たった一匹の『覚』から全ての『覚』が悪だとは決めつけて欲しくない。あくまで、その『覚』が悪さをしただけなのだ。

 まあ、それはさておき。私たち『覚』には一つ、特殊な力があった。

 

 『心を読む』

 

 書いて時にごとく、心を読める。言語が分からずとも、その生き物、それこそ虫から植物。勿論人間の心も読めた。ただ、不便な事に強制的に、だ。

 何が不便なのか。相手の心を読めるなんて凄い。そんなの私たちからしたら当たり前のこと。むしろ、何故読めないのかと逆に分からない。だからこそ、話をするときも少し周りと比べて可笑しい。

 相手の言いたいことを心を読んで理解し、言葉を発する。端的に纏めれば、先手を打つ。とでも言えばそれなりに想像が出来るのではないのだろうか。

 そんな話し方をしている私たちは、勿論嫌われた。此方が心を読めるから、心の中でボロクソに。

 出る杭は打たれる。まさに、この言葉通りの事が起きていたのだ。

 

 私たちは、家を捨てた。耐えきれなくなって逃げた。そして、私たちを知らない所で、一から始めよう。そう心に誓って。

 しかし、長年の習慣とは恐ろしい。私たちにその話し方を直すことは出来なかった。

 

 行って、恐れられ、移動して、恐れられ、移動して…………。

 

 そして何時にか、私たちは人間からも、妖怪からも嫌煙されるようになった。

 山奥にひっそりと暮らしたら、妖怪が壊しにやってくる。

 人里近くに家を建てれば、人間に襲われる。

 

 その時にソイツ等が何を考えているか。それは、責任転嫁だ。

 お前がいたから、お前のせいで。要は、私たちは良い当て馬にされていた。と言う訳だ。

 

 そして、幾度かの移動の末。私たちは決断した。

 この忌み嫌われた者達の巣窟。地底に行くことを。

 

 しかし、何も変わらなかった。そう、何も……。

 結局、嫌われ者は嫌われ者なのだ。

 心から聞こえてくる黒い声。どす黒い声。

 私は苦しかった。

 

 ある日、閻魔を名乗るものから地底の管理を行ってほしいと頼まれ、この地霊殿へとやって来た。

 なぜ私たちのような嫌われ者にそんな事を押し付けたのか。それは、私たちの能力が、怨霊達の天敵となり得るから。そして、厄介者は管理しやすい場所に置いておきたい。

 所詮、閻魔もそんなものだった。

 

 私たちはその要求を飲み、地霊殿の旧灼熱地獄を管理する事となる。

 大量の給料それこそ一生遊んで暮らせるほどの。そして、莫大な土地。それこそ、地底の全てが私たちの物となった。

 途中から多くなりすぎたペット達も、今は延び延びと暮らせている。

 給料は、契約通り閻魔からの給料。そして、妖怪たちからの土地金で増えていく。払えない者には特に言及もしなかった。そもそも、する必要がない。

 

 何故か?

 行ったところで、相手が無理矢理でも払おうとするからだ。

 

 『覚』を敵に回してはいけない。あの、星熊勇儀でさえ謳ったこの言葉。今さら何をしても意味がなかったのだ。

 それから、また、何百年と私たちは恐れられていった。

 そして、何時だったろうか?私の心が外に向かなくなったのは。

 聞きたくない。と、心から閉ざして行き始めたのは。

 

 そして、私は……()を閉じた。

 

 簡単に、心は私に答えてくれた。

 それ以来、私は心を読むことが出来ず、代わりに誰にも意識されない『無意識』を手に入れた。

 

 今でも、それが本当に正しい選択だったのかなんて分からない。

 

 ただ、これだけは言える。

 

 目を閉じようが、閉じまいが……私は、この苦痛からは逃れられない、と。

 私は、温もりを求めていたのかもしれない。

 意味もなく、触れて、無理矢理気が付かせたりしたのも、それだったら納得がいった。

 

 家に帰ってきても、実の姉ですら三日に一回、私の存在に気が付ければ良い方。それなら、何時帰ってきたと言っても変わらない。

 そうだ、久し振りに大浴場に入ろう。と、大浴場に向かったら、トイレに入っていく男性を見つけた。

 無駄だと分かっていても、いや、無駄だと分かっているからこそ、後を付いていったのかも知れない。

 どうせ直ぐに出ていけば良いのだ。服も……、まあ気が付かれないし大丈夫かな?

 

 しかし、現実は非情で、優しくて、暖かくて……ああ、私も案外見捨てれてなかったんだ……。

 

 男の人が、私の目を見て、驚いた表情をその顔に浮かべた。

 でも、私にはそんな事はどうでもいい。嬉しい。嬉しい、嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい!!!!!!

 

 私は、この人に、私自身を認識してくれるこの人に、恋をしたのだ。

 

 それに気が付くのにそう時間は掛からなかった。

 ねえ、お兄さんは私が見えてるんだよね?

 

「は?見えているんだよね?って、見えない方が可笑しいだろ?」

 

 何を言ってるんだ?と、キョトンとした顔。

 私は心に誓った。例え、貴方が私を必要としなくとも。例え、貴方別の誰かとも結ばれようとも。……、私は貴方に付いていく。と。

 

 今は無き、『心』に、私は誓ったのである。

 

「エヘヘ~」

 




お読みいただき有難うございます!!

はい、こいしちゃんの説明回でした。
次回は多分縁くんの説明回になるんじゃないかな~(遠い目)

誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします。

心を読めなくなっても、また別の痛みが襲ってくる。
覚妖怪も、人間と同じなのかもですね。

では、また次回~
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