久しぶりのあのお二方の出番ですぞ!!
では、どうぞ!!
ここは妖怪の山。その妖怪の山の山頂付近に佇む守矢神社へと続く参道を、俺、蓬莱山縁は歩いていた。なぜ歩いているのか、なぜ登山しているのか?はっ、答えなんて決まっている。
そこに山があるからさ!!―――な、訳もなく。久しぶりに守矢神社にでも顔を出そうかと来ただけだ。
ただな~ちょっとな~早苗ちゃん(強制的に呼ばされた)がな~……。めんどくさいんだよ……なあ……。
そんな事を思いながらも、足を動かして山頂を目指す。こう、思い立ったが吉日。こんな日じゃない限り行かないと思うからね。
帰りは少し椛ちゃんの家にも寄っていこうかな。え?社名丸?だれそれ。どっかのお店の名前じゃないの?
『―――ん!!―――しさん!!えーにーしーさーん!!』
「……」
右足を前に、左足に力をかけ確りと体を固定し、拳を握りしめ、一気に振り返り、両手を広げ抱きついてこようとしているアンチクショウの腹に目掛けてアッパーを叩き込む。
「ゴ、ッハ!?」
「吹っ飛べ!!」
まるで天を突く如く掲げられた拳は、さっきまで進行の邪魔をしていたアンチクショウを空へと吹っ飛ばした。
「ふぅ~……スッとしたぜぇ」
さて、もう二、三時間は登っているはずだ。後二十分も登れば守矢神社に着くだろう。後、少しだ。
よしっ!!と、意気込み振り返る。
「縁さ~ん。流石に酷くないですか?開幕アッパーはダメですよぉ」
「…………」
頬に手をやり、体をくねらせる何かの脇をすり抜け「ちょっと!!無視はひどいですよ!!」られなかった。社名丸(誤字にあらず)は俺の足に抱き付き、俺を見上げる顔は異性に見せるにはかなり酷いものである。具体的に言えば、涙と鼻水。そして極めつけの涎……正直汚い。
「無視しないでくださいよぉ~。泣きますよ?泣きますからね?大の妖怪がここでわんわんと泣いちゃいますよ!?」
「もう泣いてんじゃねえか!!分かったから!!無視しないから離れろ!!汚い!!」
「本当ですか?無視しませんか? グスッ」
「本当だから離れてください」
チッ
おい、今舌打ちが聞こえたぞ。……まあ、良い。涙の後や鼻水をゴシゴシと拭った社名丸は笑顔に挨拶をして来た。
「こんにちはです!!縁さん」
「ああ。こんにちは社名丸サン。それじゃ」
社名丸に軽く手をあげながら挨拶をして通りすぎる「もっと構ってくれても良いじゃないですかぁあ!!」事は出来なかった。
「無視しないで挨拶したじゃねえか!!ええい!!離れろ!!引っ付くな!!」
「嫌です!!縁さんが私に濃厚な口付けをしてくれるまで離しません!!」
「誰がするか!!」
「だったら絶対に離しません!!」
「くっ……!!この手は使いたくなかったが……、椛ー!!椛ちゃんー!!助けてくださーい!!」
椛ちゃんに届けばいいのだが……。
「そんなに大声出さなくても、もう着いてますよ。文先輩。縁さんが迷惑しています」
ガスッ!!
木から飛び降りて社名丸の頭を盾で殴る椛ちゃん。結構容赦ないですね椛さん……。
「きゅう!!……椛!!何をするんですか!!」
「縁さん。こんな烏は放っておいて行きましょう。途中までご一緒しますよ」
「お、そうか?悪いな話し相手が欲しかったんだよ。あ、でも仕事の方は良いのか?」
「大丈夫です。能力で視ていますから」
「そうか。じゃあ、お願いしようかな。よろしく椛ちゃん」
椛ちゃんが仲間になり、登山を再開する。
「ちょ、ちょっと!!二人して私を置いていくんですか!?」
「「え、うん」」
「ガハァ!!え、縁さんは、私よりも椛を選ぶって言うのですか!?」
「え、うん」
「う、うわーん!!人でなしー!!」
「「いや、人じゃないし」」
「妖怪と」
「化物ですから」
「ふ、二人がなんと言おうと私は付いていきますからね!!ぜったい、ぜーったい付いていきますから!!」
こうして、俺は一人寂しい登山から解放された。
パーティーは蓬莱人と白狼天狗と烏天狗と言う奇妙なパーティーだが、まあ、残りの時間退屈する事は無いだろう。
そう考えると、椛ちゃんを呼ぶ切っ掛けとなった射命丸に感謝しても良いかもしれない。あ、社名丸だったな。
「あの……さっきから私の名前が間違われている気がするのは気のせいでしょうか?」
「気のせいじゃね社名丸」
「絶対間違えてますよね!?しかも、絶対わざとですよね!?」
「さー登っていきましょうか」
「おー」
「ちょっとー!!」
うん。これ退屈しないな。
お読みいただき有難うございます!!
社名丸(誤字にあらず)
もみじもみもみ
誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします。
もうすぐバイトの面接を受けようと考えております。
では、また次回~