ときめきのアンサンブル ~ Story of Nico 作:Kohya S.
にこの夏休みは練習とトレーニングを中心に、ときどきメンバーと遊びに行ったり、智也と出掛けたりして過ぎて行った。
去年までとは大違いで――にこはその忙しさも嬉しく感じるのだった。
懸案だった宿題もなんとか終わらせて、にこは新学期を迎えた。
μ'sのアイドルランキングは徐々に伸びていき「ラブライブ!」への出場も現実味を帯びてきていた。
メンバーたちは目の前にせまった学園祭に向けて努力を続けた。
学園祭でのライブの詳細が決まった日の夜、にこは智也に電話をかけた。
「こんばんは、ニコちゃん」
いつも通りの智也の声。
「こんばんは。いま、大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ」
「この前話した、学園祭のことだけど……」
先日会ったときに日付だけは知らせてあった。
「……午後二時から、屋上でやることになったわ」
「へえ、屋上なんだ」
「まあ、広いし、思い入れもあるしね」
くじ引きで外れて屋上になったこと、くじを引いたのは
「必ず行くよ」
「ありがと」
「晴れるといいね」
「そうね」
・
学園祭当日。
にこが起床してカーテンを開けると、前日に降り始めた雨はまだ止んでいなかった。「はあ」とため息をつく。
ちょっと責任、感じちゃうわね……。午後までに止むといいんだけど。
にこは午前中はμ'sのメンバーと学園祭を見てまわって楽しんだものの、天気については気が気ではなかった。
昼を過ぎてライブの予定時間が近付き、メンバーは部室に集合した。ステージ衣装に着替える。
全員で部室の窓から空を見上げた。にこの願いは通じず、雨は一向に止む気配はなかった。
「ぜんぜん弱くならないわね」と絵里。
「ていうか、さっきより強くなってない?」
にこは不運を呪った。
みなで顔を見あわせる。
「やろう!」
沈黙をやぶって穂乃果がいった。
「穂乃果……」と絵里。
にこもここまで来たら開催したい、という気持ちは同じだった。メンバー同士でうなずきあった。
ただ、にこは穂乃果に違和感を感じていた。
午前中は見なかったから、ライブ直前に登校したみたいだし……。なにかおかしい気がするけど、大丈夫かしら……。
にこたちは時間にあわせて屋上へ移動し、仮設ステージの裏で準備する。
雨が降るなか、それでもかなりの数の観客が来ているようだった。傘の花が咲いていた。
「それではμ'sの学園祭限定ライブ、スタートです!」
今日のために協力してくれている穂乃果のクラスメイトがアナウンスする。
にこたちはステージに上がり、左右に広がっていったん客席に背を向けた。練習で何度も聞いたイントロが流れ始める。
『♪~♫~』
ステップを踏みながら徐々に中央に集まり、くるっと正面を向く。そして全員で手をつないで大きくジャンプ。
今日のために作った新曲「No Brand Girls」だ。ハイテンポなロックナンバー。サビ以外はメンバーの振り付けはバラバラで、かつ動きも激しい。難易度は高かった。
にこはともすれば滑りそうになりながら懸命に歌い、踊った。
最後の決めポーズを取る。スポットライトが落とされてメンバーのシルエットが浮かびあがった。
観客から拍手がわき起こった。
呼吸を落ちつけながら屋上を見渡すと――智也がいた。傘を支えながら必死に拍手していた。
次のフォーメーションは……とにこが思っていたとき、にこのすぐうしろで、どさっと音がした。
にこが振り返ると――穂乃果がステージ上に倒れていた。
「穂乃果、どうしたの?」
にこは穂乃果にたずねるが返事はなかった。ほかのメンバーも駆け寄ってくる。
「穂乃果、大丈夫」
絵里が呼びかける。
「次の曲……を」
穂乃果はかろうじて意識はあるようだが高い熱だった。
海未とことりが助け起こす。
「続けられるわよね」
にこは――内心は不可能だろうと感じていたものの――そう訴えた。
「まだあきらめたり、しないわよね」
「……穂乃果ちゃんは無理や」
希が沈痛な面持ちでいった。
海未とことりが穂乃果を保健室に連れていった。
結局――ライブはそのまま中止にせざるを得なかった。
・
穂乃果は学院の先生が車を出して病院に連れていくことになった。
穂乃果以外のメンバーは部室に戻り制服に着替えた。
「海未ちゃんとわたしが、病院へ行きますね」
「なにかわかり次第、連絡します」
「頼んだわ、ことり、海未」と絵里。
海未とことりは穂乃果の自宅をまわってから病院へ行くとのことで、そうそうに部室を出て行った。
残されたメンバーはみな沈鬱な表情だった。
穂乃果のようす、もっと気にしてればよかったわ……。にこは思った。
着替えを終えたにこはスマートフォンのLEDが点滅していることに気付いた。スイッチを入れると智也からの不在着信が入っていた。
にこは部室から廊下に出た。すこし離れたところまで歩き、智也に電話する。
数コールで彼が出た。
「あ、ニコちゃん」
心配そうな声。
「悪いわね、智也。電話、出られなくて」
「それはぜんぜん……。高坂さん、大丈夫?」
「熱が高くて、いま、病院へ行ったわ。……無理してたみたい」
「そうなんだ……」
「ごめんね、せっかく来てもらったのに」
彼はすぐ近くにいるはずだ。会いたい気もするが、いまは穂乃果のことが気になった。
「ううん、仕方ないよ。……ニコちゃん、今日、これからどうするの」
「……もうすこし、ここで連絡を待ってるわ」
「わかった。……高坂さんのこと、お大事に」
「ありがと」
にこは電話を切った。
部室に戻りじりじりと待つと海未から絵里に電話があった。
医者によると穂乃果の症状は風邪だそうで、いまは熱が高いものの、しばらく安静にしていれば落ち着くだろうとのことだった。また、穂乃果は今日は大事を取って入院するらしい。
メンバーは多少とも安心して、解散することにした。
・
穂乃果が倒れてから、穂乃果を除いたμ'sのメンバーは今回の件について話しあった。
にこは、以前のくじ引きで講堂が取れなかったことを謝ったが、海未に「仮に講堂でも穂乃果の無茶は同じでしたよ」と指摘され、多少とも気は楽になった。
穂乃果が無理をしていたことに、また穂乃果のプレッシャーに、気付けなかったことには全員が責任を感じていて――「ラブライブ!」の出場辞退を決めたのだった。
ほかにも大きなニュースがあった。ことりの海外への留学が決まったのだった。
幸い穂乃果は数日で回復した。
しかし、これらの事実が穂乃果に強い衝撃をあたえたことは否めなかった。
また、時期を同じくして、μ'sの活動が功を奏して音ノ木坂学院の存続が決定した。しかし、それもμ'sの存在意義を問いなおすことになった。
穂乃果は、自らの行き過ぎた思いを反省したのか、それとも目的を見失ってしまったのか――メンバーたちにスクールアイドルを止めると告げたのだった。
そして、絵里から申し出て――μ'sは活動休止を決めた。
・
活動休止が決まった日、にこはひとり学院を出た。
先日の穂乃果の告白のあと、海未が穂乃果を平手打ちしたのには驚いたが、もし彼女がそうしなかったら――にこは自分がしていたかもしれない、と思うのだった。
穂乃果が本気だから、私もμ'sに入ったのに……。ひとりで突っ走って、抱え込んで……やっぱり止めます、なんて。私、馬鹿みたいじゃない。
鞄から着信音が鳴った。智也からだ。にこは「ラブライブ!」への出場を取りやめたことと、穂乃果が回復したことだけは簡潔に彼に伝えてあった。
タイミングがいいんだか悪いんだか、わからないわね……。そう思いながらにこはスマートフォンを取り出し、受話ボタンをタップした。
「なに」
「あ、ニコちゃん。練習、終わった?」
いつものように明るい声だが、どこか気遣いを感じさせた。
「……ええ、終わったところよ」
「高坂さん、もう元気?」
にこの心に穂乃果の言葉がよみがえる。
「……すっかり元気ね」
なんとかそれだけいった。
「そう、よかった。それで……」
にこは彼の言葉をさえぎった。
「……ねえ、これから会えない?」
「えっ」彼は驚いたようだ。「もちろん、いいけど……」
にこは彼がなにかたずねてくる前に畳みかける。
「あんた、いまどこなの?」
「学校。部活が終わったとこだけど……」
「じゃあ、そっちまで行くわ。……どこかいい場所、ない?」
「……うーん、それじゃ、御茶ノ水駅の近くのファミレスとかどうかな。ちょうど真ん中へんだし」
「わかったわ」
にこは電話を切り、くるっと向きを変えると決然と歩き出した。
ファミレスまでは十分ほどだった。
店に入ると、夕食どきまではまだ時間があるせいか、店内は比較的すいていた。
「ニコちゃん、こっち」
先に来ていた智也が呼んだ。にこは向かいに腰を下ろす。
「……どうしたの、急に」
智也が心配そうに聞いた。
どう話せばいいのか――にこはしばらく悩んだ。
「ごめん、その、呼び出しちゃって」
とりあえずそういって間をつなぐ。
「うん、それはいいし……むしろ嬉しいけど」
彼は軽い笑みを浮かべる。それに励まされるように、にこは切り出した。
「あんた……私がアイドル止める、っていったら、どうする?」
「えっ……なんか、想像できないけど……」
そういいながらも動揺しているようだ。
「そうよね……。あ、もしも、の話よ」
にこがいうと彼は安心したようにうなずく。
店員がお冷を持ってやってきた。にこはドリンクバーと、デザートからプリンを注文した。
「あ、僕、おかわりするから取ってくるよ。なにがいい?」と智也。
「じゃ、カフェオレで」
「了解」
彼が戻ってきて目の前にカップを置いた。
「ありがと」
「どういたしまして」
一口飲んでから話し出す。
「実はね……穂乃果がアイドル止める、っていってるのよ」
「えっ」驚きの表情の智也。「どうして……」
「ほら、学園祭のライブとか、ラブライブのこととかで……責任、感じてるんだと思うわ」
「じゃあ、μ'sは……」
「穂乃果がいないとね……とりあえず、活動休止よ」
「……そうなんだ。ラブライブに出場しないだけじゃなくて……」
彼は窓から外を眺めた。その横顔には落胆が浮かんでいる。
「正直、腹が立ったわ」
にこはスプーンでぐるぐるとカフェオレをかき混ぜる。
「あいつが本気だから、賭けてみようって思ったのに……」
にこは下を向いた。胸の奥から熱いものがこみ上げてくる。
彼はにこに視線を戻す。
「それで、ニコちゃんはどうするの」
にこは顔を上げて視線を受け止めた。
「さっきのあんたの言葉が答えよ。アイドルなしの生活なんて、考えられないわ」
「うん。僕も……その、応援してるよ」
「ありがと」
にこは心を落ち着かせ、なんとか笑みを浮かべた。
彼はまた窓のほうを向いた。
「でも、ニコちゃんがアイドルを再開するきっかけ、高坂さんだよね」
彼が思い出すようにいう。
「そうなのよね……。そういう意味では、感謝もしてるのよ」
にこも外を眺める。いつの間にか外は夕方の気配をただよわせていた。
「……穂乃果ばかりを責められないわね。いろいろ背負わせすぎたんだわ、私たち」
にこは「はあっ」とため息をついてカフェオレを飲んだ。
店員がプリンを持ってきた。
店員が去ると、彼がぽつりと言った。
「高坂さん、本当に止める気なのかな?」
「……あんたも、そう思う?」
彼はにこへうなずく。
「うん。動画とか、ライブとか見てて……高坂さん、やっぱり本気なんだと思う。いまは迷ってるんだろうけど……」
「そうなのよね。私も後悔したくないけど……穂乃果にも、後悔させたくないのよね」
にこは残っていたカフェオレを飲みほして続ける。
「……はあ、面倒だわね」
「なにか、やる気になった?」
彼は面白そうに笑った。
「そうね、やってみるわ」
にこも微笑んだ。プリンに手を付ける。
ここのプリン、お値段のわりに、おいしいのよね……。
「飲み物、おかわりいる?」智也が腰を上げて聞く。
「あ、じゃあ、同じのでお願い」
「はいはい」
ドリンクバーから戻った彼は話し出す。
「それで、この前のライブだけど……」
「ああ、あんなことに、なっちゃったけど」
にこは首を振る。
「でも、曲そのものは、すごく良かったよ。ハイテンポなのに、みんなよく動いてて……」
「まあ、練習したしね」
「ニコちゃん、ソロはばっちり決まってたし、サビのところもしっかりあってたじゃない」
彼はにこりと笑う。
「と、当然よね。ふふん」
にこは照れ隠しに一口飲んだ。まだ熱かった。
「たぶん……練習の効果、出てるんだと思うよ」
「そっか」にこは目を落とす。「……その、いろいろありがと」
頬がすこし上気しているのは……熱いカフェオレのせいなのよ、と思う。
「うん、どういたしまして」
彼はもう一度、微笑んだ。
にこはなにかあったら連絡すると約束した。
会計はにこがおごり、ふたりは店先で別れた。
自宅までの道を歩きながら、にこは思う。穂乃果のこと……なにか考えなきゃね。
・
にこはたとえひとりだけでもアイドル活動を続けるとメンバーに告げた。きっと穂乃果への刺激になるだろうと考えたのだ。
にこはまず花陽と凛を誘うことにした。花陽は、アイドルへの思いは人一倍強い。いわばにこと同じ立場だろう。そして凛も――自分からはなにもいわないものの、秋葉原のアイドルショップでの振る舞いなどを見ると――アイドルへの憧憬を、にこは感じるのだった。
にこの見立ては当たっていたようで、ふたりはにこに同意してくれた。
残念ながらそのあとで誘った海未には断られてしまったが――三人は神田明神でのトレーニングを再開した。
数日後。夕日のなか、三人は神田明神でトレーニングをおこなっていた。
「いい、海未はいないけど……私も、びしびし行くわよ!」
「はい、ニコちゃん」
「凛も、覚悟してるニャ」
そこへ男坂を上ってひとりの少女があらわれた。穂乃果だった。
「凛ちゃん、花陽ちゃん」と穂乃果。
「穂乃果ちゃん……」花陽が答える。
「練習、続けてるんだね」
穂乃果は切なそうな笑みを浮かべた。
凛と花陽のうしろいたにこは穂乃果の前に出る。
「当たり前でしょ、スクールアイドル、続けるんだから。悪い?」
「ううん……でも、μ'sは活動休止でしょ。……なんで続けるの?」
「好きだからよ。……にこはアイドルが大好きなの!」
穂乃果は無言でにこを見つめた。にこは見つめ返す。
「みんなの前で歌って、ダンスして、みんなと一緒に盛り上がって……また明日からがんばろうって……そういう気持ちにさせることができるアイドルが、私は大好きなの!」
あんたも同じだったでしょ! そう心のなかで付け加える。
穂乃果は目を見張る。にこはだめ押しのつもりで続けた。
「……穂乃果みたいな、いいかげんな好きとは違うの」
「違う、私だって……!」
穂乃果は
にこは自分の思いが伝わってほしい、そう願いながら答える。
「どこが違うの? 自分から止めるっていったのよ? やってもしょうがないって」
でも、それって本気なの? 本当にそう思ってるの……?
穂乃果はなにかいいたそうだったが――結局、なにもいわなかった。
「……邪魔しちゃって、ごめんね」
穂乃果はきびすを返した。
「穂乃果ちゃん」花陽が呼び止める。「今度、わたしたちだけでライブやろうと思ってて……」
「穂乃果ちゃんが来てくれたら、盛り上がるニャ」と凛。
にこは付け加えた。
「あんたが始めたんでしょ。絶対、来なさいよ」
穂乃果はどこか寂しそうに微笑んで、男坂を下っていった。
・
そして数日後。その日の放課後には、講堂でのライブが予定されていた。穂乃果とことりを除いた七人での、生徒と入学志望者、それらの保護者向けのライブだった。
また、この日はことりが海外への旅立つ日でもあった。
控室に集まったメンバーに、海未が告げた。
「穂乃果が……参加します」
「本当なの、海未」と絵里。
「はい。さきほど、穂乃果から話があって……やっぱり歌うのが好きだと」
海未は上気した笑顔で続ける。
「みなさんには迷惑をかけたと、いっていました」
「穂乃果ちゃんが……」
花陽は涙ぐんでいる。
「ったく、なによ、結局、そうなるんじゃない」
にこはそういったが――やはり目頭が熱くなるのは否めなかった。
「それで、穂乃果ちゃんはどこいったん?」と希。
「いま、ことりを迎えに行っています」
「えっ、今日、出発でしょ」真姫がたずねる。
「はい。でも、穂乃果なら……わがままな穂乃果なら、なんとかしてくれると思ってます」
海未は目を輝かせた。
メンバーはやきもきしながら待った。
ライブ開演の時間が迫る。結局、制服のままで歌うことになりそうだった。
「穂乃果とことりは間に合うの?」とにこ。
「ぜったい来ます、必ず」
海未は確信をもって答えた。うらやましいわね、とにこは思う。
「っていってるあいだに、そろそろ時間やけど……」
「お客さんを待たせるわけには、いかないわ」
希と絵里が話していると――。
「うわわわわーっ」と穂乃果が駆け込んできた。床で滑って盛大にしりもちをつく。「いったーぁぃ!」
続いてことりも、恥ずかしそうな笑みとともに控室の扉から姿を見せた。。
「お待たせーっ」
お尻を押さえながら穂乃果がいった。
「じゃあ、全員そろったところで、部長、ひとこと!」
希がにこに振る。
「えぇーっ!」と驚いて見せるにこ。「なーんてね、ここは考えてあるわ」
それも、七人版と、九人版の、両方をね。九人版でよかったわね。
「……今日、みんなを、一番の笑顔にするわよ!」
全員で円陣を組みVサインを組み合わせる。
「いち!」穂乃果から始めて、ことり、海未、真姫、凛、花陽、にこ、希と続き、「きゅう!」と絵里。
「よーし、行こう!」
穂乃果が最後に宣言した。
ステージの幕が開き、イントロが流れ始めた。
学園祭のために練習していた、九人での「START:DASH!!」。学園祭では披露できなかったが、ようやくここで歌うことができて、にこは胸がいっぱいになった。
穂乃果も復活したし……ぴったりよね。智也にも、見てもらいたかったわね……。
大歓声のなか曲は終わった。手を取りあって喜ぶメンバーたち。
「みなさん、今日は本当に、ありがとうございました!」
穂乃果が客席に向かって頭を下げた。
拍手のなか――。
「あ、そうだ、大事なことをいい忘れてました」と穂乃果。
「穂乃果?」海未がたずねる。
「えへへ」
穂乃果は海未に笑いかけてから客席に向き直った。
「さあ、みなさん、ご一緒に……」
メンバー全員と客席が唱和する。
「μ's、ミュージック、スタート!」