長らくお待たせしました;
+ミッドチルダ・アーセナル25階+
機動六課がダークと邂逅した頃、25階のとある一室にあの場にいなかった兵士たちが集結していた。
「狙撃班、総勢10名集合しました。」
「強襲部隊、1班、4班、総勢50人いつでも出撃可能。」
「重装歩兵隊、全班総勢35人推参。」
『狙撃班』の兵士は、紺色のミリタリースーツの上からボディアーマーを身に着け、目出し帽で顔を隠している。
武装は『PSG-1スナイパーライフル』と『イングラム サブマシンガン Mac-11』、『サバイバルナイフ:Seal2000』の3種類。
『強襲部隊』の兵士は、全身を異世界の『ヘリオス』で製造され、さらに改造された『リオソウルU【ver.C】シリーズ(スキル:高級耳栓・見切り+1…+攻撃力UP【大】・移動速度UP【中】)』で固め、武装は『MP7A1サブマシンガン』、『Scar-Hバトルライフル』、『ハイニンジャソード』。
『重装歩兵隊』の兵士は、全身をヘリオスから採取された“エルトライト鉱石“と”メランジェ鉱石“の複合金属で固められた鋭利かつ分厚く強固な『A‐03パワードアーマー』を身にまとい、頭部全体を覆うヘルメットには、緑色に光るモノアイを光らせている。
武装は、十字型の全身を覆い隠せるほどの盾に埋め込まれた『GE M61 バルカン』、両肩に取り付けられた『H&K MG4機関銃』と『バレットM82 アンチマテリアルライフル』、『US M202A1 フラッシュ ロケットランチャー』背中には機動力を補うための『A‐02 スラスター・パック』そして、本来“両手”で振り回す『A‐04 バトルハンマー』を右腕だけで保持していた。
「この多忙な時期によく推参してくれた。感謝するぞ諸君。」
そう言葉を述べ、彼らの前に立つ一人のネームレス・ワンズの軍服を身に着けた老人。
その身からは、まさに歴戦の戦士の風格を漂わせていた。
老人は語り続ける。
「今回集まってもらったのは、現在此処『ミッドチルダ・アーセナル』に『時空管理局』が抱える『機動六課』に攻め込まれていることにある。」
「そして、その機動六課は数十分でダーク殿と兵士共が待ち構えている地下20階に到達。突入の際に特大の砲撃を放ち、ダーク殿は無傷だが、かなりの数の兵士共が一気に戦闘不能に陥った。…まったく、奴らは腹立たしいまでに優秀である。」
「諸君らには、ダーク殿の援護を頼みたい。本来なら機動六課の殲滅も行いたかったのだが、ダーク殿がなぜかそれを許可しない。故に、護衛にのみ専念してくれ。」
「それでは、諸君らの健闘を祈る。」
『『『『『名も無き我らに勝利を、再誕の獣に救済あれ!!』』』』』
そして彼らは務めを果たすべく、主の元へと進軍する・・・
+ミッドチルダ・アーセナル02 地下20階+
「い、いかん!魔導士どもをダーク様に近づかせるな!!!」「ハッ!先程の砲撃で11機が大破、5機が戦闘続行不可能、現在動けるのは我々含め4機だけです!」
「な…!なんと出鱈目な!!」
「こんなの無理ゲーじゃないですか、ヤダー;」
「よ…余波だけで体の節々が痛い;」
「うごごごごご…;」
「どないしろと言うんですか(ノД`)・゜・。」
「…あの巨人共のほうが可愛く思えてくる強さ;」
「お、俺は、もう…ダメ…だ…(ガクッ」
「ふざけんな!あんた奥さんと娘さん置いて先に行く気か!?」
「ノゾミガタタレター」
「えぇいサッサと立たんか新兵共!!!あれぐらいで根を上げるな!!!」
「「「「「イ…イエス・サー;」」」」」
「…ふむ、コメントに困る…」
「あ、あばばばばば(ガクブル」
「あっしらもうだめかもしれんね(笑」
ダークの目の前に惨劇が広がる。
今の砲撃で大多数の兵士達が一気に薙ぎ払われた。
「勿論」死人は出ていないが、殆どが戦闘不能に陥っている。
…そして、機動六課とダーク(+2名)を一直線に結ぶ“道”が生まれた…
「…征くか…」
「「え”」」
ガオンッ!!!
「あばーーーーっ!!;」
「あーれーーー‼」
ダークが呟いた瞬間、背後に隠れていた二人は突如『爆音』と『衝撃波』に襲われ、後方へ吹き飛ばされた。
そして、吹き飛ばされた二人の片割れの青年は飛ばされながら垣間見た。
…一瞬で機動六課との間合いを詰め、巨大な片刃の双剣を振り回し、彼彼女らを薙ぎ払う我等が闇を…
「にゃー!?;」
「嘘やろっ!!?;」
「早いなんてものじゃない…!」
彼女達は目を疑った。
爆音が響いた瞬間にはダークの一撃が、みんなを吹き飛ばしていた。
しかも、わざと“峰”の部分で、“デバイス”で防がれるように…
彼女たちは、彼が『本気を出すまでもない』と表しているのを確信した。
そして、この一撃で皆離れ離れになってしまった。
「こ…このぉ!」
「く、うぅ!」
なのは達から離れ離れに吹き飛ばされた、六課の面々のうちのヴィータとシャマル。
2人はかなり遠くに飛ばされ、空中で無理やり体勢を立て直す。
「不味いぞ、あのままじゃはやて達が!」
「でも、此処からじゃ間に合わない…!」
体勢を立て直した二人は見たのは、なのは、フェイト、はやての三人が、あのダークと真正面から対峙している姿だった。
シャマルの“旅の鏡”を使っても、どうにもならないほど3人とダークの距離は近すぎた。
「そんなの、まだ決まったわけじゃn「SYAAAAAAAAAAA!!!」うわっ!?」
「キャア!?」
それでも3人のもとに向かおうとしたヴィータだが、突如ヴィータとシャマルの間に2本の楔型のアンカーがついたワイヤーが横切り、2人から離れたところにある“そこに無いはずの何本もの柱”のひとつに突き刺さる…と同時に一つの影が高速で駆け抜け、2人をすれ違いざまに斬りつけた。
その斬撃は2人の首を狙って放たれたものだが、ヴィータは ハンマー型デバイス“グラーフアイゼン”の柄で軌道をずらし、シャマルは体を逸らすことでその一撃をバリアジャケットを掠る程度で事なきを得た。
「っ!『シュワルベフリーゲン』!!」
ヴィータはとっさに数発の鉄球状の魔力弾を放つが、影は柱を盾にするように回避、最後の一発も片手間で片付けるように叩き斬った。
その影は次々に柱や“そこに無かったはずの壁”にワイヤーを突き刺し、狂ったような立体的機動で飛び回り、そして一番高い柱の頂上に高く飛び上がり、回転しながら着地。その姿を現した。
それは、黒く、体に密着するような上下のスーツに、4分割フィールドの盾に赤い二つの薔薇のエンブレムが目を引く茶色のジャケットを身にまとった16,7ぐらいの少女であった。
髪は赤いショートウルフで、目の色は同じく赤色。左腕にも、背中と同じエンブレムが存在するのだが、そこにはネームレス・ワンズのシンボルである“スワスチカをもとにした風車(かざぐるま)”の腕章が取り付けられていた。
そして、一際目を引くのが腰にある装置と太ももあたりに取り付けられている長方形の箱にボンベが取り付けられたもの…それらは何本かのケーブルでつながれており、彼女の持つ双剣の柄頭と繋がっている。
「…シャマル、彼奴はともかく、あんなところに壁とか柱ってあったか?いきなり現れたように見えたぞ;」
「それで間違いないわ。…恐らく“レアスキル”の一種ね。」
「くそ、やっかいだな;」
「…おいおい、ぼさっとしてて良いのかい、“ヴォルケンリッター”?」
「「!?」」
2人がその姿をはっきりと確認した瞬間、少女が僅かに顔をこちらに向け、嘲笑を浮かべながら言い放つ。
その瞬間、2人めがけて銃弾、魔力弾が幾多も放たれた。
とっさに回避行動をとり、あたりを見渡すと…
「急いで取り囲め!各個撃破だ!」
「少しでもダーク様の負担を減らすのだ!!」
「おい、俺は赤いのをやる。手ぇ出すなよ。」
「それは出来ない相談でっせ…?」
2人の周りを20人以上もの兵士たちが取り囲んでいた。
それぞれが獲物を二人に向け、殺気をぶつけてくる。
「これは…?」
「あ、あんまり良くない展開になってきたわよ;」
ヴィータとシャマルは辺りを見渡す。
(敵は今周りにいる雑兵20人以上、いやもう増えてるな。ざっと34人ぐらい。そして明らかにそいつらと別格の赤毛の奴…あれは手強い)
(いくらヴィータちゃんがいたとしても、状況は明らかにこっちが不利…このまま長引くと余計に敵が集まってきて数で抑え込まれる。)
「…でも、うだうだ考えてても仕方ねぇ…」
「えぇ、どっちにしたって…戦うしかないもの。」
2人はデバイスを構え直し、眼前の大軍と対峙する。
「とにかく此奴等を蹴散らして、はやて達と合流する!…道を開けろぉぉっ!!!」
「さて、少しは持ってみろよ?まだ始まったばっかりなんだからなぁ…。」
その様子を柱の上から眺めていた少女は、舌なめずりしながら2人を見下ろすのだった…。
「はぁっ!!」
「ぐぎゃす!!」
シグナムは正面にいた兵士を逆袈裟斬りにより打ち倒し、背後から2本の剣を構えて突撃してきた兵士に振り向きざまに逆袈裟斬りによって掲げていたレヴァンティンを振り下ろした。
「おおっとぉっ!…て!?アバァ!!?」
兵士は咄嗟に防ぐが、レヴァンティンの一撃は易々と双剣を砕いて顔面に直撃する。
憐れ兵士は泡を吹いて卒倒した。
「!!」
ドゴォン!
その瞬間、シグナムが突如爆炎と大量の黒煙に覆われ、姿が隠れる。
「やった!命中したぞ!!」
そこから少し離れた場所に、煙を上げる『RPG-7対戦車ロケットランチャー』を構えた2人の兵士がいた。
「油断するな…確実に止めを刺すぞ。」
「了解!」
彼らはRPG-7を背負い、腰の留め金に掛けていた「H&K XM8 アサルトライフル(本来の物と違い、銃剣の取り付けを可能にし、反動を10%軽減した改造銃)」を構え、安全装置を外し、黒煙に近づいていく。
その黒煙の中には、一つの影が揺らめいていた。
そして近くにまでたどり着き、引き金に指を掛け…。
「そこぉ!!」
「ぶぎゃー!!;」
…ようとした一瞬の隙に隣にいた相方が吹っ飛ばされた。
そこには、煤にまみれながらも無傷なシグナムが立っていた。
「くっ!!」
生き残った兵士は、銃剣で彼女に刺突による一撃を加えようと試みた。
シグナムは、回避すると当時にレヴァンティンで銃身を斬りおとし、もう一撃を繰り出す。
だが、兵士もそれを身を後ろに仰け反らせ躱す。
刀身は下顎を擦れ擦れのところで通り過ぎた。
「う・・・おぉぉぉぉ!!!」
「っ‼」
そして、ホルダーから大型のナイフを引き抜き、突撃。
それを彼女の首を掻き切らんと振るう。
だが、それよりも早く刃を振りぬいた
兵士の体は突っ込んだ勢いのまま、前のめりに倒れ伏した。
「こ・・・こんな・・・」
こんなにダメージを受けながらでも立ち上がろうとするが、もはや限界を迎えた彼は、そのまま意識を手放してしまった。
(私は、心の何処かで・・・此奴等を一兵卒だと甘く見ていたかもしれん)
シグナムは、倒れ伏す兵士達に視線を向けながらそう思い自嘲、または恥に近い感覚を覚えた。
(技量は個々にバラつきが多いが、目を見れば解る。誰もが決死の思いで挑んできた)
そして、その視線は数キロも先の目標・・・ダークに向いていた。
彼はあの三人を相手に空間を高速で、縦横無尽の大立ち回りを演じている。
(それほどの忠誠を・・・彼奴に、あの男に誓っているのか・・・)
「・・・・・・」
一瞬、ダークがこちらに視線を向けた。
シグナムはハッとなり、主たちの下に向かうべく疾駆する。
「き、来たぞぉぉっ!!!;」
「あの騎士を近づけさせるな!ダーク様に有利な状態を・・・!!」
「急いで隊列を組め!!此処で少しでも足止めをするんだぁ!!!」
「「「「「応ッ!!!」」」」」」
その行く手を遮るかのように、多くの兵士達が彼女の前に立ちふさがる。
「だが、こちらも譲るわけにはいかん・・・」
シグナムはレヴァンティンに内蔵されたカートリッジをリロード・・・薬莢が幾つか排出され、後方に流れていく・・・魔力が劇的に跳ね上がるのを彼女は感じた。
そのまま、敵の大軍に向かっていった。
「そこを・・・退けッ!!!」
+日本の近畿地方+
少し遡り、ミッドチルダでダークが機動六課を大剣2本で吹っ飛ばしたころ。
奈良県の吉野付近、木々が鬱蒼と生い茂る山の中を彷徨う・・・3つの影があった。
「・・・ねぇ、ホントにこの方角で会ってるの?」
「あぁ、間違いねえよ。空から落ちてくるときにしっかりと町が見えた。」
「・・・しかし、他の者達は何処へ行ってしまったのか。心配でここら一帯の山を禿山にしたくなってきた」
「「おいばかやめろ」」
「冗談だ、冗談」
声からして、青年が2人と少女が1人のようだ。
彼らは町の見えた方角に向かって歩みを進めていた。
そして、彼らの持ち物に明らかに“この世界では”異常なものがあった。
それは、『2メートル弱の刀身を持つ細見の長剣』、『それぞれ僅かな熱気と冷気を放つ、赤と青の双剣』、『全体的に青い輝きを放つ大鎌』といった、この世界の常識から半歩か一歩逸脱した“武器“であった
…此処で一つ、付け加えなければならない情報がある。
『2メートル弱の刀身を持つ細見の長剣』を持つ人物についてである。
服装は黒い上下に紅いコートであるが、それに関しては問題はない。
問題は…彼の顔と髪型、体つきなどが表情以外、現在機動六課と戦闘中である『ダーク=ブルズアイズ』そのものであるということだ…
TO BE CONTINUS・・・
+今回の登場人物+
『オリジナル』
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一般兵と特殊部隊の皆様+老司令官
(;Y)<・・・なんだこれは!?どうすればいいのだ?・・・(一言的な意味で)
( Y)<・・・後、今回は上中下と別れることになる・・・ドレダケカカルノヤラ