~中華人民共和国、首都のとある高層ビルのてっぺん~
ここ、中華人民共和国、略して”中国”は近年、驚異的な経済発展を遂げたのは、皆様のご存知の通りである。
たがそれにより、様々な問題がおこっているのもまた事実。
また、その中国の動きを不愉快に感じている国や組織もあるようだ…。
そして、この高層ビルの屋上にも、そんな不満を持つ人物が一人…。
「まったく…、この国の奴らは後先考えずに突っ走りやがる。その先に何があるか理解しないままにな…。」
そう呟いたのは、一人の17歳辺りの少女。
青い髪に、緑色の瞳。右目に眼帯。
そして何より、目を惹くのは右腕と右太股の無骨な機械の手足…。
それは、異世界の技術の結晶、゛機械鎧(オートメイル)゛である。
そんな思想に浸っている少女の背後に、突如一人の影が現れる。
それも歩いてなどではなく、まるで最初からそこにいたかのように…
その影は、16歳ぐらいの少年だった。
髪は灰色で、瞳は水色。
青色がメインカラーの何処かの学園の制服に長い赤色のマフラーと言った、妙な格好であった。
「゛ミゼル゛、また何か考え込んでるの?」
「…゛アツヒロ゛か。随分と遅かったな?」
「まぁね。゛時空管理局゛の゛ロストロギア保管庫゛には簡単に侵入できるから、少しあの゛クラナガン゛って都市を観光してたのさ。…自由気ままにね。」
「流石゛ジャンパー(瞬間移動能力者)゛、行き先は無制限とはそのことか。…ところで、゛あれ゛はあったのか?」
「゛ジュエルシード゛と゛レリック゛でしょ?ちゃんとあったよ。今頃はもうダークさんに届いてるはず。」
アツヒロと呼ばれた少年は、前髪をいじりながら答えた。
それに対して、ミゼルは疑問を口に出す。
「…なぜ、ダークはそんな物を集めさせたんだ?単純にエネルギー目的だとしても、レリックですら゛メタトロン鉱石゛の百分の1にも満たないぞ?」
「…正確に必要としてるのは、アンセス博士なんだけどね。」
「あぁ、あの天災か。」
「あれ、なんか違う意味に聞こえたんだけど?;」
「気のせいだろ?…なぁ、今何時だ。」
ミゼルは、唐突に尋ねる。
「えっと……、もう1時半だよ。」
アツヒロは、腕時計を見ながら答えた。
「もうそんな時間か。」
「じゃあ、奈良市の青山町近くの゛大黒゛って食堂に行く?」
「…またそこか。飽きないな、お前も…;」
「良いじゃないか。あそこのカツ丼定食、かなり美味しいからね。ほら、手を握って?」
アツヒロは、手を差し出し、その手をミゼルが握る。
ヴォンッ!
その瞬間、2人の姿が一瞬で消え去った。
僅かな空間の歪みを残して…
+日本、関東のとある街+
この街の、とある一軒家で少年は目覚めた。
少年は、゛あの世界゛を救うため、奮闘した。
結果、世界は救われた。
しかし、彼は…大切な存在を守ることが出来なかった。
少年は役目を終え、゛この世界゛に戻ってきたのだった…
少年は、ベッドから上半身を起こし、隣を見る。
そこには、蒼い髪の少女が、少年の記憶通りに眠っていた。
その時、ドアの向こうから、幼馴染が立てているであろうドタバタと騒がしい音が聞こえてきた。
そして、少年は窓の向こうに広がる青空を眺め、涙を流しながら呟く…
「…やっと、戻ってこれたんだな…」
これから先、少年とその仲間達は、大きな運命に巻き込まれていくだろう。
それは、同時に新しい出逢いももたらす。
神よ。もし、あなたが本当におられるのならば、彼らに祝福を………。
+今回の登場人物+
◇ミゼル・オルフェン…『オリジナル』
◇湯浅 篤弘(アツヒロ)…『オリジナル』
◇???…『マブラヴオルタネイティブ』
ダーク「最後の少年については、皆は察しがついてるだろうが伏せさせてもらうぞ…(Y )」