平城宮跡…それは近畿地方の奈良県に存在する古い都の跡である。
2010年に゛平城遷都1300年祭゛があり、その時は大いに賑わっていたが、今は元の静かな都の跡または草原に戻っている。
普段なら、この中には散歩をしている人がいたり、子供がいたりするのだが、今の時刻は朝の6時20分前であり、人影は殆どない。
その平城宮跡にある県道104号線沿いにある休憩所…
その休憩所の中の空間に有り得ない現象が起こっている。
‐……ピキッ……‐
゛ひび゛だ…ひびが入っている。
本来ひびが入ることなど有り得ない空間に、大きなひびが入っているのだ。そのひびは次第に大きくなり、遂に…
‐ガシャァァァァンッ!‐
割れた。まるでガラスのように割れたのだ。
「「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!」」
「「「きゃあぁぁぁぁぁっ!」」」
「……っ!」
「きゅいぃぃぃぃぃっ!」
そうして出来た黒い空間…その中から、少年2人と、少女5人が放り出される。
その内の2人…黒髪の少年と、蒼い髪の小柄な少女は何とか受け身をとったが、残りの5人はズベベっと地面を滑ることになった。
「ふぅ;お~い、みんな大丈夫か?」
黒髪の少年‐サイトが、立ち上がりながら声をかける。
「私は大丈夫。」蒼い髪の少女‐タバサが、ズレた眼鏡を直しながら返答する。
「僕も無事…なのかなこれは;?」
金髪の少年‐ギーシュが鼻を押さえながら、体を起こす。
「だ、大丈夫な訳ないでしょ!?顔から地面にダイブしたのよ!!#」
長い桃色の髪の少女‐ルイズが、目尻に涙をためて叫ぶ。
よく見ると、鼻が少し赤くなっている;
「「きゅ~…;」」
「きゅい~…;」
残りの三人‐キュルケ、シエスタ、シルフィードは目を回して伸びていた。
カランッ
「いてっ!」
その時、塞がりかけたひびの間から一本の剣『デルフリンガー』が吐き出された。
「おい相棒!いったい何が起こったんだよ!?゛奴゛と戦ってる時に、いきなり緑色の光がピカッと光ったら、いきなりこんなところに…」
デルフは混乱しているのか、サイトに慌てて尋ねる。
「落ち着けよデルフ!俺にも何が何だか…って」
サイトは当たりを見渡しながら、あるものを見つける。
「じ…自販機?」
「自販機って、この妙な鉄の箱の事なの?」
「どんなもの?」
ルイズとタバサは、その自販機をみる。
「簡単に言ったら、金を入れれば、あとは商品を選べば良いってやつだよ。」
「それは随分便利だね。」
サイトはタバサとルイズに簡単に説明する。
ギーシュも、その説明を聞いて自販機をまじまじと見る。
「…自販機が此処にあるって事は…」サイトは辺りを見渡す。
彼の目には…
アスファルト舗装された道路…
見慣れた形の住宅…
休憩所にある建物の自動ドア…(今は時間外なので動いてないが)
そして、遠くに見えるビル…
彼はやっと気づいた…そう、此処は、この世界は…
「戻ってきたんだ。もとの世界に…」サイトは呆然と立ち尽くす。
無理もない、このようになんの突拍子もなく、いきなり自分の生まれ育った世界に戻ってきたのだから。
「えぇ!じゃあ此処がサイトのいた世界なの!?」
「……!!?(驚きのあまり絶句」
「ま、まさかこんな形で君の世界に来ることになるとはね;」
「それにしても、なかなか良いところしゃない♪」
「キュルケ!?あんたいつの間にか…;」赤い髪に褐色の肌の少女‐キュルケが、いつの間にかルイズとサイトの後ろに立っていた。
因みに、まだシエスタとシルフィードは起きておらず、休憩所の中にあったベンチに寝かしてあります。
「さてと、とりあえず此処が何処か調べないと…ギーシュ、ついてきてくれ。ルイズ達は此処で待ってて。」
「分かった。それじゃ行ってくるよ。」
「早く戻ってきなさいよ―;」
サイトはギーシュを連れて、休憩所から出る。
ルイズ他4名は待機することになった。
休憩所を出て、2人はすぐ石で出来た案内板を見つけた。
「お、これは此処の地図じゃないかな?サイト、ちょっと見てくれないかい。なんて書いてあるかさっぱりだ;」
「了解。えーと、ちょっと待てよ…」
やはり、ギーシュはこの世界の文字が読めないようだ。
サイトがその案内板を隅々まで見つめる…
「…ん?」
調べてる最中、サイトの目に案内板の左下に書いてある文字が止まる。
゛平城宮跡゛
「へ、平城宮跡?……ってことは…」
その数秒後、サイトは驚愕?の声をあげる。
「跳ばされた場所って…奈良県かよぉ!!?;」
因みに、この場面…
「若いもんは、ほんと元気じゃの~」
朝のジョギングしてたじぃチャンにバッチリ目撃されてました。
+ハルケギニア・ネスト24 地下10階+
「…また、手に入れられなかった」
“ネスト”と呼ばれる建造物の中にある円形の広さ数十キロにもなる巨大な広場。
その広場の中央に、一人の黒い髪の男が立っていた。
背は約175cmぐらいだろうか…ジーンズにチェック柄の長袖シャツを身に着け、左手に和弓を持ち、背中に矢筒を背負っている。
男は、先ほどまで戦っていた存在のいた場所を食い入るように見つめ、唸るように呟いた…
「彼奴等や俺以外の人が当たり前のように持っていて、俺だけが持っていないもの…彼奴等を殺してでも奪い取ってやる…そして俺は、“マイナス(-)”からゼロ(0)、そしてプラス(+)”になる…」
この時の男の顔は、明らかに狂気に満ちていた…
+今回の登場人物+
『ゼロの使い魔』
◇ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール
◇平賀 才人
◇ギーシュ・ド・グラモン
◇シエスタ
◇キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー
◇タバサ(シャルロット・エレーヌ・オルレアン)
◇シルフィード(イルククゥ)
◇デルフリンガー
『オリジナル』
???
ダーク「…最後の奴については、いずれ纏めて話してやろう…(Y )」