僕達の女神   作:Isaac 1,92

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今回から1章クライマックスです


ファーストライブ!!

(大輝)

 

いよいよだな

 

珍しく朝早くから目が覚めたオレは少し早めに学校につく。(家族には、天地がひっくり変えるみたいに驚かれた)今日、いよいよ、μ 'sの初ライブだ。オレは舞台袖から応援するだけなのに緊張してくる。きっとあいつらも同じ、いやそれ以上だろう。海未は一昨日まで人前で宣伝するだけでも恥ずかしがっていたし、多少慣れたとはいえ不安が残ってるはず、こんな時こそマネージャー(自称)の出番じゃないか!

 

教室のドアを開けると既に3人はいた。

 

「あ、大輝くん!おはよー」

 

「おはようございます」

 

「おはよ〜う」

 

「おう!おはよ!3人とも早いな」

 

「うん!なんかじっとしてられなくて」

 

「穂乃果はいつもじっとしてません。

、、、でも、確かに穂乃果言う通り、なんだか落ち着かなくて」

 

「そっか、海未もこういう時には落ち着かなくなるのか。まぁ気楽に行こうぜ」

 

「ふふふ」

 

「ん?ことり?どうした?オレなんか変なこと言った?」

 

ことりはオレのほうを見てとても楽しそうにニコニコとしているが、、、

 

「ことりの言う通りでしたね。すごいです」

 

「ことりちゃんすごい!はっ!もしかして、海未ちゃんに続いてことりちゃんもエスパー!?」

 

「私はエスパーじゃありませんってこの前も言ったでしょう!」

 

「ことりはそうかも〜」

 

「「ええ!?」」

 

なんだなんだ?オレだけまるで話について行けないんだが。

 

「ふふっ。さっきね、大輝君ならこんな時、なんて言うのかなぁって話してたの」

 

「そうそう!でもびっくりだもん。ことりちゃんそっくりそのまま当てちゃうんだもん」

 

「マジか、、、オレってそんなに単純か、、、」

 

「うんん、そうじゃないよ。大輝くん、いっつも私たちのこと考えてくれてるもん。だから、私たちの緊張をとろうとして、そう言うんじゃないかなぁって考えたら、たまたま当たっただけだよぉ」

 

「そっか、ありがとな。ことり」

 

一ヵ月あるかないかの短い期間でも、オレも少しは頑張ってるみんなの力になれてたのかも、そう感じれられてちょっと嬉しかった。

 

 

 

 

*☼*―――――*☼*―――――(大輝→花陽)

 

 

 

放課後、今日から部活見学が始まる見たいです。凛ちゃんは陸上部に行くみたいで私も誘われたけど、今日は前から楽しみにしてたこの学院のスクールアイドルの初ライブの日でもあります。陸上部とライブ、どっちも行くのは時間的な無理みたいだし、、、

 

「かよちんかよちん!部活見学行こ!」

 

と、考えてる私に凛ちゃんがまさにその話題を振ってきました。

 

「え、あ、うん行くよ。行くけど、、、」

 

「もーかよちん早く行かないと遅れちゃうよ!あ、圭くん!部活見学行くにゃ!」

 

近くに来た圭くんに凛ちゃんは声を掛ける。

 

「部活見学か、、、うーん、でも僕あんまり運動はできないしなぁ」

 

「見学なんだから行くだけ行ってみるにゃ!ほーらかよちんも!レッツゴーにゃ!」

 

「ふぇ!」「うわっ!ちょっと星空さん!」

 

急に凛ちゃんは私たちの腕をつかむと私たちをぐいぐい引っ張って走りだしました。り、凛ちゃん、そ、そんなに強く引っ張ったら、転びそうだよぉ、それに、

 

「あ、あの、凛ちゃん、私行きたいところが、、、」

 

「ほ、星空さん?ちょっと!?」

 

私と圭くんの声は凛ちゃんには聞こえてないみたいで

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だ、だれかたすけてーーーー

 

 

 

 

 

 

 

*☼*―――――*☼*―――――(花陽→雄大)

 

 

 

 

『今日、例の子達のライブを見に行けばいいのね、雄大?』

 

 にこから送られてきたメール。今日はあの子たちがライブする予定新入生歓迎会の日。今は放課後、生徒会は何事もなく新入生歓迎会と後片付けを終え、生徒会室には絵里、希、俺の三人。後輩の生徒会役員たちは部活見学の整理の仕事にいって今はいない。

 

『よろしく頼む。今度評価を聞かせてくれ』

 

『了解』

 

にこのメールの文面が短いのは不機嫌なのか、又は別の理由なのかはわからない。いつもなら回りくどい長文なのに、にこにとって、自分と同じスクールアイドルを目指す人間のライブを見るのは、それだけ良くも悪くも特別ということなのかもしれない。

 

「エリチ、気になる?」

 

希が絵里に話しかけている。気になるって何のことだろう。絵里は生徒会室の窓から外を眺めている。最近ずっと資料に目を通したり、何か作業しっぱなしでいた絵里には確かに少し珍しい行動だな。

 

「ウチは帰ろうかな?」

 

唐突にそういうと希は生徒会室から出ていく。今、生徒会室には俺と絵里の2人だけ。

 

「なぁ、絵里、何かに気になることがあるなら見てくりゃいいじゃん。俺だってよく学校の施設とか見に行ってるし、何も資料だけが廃校を阻止するきっかけになるとは限らないと思うぞ」

 

「、、、」

 

絵里は依然、窓の外を眺め続けている。希の言う通りやはり何か気にかかるのことがあるのか?

 

「おーい?聞いてるかー?」

 

「聞いてるわよ、もう、、、」

 

少しふざけるとあきれたような返事が返って来た。

 

「そうね、今日は部活の勧誘も始まることだし、少しその様子を見てから帰ることにするわ。私は今日はもう、ここに戻って来ないけど、帰るときに施錠お願い」

 

「うーい」

 

絵里も出ていく。生徒会室に一人になるってそういえば久々かもしれないな。最近は絵里がずっといたからな。

 

うーん、静かだし軽く参考書でも手を付けてから帰るかな。もう受験は始まってるし、ちょっと前まで編曲してたからな。予定が少し遅れ気味なのは確かだし。特別難しいところを志望しているわけではないから切羽詰まってる訳ではないが、それでも勉強するに越したことはない。

 

 

 

 

30分ほどして机の上に絵里にスマホが置いてあるのを見つけた。絵里のやつ、今日はもうここに戻って来ないとか言ってたしな、、、

 

はぁ、まだ学校にいるだろ、ぼちぼち探して届けるか。

 

俺は帰り支度を整えて、絵里のスマホをポケットに入れ、生徒会室から出た。

 

 

 

 

*☼*―――――*☼*―――――(雄大→大輝)

 

 

 

 

 

コンコン

 

「いいか?入るぞ?」

 

 

講堂脇の準備室を開けたオレの目の前には衣装を着た3人が、、、3、、人、、あれ?

 

「大輝くん!どうどう?似合ってる?」

 

「あ、ああ、穂乃果大丈夫、2人とも似合ってるから。ホントにアイドルみたいだな。

 

 

 

で、海未はどうした?」

 

 

ドアを開けたオレの前にいたのは衣装を着てすっかりアイドルに見える穂乃果とことり。もともと2人ともかなりかわいい部類に入るのけど、衣装を着た2人はさらにかわいさを増してる気がする。

 

でも、μ 'sは3人グループなわけで、残りもう一人の姿がどこにも見えない。

「海未ちゃん!着替えに時間かかり過ぎだよ!大輝くん待ってるよ!」

 

「まっ、待ってください。今行きますから」

 

おっと、まだ着替え中だったか、そりゃ悪いことしたな。

 

「海未!焦らなくていいぞ!なんなら一回外に出るし」

 

「だ、大丈夫です!せ、せめてこれくらい、、、よし、、、

 

はい、今行きますね」

 

海未がカーテンで仕切られた着替えスペースから出てくる。海未は落ち着いた、えっと、大和なんちゃら、とかいう和風美人のイメージが強かったが、アイドルの衣装も似合ってるな。普段見ない格好だからちょっとドキッとしてしまったのはここだけの話。

 

何はともあれライブの準備はこれでバッチリ、、、ん?

 

「、、、海未、そのジャージはなんだ」

 

「え?な、何のことでしょう?アハハ、、、」

 

はぁ、まぁ海未らしいと言えば海未らしいのかもしれないけど、まさか衣装の下に長ズボンのジャージを履いてくるなんて。そんなにそのスカート丈が気になるのか、ああ、穂乃果に長ジャーを剥ぎ取られてるし。世の中にはそれくらいの丈のスカートは沢山あるんだし何もそこまで極度に恥ずかしいがらなくてもいいのに。

 

「うう、は、恥ずかしいです」

 

「恥ずかしがることないぞ、海未。大丈夫、似合ってるから自信持て。それに何もお前だけじゃないんだぞ」

 

「海未ちゃん。ほらこうやって3人一緒に並んで、」

 

「こうしたらみんな一緒。ね?恥ずかしくないでしょ?」

 

「ことり、穂乃果、、、確かにこうすると、恥ずかしくないような、、、だ、大輝!」

 

「ん?なんだ?」

 

 

 

 

「その、、、私、似合ってますか?」

 

海未は少し照れて、ほっぺたを赤くしながら、それでもやはり不安という感じで聞く。けど、オレの答えはもう決まってる、3人の衣装姿を見た時から。

 

 

「ああ!3人とも、スッゲェに合ってる!アイドルだ!!」

 

 

ことり、穂乃果、海未の順に並ぶ3人。うん、やっぱりμ 'sは3人いなくちゃな。

 

「よし!それじゃ練習したことをしっかり出してこい!オレは客席から応援してるからな」

 

「うん!ありがと、大輝くん!頑張るね!!」

 

3人の期待に胸をふくらませた眩しい笑顔に安心して、オレは講堂に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこに『何が』広がっているのかも知らないで、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆

 

 

 

 

 

「なん、だよ、これ、」

 

 

 

講堂に来たオレは自分の目を疑った。時計を確認してもライブまであと3分もない。フミコ、ミカ、カイトの3人は外でギリギリまで宣伝してくれているし、ヒデコは機会室で幕や照明の操作のスタンバイをしている。一応、窓がついていて講堂の中を見ることができるが忙しくてそこまでは気が付かないはず。だからその4人がいないのは当然だとしても、これはいくら何でも、、、

 

 

 

 

 

 

講堂に、誰もいないなんて、、、

 

 

 

 

 

観客のいないステージ、あいつらのパフォーマンスを受け取る相手が誰1人としていない。

 

あいつらは今日までどんな辛い練習メニューだってこなしてきたのに、それがこんな結果になるなんて!

 

あいつらの努力は何だったんだよ!!!

 

 

やり場のない怒りが込み上げてくる

 

 

こんなのないだろ!!学院のために頑張って!それが、こんな、、、

 

 

理不尽な現実に怒る

 

 

何か、何か出来ることはないのか?あいつらの努力を無駄にしないためには?あいつらのあの眩しい笑顔を曇らせないためには!

 

 

オレに何か出来ることは何か、何か!!

 

 

 

開演ブザーが虚しく響く

 

 

ヒデコ、ちょっと待ってくれ、その幕を開けないでくれ。あいつらはこの絶望を見たら耐えきれないかもしれない。あいつらの笑顔を奪わないでくれ。

 

ゆっくりと幕が開く、穂乃果たちは目を閉じているからまだ気付いていないみたいだ。期待と希望に満たされたその顔はその目を開けた途端に変わり果ててしまうだろう、、、

 

もう、時間がない。

 

 

 

 

 

オレは、、、

 

 

 

 

 

 

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