勢いあまってかなり長くなってしまいました。
(雄大)
機械室でμ 'sのライブを見ていた俺と絵里だったが、ライブが終わるとすぐ、絵里は講堂に出ていこうとした。
「おい、絵里。何するつもりだ?」
「何って、あの子達にこれからどうするか聞くつもりよ。こんな状態で続けても意味がないでしょう。踊りも人に見せられるようなものじゃない、客もろくに集められない。そんな活動に何の意味があるの?」
「そうか、、、じゃあ、あの子達にこれからの活動について聞くのはいい。その理由を聞くのも。だけど、絵里の意見を言うのは禁止だ」
「なっ、なんでよ!」
「いいか?元々、部活動ってのは意味を求めてやるものじゃない。絵里は今、そこを履き違えている。本人たちがやりたくてやってることなら、それを否定するのは俺達生徒会の仕事じゃない」
「でも、」
「絵里が不安に思ってるのは、あの子達のパフォーマンスが悪評になって、学校の廃校阻止に関わってくることなのだろう?でもそれは、俺達が気にする問題じゃない。理事長にも言われたんだろ?生徒が学校の問題のために何かを犠牲にする必要は無いって。なら彼女たちが、学校の廃校のために自分たちの意思を全う出来ないのもダメってことだろ。だから、今回はあの子達の意思確認だけ。その後の対応についてはあとから考えればいい」
「、、、わかったわよ」
嫌々ながらも約束した絵里は、その不機嫌な顔のまま講堂内へと入っていき、俺もそれに続いた。
*☼*―――――*☼*―――――(雄大→圭)
講堂でのパフォーマンスに、圧倒されていた僕は一心に手を叩いていた。凄い!ステージの上の先輩たちは輝いていて、僕はあっという間に魅了されてしまった。小泉さんも、あとから来た星空さんだって夢中になって見ていたし、今も手を叩き続けている。
カツ、コツ、カツ
突然2つの足音が聞こえた。人数の少ない講堂でそれはよく響いて僕達は拍手をやめて振り返る。
そこには金髪の先輩とその後に背の高い先輩が立っていた。
「どうするつもり?」
あの人は確か生徒会長だったかな?入学式の時スピーチしてて、地毛が金髪なんて珍しいな、なんて思った記憶がある。その声は周りにいる僕たちを緊張させるほどの迫力を持ってステージの上の三人に投げかけられた。
「続けます!!」
ステージの上からはっきりとその迫力に真っ向から押し返すように、よく通る声で先輩は言い切った。
「何故?これ以上続けても意味があるとは思えないけど?」
「やりたいからです!」
とても単純な動機。それでも、何故か、それにはどんな言葉も敵わないように僕には感じた。
やりたいから。自分にはそう言い切れる物があるのかな、、、
モヤモヤした気持ちが心を埋め始める
「今、私、もっともっと歌いたい。踊りたいって思ってます。きっと海未ちゃんもことりちゃんも」
ステージ中央で話している先輩の両隣にいた先輩達が、無言で頷いて微笑んだ、気持ちかほんとうに繋がってるみたいに。
心の霧が濃くなる気がする。僕にはあんなふうに心を通わせたことのある友達がいたかな、、、
「こんな気持ち初めてなんです。やってよかったって本気で思えたんです!
今はこの気持ちを信じたい。このまま誰も見向きもしてくれないかもしれない。応援なんて、全然貰えないかもしれない。
でも!一生懸命頑張って、私達がとにかく頑張って届けたい!今、私たちがここにいるこの想いを!
いつか、いつか、私たち必ず、ここを満員にして見せます!」
言い切った先輩の目が、遥か先の未来を、それでもしっかりと捉えているように僕には見えた。
僕はあんな風に何かを言い切ったことがあったかな、、、
「でも、それはあなたたちの「絵里、約束だぞ?」っ!」
生徒会長がさらに何か言おうとしたのを後ろにいる大きい人が止めた。
「聞くことは聞いたろ?行くぞ」
「、、、分かったわよ」
カツ、コツ、カツ
生徒会長たちはそのまま講堂から出ていった。その時、初めて後ろを見て西木野さんも来ていたことに気がついた。僕と目が合うと西木野さんは逃げるように講堂から出ていってしまった。
「ッッッーーー!!!穂乃果ーーー!!よく言ったぞーーー!!!」
突然、男の人の大声が講堂に響き渡る。
「ちょっと!だ、大輝くん!?」
「オレは嬉しいぞー!穂乃果!海未!ことり!」
「ど、どうしたの?大輝くん?」
「どうしたもこうしたもあるか!よし!決めた!お前らが続けるなら、オレも続けるぞ!!」
「「「本当(ですか)!!!」」」
「ああ、本当だ!最後までお前らをサポートしてやる!」
最前列で見ていた男の先輩が、ステージに上がって嬉々として叫んでいる。
「私たちおじゃまかにゃ?」
「う、うん。そう見たい」
「、、、」
「?圭くん?」
「ごめん、ちょっと僕、用事思い出した。ふたりは先に帰ってて」
「「え?圭くん?」」
僕はふたりにそう言うと講堂を出た。
あの人たちなら、僕のこの気持ちの答えを知ってるかもしれない、、、
*☼*―――――*☼*―――――(圭→雄大)
「ふふ、あの子たちのライブ、どうやった?」
「希、、、来てたのね」
講堂を出た俺と絵里に声をかけたのは希だった。
「うん、なんか気になっちゃったんよ。エリチもそうやろ?」
「、、、そうね。でも来てはっきりしたわ。あの子たちの踊りは、ダメね。とてもじゃないけどあんなもので学院の名前を背負って欲しくない」
「だから、絵里。それは俺たちが決めることじゃないって。その判断は理事長がするものだってさっきも言ったろ」
「わかってるわよ。わかってるけど、、、
私は、認めない」
またか、、、、絵里も頑固だ。何も俺たちがそんなところまで気を回さないでもいいのに、こと学院のこととなるとなんでこんなに背負いこもうとするのか、、、
「雄大くんはどうやった?」
「ん?どうって言われてもなぁ、、、まぁ本人たちがやる気ならいいんじゃないか?」
「、、、それだけ?」
「なんだよ、、、うーんまぁ部活動の条件を満たしてないからな、やる気があってもこの後の努力次第じゃない?」
「そっか、、、」
なんか、希の様子が変だな。普段ならこんなに食い下がらないのに。そういえば、講堂の許可を出した時もこんな感じにしつこく聞いてきたよな。
「なぁ、希、なんかあったか?」
「え?なんもないよ。それよりほら、久しぶりに三人一緒に帰ろ?」
「ちょっと希!?引っ張らないでよ!」
「ほ〜ら雄大くんも行くよ」
そういって絵里の手を引いていく希。いつも通りの笑顔の希を見て、気のせいかと納得して二人の後を追う。
「二人とも、まだ時間がかかりそうやね、、、」
そんな希のつぶやきは、絵里にも俺にも聞こえなかった。
*☼*―――――*☼*―――――(雄大→穂乃果)
「穂乃果、海未、ことり、改めておつかれさま!!」
「うん、大輝くんも、ありがとうね」
「おう!へへ、オレ達やったんだもんな、ライブ」
「一時はどうなることかと思ったけどね」
「傍から見たら完敗かもしれないけど。それでも俺達はやったんだからいいんだよ!」
ステージ衣装から制服に着替えた私たちは大輝くんも呼んで準備室で帰る用意をしていた。
「大輝は出ていませんけどね」
海未ちゃんが意地悪でいうけど顔は笑っている。ことりちゃんも楽しそう。やっぱり、スクールアイドル、やってみて良かった。最初は海未ちゃんに指摘された通り思いつきだったけど、それでも頑張って何とかここまで来た。その満足感が私にとって今まで感じたことのないくらいとても心地よかった。
「う、うるせぇ。オレだってお前らと準備してきたんだから出たも当然だろ!」
「ふふふ、そうですね」
「そうだよ大輝くんもμ'sの仲間だね!!」
「さすがに男の子だからμ'sとしてステージに出るわけにはいかないけどね」
ハッ、頭にキラーンと名案が浮かんだよ!
「そうだ!!大輝くんはμ'sのマネージャー!!どう!?」
「おお!穂乃果、それいいな!
ってオレはずっとそのつもりだったんだけどなぁ」
「へへへ、いいの!大輝くんは今から、私たちμ'sの正式なマネージャー!!」
「よろしくお願いしますね。大輝」
「よろしくね。大輝くん!」
私、海未ちゃん、ことりちゃん、三人でならんで大輝くんにお辞儀する。
「おう!!よろしくな!!」
顔を上げた私たちにそういって笑う大輝くん。
「ああそうだ、穂乃果」
「ん?なぁに?」
「さっきお前が海未もことりも同じ気持ちって言ってたの。訂正しろ
俺もお前たちの踊りと歌、もっと見ていたいって思ってた。だから
オレ達4人、みんな同じ気持ちだ!!」
大輝くんは気持ちいいくらいに笑顔だった。
*☼*―――――*☼*―――――(穂乃果→大輝)
講堂の後片付けを終え、オレ達は校門にむかっていた。
「あの!!」
後ろから声を掛けられて振り返る。そこには穂乃果くらいの身長の男子が立っていた。身長や、まだ垢抜けない感じからして一年生か?
「えっと、さっき講堂で、ライブしてましたよね?」
「うん!もしかしてきてくれてたの?ありがとう!!」
代表して穂乃果が答える。この子、シャイなのかずっと目線をそわそわさせている。
「あ、いえ、その、、、質問なんですけど、、、」
「ん?なぁに?」
一呼吸おいて、その子はおそらく初めて穂乃果と目を合わせてこういった。
「どうして、そこまで本気になれるんですか?」
視線は泳がない。さっきまでの態度が嘘みたいだ。それだけこの子が本気で聞いて来ているのだとわかる。
「簡単だよ。私たちがやりたいから」
「やりたい、から、、、」
「そう、最初はね廃校のためとかいろいろ考えてたの。でも、今日ライブをしてはっきりしたの。私たちはスクールアイドルをやりたいの。だから、これからも続けるの。ね?みんな」
「そうですね、穂乃果の言う通りです」
「私たちは私たちの意思で続ける。4人、みんな同じ気持ち。そうでしょ?大輝くん?」
「ああ、そうだことり。オレたちはみんな同じだ」
オレ達の言葉を聞いたその子はうつむいて考え込んでるようだった。
「なぁ、君」
思わず声をかける、
直感でしかないけど
「君さ、オレたちと一緒にスクールアイドルやらないか?」
「え?」
「いや、ごめんな突然。でもさ、君みたいにまっすぐな人となら、うまくやれるかもって思ってさ」
本当に直感でしかない。でもなぜか、そう思ったのだ。
「いいんじゃない?穂乃果は賛成!!」
「ちょっと、穂乃果!」
「えー、だって穂乃果もピピッ!って来たんだもん。この人、絶対いい人だよ!」
穂乃果もオレと似たようなものを感じ取ったようだ。
「あの!えっと、」
男の子の声にオレ達はもう一度その子に視線を向ける。
「僕、その、いまいち自分が何がしたいのかわからなくて。勉強も目標があってしてる訳ではないですし、部活動もしたことがなかったので。でも、皆さんのライブを見てからなんからしてモヤモヤしてて、それで、皆さんに聞いたら何かわかるかなぁって思ったんです。皆さんのライブ、素敵でしたから」
「そう、なんだ」
最後のほうに行くほど声は小さく自身のないものに変わっていった。それだけ悩んでいるんだろうか?
「!!そうだ!!じゃぁこうしようよ。君はこれから私たちと一緒にスクールアイドルの活動をする。その中で君が本気でやりたいって言えるものを探す手伝いを穂乃果たちがする。ね!どうどう?」
「穂乃果、あまり他人にわがままをいうのは良くありませんよ」
「ムー、だっていいと思うんだもん」
「、、、どうして僕なんかがいいと思うんですか?」
僕『なんか』か、、、それだけでこの子の自身の無さがうかがえる。
「君と、スクールアイドルをしてみたいって思ったから」
「え?」
穂乃果の答えにその子の顔が少し間の抜けた感じになる。まぁこんな時に『思ったから』なんて返されるなんて誰も想像つかないよな。
「私、いろいろ考えるの苦手でね、いっつも思いついたらやっちゃえ!ってなるんだ。失敗したことはあるけど、でも後悔したことなんてない。スクールアイドルもそう、やりたいから、やる。それと同じ。きみとやってみたいから!無理にとは言わないけど、やってくれないかな?」
海未もことりもなにも言わない。オレや穂乃果のように何か感じてるのか、それとも穂乃果の勘を信じているのか。
「僕は、、、」
「少しでも興味があるならやってみたらどうだ?もしかしたら、意外なものが見えてくるかもしれないぞ?」
「、、、」
そのはしばらく黙ったまま考え込んでいた。
「最後に一ついいですか?」
「なに?」
「皆さんは、活動を始めて後悔はありますか?」
答えはみんな同じ
「「「「あるわけない(です)!!!」」」」
「っ!!
それじゃぁ、僕もご一緒してもいいですか?皆さんとなら何か見つかりそうな気がします」
「うん!!よろしくね!!私、二年の高坂穂乃果!」
「同じく二年の園田海未です」
「南ことりだよ♪」
「オレはこいつらのマネージャーの二年、加藤大輝」
「僕は一年の長谷川圭です。よろしくお願します!!」
こうして俺たちは新しい仲間、圭を迎えた。
穂乃果の口調がいまいちよく分からないッスわ(^^;
新メンバー圭とμ 'sとの関わりを今後どうしてやろうか今から画策中して終始ニヤニヤしながら年末を過ごしています。次回は年明けになる思いますので皆さんのどうか良いお年を〜