勢いで書いてたら文字数が多くなってしまいました。
(圭)
「なんかごめんね、花陽ちゃん」
「い、いえ、そんな」
穂乃果先輩の妹さんと海未先輩に小泉さんが睨まれて、僕と大輝先輩が呆然としているところに、穂乃果先輩がやってきて事態は収拾がついた。今は穂乃果先輩の部屋で5人集まっている。
「でも、海未ちゃんがポーズの練習とはねぇ」
「ほ、穂乃果が店の手伝いでいなくから!大輝と圭もです!」
「えぇ!僕もですか?」
海未先輩はポーズの練習をしているのをたまたまお店にやって来てそのまま穂乃果先輩に招かれて入って来た小泉さんに目撃されたらしい。海未先輩もそういうことするんだな。先輩たちの中だと一番そういうことをするイメージがないけど。
「しっかしこの部屋でこの人数は多いな。このあとことりも来るんだろ?オレは帰るわ」
「えー!大輝くんも見ようよ!折角集まったのに〜」
「大輝がホームページの場所を知っているのですから、大輝が居なければ探せませんよ」
「いや、流石にこの部屋に6人は多すぎるって。お前らは自分たちのライブを見てないから見るべきだけどオレは1回見たからな。動画はスクールアイドル全体のページから『μ 's』って検索したらでてくるらしいからすぐ見つかるって。じゃあな」
「あ、ちょっと、大輝!」
海未先輩の静止も聞かずに大輝先輩はそのまま帰ってしまった。
「すみません、私が来たから、、、」
「ううん、花陽ちゃんのせいじゃないよ!もー、大輝くん、いっつも勝手なんだから」
ガラァ
そこにことり先輩が部屋の引き戸を開けてやってきた。
「穂乃果ちゃ〜んパソコン持ってきたよ〜」
「あ、ことりちゃん。ありがとう」
「大輝くん帰っちゃったの?今そこであったけど」
「そうなの!もう!大輝くん自分勝手なんだから!」
穂乃果先輩は大輝先輩が帰ったことがよほど気に入らないのか、頬を膨らませてまだ不平を言う。
と、そこでことり先輩と小泉さんの目が合った。
「あ、えっと、お邪魔してま、、、」
「え!もしかしてホントにアイドルに!?」
食い気味にことり先輩が言う。小泉さんの隣に手を付き、覗き込むように話す。穂乃果先輩はそういうことが多いから見慣れてきたけど、ことり先輩もこういうことするんだなぁ。それだけアイドルにかけてる思いが強いってことかな。
「違うのことりちゃん。たまたまお店に来たからごちそうしようと思って」
「そっか~」
「それよりことりちゃん!ホームページ!」
「あ、うん。大輝くんの言ってたスクールアイドル専用のサイトって言うのを探さないとだけど、、、」
「そ、それならたぶん、スクールアイドルステーションの事だと思います」
「花陽ちゃん?」
「あ、いえ、その、、、」
小泉さんは突然会話に割り込んだがすぐに言い淀んでしまったので僕が補足する。
「小泉さんはアイドルが好きでスクールアイドルにも詳しいんですよ」
「け、圭くん、、、」
小泉さんは恥ずかしそうに僕を見てくる。そんなに恥ずかしがることかなぁ?小泉さんの責めるような目を見ると申し訳なくなる。趣味なんて人の自由だから大丈夫かなぁって思ったけど、人によって違うみたいだ。反省だ。
「スクールアイドルステーションっと。あ、あったよ〜これじゃない?μ 'sのホームページ」
「おお!ことりちゃん早い!どれどれぇ〜?」
ことり先輩のパソコンに表示されていたのは背景がピンクの可愛らしいホームページ。グループ名、所属学校名、メンバー、そして発表曲のリストが表情されている。また、このサイト内でのランキング順位が画面のの左上、グループ名の下に出ていた。
「ライブの動画はどうですか?ありますか?」
「あ、海未ちゃん、ちょっと待ってね、、、あ、これかな?」
~♪〜♪
ことり先輩が曲のリストに唯一あった『START:DASH‼‼』をクリックして、飛んだページに表示された再生画面の再生を押すと、曲と共にあの時のライブの映像が流れ出した。再生画面の横にはコメント欄、下には投稿された日付と再生回数が表示されていた。
「すごい再生数ですね」
「こんなに見てもらえたんだぁ。あ、ここ、キレイに決まったよね」
「うん、何度も練習してたところだッたから、決まった瞬間ガッツポーズしそうになっちゃった」
先輩達3人が画面を見ながら話している。僕と小泉さんはその脇から画面を覗き込むといった感じだ。
「あ、花陽ちゃん、圭くん、ごめんね。そこじゃ見辛くない?」
気を利かせて穂乃果先輩が僕たちにも動画がよく見えるように場所を開けてくれる。
「あ、僕は大丈夫ですよ。先輩達が見た方がいいでしょうし。小泉さんは、、、小泉さん?」
ジィ「・・・」
小泉さんには僕たちの声が聞こえていないみたい。真剣な顔で、視線はパソコンの画面のライブ映像に釘付けだ。先輩達3人は顔を見合わせて微笑んだ。先輩達にも、いかに小泉さんがアイドルを真剣に好いているのか伝わったのか。
「小泉さん」
海未先輩が少し大きな声で話しかけると、小泉さんは驚いた目で反応した。
「花陽ちゃん、スクールアイドル、本気でやってみない?」
穂乃果先輩がほほ笑みながら、それでも真剣なまなざしで小泉さんに問いかける。
「え、でも、私は向いてないですから、、、」
「私だって、自分がアイドルに向いているとは思いませんよ。人前に出るのは苦手です」
「ことりも、歌を忘れちゃったりするし、運動も苦手で、大輝くんに練習メニューを工夫してもらって、やっと何とかライブで1曲できるってくらいだから」
「私はすごいおっちょこちょいだよ!」
海未先輩、ことり先輩、穂乃果先輩の順に自分のアイドルらしくない点を挙げていく。確かに、今、μ 'sの先輩達3人からはアイドルって感じはしない。言い方は悪いけど、どこにでもいる高校生って感じ。それでも、僕がこの人たちと一緒にいるのは、、、
「プロのアイドルなら私たちは失格。でも!スクールアイドルなら、やりたいって気持ちを持って、自分たちの目標を持ってやってみることはできる!」
「私はそれがスクールアイドルだと思います」
「だから、やりたいって思ったらやってみようよ!」
やりたいって気持ち、か、、、
先輩たちの言葉は小泉さんだけでなく、僕の心にも何か変化をもたらした。
それが何かはまだわからないけど、、、
☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆
時間も遅くなってしまったので、穂乃果先輩の家からの帰り、僕は小泉さんを送り届けることにした。
「圭くんがμ'sのマネージャーなんてびっくりしたよ」
「う、うん、いろいろあってね」
並んで歩く僕と小泉さんはそこで会話が途切れてしまう。
「、、、小泉さん、スクールアイドルやってみるの?」
結局あの後、小泉さんはすぐに答えることが出来ず、未だに返答待ちの状態だ。興味があるならやるべきだと僕は思う。折角自分がやりたいって思えることがあるのに、しないのは勿体ない。やりたいって思えるのに、、、
「ど、どうしようかな、、、
今日、西木野さんにも言われたんだ、放課後、μ 'sのポスターを見ている時に、やりたいならやればいいじゃない、って。でも、私なんかが入ったら迷惑、じゃないかな、って」
「あの先輩達は迷惑そうにしてた?」
「え?」
「僕がμ 'sのマネージャーになったのは、僕かやりたいことを見つけたいからなんだ。ライブの時、やりたいからやるって宣言したあの人達と一緒ならなにか見えてくるかもって。今はまだ何もわからないけど、それでも最近ね、何もしないよりは良かったかなって思えてきたんだよ」
さっきも何か感じることができたし、、、
「圭くん、、、」
「やりたいことがあるなら僕はやるべきだと思う。周りとか関係なく、やりたいからやる。僕もなにか見つけたいから入った。小泉さんも、そう考えたらいいんじゃないかな」
西木野さんも、星空さんにも、たぶん当てはまることだけど。
「、、、」
これで小泉さんがどう思うかはわからないけど、自分が後悔しないような決断をして欲しい。
*☼*―――――*☼*―――――(圭→真姫)
放課後になり、私は音楽室に向かっていた。音楽室は教室のある棟とは別の棟にあるため、一度中庭を横切る必要がある。ちょうど中庭に差し掛かった時、昨日μ 'sのポスターを見ていた子、(名前は小泉さん)がベンチで一人、座っているのを見つけた。無視しても良かったけど何となく私はその子が気になって話しかけることに。
「あなた、こんな所で何してるの?」
「あ、西木野さん、、、その、まだ迷ってて」
「迷う?、μ 'sに入ろうかどうか?あなた、声は綺麗なんだから、あとはちゃんと大きな声を出す練習をすればいいだけじゃない」
「でも、、、」
まだ決心が付かないのか小泉さんは顔を俯けたまま呟くように答える。この子このままだとずっとμ 'sに入らなさそうね。もう!ここまで話しちゃったら気になるじゃない。
「はぁ、、、ア~♪ア~♪ア~♪ア~♪ア~♪」
軽く発声をして見せる。私だって小さい頃からピアノと一緒に歌唱の練習もしたんだからこのくらいできるわ。
「ほら、やって!」
「え?あ、
ア~♪ア~♪ア~♪ア~♪ア~♪」
消えちゃいそうな声。でもやっぱり綺麗な声じゃない。正直羨ましいくらいね。でもこんなに小さな声じゃダメ。
「もっと大きく!ほら、立って!」
「あ、ア~♪ア~♪ア~♪ア~♪ア~♪」
もう少しね、
「一緒に!」
「「ア~♪ア~♪ア~♪ア~♪ア~♪」」
「あっ!」
自分の声に驚いているのか、小泉さんは目を丸くしてこっちを見てくる。
「ね?気持ちいいでしょ?」
「うん、、、、楽しい♪」
っ!別に、中途半端で気になっただけなんだから。そんな風に笑顔になられても困るっていうか、、、心の中でわけわかんない弁解を並べているともう一人、中庭にやってくる子がいた。
「あー!かよちんこんな所にいたー!今日こそ先輩達の所に行ってアイドルになりますって言わなきゃ!」
ショートヘアーの子が来て小泉さんを引っ張って行こうとする、確か星空さん。いつも小泉さんとあのムカつく自信家と一緒に居る子だったはず。
って、今はμ 'sに入るって言った?そんな強引に決められるものじゃないじゃない、そんなこと。
「そんな急かさない方がいいわ。もう少し発声の練習をして、そうして自身をつけてからでも、、、」
「なんで、西木野さんが凛とかよちんの声に話に入ってくるの!」
「う、、、べ、別に!歌うならそっちの方がいいって言っただけ!」
「かよちんはいつも迷ってばかりだからパって決めてあげた方がいいの!」
「そぉ?なら勝手にすれば?話した感じそんな風には見えなかったけど?」
何よ!この子!折角人がアドバイスしてあげてるのに!私は絶対この子よりいいアドバイス出来るのに!
「ん!」ジィ 「ん!」ジィ
私は星空さんを睨む、星空さんも負けじと私を睨み返す。
「ふ、ふたりとも、、、ケンカは、、、」
「、、、かよちん行こ。先輩達の帰っちゃうよ!」
星空さんが小泉さんの腕を引っ張って連れて行こうとする。
「待って!」
私は小泉さんのもう片方の手を掴む。
「どうしてもって言うなら私が連れてくわ!音楽に関してなら私の方がアドバイス出来るし、それに
μ 'sの曲は、私が作ったんだから!」
「えっ!そうなの?」
あ、思わず言ってしまったが、出た言葉はもう取り消せない。恥ずかしさで顔が赤くなるのがわかるからそれを隠すように歩き出す。
「あっ、、、と、とにかく行くわよ!」
もう!こんなこと言わないつもりだったのに!
「待って西木野さん!かよちんは凛が連れてくの!」
「私が!」 「凛が!」 「私!」 「凛!」
「凛ちゃん、西木野さん、お、落ち着いて、、、
ちょっと、だ、だ、」
「だれかたすけてーーーーー!」
まきりんぱなのお話もクライマックスですが、二章はまだまだ続きます。