僕達の女神   作:Isaac 1,92

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前回で書ききれなかった分の補足のような回です、だいたい男3人と周りの子達との関係が見えてくるかなぁと思ってます。


始まった日々

(雄大)

 

俺は入学式の放課後、にこの待つ校門に向かっていた

 

「あ、雄大やっと来た。遅いじゃない!いつまでまたせんのよ!」

 

真っ黒な髪を可愛らしいピンク色のリボンでツインテールにまとめた背の低い馴染みのある顔の女子が校門で話しかけてきた。

 

「おお、にこ。悪いな。まぁ帰ろうか」

 

その女子こそ、さっきメールを送り付けてきた矢澤にこ、その人だ。にこと合うと絵里や希が如何に常人離れしたスタイルをしているかがよく分かる。まぁ、本人の名誉のために何がとは言わないが、それが少し寂しいのだ。

 

にことは中学からの付き合いだ。よく仲の良い集団で遊びに行ったりもした。高校に入ってからは同じクラスだったことと、家の方向が同じだったためしばしば一緒に帰るようになっていた。

 

「…廃校のこと、あんたなんか知ってたの?」

 

「いや、今日、初めて聞いた。」

 

「そう…」

 

質問してきたにこの声は少し怒っているようにも聞こえた。それが俺には意外だった。彼女は高校に入ってから、自分が好きなアイドルについて以前にもまして興味を示していたので、むしろ学校のことなんて欠片も考えていないのではないかと思っていたのだ。

 

「意外だな、にこがそんな話をするなんて。帰りに誘ったから、何か話があるのだろうとは思っていたけど、また、テストがマズイとか言うのかと思ってたよ」

 

場を和ませるのに軽口を叩きながら、話を続ける。にこは素直じゃない面もあるので、真っ向から理由を聞いても答えてはくれないだろう。

 

「なによ!にこだってそんなに毎回毎回、赤点とったりなんてしないわよ!」

 

「おお、そうかそうか、いやぁ悪かったなぁ。だって前回のテストで3教科合計600点満点のところ、、、」

 

「あー!!それ以上言ったら、明日、あんたの上靴にふた開けたペットボトルのお茶を逆さにして突っ込んでやるから!!」

 

「あ、そうか!学校がなくなったら編入試験受けなきゃ行けないかもしれないから情報が欲しいのか!」

 

「だから違うって言ってんでしょ!もう!

 

・・・妹たちがね、音ノ木坂に入りたいって言ってたのよ。」

 

真面目なトーンに戻ったにこが、ポツポツと話出した。

 

「去年くらいにね、『私達も、お姉さまの通ってる学校に行きたいです!』なんて言い出してね。きっと、また興味本位なんだろうけど、嬉しくってね。」

 

「そうか」

 

「あ、別にあんたに何かして欲しいって訳じゃないのよ。ただ、前から知ってたんだったら教えて欲しかったなぁって思っただけ。それくらいびっくりしたから。」

 

「ん。分かった」

にこは基本的に妹たちに優しい、優し過ぎるくらいだ。妹たちを悲しませることを極端に嫌がるし、喜ばせるためなら、にこはかなり無理をすることだってある。以前彼女とその妹たちとゲームセンターに行った時、にこは妹たちのためにクレーンゲームに数千円費やしたこともあった。おそらく、高校に入ってから始めた、音楽活動(スクールアイドルと言うらしい)も妹たちが大層喜んでいたようなので、やめてしまったこともまだ伝えていないだろう。

 

「まぁ、にこならあの子達も笑顔にしてやれるだろ?俺がファン1号のアイドルなんだから、それくらいきっとできるって」

 

ファン1号と言うのはにこが以前していたらスクールアイドル活動で、俺がにこ達(始めたころは何人かでグループだったのだ)のサポートをしていたから、お返しにと貰った称号だ。1人になった今も、部活を続けているにこには有効だろう。

 

「うん、ありがと。あんたも頑張んなさいよ、生徒会。あの生徒会長のことだからきっと今に『学院の存続のために』とか言って色々し出すわよ〜」

 

「あはは、確かにそんな感じがする。さっきもそんなこと言ってたわ」

 

しばらく話して、にこのマンションにつき、送った後、俺は家に帰った。

 

 

 

*☼*―――――*☼*―――――(雄大→大輝)

 

 

 

「ふぁぁぁ。ねみぃ」

 

学校ってなんでこんなに早くから始まるのだろうか。いっそ、10時からとかにしてくれた方が生徒のやる気も出るんじゃねえのか?

 

下らない事を考えながら教室に入ると、昨日知り合ったとは思えないほど馴れ馴れしい声が元気よくオレに挨拶してきた。

 

「あ、大輝君だ。おはよう!」

 

「おー、穂乃果、朝から元気だなぉ」

 

昨日気絶してたとは思えないくらい元気な様子の高坂穂乃果に挨拶をして、自分の席に荷物を放る。大輝は昨日、穂乃果たちとした約束を思い出し、少し憂鬱な気分になった。

 

 

☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆

 

昨日のホームルームで発覚したこと、それはオレと南さんを始めとしたあの三人組が同じクラスだったということだ。

 

保健室から帰ってきた高坂穂乃果さん(あの美人さんに教えてもらった。美人さんは園田海未さん、と言うらしい)は教室に入るやいなや園田さんや南さんに泣きついて、『編入試験どうしよう』などと言っていた。ん?おい!お前が気絶したのって学校愛じゃなくてそっちが理由か!オレのあの時の感動を返せ!

勝手に、裏切られた感にかられたオレは高坂さんに話しかけた。

 

「ねぇ、高坂さん、大丈夫だった?突然気絶するからびっくりしたよ」

 

「へ?」

 

とつぜん話しかけたことでかなり驚いてるようだったが、園田さんと南さんが、事のなりゆきを説明することでなんとか理解したようだ。説明を受けた後ちゃんとお礼を言ってくれた。ついでにオレ達は改めて軽く自己紹介をし合った。

 

「でも、廃校になるってだけで気絶するなんてよっぽどこの学校のことが好きなんだね。オレなんて編入試験とかあるのかなぁ、なんて考えてたよ」

 

「うん、やっぱりこの学校、好きだよ!だって、なくなっちゃったら寂しいもん!」

 

うーん、どうやら皮肉は伝わらなかったようだ。

 

「そうですね、私もこの学院は好きです」

 

「ことりも、好きだよ。だって穂乃果ちゃんや海未ちゃんとの思い出が、沢山あるもん」

 

「そうだよね!やっぱり学校なくなるのは嫌だよね!うーん、廃校になるのは、生徒が集まらないからで、、、じゃあまた生徒が集めれば廃校にならなくて、、、」

 

あれ?なんだこの流れ?オレは皮肉を言いに来たつもりが何故か南さんや園田さんまで一緒になって廃校反対同盟が出来つつある。なんか嫌な予感がするんだが、、、

 

「そうだ!この学院のいいところをもっと紹介して、生徒を集めるってのはどうかな?生徒が集まれば廃校はなくなるんでしょ?」

 

「穂乃果の言うとうりですね、自分たちだけでも何か出来ることがないか調べて見ましょう」

 

「ことりも賛成!今日は図書館は開いてないから、明日の放課後にみんなで調べて見ようよ」

 

こ、この流れは、、、、、、

 

 

「ねぇ!大輝君も手伝ってよ!」

 

ほらみろ、やっぱりそう来たか!なんとなく察しはついてたよ!だがな高坂さん。俺、加藤大輝。そんな面倒なこと、するわけがないだろう!!

 

「加藤くん、、、」

 

ん?南さんの様子がおかしい、少し顔が赤くなって目も潤んできている気がする、ちょっとドキッとしてしまったじゃないか、、

 

「おねがぁい!!」

 

「OK!!手伝うよ!」

 

、、、ハッ、今何が起こったんだ!オレは確かに断ろうとしていたはずだ。だが、今、オレが言ったのは『手伝うよ』だとぉ!?

 

「わぁい!ありがとう!大輝君!あ、あと穂乃果ことは呼び捨てでいいからね!せっかく同じクラスなんだし、よろしくね!」

 

「う、うん、よ、よろしく。穂乃果」

 

、、、南ことり、、、もしかしたら要注意人物なのかもしれない、、、あんな顔と声で『おねがぁい』は反則だろ、、、

 

☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆

 

こうしてオレは今日、穂乃果、海未、ことり(穂乃果が呼び捨てならと全員統一した)と図書館で学校の良いところを探したのだった。結局ロクなものは出てこなかったが、、、

 

 

 

 

 

*☼*―――――*☼*―――――(大輝→)

 

入学式から数日後、長谷川圭は星空凛と、その親友、小泉花陽に連れられて、早朝、学院に登校する前にある場所に向かっていた。

 

*☼*―――――*☼*―――――(→圭)

 

 

 

「かよちんいったいどこに行くにゃ?」

 

「うん、今日はUTX学院の入学式で、それで学校の前で、A-RISEの特別映像が流れるんだって。それを見に行くの。あぁ!A-RISEの特別映像!どんなのなんだろう!やはり、、、」

 

入学式の日、僕は星空さんと仲の良かった小泉さんとも話すことができた。それ以降、教室ではこの3人でいることが多くなった。(ほ、ほかの女子に話しかける勇気は、まだ、ない、、、)

 

小泉花陽さん。

赤い淵のメガネを掛けていて、自然にカールのかかった茶髪を肩くらいまで伸ばしている、印象通り大人しい性格の子だ。僕とほぼ同じか少し低い位の身長で大体160cmと言った所かな。星空さんの幼馴染みらしく星空さんは小泉さんの事を『かよちん』とあだ名で呼んでいる。

 

ここ最近はこの三人でいることが多かったが、昨日、UTX高校の入学式に行きたいと、小泉さんが言い出したのだ。何度か話す中で僕の中では小泉さんは大人しくて、あまり自分からそういうことを言い出すタイプではないと思っていたので、少し驚きだった。僕には特に断る理由もないのでこうした早朝から3人でUTX高校に向かっているのだが、

 

「こ、小泉さん、キャラ変わってるよ、、、」

 

そう、今、小泉さんはものすごく興奮した様子で、早口にその『アライズ』とか言うものについてまくし立てている。普段からはまるで想像つかないテンションだ、、、普段はどっちかって言うと星空さんに振り回されている感じなのに、、、

 

「かよちんは〜、アイドルのことになると周りが見えなくなっちゃうくらい、アイドルが、だーいすきなんだにゃ」

 

「ふぇ、私、またやっちゃった?ご、ごめんなさい、なるべくそうならないよう気を付けてはいたんだけど」

 

しかも無自覚か、、、まぁ星空さんが言うように、本当にそのアライズってのが好きなんだろう

 

「謝らなくてもいいよ。それだけその、アイドル?のアライズが、好きなんでしょう。僕も少し興味が出てきたよ」

 

「ああ!やっぱり、興味ありますよね!A-RISE!あぁ、やっぱりスクールアイドルの頂点!歌もダンスも、、、」

 

どうやら僕はまたスイッチを入れてしまったようだ、、、星空さんは『こんなかよちんも好きだにゃー』なんて言って、止める気はないみたいだし、落ち着くまで待つしかないみたいだ。

 

結局、UTX学院に着くまで小泉さんが落ち着くことはなかった。今度からは、小泉さんの前ではアイドルとかアライズとか言わないようにしないとな、、、

 

 

 

 

UTX学院

 

最近できた私立女子校らしく、オフィスビルのような校舎が、本当にここが学校なの?と疑いたくなる。真っ白な制服を来た生徒がたちがその建物の中に入っていくのを見ても、違和感はぬぐいきれない。正面玄関の上には巨大なモニターが取り付けてあって、『UTX学院にようこそ!』って言ってる3人組の女子生徒が映し出されている。

 

「あ、A-RISEだ!」

 

通行人の誰かがそう言ってモニターを見ていた。ということは彼女達がアイドルのアライズということか。小泉さんがモニターに釘付けになっているし多分あっているだろう。モニターの前には人だかりが出来ているしその人気がわかる。よく見ると違う制服の子も混じっているので僕達のように、朝寄り道して来た人たちも結構いるようだ。

 

と、突然音楽が流れ出した。モニターには先ほどの3人が踊っている。僕はアイドルとかにはあまり詳しくはないけれど、なるほど確かにアイドルだった。なにせ、周囲の様子もさっきの数倍盛り上がっているようだ、そういうのをアイドルと言うんだろう。

 

と、1人だけ、何か衝撃を受けたようにぐったりとして、手すりに両手をかけている人が僕の目に入った。あ、よく見るとうちの学校の制服だ。リボンの色が見えないから学年はわからないけど、サイドテールの髪をした人だ。なんだろう、その人が突然なにか叫んで何処かに行っちゃったぞ?『アライズ』とか言うのの人気は人をおかしくするくらいすごいのか?

 

小泉さんはそのモニターの映像が一段落すると満足したらしく、僕達は学校に向った。あの叫んでた人はいったい何者だったんだろう?僕にはそれが何より印象的だった。

 




ここまでの話は、小説を書こうと思った時から決めていた設定だったので短い期間で出せましたが、このあと、ネタが切れてきたら更新が遅れますので、気長に待ってくれると嬉しいです。

話の中で分からない点があったりしたら、ご指摘お願いします。
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