僕達の女神   作:Isaac 1,92

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先輩の目的は?

 (大輝)

 

理事長室で明らかになった衝撃の事実、学校の廃校が目前まで迫っていた。それを知ったオレ達はオープンキャンパスで、ライブをする事にした。そして翌日、メンバー同士で持ち寄った案を基にライブの準備を進める事にしたのだが、

 

「こんにちは。ウチは今日からみんながちゃんと練習しとるか監視する事にしたからよろしくな」

 

 放課後のアイドル研究部の部室、そこには希先輩の姿があった。真っ先に反応したのはにこ先輩だった。

 

「なんで希がいるのよ!?あんた生徒会はいいの!?」

 

「ウチだってちゃんと仕事はしとるよ。ただ、オープンキャンパスで各部がちゃんと発表出来るか監視するのも仕事やろ?」

 

「そんなん、こじつけにも程があるわよ、まったく、、、希も雄大みたいにサボり癖が付いたら他の役員が大変ね。あの生徒会長に毎日難癖付けられてどやされるわよ、きっと」

 

 にこ先輩はうえぇと本当に嫌そうな顔で言う。まぁ、オレ達と敵対しているのを抜きにしてもあの堅苦しい生徒会長と毎日顔を合わせて仕事するのはキツイわな。

 しかし、そんな俺達に、希先輩は一瞬顔を険しくして、すぐに元の笑顔に戻る。

 

「そんな事ないで、エリチも以外と後輩思いで優しいんよ?」

 

「あたし達には親の仇みたいな扱いをするけどね」

 

 にこ先輩の、トドメのような言葉に希が先輩は少し悲しそうな顔をする。

 

「生徒会長の話はいいから、とにかく今はオープンキャンパスの準備でしょ?今回は生徒会は関係なくライブ出来るんだから」

 

 悪くなりかけた雰囲気に真姫が呆れたように言う。

 

「真姫ちゃん、やる気にゃ満々にゃ〜」

 

「っ!凛!べ、別にそんなんじゃないわよ」

 

「よーし、真姫ちゃんもやる気ならさっそく練習だ!」

 

「穂乃果先輩まで、もぉ、違うって言ってるのにー!!」

 

「真姫ちゃん、素直にならないと損するよ?」

 

「まぁ、ツンデレは真姫ちゃんの特徴だからねぇ」

 

「圭、ことり先輩、、、もう放って置いて、、、」

 

 誰がが口を開き、そこからいつも通りのμ 'sの日常が流れていく。オレも何かを真姫をイジろうと口を開きかけた時、ある事に気がついた。海未が何やら難しい顔をして真姫を見ていいた。

 

「、、、海未?」

 

「だ、大輝?何でしょう?」

 

「いや、なんかムズカシー顔してたからさ」

 

「そうですか?いつも通りですけど」

 

「そっか」

 

 話して見た感じからは海未はいつも通りだ。さっきのは気のせいだったのかなぁ。

 結局、希が先輩の目的も、海未のあの表情のような原因も分から無いままオレ達は練習を始めた。

 

 

 

 ☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆

 

 

 

 放課後、長くなった日はオレ達が練習を終えたあともまだ高い位置にある。すっかり散った桜の並木を歩くμ 'sと圭の背中を見ながら、少し後ろを歩くその人にオレは声をかける。

 

「希先輩、少しいいですか?」

 

「ん?何?」

 

 希先輩は各部活の監視だとか言っていたが、結局今日一日ずっとμ 'sの練習を見ていた。

 

「希先輩、今日、生徒会に行ってないっすよね。どうしたんすか?」

 

「ん?別に、何も無いで?」

 

 希先輩はケロッとした顔で本当に何も無いかのように言うけれど、そんなはずが無い。何も無いのに生徒会をサボって、全く関係の無い、むしろ敵対しているアイドル研究部にやって来るわけない無いのだ。

 

「、、、生徒会長の事っすか?」

 

 今日一日の事を振り返り、練習前の会話をしていて思い出してオレは希先輩に聞いてみる。

 

「、、、やっぱり大輝君には分かっちゃうんやね」

 

 どうやら当たりのようだった。

 

「ウチ、今日はバイトもあるから歩きながらでもええ?」

 

 カツカツと二人分の足音を立てながらオレ達は練習場所にしてい希先輩のバイト先の神社に向かう。

 

「、、、実はウチもよく分からないんよね。なんでこうなったのか」

 

 道のりの半分位まで来た時に希先輩はぽつぽつと話し始めた。

 

「μ 'sとアイドル研究部が一つになる直前くらいからやったかなぁ。エリチの様子が急に変わったんよ」

 

「様子が変わった、ですか」

 

「そう。規則に真面目なのはいつも通りなんやけど、いつも以上に、、、なんて言うか、冷たくなったんよ。それこそ、他愛の無い会話も許さない位。そんなんじゃあエリチが持たないはずやのに生徒会長だからって無理して、、、」

 

 希先輩の声はいつも通りを装ってはいるが、何となく寂しげだ。ここで、俺は前に生徒会長から感じた違和感を思い出した。あの時感じた冷たさはこれが原因だったのか。

 

「それで、希先輩は生徒会長と一緒にいるのが辛くなった?」

 

「違う!!」

 

 思いついた事を何も考えずに声に出す、と、帰ってきたのは希先輩の普段は聞くことのない荒い声だった。

 

「あっ、いや、、、ごめんね急に怒鳴って」

 

 希先輩は慌ててオレに謝ってくる。

 

「いや、大丈夫っすよ、全然」

 

 何が大丈夫なのか意味不明だが、オレも希先輩がこんなふうにデカイ声を出すなんて想像もしてなかったから動揺していた。でも、

 

「じゃあ、希先輩はなんで今日一日生徒会に行かなかったんすか?」

 

 脱線仕掛けた話を戻す。結局、今の話のどこにも今日の希先輩の行動の理由になってない。

 

「それは、、、ねぇ、大輝君は『μ 's』って名前どう思う?」

 

「え?、、、まぁ、いい名前だと思いますよ。、、、女神の名前って聞いた時は大層な物だと思ったっすけど」

 

「そうか、気に入ってくれとる?」

 

「ええ、実際それ以上のいい名前も思いつきませんし」

 

「そっか、良かった」

 

「、、、希先輩?」

 

 いい加減話が見えない。最近生徒会長の様子が変なのは分かったけど、それ以外は何も的外れな事を言っているように感じるし、、、μ 'sの名前と希先輩に何の関係が、、、?

 

「ごめんな、変なこと聞いて」

 

「、、、希先輩、いい加減話してください。困ってるなら話した方がいいですよ。普段お世話になってるんでそれぐらい聞きますし」

 

 希先輩にはファーストライブの時からμ 'sを助けて貰ってきた。講堂も、にこ先輩とアイドル研究部の事ももちろん、朝練などで会う度に声をかけてもらっていたりもした。その先輩が困っているならオレだって力になりたいと思う。

 

「そうだよね。うん、ちゃんと言うから、、、」

 

 希先輩は立ち止まって話し始める。気がつくとオレ達はもう神社の石階段の前に来ていた。

 

「すこしながくなるけど、、、

 

 

 *☼*―――――*☼*―――――(大輝→、、、

 

 

 

 

 

 

 

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