僕達の女神   作:Isaac 1,92

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ここから本格的に物語のスタートですね。



スクールアイドル!!

(大輝)

 

俺達のいる音乃木坂学院が廃校の危機にある。それを知った高坂穂乃果、園田海未、南ことり、の三人は廃校を阻止するために自分たちに何か出来ることはないか探し始めた。加藤大輝は半ば巻き込まれるように三人の活動をしていて手伝う事になった。

 

 

廃校を阻止する手立てを考る事になったオレ達はそれぞれ考えてはいたが、あまりいい案は出てこなかった。そんなある日の昼休み、穂乃果はオレ達に大量の雑誌を持ってきた。

 

「ねぇねぇ!生徒を呼ぶいい方法を思いついたんだ!見て見て見て!!」

 

「これは、雑誌か?」

 

「うん。アイドルだよ!アイドル!」

 

スクールアイドル

 

最近人気が出始めた新たなジャンルのアイドルで、全員現役の高校生でのみ構成されている。なるほど確かにいい案かもしれない。

今人気のA-RISEを始めとして、人気グループのある高校はやはり入学者は多いだろう。UTX学院を見ていればそれはよくわかる。

スクールアイドル自体、以前朝のニュース番組で特集されていたこともあったし、オレも何度かスクールアイドルの曲を聞いたことがある。認知度もそこそこ高いだろう。部活での目立った成績が見つからなかった音乃木坂にとってはいいアピールになるかもしれない。

 

「こっちは大阪の高校で、こっちは福岡のスクールアイドルなんだって!スクールアイドルって最近どんどん増えてて、人気の子がいる高校は入学希望者も増えてるんだって!それで私、考えたんだ!、、、あれ?」

 

話の途中で海未席を立ちどこかに行ってしまった。どうしたんだ?なかなか面白い案だと思ったけど。すぐさま穂乃果が追いかけ、呼び止める。

 

「海未ちゃん!まだ話は終わってないよ!」

 

「わ、私は用事が、、、」

 

海未の用事と言うのは明らかに嘘だろう。穂乃果に呼び止められ「ドキッ」って音が聞こえそうなくらい体を揺らしたらバレバレだ。

 

「いい方法思いついたんだから聞いてよー!」

 

「はぁ、私たちでスクールアイドルをやるとか言い出すつもりでしょう?」

 

「う、海未ちゃん!エスパー!?」

 

海未言葉に大きく反応を返す穂乃果。体を仰け反らせてドアに寄りかかるようにして驚きを全身で表現する。

 

「誰だって想像つきます!」

 

「だったら話が早いねぇ、今から先生のところに行ってアイドル部を!」

 

「お断りします」

 

媚を売るように海未に擦り寄って話しかけた穂乃果だったが、それを海未は一刀両断、バッサリと切り捨てた。

 

「なんで!だってこんなに可愛いんだよ!こんなにキラキラしてるんだよ!!こんな衣装、普通じゃ絶対着れないよ!!」

 

「そんなことで、本当に生徒が集まると思いますか!?」

 

「う、それは、人気が出なきゃだけど、、、」

 

雑誌をバンバン叩きながら海未に詰め寄った穂乃果だったが、海未の言葉に詰まる。

 

「第一、そんなふうに雑誌に乗っている人達は、本当のアイドルのように日々練習して、努力してきた人たちです。それを穂乃果のように思いつきで始めて、上手くいくとは考えられません!

 

いいですか、はっきり言いますよ、

 

 

アイドルは、無し、です!!」

 

 

言い切った海未に穂乃果は何も言えなかった。

 

 

 

*☼*―――――*☼*―――――(大輝→圭)

 

 

 

同日昼休み、圭は中庭を歩いていたところ、小さな小屋のような建物の前に立っていた花陽を見つけた。

 

「おーい、どうしたんだい?小泉さん?」

 

「あ、圭くん。この子達可愛いなぁって思って。」

 

そう言って小泉さんがさしたのは羊の首を長くしたような生物、アルパカだった。この小さな小屋は飼育小屋だったのか。、、、と言うかなんで学校にアルパカなんだえろ?普通うさぎとかそういうのじゃないの?

 

「う、うん、そうだね。小泉さんは動物が好きなの?」

 

「ふぇ?あ、うん、やっぱり動物って可愛いでしょ。仕草とか、表情とか」

 

「そっか」

 

ふと、脇に目をやった僕の視界にある張り紙が入り込む。

 

「ねぇ、じゃあ飼育係やってみたら?ちょうど人を探してるみたいだし」

 

そう、僕の目に入ったのは飼育係募集のポスターだった。

 

「ほぇ、わ、私が、でも、いいのかな?」

 

「遠慮することないと思うよ。飼育係って言ってもそこまで大変な仕事をするわけじないみたいだし。僕も手伝えることがあったら手伝うからさ。小泉さんがやりたかったらだけど、どうかな?」

 

「う、うん、考えてみる」

 

「そうか、きっとこの子達も小泉さんみたいに愛情のある人に世話してもらった方が嬉しいだろうから、僕はいいと思うよ」

 

 

その日の放課後、小泉さんは先生に飼育係になる旨を伝えに行った。その顔には緊張とともに確かに笑顔があった。いいことしたな、と、僕は満足感を感じていた。

 

 

 

 

*☼*―――――*☼*―――――(圭→大輝)

 

 

 

 

放課後になってもオレは盛大に不満だった。

 

確かに海未のいうことも分かる。だが、やる前からあんなでは、いよいよ手がないのではないじゃねぇか。可能性があるならやった方がいいだろ!

 

放課後になってもムカムカしていて、帰る気にもなれずフラフラと校内をうろつく。最初は面倒に思えたのだが、一度始めたことを途中で止めるのは居心地悪い。何か他に出来ることはないか、と考えてみる。

 

〜♪〜♪

 

音楽が聞こえてきた。どこかで聴いたことのある曲だなと思ったら、以前聴いたスクールアイドルの曲だった。今、この曲が流れているということは、、、

 

「うわっ」ドシン!

 

「いった〜い!」

 

音の聞こえてきた方に足を向けるとそこにいたのは穂乃果だった。

 

校舎の裏、目立たない場所で他のスクールアイドルのダンスを練習していた。やっぱり、穂乃果は本気だったのだ。本気で、スクールアイドルで学校を廃校から救えると思っているのだ。じゃなかったらこんなところで1人だけで練習するはずがない。何度転んでも、もう一度、もう一度と練習を続けている穂乃果の姿は、ただの好奇心だけでやっているのではない、確固とした覚悟が伝わった。

 

 

「穂乃果!」

 

思わず声をかける。

 

「なんか出来ることあるか?何でも手伝うからさ!」

 

「あ!大輝くん!手伝ってくれるの!?ありがとう!」

 

「いいって、いいって。廃校を阻止するためだもんな。オレ何か出来ることないか探してたんだ。結局見つからなかったけど。お前がスクールアイドルになるって言うならそれを手伝う」

 

友人(出会ってまだ数日だが)が全力でやるって言ってるんだ。それを手伝わないのはオレの性格上無理ってもんだ!こうなったらどこまでもやってやるさ。

 

 

「私たちも、いいかな?」

 

突然、オレのさらに後ろから声がかかる。

 

「ことりちゃん!海未ちゃんも!!」

 

どこからか見ていたのか、振り返ると海未とことりが立っていた。海未は弓道の途中だったらしく、制服ではなく弓道着を着ていた。

 

「ことりに言われて、穂乃果の練習を見ていました。

ごめんなさい、穂乃果。思いつきだなんて言って。あなたが本気なのがよくわかりました。だから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一緒にやってもいいですか?

スクールアイドルを!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うん!!」

 

 

 

穂乃果は、この日一番の笑顔で答えた。

 

 

 

「よっしゃ!じゃあ早速練習だ!」

 

「「「オー!」」」

 

 

 

 

*☼*―――――*☼*―――――(大輝→雄大)

 

 

 

 

俺は生徒会室で1人、静かに、資料に目を通していた。

 

ガチャ

 

「おかえり、絵里、希、理事長はなんて言ってた?」

 

生徒会室のドアが開き、絵里と希が入って来た。今日は希と絵里で理事長に生徒会が廃校阻止に向けて活動することの許可を取りにいったはずなのだが、この様子だと認めてもらえなかったのだろう。その証拠として絵里は今、ものすごく不機嫌な顔をしている。

 

「ただいま、『生徒会は今いる生徒の生活のために活動してください』だって。何よ、そもそも学院がなくなるんじゃあ生徒の生活もなにもないじゃない」

 

帰ってくるなり理事長のことを悪く言うあたり、やはり絵里はかなり不機嫌だな。ここ数日絵里は廃校を阻止しようとかなり頑張っている、いや、頑張りすぎているといっていいくらいだ。真面目な性格が起因しているのだろうが、流石に図書館の学校の資料を全部1人で読もうとするのはやりすぎだろう。今は俺と希の3人で手分けして読んでいる。俺が今読んでいるのもその一つだ。

 

「それで、雄大くんはなにか見つけた?」

 

「いや、特に目立ったものはまだ、」

 

「そっか、、、」

 

淋しそうに目を伏せる希。いったいなんで生徒が集まらないのだろう。

 

比較的自由な校風、かと言ってもちろん、荒れてるわけでもない。進学実績だって悪くない。医学部に進学する生徒だっているくらいだ。俺だってそれらの点に惹かれて、元女子高で男子の少ないこと覚悟でここに入ったのに。まさかこんなことになるとは、、、もしかしたら俺達には分からない高校選びの基準があるのかもしれないな。

 

「他の高校と、この学校の違い、、、か、、、」

 

眼鏡を外しながら呟いて、凝りかけた肩を回す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガチャ

「失礼します!」

 

ドアを開ける音と共に、この場には似つかない、明るい声が響いた。

 

 




かよちんがアルパカの飼育係になるのがどうも自分の中で引っかかってたので書いてみました。引っ込み思案の花陽がどうして飼育係に立候補できたのかなぁって思ったので。

しれっと書きましたが雄大は眼鏡かけてます。

今回の話まではおおよその流れを考えていたのでスムーズでしたが、次回以降はまだおおまかな流れすら思いついていません(笑)

UAが上がっていくのを見ていると書く活力になりますね。頑張ります!
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