僕達の女神   作:Isaac 1,92

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絵里加入!!しかし、3章はまだ続く、、、


生徒会のデカ眼鏡

(雄大)

 

「それで、結局シワ寄せは俺に来る訳だ、、、」

 

 今朝、提出された新たな入部届を横目で眺めつつため息をつく。

 

 

『入部届:綾瀬絵里

 

 以上の者を以下の部活動の一員とする。

 

 所属先;アイドル研究部』

 

 

 ふと、目線を上げると生徒会の後輩達が不安そうな目でこちらを見ていた。

 

「雄大先輩、、、その、生徒会長が抜けちゃって、私たちどうしたらいいんでしょう?」

 

 後輩たちの不安は恐らくその一点に集中しているのだろう。皆が頷いて俺の答えを待っている。しかし、そこは流石絵里、というべきか、最低限度の仕事はしてくれていた。

 

「安心しろ、オープンキャンパスの一通りのプログラムは出来てるから、俺達はそれの準備を進めればいいだけだ」

 

 俺の言葉に後輩達はほっとして胸をなで下ろす。

 

「それじゃあ早速取り掛かる訳だけど、、、まぁ、今回は俺のやり方でやらせてもらうから今までと少し勝手が違うかもしれないから、、、」

 

 雄大はそう言うと今まで、絵里が出したことも無いような指示を出した。しかし、結果としてオープンキャンパスの準備は今までないほど効率的に素早く行われたことになる。雄大が才能の片鱗を見せた瞬間だった。

 

 

 

 *☼*―――――*☼*―――――(雄大→海未)

 

 

 

「大輝、希先輩」

 

「ん?海未ちゃん?どうかしたん?」

 

 絵里先輩が加入した翌日、練習前の部室で私は二人を呼び止めたました。他のメンバーは既に屋上向かっています。

 

「実はこの前、二人にしたかったの話は、絵里先輩のことだけではないんです」

 

 私が二人を呼び止めた理由、それは絵里先輩加入前、私が絵里先輩と公園で話した日に抱いた疑問。片方は絵里先輩の加入で解決したわけですが、もう一つは未だ残っていました。

 

「エリチの話だけやないの?」

 

「ええ、、、その、生徒会の男の先輩のことなのですが、、、」

 

「ああ、あのデカ眼鏡」

 

「大輝くん、、、雄大くんのこと、そんな風に呼んでたや、、、」

 

 希先輩は大輝のことを流し目で睨みますが、当の本人は気にしていないようです。

 

「実はその先輩なのですが、その日、私はその人とも話したんです」

 

「確か、海未と絵里先輩が話す直前までそばにいたんだっけ?」

 

 大輝は意外にも記憶はいい方のようです。私の話を思い出すと続きを促してきます。

 

「ええ、その時その人の荷物が少し見えていたのです。そして、その中に、、、『友情ノーチェンジ』の楽譜があったんです」

 

「「、、、は?」」

 

 二人は口をあんぐり開けて、何が何だか理解できない、そんな表情になりました。まぁ、信じられない気持ちもわかりますが、、、

 

「いやいや、海未、確かその時ってまだ、オレもその曲のタイトルすら知らなかったはずだろ?」

 

「私だって驚きましたよ。何せ私が真姫に詩を渡したその日に楽譜が出来上がって、しかもそれが全く関係の無い先輩の荷物の中にあったわけですから、、、」

 

「作曲がそんなに早く終わるのもなかなか信じられんけど、、、そこは真姫ちゃんやからありえるとしても、、、どうして雄大君が持ってたんやろ?」

 

 共通の疑問に私たちは首をひねりますが、答えが導き出せるはずもありません。と、

 

「海未先輩、希先輩何やってるにゃー?早く練習しよーよー」

 

「だ、大輝先輩?圭くんが待ってましたよ?」

 

 いつまでも部室から出ない私たちを不思議に思ったのか、凛と花陽が部室に戻ってきました。

 

「あ、凛ちゃん花陽ちゃん。ちょうど良かった。雄太くんのことについてなんか知ってることない?」

 

「の、希先輩!?」

 

「別にいいやん、海未ちゃん?このまま三人で考えてたって埒あかないで?」

 

 希先輩のいうことも最もなので私は言葉に詰まりました。すると、凛が突然当たりをキョロキョロと見渡し始めます。まるで誰かに聞かれるのを怖がるみたいに、、、

 

「、、、希先輩、雄大先輩って生徒会のおっきい先輩のことですよね、、、」

 

「そうやけど、、、どうしたん?凛ちゃん、急に小声になったりして」

 

「、、、実は、、、」

 

「り、凛ちゃん!ダメだよ!それは圭くんと約束したんだよ?むやみに人に漏らさないって」

 

 何かを察したのか花陽が割って入ってきます。が、大輝がすぐにそれにかぶせてさらに割り込みます。その顔は、悪だくみをしているときのそれでした。

 

「なんだよー、花陽、大丈夫だって、、、俺達も黙ってればバレないバレない。ほら、凛早く言えって、、、」

 

「うう、私、どうなっても知らないよ、、、」

 

 気になって仕方がない様子の大輝は、なんとも狡賢く凛に続きを促しますが、その様子はどう見ても悪者でした。大輝はそうゆうところに関しては抜け目ないというかなんというか、、、聞きだす技術は凄いとは思いますけど、真似はしたくないですね。なんとなく大事なものを失う気がします。今回も大輝のそんな性格のおかげで凛を懐柔することに成功したようです。もう一度当たりを見まわして、、一段と声を潜めて話始めました、、、

 

「実は、、、ごにょごにょ、、、」

 

 、、、、、

 

 

 

「え!?真姫ちゃんと雄大くんが音楽室で逢引!?」

 

 あ、逢引ですって!?そ、そんな校内でそんな事、、、

 

「は、破廉恥です!!!」

 

「にゃぁ!!希先輩も海未先輩も声がでっかいにゃ!!」

 

「って言う凛もうるせぇわ!」

 

「、、、みんなで何やってるんですか?もう準備できましたよ?」

 

「「「け、圭(くん)!?」」」

 

 いつの間に入って来たのでしょうか。気が付くと圭がドアの前に立っていました。あまりの気配の無さに私と大輝、希先輩の声が重なります。

 

「廊下まで声が聞こえましたよ?」

 

「なんてこった!、、、こうなったら、圭を消すしか、、、」

 

「落ち着いてください大輝先輩。圭くんは同志にゃ!」

 

「それは本当か!?凛二等兵!」

 

「は!本当のであります!希隊長!」

 

「よし!大輝伍長!目標の攻撃は中止!繰り返す!攻撃は中止だ!」

 

「は!了解であります!希隊長!」

 

「、、、、えっと、、、え?」

 

 目の前で突然、軍隊のような口調になりお互いに敬礼し合う凛、大輝、希先輩に圭は唖然とします。無理もないでしょう。今までの会話を知っている私と花陽ですら三人の世界についていくことができなかったのですから。

 

「、、、はぁ。ともかく、今日はもういいです。さぁ、練習に参りましょう?オープンキャンパスまで時間もないわけですから」

 

 最後には私が無理やり場を流して、練習に向かうことにしました。しかし、、、真姫と先輩が音楽室で合っていたとは、、、やはり真姫とも話してみる必要がありそうですね、、、

 

 

 

 

 *☼*―――――*☼*―――――(海未→圭)

 

 

 

 

 色々あったが、μ'sはオープンキャンパスに向けて着々と準備を進めていた。(大輝先輩に消されそうになったりetc,,,)

 

 絵里先輩の加入によってμ 'sのダンスのレベルは素人の僕の目にもわかるくらいグングン上昇した。やはり経験者がいるのといないのでは雲泥の差があった。大輝先輩は「オレだって頑張ってたんだけどなぁ」なんて、言ってたけど、練習してるμ 'sを見る目は優しかった。

 

 そんな時だった。

 

 オープンキャンパスまであと二週間と迫り、僕らはいよいよ本格的に準備をしていて始めた。具体的にはことり先輩の衣装の最終調整の手伝いと宣伝、ステージ設営がメインになるのだけど、、、

 

「ええ!?講堂使えないんですか!?」

 

 穂乃果先輩の声に絵里先輩は申し訳なさそうになる。

 

「ごめんなさい、オープンキャンパスで講堂は説明会に使われるから使用出来なかったの。もっと早くにいうべきだったのに」

 

「しゃーないやん?エリチも昨日理事長に言われて初めて知ったんやもん」

 

「でも、一体どこで発表するのよ?」

 

 真姫ちゃんの質問にみんなで頭を捻る。が、誰一人として妙案を思いつくようなこともない。こんな時いつもは大輝先輩が何かしら思いつくのだが、今回は不発のようで厳しい顔のままだ。

 

「うーん、ライブライブ、、、」

 

「ライブってことは広い場所があればいいのかな、、、?」

 

「うんん、圭くんそれだけじゃ足りないよ。相応の音響設備もないと、、、」

 

「でも花陽、今から用意するとなると時間が足りないわ、、、」

 

「うー、真姫ちゃん、意地悪にゃ、、、」

 

 その後もしばらく悩むがいい案は出ない。そんな中で口を開いたのはにこ先輩だった。

 

「こうなったら、アイツに頼むしかないわね、、、」

 

「アイツ?」

 

「ええ、私が知ってる限りではライブのステージを作るにあたってアイツ以上の才能を持った奴はいないわ」

 

 にこ先輩がそのアイツのことを語るのは何処か誇らしそうで、しかし、顔つきは厳しかった。

 

「うまくいくか分からないけど、こうなったら『あの幽霊』に頼るしかない」

 

「ええ!?『アイツ』って、お、お化けなの!?」

 

「にこっち、いつの間に降霊術なんて体得したん?」

 

「ダァー!もう、花陽も希も言葉のまま取らない!」

 

「いや、今の流れで『幽霊』って言ったらそれしか考えられないにゃー、、、」

 

 凛ちゃんの言葉に皆うんうんと頷く。みんな気がついていないみたいだったけど、絵里先輩、顔を青くして震えてたし、、、

 

「それで、にこ先輩、いい加減その『幽霊』が一体何者なのか、教えてくれませんか?」

 

 僕の質問を潮時だと思ったのか、にこ先輩はこれからさも重大なことを発表するかのように長くタメを作り、、、

 

「『アイツ』っていうのはね、、、このアイドル研究部の『幽霊』部員、、、鈴木雄大のことよ、、、」

 

 

 言い切ったあと、にこ先輩はすぐに目を閉じたので気が付かなかっただろう。その名前が出た瞬間、部室内のみんなの顔は、まるで表情のコンクールでもしてるみたいに、十人十色、異なっていたことに、、、

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