(圭)
放課後、にこ先輩以外でライブのステージの案を出した人はいなかったので僕らはその話題をそこまでとした。切り替えて練習するべく僕らは今屋上に向かってるのだが、、、
「ま、まさか、あそこで、ゆゆ、雄大先輩の名前が出るなんて、お、驚きだにゃ~」
さっきから隣で凛ちゃんの動揺が尋常じゃない。すぐそばに真姫ちゃんもいるのに避けるどころか積極的に話題を振りだす始末だ。いつボロを出すか分かったものじゃない。隣にいる僕と花陽ちゃんは内心ヒヤッッヒヤだ。
「そうね、まぁ、あの先輩なら比較的μ'sに協力的だから何とかなるんじゃない?」
良かった!真姫ちゃんは気づいてない!
「ところで凛、あなたさっきから何かおかしいわよ?汗かいてるし、具合でも悪いの?」
ダメだーーーーーーーーー!気づいてたーーーーー!
「え?ななな何のこと~凛全然わかんないにゃ~、、さ、さ~練習にゃ~」
動揺しまくりでカッチカチの動作の凛ちゃんはのまま駆けだして行ってしまう。屋上とは真逆の方向に、、
、
「、、、凛、大丈夫かしら?」
そういう真姫ちゃんに僕と花陽ちゃんは苦笑いしかできない、、、
「甘いわね、真姫」
「うぇ!?に、にこちゃん!?」
いつからいたのだろうか、にこ先輩は真姫ちゃんのすぐ後ろに張り付いて厳しい声を出した。さらに絵里先輩と希先輩までその後ろで難しそうな顔をしている。
「あ、甘いって何のことよ?」
「雄大よ。あいつはぜんっぜん私たちに協力的なんかじゃないわ」
「かといって敵対というわけでもないんやろうけどね、、、」
真姫ちゃんの疑問に答えたにこ先輩の答えに追加するように希先輩が話す。
「雄大くんは生徒会としての仕事、っていう風に割り切ってウチらに接してるから、本心はよくわからないんや、、、」
と、そのとき、女子生徒二人が僕たちのすぐそばを通り過ぎ、、、回れ右をして僕たち、というか絵里先輩と希先輩に駆け寄って来た。
「絵里会長!希副会長!どちらでもいいから戻ってきてください!!」
「雄大先輩が仕事できるのは知ってましたけど、、、あんなに厳しいなんて聞いてませんよ~!」
二人の女子生徒は生徒会なのだろうか、絵里先輩と希先輩に泣きついたが二人はさっぱり事情が呑み込めていないようだった。
「二人とも落ち着いて?一体どうしたのよ」
「ほら、深呼吸、、、詳しく話てくれんとウチらもわからんよ?」
「絵里会長、希副会長。話すよりも来てもらった方が早いです、行きましょう!」ぎゅっ
「え?ちょっと、あなたたち!?」
絵里先輩と希先輩はそのまま二人の生徒会役員引っ張られていく、、、
「、、、確かに、雄大先輩が甘くはいかないって事だけは分かったわ、、、」
真姫ちゃんは肩をすくめてため息をついた。
*☼*―――――*☼*―――――(圭→穂乃果)
私とことりちゃん、海未ちゃんに大輝くんはみんなよりも少しだけ遅れて部室を出た。理由はことりちゃんの作ってくれる衣装をしまう場所を作ってたからなんだけど、、、それが終わってみんなが待ってるはずの屋上に行こうとしたら、廊下の向こうから女の子が二人、それぞれが一人づつ誰かを引っ張てこっちに向かってきて。その引っ張られてる方の一人は遠くからでも目立つ綺麗な金髪で、、
「ってぇ!絵里先輩!?」
「あ、穂乃果!ごめんなさい、少し遅れていくわ!」
「あ~~~~れ~~~~、堪忍や~~~~」
すれ違いざま、絵里先輩はそれだけ伝えるとそのまま連れ去られて行っちゃった、、、希先輩の断末魔(?)だけ、妙に耳の中に残ったけど、、、
「、、、なんだったんだ?今の」
「、、、さぁ?」
大輝くんとことりちゃんは突然の光景に首をひねってるし、、
「あー!穂乃果先輩みーっけ!」
「え?凛ちゃん?なんで屋上の逆方向から来るの!?」
「迷っちゃったんだにゃ~、、、」
「校内で迷いますかね、普通、、、」
「うー、海未先輩厳しいにゃ!」
いや、凛ちゃん、流石に私でも迷わないよ、、、
「穂乃果!絵里たち見なかった!?」
「あ、にこ先輩。見ましたよ、さっきここで。希先輩と一緒にどこかに連れていかれちゃいましたけど、、、」
凛ちゃんが来たのとは反対側、つまり屋上の方からにこ先輩を含めた残りのメンバーがやってくる。
「穂乃果先輩、絵里先輩と希先輩が生徒会に連れてかちゃいそうなんです、それで、、、」
「え?、、、えぇ!?」
圭くんの言葉を理解するのに少し時間がかかったけど、、、つまりμ 'sを辞めちゃうってこと!?そんな、せっかく一緒にアイドル出来ると思ったのに、、、そんなのダメ!
「追いかけなくちゃ!」
気がつくとわたしはもう、走り出していた。
*☼*―――――*☼*―――――(穂乃果→大輝)
ダンっ!「絵里先輩、希先輩!!」
穂乃果がドアを吹き飛ばすように開け、オレもそれに続く。
「ほ、穂乃果?それに大輝まで」
生徒会室のコの字に置かれた机に囲まれた、ちょうど真ん中に当たる場所に立っていた絵里先輩が驚いてこちらを振り向く。
「絵里先輩!!せっかくμ 'sに入ったんだから。辞めないで下さい!」
「、、、え?、、、」
ちょうどその時、生徒会室に他のメンバーも集結した。
「ちょっと、穂乃果先輩、、、大輝先輩、、、早すぎ、、、」
「だって圭くん!!絵里先輩やめちゃうかもしれないんでしょ!?」
「ま、待って。なんで私がやめる話になってるの?」
話についてこれなかったのか絵里先輩が慌てた声で言う。あれ?そういう話じゃないの?
「穂乃果先輩、、、何も絵里先輩が辞めるとは、、、言ってませんよ、、、ただ、、、生徒会に、、、連れてかれたって、、、それで、、、練習どうしよう、、、って、思って、、、」
「ふぇ?」
あー、そういう事、、、つまりあれか、オレ達はその、、、
「穂乃果と大輝が早とちりするから!」
ぐぅ、、、、海未の言葉にぐうの音も出ない、、、あ、ぐぅ、って出たか。
「「ごめんなさぁい、、、」」
海未が拳を握ったのを見て俺と穂乃果は大人しく頭を下げる。スクールアイドルがすぐに拳を出すのもどうかと思うけどね!!
「話は終わったか?」
絵里先輩が立っている正面の席、そこから眼鏡をかけた生徒会の三年、さっきまで話題に上がっていた鈴木雄大先輩が椅子に座ったまま話しかけてきた。
「俺らは別に、絵里と希を引き戻そうとしたわけじゃないから。やりたい事を妨げるようなこともしないし」
「雄大もあんまり後輩をいじめないでね?貴方の仕事は確かに、いつも手の加えようのないくらい素晴らしいけれど、それを他の人にも要求するのは難しいこともあるから」
「う~ん、まぁ努力してみますわ、、、」
絵里先輩の言葉にあいまいに返事を変えす雄大先輩。これで一見落着か。いあぁ、勘違いから始まったなんてお恥ずかしい。
「雄大先輩!」
と、突如隣にいた穂乃果が声を出した。あ~、なんとなくだけどこの先の展開が読めるぞ、、、
「ん?何、用事?」
「お願いしたいことがあるんです。μ'sのステージを作ってくれませんか?」
「、、、は?」
穂乃果の突然のお願いに雄大先輩は茫然となる。そりゃそうだ、何せオレ達だって何も聞かされちゃいない。こんな時は決まって、『いつもの流れに』なるわけで、、、
「穂乃果!それはまだ案の一つでしょう!?」
「えー、でも、ステージの準備ってパッて終わらせてしっかり練習したいじゃん!」
「それでも、穂乃果は軽率すぎます!」
「いいじゃん!雄大先輩は才能があるってにこ先輩も言ってたんだし」
「、、、痴話喧嘩なら、外でやってくれると助かるんだが?」
穂乃果と海未の様子に雄大先輩は呆れつつ、それとなくオレ達に出ていくように言う。いやまぁ、オレらからしたら見慣れたんだけど他人から見ればそうなるよな、、、しかし、それを察した穂乃果は焦って早口にまくし立てた。
「私たち、絶対に成功させたいんです!お願いします!ステージを作って下さい!」
「、、、はぁ、、、わかった。話だけなら聞くから、俺の仕事が終わったらそっちの部室に行く。そこで聞かせてくれ。取り敢えず今は邪魔だ」
穂乃果の最後の粘りは、結果的にいい方に転んだようで、オレ達は何とか雄大先輩と話をする機会は手に入れることができた。雄大先輩からしたらいち早く仕事に戻りたいだけだろうけどね(笑)
「ん?何?大輝くん、どうしたのずっとこっち見て。穂乃果の顔に何かついてる?」
「いや、、、何というか。終わりよければすべてよし?」