μ'sが全員そろって、本格的にスクールアイドルってのが話題の中心になってきます。
日の暮れたアキバの街で
(大輝)
陽射しが力強く差し、蝉などのがあたりで割れんばかりの大合唱を奏で、あらゆる生き物がその命を燃やす季節。
「、、、ハァ、、、ハァ」
シャツは汗で背中にピッタリとくっついて気持ち悪いし、この気温でクソ長いこの坂道を荷物満載の自転車は、たち漕ぎでなければびくとも動かない。
「なんで、、、」
一度手で押して行こうかとも考えたが、それだと時間がかかりすぎる。逃げ場のない日差しは容赦なくオレの体力を削る、、、
「なんでオレだけこんな目に合ってんだぁああああああああ!!!」
オレ、加藤大輝。絶賛理不尽と、格闘中です。
*☼*―――――*☼*―――――(大輝→圭)
アイドル研究部の窓を全開にして換気をよくすると、僕達は早速作業に取り掛かった。これから何をするのかというと、、、
「にこ、どれだけ長い間ここの掃除をサボった?どうやったらこんなに荷物が溜まるんだよ!」
「うるさーい!雄大!あんたがずっとが幽霊だったんだから人手が足りなかったのよ!人手が!」
雄大先輩とにこ先輩がまだ口論の真っ最中だが、僕達の準備は整った。オープンキャンパスが終わり一段落ついた僕達は、これからのアイドル研究部の部室の大掃除をするのだ。今までにこ先輩が収集したアイドルグッズが棚に入り切らず、段ボール箱に入れて置いてあったりして、ライブの衣装を収納するスペースがなくなっていた。今後も、ライブを続けることを見越してスペース確保のために部室を整理しようということになったのだ。
「雄大?にこ?そろそろ始めるわよ。部室が広くなったとは言え、綺麗にしないとすぐにいっぱいになるんだから。ほら、大輝が帰ってくる前に終わらせるわよ」
絵里先輩が未だ口論を続ける雄大先輩とにこ先輩を呼ぶ。そうそう、絵里先輩が言っていたけど、僕らアイドル研究部は新たに一つの空き教室を部室として使えるようになった!と、言うのもオープンキャンパスのアンケートの結果から、廃校の審議が延長されたことが僕らの成果だ、と言って理事長が使用の許可をしてくれたのだ。
それと、大輝先輩は今、新しい部室に置く道具の買出しに行ってる。こういう時に体力のある先輩がいてくれて本当に助かるなぁ。
「絵里先ぱーい!掃除機借りてきましたー!」
穂乃果先輩とことり先輩が学校に置いてある掃除機をもって部室に戻ってきた。
「さ!始めましょう!」
絵里先輩がパンッ!と手を叩く。口論を続けていた雄大先輩とにこ先輩の二人も渋々作業を始める。
しばらく作業をして、大体30分くらいたった頃。まだまだ、荷物はたくさんある中、
「あ、あの。申し訳ないんですけど、、、私、今日はもう帰らなきゃ行けなくて」
申し訳なさそうに、ことり先輩は掃除をしていた僕らに言った。
「あら、何かご用事?仕方ないわね」
「うん、絵里先輩、ごめんなさい」
「いいのよ。あとはみんなでやっておくから」
「えー、ことりちゃん帰っちゃうの~?」
「うん、ごめんね穂乃果ちゃん。あ!それじゃあ私そろそろ行かないとだから。また明日!」
ことり先輩はそう言うと穂乃果先輩に手を振って部室を急いで出ていった。
「ことり先ぱ~い、棚ふき終わったにゃ~、ってあれ?圭くん、ことり先輩は?」
「あ、凛ちゃんに真姫ちゃん。ことり先輩用事で帰っちゃて、、、」
「ふ〜ん、、、最近、ことり先輩早く帰ること多いわよね、、、何かあったのかしら?」
真姫ちゃんが顎に手を当てて考え始めるけど、、、
「真姫ちゃん、流石にそれは深読みしすぎなんじゃない?」
「、、、そうね。あまり他人のプライベートに踏み込むのも良くないわね」
僕らは部室の掃除を再開した。
*☼*―――――*☼*―――――(圭→大輝)
雑貨店から出たオレはポケットから買い物のリストが書かれたメモを取り出すとチェックマークをつける。
「よしっ!これで完了!!」
広くなった部室に設置する収納用具の買出しに駆り出されてからはや2時間、ようやくすべて揃った。
「全く、こんな大荷物ひとりに運ばせるかっての!フツー」
誰も聞いていないだろうが、不満を零さずにはいられない。夏の太陽の下、自転車のカゴと後輪の荷物置きに一杯の本日の成果を見ると、やはりこれを一人でやらせたのは軽い拷問なのではと思えてる。
、、、圭だったら途中で倒れて今頃病院だなこりゃ、、、
早く学校に帰ろうとサドルに跨ったところで珍しい色の髪がオレの視界に入る。ベージュ色の髪なんて滅多に見ない。
「あれって、ことり?」
その髪の持ち主はやはりことりだった。だけど、なんでことりが?今頃部室の掃除をしているはずだけど、、、視線で追っていくとことりはそのままある雑居ビルに入っていった。
「なんでことりがこんなところに、、、?」
人違い、、、なわけないしな。ベージュ髪にトサカみたいな髪型の学生なんてことり以外いるわけないし、、、
しばらくその場で考えてみるけれど、なにも閃かない。まぁ、明日にでも直接聞けばいいか。オレは再びサドルに跨ろうと足を上げる。と、
「あれぇ?もしかして大輝じゃねぇ?」
ある意味、オレがこの世で一番聞きたくない音だった。
「お、マジだ。お久じゃん!久々にあの時の『仲間』が揃った訳だ」
数人の他校の男子高校性学校にオレの近くに歩いて来ていた。
*☼*―――――*☼*―――――(大輝→ことり)
「おかえりなさいませ。御主人様」
体の前、ちょうどおへその上に当たる位置に手を揃えて腰から曲げてお辞儀する。そして、顔を上げてしっかりと『御主人様』に向かって笑顔を向ける。
「お席にご案内致します」
片手を上げて移動する意思を伝えた後、テキパキと、それでも焦った感じではなく、できるだけ優雅に見えるように意識して『御主人様』ご案内する。
私がこのメイド喫茶でアルバイトを始めてからもうすぐで半年。初めはこの喫茶店のメイド服の可愛さに一目惚れして始めたアルバイトだけど、私は今ではこの仕事が好きになった。お店に来てくれた『御主人様』がくつろげるように頑張ることが意外にも楽しいの。誰かのためになれるって思えるととってもやりがいもあるからかな?
『御主人様』の注文を受け取った私は厨房にいる先輩にそれを伝えると、手暇になりほんの少しだけスタッフ用の出口から非常階段に出て一息を着く。
、、、なんだろう。下の方が少し騒がしいみたい、、、
階段の踊り場から私が顔を出して下を見た時だった。
「もう、オレに関わるなって言ってんだろ!!テメェら!」
とても怖い。間近で聞いたらきっと泣いてしまうような声が聞こえてきた。だけど、その声は聞いたことがあった。普段はもっと優しい声なのに、、、
「大輝、くん?」
階段の下で叫んでいるのは大輝くんだった。すぐそばに買出しに使っている荷物がたくさん積まれた自転車も置いてある。大輝くんは五、六人の男の子と向かい合っている。その男の子達はみんなニヤニヤと嫌な顔をしている。
「そう言うなって、釣れないなぁ大輝ぃ。おれたち仲間ねぇかよぉ」
「テメェら、、、」
「何言ってんのぉ?今、こうやって話してるのだけでもありがたいじゃない。じゃないとお前みてぇな『犯罪者』と誰が仲良くするってんだよぉ?」
、、、え?
「、、、」
「君たち!店の前で喧嘩はやめてくれないか!」
険悪な大輝くんと男の子たちの間にビルの一階に店を構えていた人が割って入ったため、それきり大輝くんとその男の子達は別れた。大輝くんはすぐに自転車に乗ると乱暴にたち漕ぎしてそのまま通りの中に消えていった。
でも、
「大輝くんが、犯罪者、、、?」
先程の男の子達が言っていたことが気になる。一体どういうこと?私達を支えてくれた大輝くんは時にはふざけることはあっても、とても優しかった。それが犯罪者扱いを受けるなんて、、、
「ミナリンスキーさん!そろそろ戻って下さーい!」
「あ、はーい!」
呼ばれたことで我に返る。そうだった今はバイト中だったんだ。
私は努めて笑顔でいるようにしたけど、その日はいつもよりもバイトに集中できなかった。
ことりちゃん!ことりちゃん回ですよ!みなさん!
メイド服姿のことりちゃん!かわいいよ!
ってな感じでまた次回!ばいば~い(・8・)ノシ