「おいじいさん、アンタいつも『砂』殴ってるだろ?」
「砂?あぁ『サンド』バックの事か、あぁ、いつも予備に五つくらい用意してるね。」
「それなんだが、今日はコレを殴ってみてくれ。」
そう言うとトニーは普通のサンドバッグを見せてきた。
「なんだコレ、普通の奴じゃないか」
「まぁ、今夜使ってみろ。破けないから。」
そう言うトニーの顔は妙にニヤニヤしていた。
ーー翌日の朝ーー
「おいトニー!!!なんだこれは!!!!」
早朝、早起きのキャプテン・アメリカは例のサンドバッグを持って怒鳴ってトニーの部屋のドアを蹴破った。
「おいじいさん、ドア…」
ドンッ!
ピヨピヨピヨ、コケッコーコッコッコッ、ドンドンパフパフ。
はて、何の音か。
「今、殴ったサンドバッグであろうコレから、何故
こういう音がするんだい?トニー」
そう、最初のドンッ!が殴った音。その後はサンドバッグから流れた音だ。
「いやぁ、これなら脱力して破けないかなぁと…」
ドンッ!!!!!
一際でかい音の後にはまたもや…
(アレ?おかしいな目の前に砂と私が入れた機械が…)
機械から音はせず、変わりにサラサラと砂の流れる音が沈黙を制した。
「トニー、僕はトレーニングには集中したいって、前も言ったよね?」
「言ったな。うん。」
「トニー、お仕置きだ。ジャービス、サウナ室の温度を上げてくれ、うんと熱く。」
「YesSir」
「おい待ってくれじいさん!ちょっとした遊び心じゃないか!そんな怒るなよ!ジャービスも心なしかのりのりみたいだが!?」
襟首を掴まれてサウナ室に連行されてるトニーは必死に抗議した。
「Sir、機械に心はありません。あのウルトロンでさへ、地球保護の本能があったからこそなのです。」
「我ながら冷めた息子を持ったものだ!」
「さぁ、その冷めた息子の父親はいつも無駄な所に熱いから、たまにはオーバーヒートさせないとね。あ、ドリアン食べる?」
「おいやめろ!あぁもう!臭い!ドリアン臭い!」
そこに、一連の流れを見ていたバナーが助け舟を出した。
「あー、キャップ、気持ちはわかるけどせめて冷水にしてあげた方がいいよ。」
助け舟になっていない。
「博士!」
「あぁそうだね、博士。ありがとうジャービス、冷水溜めておいて。」
「YesSir」
この後、トニーはさながら氷漬けの戦士の様になって出て来た。
「ややややぁ、ははかかかかせせせっ」
震え過ぎて声がもはやエコーだ。
「トニー、鞭の後には飴をあげよう、はいドリアン。」
「なんでまたドリアン!」
結局ドリアンを食べることになった。