「ふぅ、疲れたしタクシーで帰るか」
大学のサークル活動で疲れた俺『益田 拓人』はタクシーを使い帰ることにした。
「お客さんどこまでですか?」
「○○丁目までお願いします」
「はい」
運転手の返事と共にタクシーが勢いよく走り出した。
タクシーが走り出して数分後、俺は視線を感じた。
視線の先に目を向けると色白の髪の長い
二十歳ぐらいの女が運転手の隣の座席からこちらを振り向き覗いていた。
「あの、運転手さん」
「はい、なんでしょう?」
運転手は隣に誰かいる素振りを見せずに返事をする。
「この、タクシーって俺と運転手さんしか乗ってませんよね?」
「ハハハ、何言ってるんですか、私とお客さんだけですよ」
「そうですよね〜」
どうやら座席に座っている女は俺にしか見えてないらしい。
だが、俺は少しも怖くなかった。
何故なら昨日あるテレビ番組を見たからだ。
その番組はタクシーに乗った客(ターゲット)が、仕掛け人の助手席に座っている、幽霊に扮した人と運転手とグルになりお客さんを驚かさせる内容のドッキリ番組だった。
昨日見た番組と全く同じ状況。昨日見たテレビ番組の企画だろう。
確信を持った俺は、
『こういう番組は何人にもドッキリを仕掛けて、面白かったりするものをしか使わないんだよ〜』と言っていた友達の
言葉を思い出し、どのようにすればテレビに流してもらえるか考えた。
やはり、面白いリアクションなどをして、笑いを求めていった方がいいのか...
しかしお茶の間はあり溢れたリアクションはもう飽きて面白くないかもしれない。
「貴方、私が見えているんでしょ?」
助手席の女が悩んでいる俺に小声で呟いた。
まだ、どんな感じにいくか決まっていない俺は、脳をフル回転させ問いに答えた。
「見えてるよ...貴方の美しい姿がね」
脳をフル回転させてでた結論は『幽霊を口説いたら面白いんじゃね?』という結論だった。もちろん一度も女の子を口説いた事がない。
助手席の女の子をチラッと見ると、髪で目が隠れてよく分からないが少し照れているのが分かった。
いける!この考えは成功だった。
テレビにも出れるし、これを期に彼女ができるかもしれない。さすが俺!
自分で自分を褒めてると
「照れるからやめてよ」
助手席の女から意外な一言が聞こえた。
「えっ...ごめん」
思わぬ出来事に俺は謝ってしまう。
俺の謝罪を聞いて助手席の女はクスクス笑い出した。
「どうしたの?」
「こんな、しょうもない会話したの久しぶりだから」
助手席の女は続けて喋った
「私ね幽霊だから、居場所がないんだ...誰も気付いてくれないし...」
「でも、気付いてくれる人と会えて嬉しかったよ。」
「また、会いに来てね...」
座席の女は別れを寂しそうに話した。
「じゃあ、俺の家に住めばいいじゃん」
「いつでも、話せるしさ」
寂しそうな表情を見て自然に言葉が出てしまった。
「えっ、いいの?」
座席の女は少し驚きながら俺に聞き直す。
「ああ、いくらでも話し相手になってやるよ」
俺はニカッと笑い答えた後、俺はこれがテレビの企画だと思い出し、急に恥ずかしさで死にたくなった。
スタッフの皆さんは『何言ってんだこいつ...』みたいな感じでモニターを見てるのだろう。
死にたくなってると、タクシーが停まった。
「お客さん着きましたよ」
「はい、分かりました」
俺がドアを開けタクシーから降りると、座席の女も降りてきた。
「えっ?どうしたの?」
何故降りてきたか不思議に思い、問いかける
「えっ?住ませてくれるんでしょ?」
「お、おう」
「はやく行こーよ」
「いいけどさ、なんか長くない、タクシー降りて終わりじゃないの?」
「なに言ってるの?」
「すいませんースタッフさんー!」
「スタッフ?なにそれ」
「...」
どうやら、俺は盛大な勘違いをしていたらしい。テレビの企画でもなんでもない
く、座席の女は本当に幽霊だったのだ。
「あ...あの住む話なんだけど...」
「もしかして、ダメなんですか?」
座席の女は少し泣き顔になっていた。
『うっ』
女の子を泣き顔をみた俺は心がズキンと傷む。俺は女の涙には弱い。
「俺の部屋狭いけど大丈夫かな〜って」
「はい、大丈夫です!」
「じゃ...あ今日からよろしく...」
「はい!、私はアカネって言います。今日から、よろしくお願いします!」
こうして、僕と彼女(座席の女)とのルームシェアは始まったのだった。
どうも、小説は書くのはとても難しいですね。今回とても実感しました。頭では話は出来てるのに、文にしてみるととても難しいです。今回の話は頭の中で話が出来てから、文にするまで、一週間かかりました。
なので次の話まで間が空くかもしれませんが、よろしくお願いしますm(__)m
でわ!