東方白狐録√A【完結】   作:白狐さぐじ

14 / 48
第二話「聖徳太子」

 出掛けるとは言ったけど、行くところが思いつかない。

 確かこの辺りには『10人の話を()()()()()』事の出来る人物が居るって噂を聞いた。

 えーとっ確かここだったような…

 あった!ってこの屋敷大きいな。

 まあ、入るしかないか。

 

 

 

 (九尾)の姿で塀を歩くのは楽だな。

 ん、縁側に人が一人居る。

 おっと、私に気がついたな。

 

「……!?何処から入ってきおった!」

 

「えーと、塀かな」

 

「何者『あら、これはこれはお稲荷様じゃありませんか』青娥ですか」

 

「へー、あんた私の事知ってるんだ」

 

「いえ、稲荷様が神であることしか知りません」

 

「ふーん、じゃあ自己紹介するかな。私は近くにある稲荷大明神の神様、ミクラだよ」

 

「ミクラ様ですね。私は、霍 青娥。青娥とお呼びください」

 

「青娥ね、よろしく」

 

「ちょ、ちょっと待て二人とも!私を置いてくな」

 

「あら、神子様が話に付いて来ないのがいけないと思いますけれど…」

 

「う…。まあ良い、私は豊聡耳 神子じゃ!ミクラよろしくな」

 

「うん、よろしく」

 

「ふむ、稲荷大明神と言えば結構前からある社ではないか。何故そこの神様が此処に?」

 

「うーん、神子の噂を聞いたからかな」

 

「噂とは何じゃ。同時に多くの話を聞くことか?」

 

「そう、それそれ。それって本当なの?」

 

「まあ、聞くことは出来るが…」

 

と神子が話していると、遠くから狐の鳴く声が聴こえた。

 娘が『早く帰れ』と。

 

「話の途中だけど、ごめんね。そろそろ帰らないと娘に叱られるから」

 

 私は、耳と尻尾を出したままの人型になる。

 

「そうか、また会おう…と言いたいが……」

 

「ん?どうしたの」

 

「いや、………尸解仙になっている頃だろうと思って。ああ、仙人じゃよ。分かるだろ」

 

「そっか、仙人か……。分かってるけどいつかまた会えたら。じゃあね」

 

と私は言い、逃げるように此処を去った。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 あ、やっと帰ってきた。でも何か悲しそうな顔をしています。あれ?私に気づかないでって!

 

「お母様!?どうかしたんですか?」

 

「……え?あ、ごめんごめん、ただいま……」

 

 やっぱり何かいつもと違う。元気が無いというか何というか。前もこんなことあったような。

 確か此処に来たばかりだったよな?まあいいや。

 

「どうかしたんですかお母様?元気がないようですが…」

 

「……あ、いや、何でもないよ。さてと、早く晩御飯食べよ!」

 

やっぱり何か隠してる。今度この事は聞くとしましょう。

 

「待ってください、お母様」

 

ーーーーーーーーー

 

 やっぱり人間に会うと悲しく、苦しくなるのは治らないな。まさか、娘の前なのに気づかないで行こうとしていたとは…。いけないな考え事は。後は、私の()()を感付いてる事かな。娘には気付かれたくないと思っていたがこんなに早く…。そろそろかな、『私が()()()()()()()()()事』を話すのは。いや、まだ早いかな。

さて、寝ないと娘に叱られる。明日は何処に出掛けよう………

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。