出掛けるとは言ったけど、行くところが思いつかない。
確かこの辺りには『10人の話を
えーとっ確かここだったような…
あった!ってこの屋敷大きいな。
まあ、入るしかないか。
ん、縁側に人が一人居る。
おっと、私に気がついたな。
「……!?何処から入ってきおった!」
「えーと、塀かな」
「何者『あら、これはこれはお稲荷様じゃありませんか』青娥ですか」
「へー、あんた私の事知ってるんだ」
「いえ、稲荷様が神であることしか知りません」
「ふーん、じゃあ自己紹介するかな。私は近くにある稲荷大明神の神様、ミクラだよ」
「ミクラ様ですね。私は、霍 青娥。青娥とお呼びください」
「青娥ね、よろしく」
「ちょ、ちょっと待て二人とも!私を置いてくな」
「あら、神子様が話に付いて来ないのがいけないと思いますけれど…」
「う…。まあ良い、私は豊聡耳 神子じゃ!ミクラよろしくな」
「うん、よろしく」
「ふむ、稲荷大明神と言えば結構前からある社ではないか。何故そこの神様が此処に?」
「うーん、神子の噂を聞いたからかな」
「噂とは何じゃ。同時に多くの話を聞くことか?」
「そう、それそれ。それって本当なの?」
「まあ、聞くことは出来るが…」
と神子が話していると、遠くから狐の鳴く声が聴こえた。
娘が『早く帰れ』と。
「話の途中だけど、ごめんね。そろそろ帰らないと娘に叱られるから」
私は、耳と尻尾を出したままの人型になる。
「そうか、また会おう…と言いたいが……」
「ん?どうしたの」
「いや、………尸解仙になっている頃だろうと思って。ああ、仙人じゃよ。分かるだろ」
「そっか、仙人か……。分かってるけどいつかまた会えたら。じゃあね」
と私は言い、逃げるように此処を去った。
ーーーーーーーーー
あ、やっと帰ってきた。でも何か悲しそうな顔をしています。あれ?私に気づかないでって!
「お母様!?どうかしたんですか?」
「……え?あ、ごめんごめん、ただいま……」
やっぱり何かいつもと違う。元気が無いというか何というか。前もこんなことあったような。
確か此処に来たばかりだったよな?まあいいや。
「どうかしたんですかお母様?元気がないようですが…」
「……あ、いや、何でもないよ。さてと、早く晩御飯食べよ!」
やっぱり何か隠してる。今度この事は聞くとしましょう。
「待ってください、お母様」
ーーーーーーーーー
やっぱり人間に会うと悲しく、苦しくなるのは治らないな。まさか、娘の前なのに気づかないで行こうとしていたとは…。いけないな考え事は。後は、私の
さて、寝ないと娘に叱られる。明日は何処に出掛けよう………