東方白狐録√A【完結】   作:白狐さぐじ

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第十五話の遅れのお詫びとして、出来るだけ速く書いたつもりです。
今回は、前半が第十五話で登場した新オリキャラ「死清」の視点。
後半がミクラの視点となっています。
では、本編へ


第三章 出会いはいずれ過去になる
第一話「死清の昔とミクラの過去」


 朝の静けさなのか酒臭いからなのかわからないが何となく目が覚めた。

 最近は、常時人間の姿になることも可能になってきた。

 起き上がり布団を畳む。

 次に着物……いや巫女服に着替え、障子を開け廊下に出るとさっきよりも酒臭ささが増した。

 部屋を出て少し進んだ先、そこ軒下に家主とその娘が居たが娘の方、イズナは寝ていた。

 家主のミクラさんは、いまだに酒を飲み続けている。

 酔わないのだろうか?それほど顔は赤くなっていない、イズナは真っ赤だが…。

 そんな二人を眺めていた私に気づき、手招きしてきた。私は、イズナとは逆の方に座る。

 何時何処で手にいれたのか知らないが、不思議な酒器(しゅき)瓢箪。

 それは、酒が永遠とは言わないが見た目より多くの酒が出てくる。

 そのお酒を勧められたので今はそれを呑んでいる。

 何気にその酒は強く、すぐ酔い潰れそうだ。

 それをミクラさんは酔わずに、易々と呑んでいる。

 ちなみにミクラさんはこの家、伏見稲荷大社の主神らしい。

 イズナはミクラさんの娘さんで、今は人間の姿で私と同じ巫女をやっている。

 ミクラさんは色々謎に満ちている。

 歳は万を越えていたり、どういう経緯で神になったのか分からない、二つある能力の内の一つは話してもくれない。

 後は不老不死で死なないことだと。

 イズナは、不老は無く不死だけとか言ってた。

 なんでも、自分の能力の暴走で成ったとか…。

 

 

 

 

「…死清ってさ、いつの時代の人間だったの?」

 

「いつなんでしょうか。いくつか村が集まった都市があった時代と言えば分かりますか?たぶんミクラさんなら分かると思います。

その村の一つに私は住んでいました。私は村の中では何時も独り。両親が誰なのか、私が何者なのか今も分からないんです。

ある時、大雨が酷く近くの川が氾濫しそうになっていた年。

私は水神様に捧げる人身御供になり、洪水の川に落とされたのが最後でした。

気が付いたときには今の姿、今のように力も無く木の根が絡むほどでした。此処からは分かると思います」

 

「なるほどね。その都市に関しては、関係者側だから知ってるよ。じゃあ今、力が在るのは名前と種族を能えたお陰なのかな。

……イズナ、盗み聞きはいけないよ」

 

「……バレてました?酔いが冷めて起きたら何か話してたので…つい、聞き入っちゃって」

 

「さてと、二人とも巫女服着てるんだから巫女の仕事でもしないとね」

 

と、私は言い空間に逃げた。

 逃げたというより、これ以上昔の事は思い出したくなかったから。

 これ以上思い出すと、目の狂気が強くなってしまう。終いには目を何かで隠さなければいけなくなるかもしれない。

 狂気は恐ろしい。

 睨むだけで植物は枯れ、生物は瀕死の状態になるほど。

 イズナや、死清に迷惑をかけたくないし。

 ふと気がつくと狐が1匹隣に座っていた。

 頭を撫でながらまた、考え込む。

 ―この狐達はそろそろ尾が増える頃合いじゃないか。

 ―私が知らないところで、分社が増えていた事とか。

 狐は私の方を向き、嬉しそうに伸びをする。

 今日は良い天気になりそうだ。

 などと思っていると意識が朦朧としていきいつの間にか寝てしまった………

 

 

『なんだろう、思い出せない』

 

『周りは倒れかけたビル、道に散らばったガラス、何処からか聞こえる泣き声や悲鳴』

 

『私の手には()がべっとりと付いているが私のではない』

 

『なら、誰の?』

 

『なんだろう、地面が唸り暴れるのが見える』

 

『何処だろう此処は……』

 

 

 

 

 気がつくと夕方になっていた。横に居た狐は何処かへ行っていた。

 何か不思議な夢を視た。

 懐かしくもあり、悲しく、恐ろしかった夢を。

 思い出すのは止めにして、帰るかな。

 速く帰らないと叱られるから

 

 

 

 

 

 ちなみに怒られた。帰るのが遅いと

 




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