東方白狐録√A【完結】   作:白狐さぐじ

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ぐぇー……。今回は長くなりました。
約2日の間隔で書き続けるのはもう限界気味です。
今後は更新遅くなるかも……

さてさて、本編ですよ!


第四章 過去を今に…
第二十三話「喧嘩は仲直りの元」


私の神社には、分社が数えきれないほどある。

私が知らないうちに、人間やそこらの狐達が広めていったらしい。

しかし人間が広めたくせして、ろくに信仰をせずに潰れそうな分社もあったりする。

最近は、そのような分社に住み着いてる狐達を本社に連れて行き、建て直しの見込みのない分社は取り壊して廻っている。

 

 

さてと、次の分社はこの山を越えないと行けないし…。

一日で越えるのは難しそうだから、今夜はこの見晴らしの良いところで久し振りに月見酒でもしようかな。

やっぱり尻尾は、九本すべて出すより四本がちょうどいい。

ん?上の方が騒がしいと思ったら、鬼達が酒飲んで騒いでる。

「おい、そこの妖怪。その酒旨そうだな、飲ませろよ」

気づかないうちに鬼の一人が此方に来ていた。

「何であんたにやらないといけないの?」

 

「チッ。な~勇儀姐さん、そこの妖怪に『酒飲ませてくれ』って頼んだら断られちまったよ。無理矢理奪っていいか?」

 

随分な言い掛かりだな。

 

「あ?ちゃんと頼んだのか?ああ、もういい。私が頼む」

 

「なあ、そこの妖狐の嬢ちゃん、私達の子分にその酒ちょいと分けてくれねぇか?」

 

「何でさ、私が飲んでる酒をあんたらに分けないといけないの?」

 

「おい、勇儀姐さんになんて「お前は何も言わなくていい、下がってろ」……分かりました」

 

「言い方が優しすぎたな。私たちは力が自慢の鬼だぞ、その鬼がその酒を欲しいって言ってんだ。嫌なら嬢ちゃんを倒してでも奪い捕ってやるよ!」

 

「いいよ、倒せるのなら」

 

「本気で言ってるのか嬢ちゃん」

「どうかしたのさ勇儀、そんな大声あげちゃって」

「んあ?なんだ萃香か。いやな、そこの嬢ちゃんが私と戦ってもいいってな」

「ふーん、両者がいいんなら良いんじゃない?」

 

「おっしゃぁ!なら闘おうじゃないか。手加減はなしとしよう、判定はどちらかが動けなくなったらだ。それでいいか?」

 

「勿論良いよ」

 

「じゃあ萃香、開始の合図宜しくよ!」

 

 

「準備はいいね。はじめ!」

 

 

先に動いたのは勇儀。

殴りかかるもミクラは軽々と避けていく。

「そいやあ、あんた名前は?」

「ミクラだよ」

「そうか、ミクラか。なあミクラ避けてばかりじゃなくて反撃もしないとなぁ!」

喋りながらも、隙を突き殴る。

ミクラの頬に勇儀の拳がかすった。

しかし動じることなく、ミクラは勇儀の足を蹴る。

勇儀は、殴った反動と蹴られたせいでバランスを崩しそうになるも、反動ごと蹴り返す。

しゃがんで避けると真後ろにあった木が根こそぎ倒れた。

 

 

結構一回の殴る力が強い。

「グッ」

今も腹を殴られよろついてしまった。

でも今度はこっちの番。

拳に妖力を纏わせ、此方に来た拳と私の拳がぶつかり合う。

そこから爆風がうまれ、地面が少し抉れた。

「やっと反撃してくれたね。飽きちゃうところだったよ。力も意外と強いし楽しくなってきた!」

蹴りと殴り、避けるを繰り返していく。

私は数回殴られ、数回殴って蹴った。

「く~ぅ!なかなか倒れないねミクラ。まさかこれを使うはめになるとは思わなかったよ……。三歩必殺!」

勇儀はそう言うと、一歩目を踏み出した。

一歩のはずなのに私のすぐ近くまで来ていた。

 

次に二歩。

完全に私の目の前。

 

そして三歩。

足を踏みとどめ、物凄い勢いで殴りかかる。

速すぎて避ける暇さえなくそのまま突き飛ばされた。

 

『ドゴーーン!!』

何処まで飛ばされたか分からないが、崩れかけた岩に寄りかかっていた。

岩にぶつかり意識が一瞬飛びかけた。

此方に来る者は勇儀だろう。

心配しに来たのだろうか。

まあ、反撃しない(本気出さない)とな!

 

脚に力を込め崩れかけた岩を飛び立つ。

飛び立つと岩は地面と共に抉れた。

次に片腕に妖力を込める。

そのまま勇儀の上に落下するように、殴りかかる。

勇儀は、不意を突かれて防御の態勢で腕を前にだした。

私はその腕めがけて殴った。

 

『ーーーー』

 

凄い音と共に勇儀は、転がっていった。

 

 

言葉に出来ないほどの闘いだった。

勇儀も狐の妖怪も回りには目もくれず闘いに集中していた。

鬼の殴る力を受け止め平気でいるあの妖怪。

さっきも、勇儀が『三歩必殺』を使っても反撃していた。

今は審議をするにも砂煙がスゴく二人が見えない。

どちらも生きているのは分かっている。

やっとはれてきた。

しかし、私は目を疑った。

だって倒れていたのは………

 

 

 

勇儀が転がったことで砂煙が出ていた。

目を細め勇儀に近づく途中、脚に何かが当たった。

拾い上げるとそれは『腕』だった。

その腕をもったまま、勇儀の方へ向かう。

 

やっと砂煙がはれてきて

 

「ハッハッハッ、駄目だこりゃ。片腕もないし、動ける余裕もない、私の敗けだよ。ほら萃香、勝ったのはミクラさ」

 

「しょ、勝者はミクラ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「へー、ミクラって私達より歳上なんだ。その馬鹿力も生まれつきだなんて信じられないよ」

「しっかし、まさか本当に勝つとは思わなかったよ!強いなミクラは」

 

「鬼に強いって言われるのは良いことなのかな?」

 

「もちろんいいことだよな萃香」

 

「うん、もちろんだよ」

 

 

私が闘った鬼が『星熊勇儀』。

審議をしていたのが、この鬼達の頭領である「酒呑童子『伊吹萃香』」。回りの鬼どもは、観戦していた者達だ。

始めは、勇儀としたっぱの喧嘩かと思ったらしいが、此方まで被害来るようになると、その闘いを酒のつまみにして観戦してらしい。

そんなこんなで、そいつらから『ミクラの姉貴』と呼ばれるようになってしまった。

言われると何だか恥ずかしい。

ちなみに、勇義の腕は能力で治してあげといた。

無理に動かさない限り、折れることはない。

適当に話していると萃香が

「話をするときは出来れば目を見て話してほしいな~」

 

「ん?あ、そっか、前髪で見えなかったんだね」

私はそう言い、前髪をあげる。

すると目を完全に隠されている包帯が露になった。

更に包帯の上には封印するかのように御札が貼られていた。

 

「え!?そ、それって誰かに……」

 

「ううん、違うよ。自分から封印したの」

 

「でも、何で私達のこと見れるのさ」

 

「まあ、そういう能力を持っているから……かな?」

それ以上萃香は追求してこなかった。

 

その夜は酒で夜を明かした。

 

 

 

 

まだ日が上がったばかりの頃、私は勇儀や萃香、その他の鬼に別れを言い本当の目的のため歩きだした。

 




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