第二十七話「妖怪山」
此処等に来るのは初めてだ。
なんでも近くには、妖怪が取り仕切っている山があるとかなんとか…。
まあ、用があるのはその山なんだけどね。
最近は狂気が少し弱まって、片目だけ隠している。
◇───────────◇
お、此処かな?
「そこの者、この妖怪山に何の用だ!」
白い人型の狼によく分からないけど声をかけられた。
「え……、入るだけだけど」
「この山は天ぐ……鬼が取り仕切っている山だ!外部者は立ち去るがいい。立ち去らない場合は斬る!!」
刀を構え斬りかかっていた。
それを楽々と避け、逃げながら山に入った。
「なっ…、逃げるのか!?おい、待て!」
すると、周りからぞろぞろと他の者が出てきて一緒に追いかけてきた。
やはり狼の妖怪、走るのは速い速い。
尾を全て出し、少し全力を出して走った。
◇
ふと後ろを見ると、あの狼たちが小さく見えた。
しかし、上の方を見ると黒い翼を持った天狗が追いかけていた。
でも、追い付けないみたい。
山頂付近に大きな屋敷が見えた。
あれは、たぶん天魔ってやつの屋敷だ。
今回、用があるのは此処。
◇
はぁー、何処のどいつだ。
この山に珍しく侵入者が出たと思ったら、逃げ足が速いとか。
しかも、追い付けないとな。
はぁー…。
「おーい、天魔居る?」
「どうした、萃香殿」
また、めんどくさ…大変なのがきた。
「侵入者どうなったのさ」
「…………いのじゃ…」
「ん?」
「まだ捕まえれないのじゃ!」
「わわ!そんな怒鳴らなくても」
「す、すまん。しかし、萃香殿何故此処に?」
「いや、遠くから見た侵入者の見た目と妖力が懐かしく感じたから。もしかしたらと思ってさ」
嫌な予感が…。
何じゃ、目の前が歪んで?
『此処が天魔ってやつの屋敷?』
◇
能力を使って屋敷の中に入った。
そこにはデッカイ年取った天狗が一人と、見知った鬼が一人居た。
天狗は目を見開きまったまま動いていない。
見知った鬼は、自分の考えが当たってたかのような顔をしている。
まず最初に口を開いたのは、見知った鬼"萃香"だった……
◇───────────◇
萃香に事情を説明していると、やっと天魔の正気が戻った。
天魔にも説明し、妖怪山の出入りの許可をもらった。
そのあとは、久し振りに勇儀とも出会ったり、宴をしたり話したり…。
あと、話した覚えはないけど萃香が私が神様だって事を知っていた。
◇
無理矢理、天魔の屋敷に泊まらせてもらった。
天魔は途中まで断固拒否していたのに、急に承諾してくれた。
理由を聞いても何も答えてはくれなかった。
私は鬼じゃないので、無理矢理答えさせたりはしない。
真夜中、萃香が忍びこんできて
『今度さ、ミクラに会わせたい妖怪いるんだよね。最近は此処等に居るから会うかも知れないけど…。楽しみにしててね♪』
と、言って何処かに行ってしまった。
まあ、いいや。
明日は妖怪山に来たワケを解決しないといけない。
これが終わったら久し振りにイズナと死清に会いに帰ろうかな?
そうやって考えているうちにいつの間にか寝てしまった……
誤字・脱字等ご報告よろしくお願いいたします!