東方白狐録√A【完結】   作:白狐さぐじ

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第二十八話「大鷹」

翌朝、昨日はじめに会った白い狼に何故か謝られた。

『萃香様、勇儀様の友人とのお方にご無礼してしまい、すみません!』

と、言われた。

普通に接してほしいと言ったのだけど、敬語は直してくれなかった。

ちなみに白狼の彼女の名は、犬走 菖蒲(あやめ)

 

 

 

 

今日はこの山に来た理由を解決するため、目的地に向かっている。

場所が場所なので、途中から河童の河城 蛍に案内してもらっている。

妖怪山の奥地すぎて、誰も近寄らないし近寄ろうとも思わない場所。

不思議な結界があり、誰も入ることが出来ないと聞いた。

 

 

 

 

やっと目的地に着いた。

結界の周りは鬱蒼と木が繁り、結界の内側は歪んで良く見ることが出来ない。

他の者は結界に触れることしかできず、入ることはできない。

私はそのまま入ることができた。

 

「ちょっとそこで待ってて、すぐ戻るから」

 

「は、はい!わかりました」

 

 

 

 

結界内は太古の時代からまったく変わっていない。

やはり、私を祀る社があった。

()()私ではなく、()()私を祀っている。

しかし、その社の中から何者かの気配がする。

扉を開けながら奥に入っていく。

最後の扉を開けると、そこには大きな鷹がこちらを睨んでいた。

少し睨んでいたが、鷹から杖をついたお爺さん風の人型になった。

 

「ワシは、大鷹の妖獣じゃ。名はとくに無い。

お主は、ここの社の祀られていた神か?」

 

「まあ、大体は合ってるね。

この社の祭神だった者、今は違う神社の祭神。

私は宇迦之御魂神(ウカノミタマノカミ)。此処にはどれくらい居た?信仰してた人々は?」

 

「そうかそうか、ミクラ殿か…」

 

「?何処かで会ったことあるの?」

 

「いや、実際に会ったことはない。遠くから見たことしか…。

さて、質問に答えるとするかな。

 

人々がミクラ殿を信仰して少ししてから此処に来た。

人間達は、最後の老婆一人だけになってもお主を信仰していた。

老婆は、死ぬと供に結界を張って逝った。

ワシはそれきり此処から出ていない。

そんなところだ」

 

 

成る程ね。

此処に居た人たちは、月に付いて行かなかった人間。

私が御倉神から稲荷神になる間の期間、神力を保持してたのはそのためだったのか。

 

「情報をありがとう。ところで名を欲しくない?」

 

「それは『付いてこい』ということか?」

 

「そういうこと♪」

 

「まあ、いいがな。行く宛も無い、する事も無いからな」

 

「じゃあ、あんたの名前は……」

 

 

 

◇菖蒲side

 

 

待っていた時間は其ほど掛からなかった。

結界が消えると供にミクラさんは出てきた。

何か天魔様に用事が出来たみたいなので、天魔様の屋敷に案内してから帰宅した。

ミクラさんはなんとも不思議なお方だ。

天魔様や萃香様とは違い、全く地位を気にしていない。

それよりも「高い地位に居たくない」、そんな感じだった。

腹の子供に気付いてたのか、早く帰してもらった。

 

 

 




誤字・脱字等ご報告よろしくお願いいたします!

今回出てきた古代の大鷹は、古代大鷹全長約3m、羽の長さが約6mほどある設定です。
ミクラの身長は110cm位です。
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