翌朝、昨日はじめに会った白い狼に何故か謝られた。
『萃香様、勇儀様の友人とのお方にご無礼してしまい、すみません!』
と、言われた。
普通に接してほしいと言ったのだけど、敬語は直してくれなかった。
ちなみに白狼の彼女の名は、犬走
◇
今日はこの山に来た理由を解決するため、目的地に向かっている。
場所が場所なので、途中から河童の河城 蛍に案内してもらっている。
妖怪山の奥地すぎて、誰も近寄らないし近寄ろうとも思わない場所。
不思議な結界があり、誰も入ることが出来ないと聞いた。
◇
やっと目的地に着いた。
結界の周りは鬱蒼と木が繁り、結界の内側は歪んで良く見ることが出来ない。
他の者は結界に触れることしかできず、入ることはできない。
私はそのまま入ることができた。
「ちょっとそこで待ってて、すぐ戻るから」
「は、はい!わかりました」
◇
結界内は太古の時代からまったく変わっていない。
やはり、私を祀る社があった。
しかし、その社の中から何者かの気配がする。
扉を開けながら奥に入っていく。
最後の扉を開けると、そこには大きな鷹がこちらを睨んでいた。
少し睨んでいたが、鷹から杖をついたお爺さん風の人型になった。
「ワシは、大鷹の妖獣じゃ。名はとくに無い。
お主は、ここの社の祀られていた神か?」
「まあ、大体は合ってるね。
この社の祭神だった者、今は違う神社の祭神。
私は
「そうかそうか、ミクラ殿か…」
「?何処かで会ったことあるの?」
「いや、実際に会ったことはない。遠くから見たことしか…。
さて、質問に答えるとするかな。
人々がミクラ殿を信仰して少ししてから此処に来た。
人間達は、最後の老婆一人だけになってもお主を信仰していた。
老婆は、死ぬと供に結界を張って逝った。
ワシはそれきり此処から出ていない。
そんなところだ」
成る程ね。
此処に居た人たちは、月に付いて行かなかった人間。
私が御倉神から稲荷神になる間の期間、神力を保持してたのはそのためだったのか。
「情報をありがとう。ところで名を欲しくない?」
「それは『付いてこい』ということか?」
「そういうこと♪」
「まあ、いいがな。行く宛も無い、する事も無いからな」
「じゃあ、あんたの名前は……」
◇菖蒲side
待っていた時間は其ほど掛からなかった。
結界が消えると供にミクラさんは出てきた。
何か天魔様に用事が出来たみたいなので、天魔様の屋敷に案内してから帰宅した。
ミクラさんはなんとも不思議なお方だ。
天魔様や萃香様とは違い、全く地位を気にしていない。
それよりも「高い地位に居たくない」、そんな感じだった。
腹の子供に気付いてたのか、早く帰してもらった。
誤字・脱字等ご報告よろしくお願いいたします!
今回出てきた古代の大鷹は、古代大鷹全長約3m、羽の長さが約6mほどある設定です。
ミクラの身長は110cm位です。