ちゃんと生きています!
「ん~?誰だいアンタ」
のそのそ動きながら、そう彼女は言った。
「…………」
何も喋らない。
無口な者は4本の尻尾と頭の餓えに耳を生やしていた。
妖狐であるが、他の狐とは違っている。
耳の先や尻尾の先が火のような模様で出来ていた。
「何も喋らないなら食べちゃうよ」
涎を滴ながら言ってくる。
「……食べないで」
とても小さく弱々しい声だった。
「ようやく喋ってくれた。アンタ名前は?どうやって此処に?」
「……私は、
「主ってのはミクラの事か?」
首を傾げながらそう問う。
「…そう」
コクッと頷く。
「ふーん。じゃあ火月ちゃん、暇だから私の昔話を聞いてほしいな」
「…昔話?」
「そう、昔話。私が生まれて200年頃の話だよ」
懐かしそうに、悲しそうに、少し怒りが混ざっていて、最後に後悔
◆
そうだね、あれは私が産まれてから200年、ミクラが500歳の時だね。
私はいつも通り村を荒らし回り、人間を喰って過ごしていた。
その日も村を襲うため、その村に向かっている途中だった。
その途中で4本の尾を持つ白い狐に出会った。
それがミクラとの出会い。
ミクラは私を睨み付けた。
私はミクラを叩きつけて、退かしてから、そのまま村に向かおうと考えていた。
けれども、そんな考えは無理だった。
動こうにも体が動かなかった。
私は
次の瞬間、私は宙に浮いていた。
植物の蔓で手足を縛られていたのだ。
ミクラが何をしたのか、何故動けないのか未だに分からない。
少しして私は目が覚めた。
私はいつの間にか寝ていたのだ。
立ち上がり、私を倒した張本人を探すと……居眠りをしていた。
不意討ちで倒す気を起きなかったよ。
ミクラは起きてから、「許す」と言ってどっかに行っちゃったのさ。
◆
「これが私の昔話さ」
「それだけなの?」
「ん?分かるのか。まだ、話は終わっていないさ」
◇
それから私とミクラは仲良くなったのさ。
ミクラは暇なときは私の所に、こっそりと来て話していた。
「また今度も話そう」って最後は約束して別れてた。
でも、そんなことは続かなかった。
私は、人間の悪知恵で封印されてしまった。
その封印ってのは、厄介だった。
土地に縛り付け、空間に閉じ込める封印。
そんなの封印は、鬼の力で破壊することも破ることも出来なかった。
たぶん、「ミクラはもう来ないだろう」って思ったさ。
でも、そんなことはなかった。
突然、目の前が歪んだと思ったらミクラが現れたからビックリしたさ。
ミクラは、私を閉じ込めている封印を解こうとしてくれた。
でも、解けなかった。
◇
「たぶん、今でも解こうと思っているさ。私が此処に居る理由はこんなところかな」
頭をポリポリ掻きながら言った。
「……そう…だったんですね。………!」
突然、火月の尻尾が揺れる。
「ん?どうかしたのか?」
「主が…呼んでる」
「そうか。また此処に来れたら何か話してやるよ。じゃあな」
(コクッ)
あの時とは逆で、火月は歪んでいき、気がつくともう居なくなっていた。
誤字・脱字等ご報告よろしくお願いいたします
諸事情により更新がとても遅くなってしまいました。
すみません!
やはり今後は月1、2回投稿になるでしょう。
書けるときに書いていますが、なかなか進まないのが現実。
出来るだけ早く投稿していきたいと思っています。
ご了承ください。