東方白狐録√A【完結】   作:白狐さぐじ

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失踪はしてません。
ちゃんと生きています!





第三十五・五話「太古の封印、火の狐」

 

 

「ん~?誰だいアンタ」

のそのそ動きながら、そう彼女は言った。

「…………」

何も喋らない。

無口な者は4本の尻尾と頭の餓えに耳を生やしていた。

妖狐であるが、他の狐とは違っている。

耳の先や尻尾の先が火のような模様で出来ていた。

 

「何も喋らないなら食べちゃうよ」

 

涎を滴ながら言ってくる。

 

「……食べないで」

 

とても小さく弱々しい声だった。

 

「ようやく喋ってくれた。アンタ名前は?どうやって此処に?」

 

「……私は、火月(ひづき)って呼ばれてる。主が此処に連れてきた」

 

「主ってのはミクラの事か?」

 

首を傾げながらそう問う。

 

「…そう」

 

コクッと頷く。

 

「ふーん。じゃあ火月ちゃん、暇だから私の昔話を聞いてほしいな」

 

「…昔話?」

 

「そう、昔話。私が生まれて200年頃の話だよ」

 

懐かしそうに、悲しそうに、少し怒りが混ざっていて、最後に後悔

 

 

 

 そうだね、あれは私が産まれてから200年、ミクラが500歳の時だね。

私はいつも通り村を荒らし回り、人間を喰って過ごしていた。

 その日も村を襲うため、その村に向かっている途中だった。

 その途中で4本の尾を持つ白い狐に出会った。

それがミクラとの出会い。

 

 ミクラは私を睨み付けた。

私はミクラを叩きつけて、退かしてから、そのまま村に向かおうと考えていた。

 けれども、そんな考えは無理だった。

 動こうにも体が動かなかった。

 私は彼女(ミクラ)の目に囚われたのだ。

 次の瞬間、私は宙に浮いていた。

 植物の蔓で手足を縛られていたのだ。

 ミクラが何をしたのか、何故動けないのか未だに分からない。

 

 少しして私は目が覚めた。

 私はいつの間にか寝ていたのだ。

 立ち上がり、私を倒した張本人を探すと……居眠りをしていた。

 不意討ちで倒す気を起きなかったよ。

 

 ミクラは起きてから、「許す」と言ってどっかに行っちゃったのさ。

 

 

「これが私の昔話さ」

 

「それだけなの?」

 

「ん?分かるのか。まだ、話は終わっていないさ」

 

 

 それから私とミクラは仲良くなったのさ。

 ミクラは暇なときは私の所に、こっそりと来て話していた。

 「また今度も話そう」って最後は約束して別れてた。

 

 でも、そんなことは続かなかった。

 

 

 私は、人間の悪知恵で封印されてしまった。

 その封印ってのは、厄介だった。

 土地に縛り付け、空間に閉じ込める封印。

 そんなの封印は、鬼の力で破壊することも破ることも出来なかった。

 

 たぶん、「ミクラはもう来ないだろう」って思ったさ。

 でも、そんなことはなかった。

 突然、目の前が歪んだと思ったらミクラが現れたからビックリしたさ。

 

 ミクラは、私を閉じ込めている封印を解こうとしてくれた。

 でも、解けなかった。

 

 

 「たぶん、今でも解こうと思っているさ。私が此処に居る理由はこんなところかな」

 

頭をポリポリ掻きながら言った。

 

「……そう…だったんですね。………!」

 

突然、火月の尻尾が揺れる。

 

「ん?どうかしたのか?」

 

「主が…呼んでる」

 

「そうか。また此処に来れたら何か話してやるよ。じゃあな」

 

(コクッ)

 

 

あの時とは逆で、火月は歪んでいき、気がつくともう居なくなっていた。

 




誤字・脱字等ご報告よろしくお願いいたします
















諸事情により更新がとても遅くなってしまいました。
すみません!
やはり今後は月1、2回投稿になるでしょう。
書けるときに書いていますが、なかなか進まないのが現実。
出来るだけ早く投稿していきたいと思っています。
ご了承ください。
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