第一話「佐渡の國」
久しぶりに店に顔を出したら、頼み事をされた。
ケンゾクにしようと思ったら、交換条件だ。
佐渡と言う所に居る、妖怪狸の総大将『二ツ岩』に会ってほしいそうだ。
総大将とは、妖怪の中でも力のある者の事を『大妖怪』と言い、その大妖怪の中で力のある者を言う。
もちろん総大将と言うからに、他の妖怪を引き連れている。
私は大妖怪に当たるが、総大将ではない………はず!
◇
佐渡は島國のなので、船を使わないと行くことが出来ない。
私の能力を使って行っても良いが、それは何となく面白くない。
船に乗るには人や、獣の姿に化けないといけない。
はじめは老婆や法師に化けようかと思ったが、
◇
「なあ、親父。あの少女って…」
「ああ、あれか。あれは人じゃなさそうだな」
「じゃあ、やっぱり狸かな」
「さあな…。さて、そろそろ着くぞ!お前ら準備しろ!」
◇
やっぱり、船の人達に不思議がられてる。
聞き耳を立てて聞いた中に狸の単語が出たのは驚いた。
他の者が来ることがあるのかと、それはそれで驚いた。
そろそろ島に着くらしく、船の関係者が騒がしく動いていた。
◇
「親父、やっぱりあれって狸かなぁ?」
「俺はありゃぁ、狐と見た。狸には見えん!………可愛いしな」
真っ白の長い髪に、真っ赤な目が特徴の少女が船から降りようと近づいて来た。
「おっと、お嬢ちゃん。乗ってきたなら駄賃を頂戴な」
少女は気づき、何処からか取り出した瓢箪を渡してきた。
それを受け取り、揺らして中身を確認する。
すると、「ちゃぷちゃぷ」と音がするからに液体が入っているのは確かだ。
栓を取り匂いを嗅ぐ。
「これは…酒か」
「……その瓢箪の名は、酒器瓢箪。永遠に酒が湧く瓢箪だよ。大切にしな」
少女は、そう言い去っていった。
「息子よ、そりゃあ何だ」
「瓢箪だよ、酒の入った。なんでも、『永遠に酒が湧く瓢箪』だとよ。やっぱりあの少女は狸かな?」
「永遠に湧く瓢箪だと!?……いや、まさかな」
「どうしたんだ親父?」
「俺の単なる予測だが、あの少女は稲荷の狐かもしれない。噂話で、そんな瓢箪の話を聞いたことがある。もしかすると、そうかもしれない」
◇
狐ってバレたかも…。
まあ、バレる覚悟で渡したから良いけど。
それにしても、やっぱり村だよね。
船が来たから賑わっているのか、何時もこんななのか。
この姿のまま、森に入ることにする。
狐に成ってもいいし人型でもいいけど、人間として行くことにする。
◇
油断した…。
結構深い森だった。
そして、自分が何処に居るのか分からなくなった。
地元の者に聞けばよかった。
後悔しても無駄なことは承知してる。
まるで化かされた化のように、同じ場所を行ったり来たりしているかのようだ。
狐が狸に化かされるのは可笑しな話だが…。
ふと、見えた
近づくにつれ、獣の気配もする。
奥には洞窟が見えた。
その開けた場所に狸が数匹確認出来た。
だが、お目当ての狸は見当たらなかった。
仕方ないので、他の場所を探すことにした。
薬草が生えている所を見つけた。
そして、そこに居たのは神力と妖力を持つ狸だった。
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