少女ーー西住みほは基本はポンコツだ。勉強は微妙だし、運動もイマイチだ。だがしかし、戦車道に置いては天才だった。
戦車道ーーそれは世界中で行われている伝統的な文化であり、礼節のある、淑やかで慎ましい凛々しい婦女子を育成することを目的とした武芸だ。茶道、華道、戦車道と並び称される。
そのなかで西住流といわれる流派
戦車道の数ある流派の中でもっとも伝統のあるといわれる流派
撃てば必中、守りは堅く、進む姿は乱れなし
この鉄の掟のもと日本戦車道の頂点に君臨するこの流派の家元の次女として彼女が戦車道を始めるのは必然のことだった。その才能は幼いころから片鱗を見せていた。
中学の時にすでに国際強化選手に選ばれ日本代表候補に入った。結局国際大会には年齢制限で出られなかったが、その時の監督は
「彼女が代表入りしていたら間違いなく優勝できるでしょう。本当に残念です。」
とコメントし、メディアの話題となった。
それほどまでの才能なのだ。
だからーー周りからの期待も物凄く大きい
西住みほは現在自分の母である西住しほと仲がそれほど良くはない。
「聞いているのですか!?みほ!?返事をしなさい。」
理由は単純だ。主義主張の違いだ。
「なんであの時フラッグ車を放棄してまであの車両を助けたのですか!?」
第62回戦車道高校生全国大会
みほのいる黒森峰女学院は西住流の下で指導が行われている超名門な強豪校で十連覇がかかった大事な一戦だった。
隊長に西住みほ、副隊長に姉である西住まほ
過去最高の布陣で望んだ
しかし、結果は敗北。理由は簡単、隊長である西住みほが試合途中に濁流に飲まれて沈みかけている味方を救助しようとしたのだ。その結果、指揮系統が麻痺し、プラウダ高校に王座を譲り渡したのだ。
戦車の浸水に対する耐久性はいまだにハッキリとしていない。
救助が遅れれば普通に死者がでる可能性もあるのだ。
しかし、周りはその事には目をつむっていた。都合の悪い所から目を背けていた。
だから、彼女に非難が殺到した。彼女がやろうとした人道的な事は何も評価されなかった。
そんな状況に彼女は絶望したのだ。
「お母さん、私は仲間を見捨てでも勝とうとは思いません。あの時は乗っていた人達には命の危険が有りました。見過ごす事は出来ませんでした。」
「そう言って逃げるつもりですか?逃げるような戦車道を教えたつもりはありません。」
いくら話しても意見は平行線。彼女の意見を聞こうとしなかった。
「仲間を犠牲にして勝つくらいなら私はーー」
だから、彼女は決断したのだ。
「ーー戦車道を辞めます。」
この言葉を聞いた時に西住しほはポカンと言った表情で何を言てるか分からないーーそんな表情を見せるなか彼女は続ける
「お母さん、あなたの言う戦車道は間違っている。もし、命の危険がある仲間がいるのなら助けるべきだと思う。そんな当たり前の事すら否定するのなら、そんな戦車道、やっている価値がない。見捨てる事と逃げる事は違う。みんなが笑顔で勝てないような勝ちに意味なんてない。」
こうして彼女は戦車道を辞めた。この時彼女はもう二度と戦車に乗る事はないだろうと思っていた。
しかし、運命というものは意外としっかりとしているもので彼女はすぐに戦車道に戻ってくることになる
物語は彼女が大洗女子学園に転校した所から始まる。
気が向いたらチマチマ投稿する予定