異物(イレギュラー)の少年   作:堕ちた人間

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説明長くなってしまい申し訳ありません。しかし、どうしても話しておきたかったんです。


級友の疑念

【教室《ホームルーム》】

先程上位成績者《トップランカー》を圧倒して見せた十六夜葉花教室にて吊るしあげを受けていた。

 

「あんたいい加減白状しなさいよ。さっきのは一体何なの。」

 

彼を問い詰めている少女は名前をシェスカ・神埼という。この少女は日本人と中国人のハーフと、ポーランド人とオランダ人とのハーフの間に生まれた子供である。何故そんなに色々な国の血が混ざっているかというと、異能師資質の発現条件に由来する。異能師の資質の発現自体はは完全な先天性資質、所轄言うところの天運で血筋などは一切関係していないが、いざ発現してみると、両親やその祖父に優秀な異能師資質があったのかと、なかったのかでは大きく差が出てしまうものなのだ。よって国際的に異能師の血を濃くしようと、異能師同士の国際結婚が盛んになっているのである。よって今ではこの異能科高校に入れる程の異能師資質が有る人間の中では純血の人間のほうが珍しいのである。実際、この学年は総数150人の生徒がいるがその中で純粋な日本人の血を持っている人間は13人、1割弱しかいないそういう背景もあってか異能科高校には三大宗教である仏教・キリスト教・イスラム教は勿論のこと、ヒンデュー教やユダヤ教等の少数宗教の宗教施設まで存在している。

 

「一体何なのと言われても、どう答えたらいいか迷…、わからないんだけど。」彼はこのようにさっきからはぐらかし続けているのだ。

 

「あんたねえ……。」

 

シェスカが怒りを爆発させようとしたところで割り込みが入ってきた。

 

「シェスカそれ位にしておけ。」

 

割り込みをかけてきたのは上位ランカーが1人、クルス・ケイム・鴻巣だった。因みに彼は先程の演習会には出ていない。何故なら彼は技術部の異能工学科の人間だからだ。異能科高校には大きく分けて三つの学部が在る。一つめは実務部、二つ目は技術部、そして最後に特殊部となる。実務部は実際に異能師として前線で働く為の技術をを学ぶ部である。そして技術部とは異能師が異能力を行使する際に用いる異能力行使時負担軽減補助具《テスタメント》を始めとする異能師が用いる器具の制作・修理技術を学んだり、新しい異能力の開発等の異能力に関する研究に関する技術、つまり前線の異能師を支援するバックアップ技術を学ぶ学部である。最後の特殊部であるが、この学部は一様に語ることはできない。その理由を話すにはまず、この学部の成り立ちからはなそう。まず、異能科高校が設立した当初は学部は実務部と技術部の二つしかしか存在しなかったのだ。しかし、その後既存の学部では取り扱いの難しい生徒が現れた。それはあまりにも特殊な異能力を先天的に或は稀にだが後天的に取得していたり、もしくは単に力が強すぎて自分でも扱いきれなかったりと、そういう規格外な生徒を受け入れるために新設されたのが特殊部という訳だ。であるからして、特殊部には定員というものは存在しない。今言ったような常識外な生徒が現れたら入部するのだから、そういう生徒が現れなかったので入部者が0人だったという年もあったくらいだ。さっき言った150人という数も特殊部に所属する生徒を数えなかった値だ。そして、先程の演習会に参加した人間は実務部の戦闘技術科の人間だけなのだから、技術科の、異能師装備の工学技術について学ぶ異能工学科に所属する彼は完全にお門違いということだ。ではなぜそんな所属する学科はおろか、学部まで違う人間同士が同じ教室《ホームルーム》に所属しているのかというと、それは異能科高校の仕組みに関係してくる。そもそも、実務部と技術部の実習は相互提携をとることを前提にカリキュラムが組まれている。例えば鴻巣の所属する異能工学科にしても、現場の人間に試使用《テスト》してもらい、不具合が無いかということを確かめながら作成することを前提にカリキュラムが組まれている。そして、戦闘技術科の人間も普段使う学校支給の用具の調整《チューニング》や修理《スペアニング》をやってもらう必要がありそういうのを今言った異能工学科にやってもらうのである。こういう場合知り合いに頼むのが通例となっているため、知り合いを作り易くするために全部の学部・学科の生徒を均等に組分けしているというわけだ。

 

「なんでよ、毎回赤点ギリギリのこいつがあのお嬢様に勝つなんておかしいじゃない。」

 

「お前忘れたのか?。固有異能《オリジナル》のこともあるから人に無闇に異能力のことを聞くのは、マナー違反以前にルール違反だろ。校則にだって【やむをえない場合を除いて異能力に関する詮索は控えること】、とあるじゃないか。」

 

「でも、やっぱり得心がいかないわ。」

 

「同じことを二度も言わせるな。第一勝手に無断で異能師の技能の調べることは一応軽犯罪ってことになってるんだから、そこまでしないとしても最低限のルールぐらい弁えとけ。」

 

「……わかったわよ。」

 

鴻巣が少し重みを聞かせて言うと、神埼もやりすぎたという自覚があったようで俯きながら頷いた。

 

「それじゃ俺は個別実習があるからこれで」十六夜はこれを好機と見なしたらしく特別実習室にむかっていった。

 




今回は前回より短くなってしまいましたが、どうでしたか。ご意見・ご感想ありましたらどしどしお願いします。
【補足説明】

・固有異能《オリジナル》…一般的に全く、或は殆ど技術体系化がなされていない、極一部の人間しか使用できない異能力の通称
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