日が昇り辺りを明るく照らす。砂浜の葉っぱで作ったシェルターの中で眠る二人の頬に朝日が差した。
「ん・・・ふわ・・・暁さん、朝みたいですよ。」
「んん・・・んむ・・・」
二人は森の小川まで歩き顔を洗う、海に近いからか小川の水はちょっとしょっぱい。
「ふぅ・・・すっきりした。大和さん?」
「ええ、大和も・・・?」
「どうしたの?」
「パクチーさんは・・・どこでしょう?」
「そういえば・・・どこ行ったのかしら。」
パクチーがいない。あの巨体からか目に入らないということ自体がかなり珍しいことだった。そもそも暁を大層気に入っておりパクチーから離れることなどこれが初めてだった。
「おかしいわね・・・ッ!?」
「暁さん!!!」
二人が海を向くとじわりじわりと赤い侵食海が拡がりはじめ、空を暗雲が立ち込めている。
「パクチー!!!!どこなの!!!パクチー!!」
「パクチーさん!!!どこですか!!!」
すると砂浜から少し沖で水柱が上がり巨大な影が浮かび上がる。その姿はドス黒いオーラを纏い煌々と眼を光らせる・・・パクチーの姿があった。
「おおォオオぉおおオォオオオ!!!!!!!」
「パクチーーーーーッ!!!!」
「暁さん避けてッ!!!」
大和が暁を掴んで振りかぶった。次の瞬間衝撃波が砂浜を吹き飛ばし下の岩盤を露にした。
「大和さん!!!!!」
「げほっ・・・・大丈夫です!!直撃はしてません!!」
直撃はしていないと豪語する大和だったが艤装の半分が焼け焦げ使い物にならなくなっている。
「パクチー・・・なんで・・・」
「えあああアアアッッッ!!!!」
パクチーの艤装から伸びる砲身が暁に向く。次の瞬間発砲炎が辺りを巻き込み渦を巻いた。
「うぁあああああっ!!!」
爆風、衝撃波、瓦礫、あらゆるものが渦を巻き暁に襲いかかった。艤装はひしゃげ、魚雷が暴れ、砲身が捻じ切れていく。
「暁さん!!!パクチーさん!!あなたは!!!」
大和の46サンチ砲が火を吹きパクチーに命中するも露ほどの損害も与えられていない。そして次の瞬間その巨体からは到底想定出来ない速度で接近を許し、巨腕が振り上げられる。
「ごめんね・・・」
「!?」
巨腕が振り下ろされ、大和の立っていた岩盤ごと吹き飛ばす。
「がぁっ!?げほ・・・」
大和は地面へ何度も叩きつけられながら転がっていく。ちょうど辿り着いた先は満身創痍で倒れる暁がいた。
「・・・ぐぅ・・・暁・・・さん・・・」
パクチーが浜へと乗り上げると巨腕を振るいながら迫ってくる。
「・・・二人は・・・」
「う・・・」
「さよう、なら」
パクチーの拳が振り下ろされる、それが大和が見た最後の光景だった。